【体験談】妊娠初期の頻尿の原因と対処法とは?胎児への影響はある?|産婦人科医監修
妊娠初期はいろいろな体調の変化を感じる時期です。そのなかでも頻尿は多くの妊婦さんが経験するのではないでしょうか。ここではアンケート調査と先輩ママの体験談を交えながら、妊娠初期の頻尿の症状と原因、対処方法、そして胎児への影響があるかどうかについて解説します。妊娠初期の頻尿は生理現象なので安心してくださいね。
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目次
妊娠初期に頻尿になったのは50%以上
妊娠初期の頻尿とは
妊娠初期の身体にはさまざまなマイナートラブルが生じますが、「頻尿」もそのひとつです。
そもそも頻尿とは「尿が近い」「尿の回数が多い」状態のことです。日本泌尿器科学会によると「朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上」を一般的に頻尿といいます。しかし、1日の排尿回数は個人差があるため、8回以下でも、自分自身が排尿回数が多いと感じる場合には頻尿だといえるでしょう。
アンケート「妊娠初期に頻尿になりましたか?」
ままのてユーザー130人にアンケートをとったところ、53.1%のママが妊娠初期に頻尿になったと自覚しています。頻尿は妊婦特有の症状のひとつですが、我慢することで膀胱炎になってしまったという妊婦さんも多いようです。
妊娠初期の頻尿の原因
妊娠初期の頻尿の主な原因は、子宮による膀胱の圧迫です。妊娠すると子宮が少しずつ大きくなり、子宮のすぐ前にある膀胱が圧迫されます。そのため、尿をためる容積が小さくなって尿が近くなってしまいます。
また、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という、妊娠を継続させる作用があり、妊娠中に分泌が増える女性ホルモンも頻尿を引き起こします。
プロゲステロンは、子宮などの生殖器や泌尿器の壁を作っている「平滑筋(へいかつきん)」という筋肉を弛緩させる働きがあります。プロゲステロンの作用によって、膀胱を閉じる「膀胱平滑筋」が緩むと、尿をすべて体外に押し出すのが難しくなるため、残尿感を感じやすくなります。
「妊娠初期はつわりがひどく、吐き気と尿意に同時に襲われ、トイレで苦しんだ経験があります。妊娠前は2~3時間はトイレに行かなくても平気だったのに、妊娠後は30分もしたらまた行きたくなるなど、急な身体の変化に驚きました。
妊娠後期は赤ちゃんの頭に圧迫されるためかさらに近くなりますので、初期のころからナプキンなどを準備しておくのは大切だと感じました。」
(らるりん/出産当時30代)
「妊娠すると本当にびっくりするほどトイレが近くなることを妊娠して初めて知りました。最初はただトイレが近くなったなとしか思いませんでしたが、お腹が大きくなるにつれてだんだんトイレが近くなり、まるで病気かと勘違いするくらいでした。
病院に相談するとそれはお腹で膀胱が圧迫されるからと聞かされ安心しました。」
(あゆ/出産当時20代)
妊娠初期の頻尿の期間は?
妊娠初期の頻尿はいつからいつまで続くのでしょうか。早ければ、妊娠超初期の妊娠3週ころに頻尿の症状が出始め、子宮の位置が少し上がって膀胱への圧迫が少なくなる妊娠中期に入るまで続くことが多いようです。一方、妊娠期間中、まったく頻尿がなかったという方もいますので、個人差があると言えます。
「妊娠8週あたりから12週あたりまでは日中はもちろん夜中に尿意をもよおして毎晩起きるので、この期間は早く寝てもすっきりしない寝起きでした。
また尿意を感じてお手洗いに行って用をたしても、イマイチ出切った感がない気がして、またすぐに尿意におそわれる。そんなひと月でしたが、12週過ぎたあたりから頻繁に行っていたトイレが、少しずついつもの間隔に近づいてきて、気付いたら夜中にトイレにも行かず、朝までぐっすり眠れるようになっていました。」
(omi/出産当時30代)
妊娠初期の頻尿の対処法は?
尿意を我慢しない
尿意を感じたら我慢せずにトイレに行きましょう。頻繁にトイレに行っても実際に出る尿の量が少ないとトイレに行くのを次第に我慢するようになってしまうかもしれません。しかし、我慢のしすぎは膀胱炎などの感染症を招く要因となる可能性があります。
膀胱炎の特徴は「残尿感」「排尿時痛」「尿に血が混じる」「尿が濁る」などがあげられます。尿の状態がおかしいと感じたら、早めに医師に相談することをおすすめします。
カフェインを控える
カフェインが含まれている飲料や食べ物は控えましょう。カフェインは利尿作用があるほか、血管を収縮させて流産や早産を引き起こしたり、胎児の発育に悪影響をおよぼしたりするとされています。
妊娠中はカフェインが含まれていない麦茶や白湯がおすすめです。ノンカフェイン飲料にはこの他、タンポポティーやハーブティーなどいろいろな種類があるので、自分にあった飲み物を見つけてみてはいかがでしょうか。
「私は仕事をしていたため、上司にあまり頻繁にトイレに行ってきますと言えずに我慢していました。しかし、結果として膀胱炎になってしまい、頻尿や残尿感に加え下腹部の痛みまであり大変な思いをした経験があります。妊娠初期の頻尿は自分自身のためにも我慢せずにトイレへ足を運んだ方が良いですよ。
また、カフェインなども利尿作用を引き起こすと聞いたことがあるので、なるべく控えた方が良いと思います。私は途中からでしたが、ノンカフェインを徹底し始めて少しずつ頻尿が楽になった気がします。」
(ぴよまる/出産当時20代)
就寝前には飲食しない
夜寝る前の飲食は、夜中のトイレの回数を増やしてしまう要因になります。できる限り就寝2時間前までに飲食を済ますように心がけましょう。
身体を冷やさない
身体は冷やさないようにしましょう。身体が冷えると頻尿の症状がひどくなるため、夏でもくるぶしまである靴下を履いたり、冷房を使用する際は高めの温度設定(28℃くらい)にしたりすることをおすすめします。
また、お風呂に入るときはシャワーではなく湯船に浸かると良いでしょう。湯船にゆっくり浸かることによって、ストレスを発散することもできますね。
妊娠初期の外出中の頻尿はどうする?
家にいるときは自由にいつでもトイレに行くことができますが、外出時はトイレが近くにない場合もあり、不安を感じますよね。精神的なストレスは頻尿の症状を悪化させてしまうので市販の尿漏れパッドを使ってみてはいかがでしょうか。今すぐにトイレに行かなくても大丈夫、というような安心感が得られるでしょう。
「妊娠3ヶ月で頻尿になりました。夜中のトイレに5~6回起きるようになってしまい、熟睡できませんでした。とにかくしょっちゅうトイレに立つので外出がおっくうになったのがつらかったです。お腹が冷えるとますます頻尿になるので、腹巻などをしてなるべくお腹を温めるようにしていました。」
(おのりこ/出産当時30代)
「おしっこの間隔が近くて車で2時間弱かけての出勤途中で何度もコンビニのトイレのお世話になりました。仕事中に我慢しすぎて膀胱炎になってしまいました。また、尿漏れもしていたので仕事中は尿漏れパッドのようなものを買ってつけるようにしていました。」
(めい/出産当時30代)
妊娠初期の頻尿の胎児への影響は?
妊娠初期の頻尿、残尿感は生理現象のため胎児への影響はほとんどありません。ただし、頻尿のために十分な睡眠が取れないと、母体に疲れがたまってしまいますので、頻尿を少しでも和らげるための対策をすると良いでしょう。
筆者の場合、妊娠初期から後期まで頻尿に悩まされる日々を過ごしました。ひどいときは常にトイレのことで頭がいっぱいになっていました。そんなときはとにかく尿意を感じたらすぐにトイレに行きました。今思えば初めての妊娠で少し神経質になっていたのかもしれません。
妊娠初期の頻尿は一時的なもの
頻尿はつらいですよね。しかし、妊娠初期の頻尿は自然なもので、妊娠中期にはおさまることが多いです。ただし、妊娠後期になると、胎児が骨盤腔内に下がってきて尿道を圧迫するため再び頻尿に悩まされるかもしれません。
妊娠中はどうしても身体の変化に対して不安な気持ちになったり敏感になったりしがちですが、できる限り心と身体をリラックスすることを心がけてみてくださいね。トイレに頻繁に行くのが面倒だったり、恥ずかしいと考えたりして、水分を摂らないのは母体と胎児に良くありませんので、こまめに適度な水分を摂るようにしましょう。