【産婦人科医監修】妊娠初期の肌荒れの原因と対策!肌荒れで胎児の性別がわかる?

妊娠すると女性の身体にはたくさんの変化が起こります。妊娠初期の肌荒れもそのひとつ。妊娠してから肌の調子が変わった、使っている化粧品があわなくなったと感じたら妊娠初期特有の肌荒れかもしれません。妊娠初期の肌荒れの原因や対策、肌荒れと赤ちゃんの性別の関係性についてお伝えします。

155563

本ページはプロモーションが含まれています

この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 妊娠初期とは?肌荒れがひどい?
  2. 妊娠初期の肌荒れの原因
  3. 妊娠初期の肌荒れの症状
  4. 妊娠初期でも肌荒れしない場合も?
  5. 妊娠初期の肌荒れで胎児の性別はわかる?
  6. 妊娠初期の肌荒れの対策
  7. 妊娠初期の肌荒れを気にしすぎないで
  8. あわせて読みたい

妊娠初期とは?肌荒れがひどい?

妊娠初期は妊娠0~15週までを指すことが多く、最近では妊娠13週までを妊娠初期と定義することもあるようです。最終月経の開始日を妊娠0週0日とし、生理が規則的に来ている人であれば妊娠2週頃に排卵が起こります。妊娠3週頃に受精卵が無事に着床すると妊娠が成立します。

妊娠0週から妊娠3週頃までを妊娠超初期と呼び、早い人だとそのころから身体にさまざまな変化が生じます。なかには妊娠超初期に肌荒れや乾燥を感じる人もいます。

妊娠初期はプロゲステロンという女性ホルモンの影響で、生理前の状態が常に続いているように感じられる時期です。肌荒れの他に、頭痛、腹痛、吐き気、全身の倦怠感を感じる人もいるでしょう。

では、妊娠初期の肌荒れはいつまで続くのでしょうか。症状には個人差がありますが、胎盤が完成し、つわりがおさまってくる妊娠12~16週前後に肌荒れも落ち着いてくるという人が多いようです。

妊娠初期の肌荒れの原因

ホルモンバランスの変化

妊娠初期はプロゲステロンという黄体ホルモンが多く分泌されます。黄体ホルモンは妊娠を継続させるためには欠かせないホルモンですが、ママにとってはむくみや腹痛、頭痛、肌荒れといったマイナートラブルの原因になることがあります。生理前にニキビやイライラを感じるときも、この黄体ホルモンが影響していると考えられています。

ホルモンバランスが変化することで、妊娠初期の肌の水分量は不安定になりがちです。乾燥肌か脂性肌のどちらかに偏ったり、ちょっとした刺激で赤みが出る敏感肌になったりすることがあります。

睡眠不足

妊娠初期は吐き気や嘔吐、頻尿などの症状から夜になかなか寝つけないことがあるかもしれません。こうした睡眠不足が肌荒れにつながっているケースがあります。

眠たいのに眠れない状態が続くと、身体だけでなく精神的にもつらいですよね。身体に無理のない範囲で軽いストレッチをしたり、温かい飲み物を片手にリラックスしたりする時間を作り、寝つきやすい環境を整えてみましょう。

不安・ストレス

妊娠初期はお腹に赤ちゃんがいる喜びを感じる反面、妊娠や出産に対する不安やプレッシャーを感じやすい時期でもあります。また、つわりの影響で体調の優れない日々が続き、妊娠前のような生活が送れないことにストレスを感じている妊婦さんもいるかもしれません。こうした妊娠に対する不安やストレスが、肌荒れの原因になることがあります。

つわり

吐き気や嘔吐といったつわりの症状があると、十分な食事や水分が取れないことから一時的に肌状態が悪くなることがあります。また、同じつわりでも食べ物の好みが変化し、特定の食べ物しか身体が受け付けなくなるケースもあります。こうした食生活の変化が、肌トラブルを引き起こす原因になってしまうのです。

妊娠初期の肌荒れの症状

ニキビ・吹き出もの

黄体ホルモンの分泌が盛んな妊娠初期に、ニキビ・吹き出物ができることがあります。黄体ホルモンは皮脂の分泌をうながす働きがあり、普段はニキビができない人でも、おでこやあごに突然ニキビができて驚く妊婦さんもいるようです。

乾燥・かゆみ

妊娠初期は子宮を赤ちゃんにとって居心地の良い場所にしようと、ママが身体に取り入れた栄養や水分が子宮に集められます。ビタミンやミネラルも、赤ちゃんの栄養素として優先的に送られるのでママの肌の水分量が減ってしまい、乾燥肌へと傾きがちです。

乾燥して肌が粉をふいてしまったり赤みがでたりすると同時に、我慢できないほどのかゆみをともなう人もいるようです。

顔以外の肌荒れ

乾燥や皮脂の過剰な分泌から、顔だけでなく背中や胸などにニキビができる場合があります。また、意外と気づきにくいのが頭皮の荒れ。毎日洗っているのに妊娠してから頭がかゆいときは、頭皮が敏感になっている可能性があります。シャンプーやリンスを低刺激のものに変えてみましょう。

妊娠初期でも肌荒れしない場合も?

妊娠初期の肌荒れは、ホルモンバランスの変化や環境、ストレスによって左右されます。そのため同じママでも、一人目を妊娠しているときは特に肌荒れをしなかったけれど、二人目妊娠時には肌トラブルに悩まされたという人もいるようです。

妊娠初期の肌荒れで胎児の性別はわかる?

「あごにニキビができたら男の子」「シミ・そばかすや体毛が濃くなると女の子」といった噂を聞いたことがあるかもしれません。妊娠中の肌荒れは、赤ちゃんの性別に関係しているのでしょうか。

残念ながら、こうした噂に科学的な根拠はありません。赤ちゃんの性別により肌荒れが現れる場所やシミ・そばかすの濃さが変わることはなく、偶然が重なり噂が広まったと考えられます。赤ちゃんの性別を少しでも早く知りたいと妊娠初期からソワソワしてしまうかもしれませんが、正確な性別はエコー検査の際に医師に聞いてみるようにしましょう。

妊娠初期の肌荒れの対策

妊娠初期の肌荒れの症状には個人差があります。一時的なものですぐに治る人もいれば、妊娠期間を通して肌トラブルに悩まされる人もいます。下記に紹介した中で、自分に合いそうな方法をいくつか試してみてくださいね。

スキンケア用品を変える

妊娠によるホルモンバランスの乱れから肌質が変わる場合があります。そのためそれまで使用していた化粧水や美容液といったスキンケア用品や化粧品が、肌に合わなくなることがあります。肌への負担を減らすために、敏感肌用のものや無添加・オーガニックの化粧品など、自分の肌にあったものに変えてみましょう。

加湿器を使用する

肌荒れに乾燥は大敵です。特に冬場は暖房器具の使用で空気が乾燥しやすいので、加湿器を使って湿度管理をしましょう。ちなみに冬場に流行するインフルエンザウイルスは、湿度が低い場所を好む傾向があります。肌の乾燥を防ぐだけでなく、インフルエンザウイルスの活動を抑えるためにも冬場の室内では湿度を50~60%、気温は20℃以上に保つようにしましょう。

睡眠を十分にとる

紫外線の刺激や日中の疲労によってダメージを受けた肌は、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」によって修復されます。妊娠初期の肌荒れを回復したい場合にも十分な睡眠時間をとることが必要です。成長ホルモンは寝入ってから3時間までに多く作られるといわれています。質の良い睡眠をとることができるよう、眠る直前にテレビやスマホの使用を控えたり、リラックス効果を得るために深呼吸したりしてみましょう。

ビタミン・ミネラルの摂取

ビタミン・ミネラルは肌の代謝を促してくれる働きがあるので、積極的に摂取したい栄養素です。特にビタミンCは、身体を酸化させたり肌にダメージを与えたりする活性酵素から守ってくれる働きがあります。野菜だとブロッコリーやパプリカ、水菜、果物だとキウイやいちごなどにビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは水溶性で身体にとどめておくことができない栄養素なので、毎日の食事で摂取したいものですね。

水分をしっかり取る

妊娠初期は吐き気や嘔吐といったつわりの影響で、身体の水分量が減ってしまっている妊婦さんが多くいます。肌荒れのためだけでなく、ママと赤ちゃんの健康維持のためにも水分はしっかり取るようにしましょう。水分すら身体が受け付けなくなってしまった場合は、治療が必要な妊娠悪阻(にんしんおそ)のケースがあります。この場合は、早めに病院を受診しましょう。

甘いもの・脂っこいものは控える

甘いものや脂っこいものの過剰摂取は、妊娠初期の肌荒れを悪化させてしまう要因のひとつといわれています。特に、空腹を感じると吐き気を感じる「食べつわり」の症状がある妊婦さんは、糖分・脂肪分の高い食べ物をついつい口に運んでしまっていることが多いかもしれません。甘いものと脂っこいものの過剰摂取は、肌荒れ以外に体重増加のリスクにも関わってきます。過剰摂取の傾向がある妊婦さんは、意識してカロリーの低いものや、たくさん噛むことが必要な食べ物を取るようにしましょう。

妊婦の栄養不足に注意!栄養指導の体験談&摂取量の目安・レシピアイデア

紫外線対策

シミ・そばかすだけでなく、しわの原因にもなるといわれている紫外線。季節を問わず、外出する際は紫外線対策を徹底しましょう。帽子や日傘で日よけをすることはもちろんですが、目から紫外線が入ることでも日焼けが起こるといわれています。サングラスの使用を検討してみましょう。日焼け止めを使用する場合は低刺激のものを選ぶと、日焼け止めによる肌荒れのリスクが減るのでおすすめですよ。

皮膚科医・産婦人科医に相談する

何をしても肌荒れがおさまらない、かゆみがひどいといった場合は皮膚科医・産婦人科医に相談しましょう。なかには肌トラブルで使用していた薬を妊娠してから、不安に感じて使うことをやめる妊婦さんもいるようです。自己判断で薬をやめると、肌状態が悪化する可能性があります。薬の使用に不安を感じたときも医師に相談するようにしましょう。皮膚科に行く場合は妊娠中であることを必ず伝えてくださいね。

妊娠初期の肌荒れを気にしすぎないで

ホルモンバランスの乱れによる妊娠初期の肌荒れは、たくさんの妊婦さんが経験することです。肌トラブルが普段ない人ほど悩んでしまうかもしれませんが、悩みすぎるとストレスがたまってしまい、なおさら肌荒れを悪化させてしまうことになりかねません。

ママの肌荒れは赤ちゃんに必要な水分が優先的に赤ちゃんに送られている証拠でもあります。「今はお肌がカサカサだけど、赤ちゃんに必要な水分や栄養が送られている時期なのだな」と前向きにとらえてみましょう。楽な気持ちで生活環境を整えたり、スキンケア用品を変えたりすることが大事なのかもしれませんね。

※この記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

あわせて読みたい

葉酸サプリおすすめ人気ランキング!妊活・妊娠中のポイントや口コミをご紹介
https://mamanoko.jp/articles/28265
妊娠中におすすめの飲み物・注意したい飲み物一覧!コンビニで買うなら?先輩ママのアンケートも紹介
https://mamanoko.jp/articles/16399
【妊娠12週】そろそろ「つわり」が落ち着く?つわりの終わりかたは?|産婦人科医監修
https://mamanoko.jp/articles/6264
【産婦人科医監修】「妊娠中のお腹の張り」大丈夫?赤ちゃんからの大事なサイン?
https://mamanoko.jp/articles/12096
妊娠初期の働き方で気をつけることは?仕事を休むときや辞めたいときは?|助産師監修
https://mamanoko.jp/articles/8129