【産婦人科医監修】「妊娠中のお腹の張り」大丈夫?赤ちゃんからの大事なサイン?
妊娠中に気をつけたいことのひとつが「お腹の張り」です。子宮が大きくなるにつれて、お腹の張りを感じることはありますが、危険性のある「お腹の張り」の場合もあります。我慢してしまいがちな妊娠中のお腹の張りは、赤ちゃんからの大事なサインかもしれません。ここでは、妊婦さんなら知っておきたいお腹の張りについて解説します。
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目次
「お腹の張り」とはどういう状態?いつから?
お腹の張りの感じ方は人それぞれ
筆者の場合は、お腹がキュッと絞られるような痛みを感じることがあり、張りを感じた際にお腹を触ると、いつもより硬くなっていました。
「皮膚が引っ張られているなと感じることが多かったです。ひどくなるとお腹がキューっと固くなるのが分かりました。固くなる場合は波があったので、固くなったと思ったらサーッと引いていく感じもわかりました」(nymnさん/26歳)
「お腹が張ると、私はお腹の皮膚がひっぱられているような感覚がありました。お腹が張っているときに触るととても硬くなっていました。歩いているときなどにキューっとひっぱられているような感覚があったときは、痛くてその場に座りこんでしまい、動けませんでした。さすっても触るだけで痛く、お腹の皮膚が裂けるかと思うくらいでした。お腹が張ってしまったときは深呼吸をして横になるなどして落ち着かせていました」(ゆーさん/25歳)
「赤ちゃんが入っている子宮が内側から膨らんでくるような感覚です。たとえると、お腹に風船が入っていて、その風船がムキムキムキと押しあげてくるような感じでした」(たまじろうさん/35歳)
妊娠中のお腹の張りの感じ方は、妊婦さんによってさまざまです。バスケットボールのようにパンパンにお腹が膨張しお腹がへこまないぐらい硬かった、ギュッとしぼられるような感覚があった、下腹部を引っ張られるような感じがした、などの意見がありました。
妊婦さんがお腹の張りを感じるタイミングも、人によって異なります。食後やお風呂に入っているとき、散歩中などにお腹の張りを感じる妊婦さんが多いようです。痛みを感じる程度やタイミングが異なるからこそ、自己判断するのは危険です。妊婦さん自身がお腹の張りが気になるようであれば、妊婦健診前でもかかりつけの病院に相談してくださいね。
お腹の張りをいつから感じるかは原因にもよる
妊婦さんがお腹の張りを感じる原因は、ひとつではありません。便秘でおならのガスがお腹にたまり、お腹の張りを感じることは妊娠していない人でもあることです。このため自分のお腹の張りをなかなか自覚できず、見過ごしてしまう妊婦さんも少なくないでしょう。
妊娠中にお腹の張りを感じる原因や感じ方によって、いつからいつまでお腹の張りを感じるかは異なります。便秘や下痢などが原因であれば、トイレに行った後に症状が緩和されることもあるかもしれませんね。
お腹の張りがわからない場合もある
お腹の張りがどのようなものなのかがわかりませんでした。妊娠後期になってから、少し息苦しいようなお腹の違和感があったのは覚えています。しかし痛いというよりも気になるという程度だったので、あまり意識しないようにしていました。いま考えると軽んじていたなと反省しています。
妊婦さんの中には、お腹の張りがわからない場合もあるようです。忙しい妊婦さんは、お腹が張っていることに気づかなかったり、張っている状態に慣れてしまったりということがあるかもしれません。妊娠中のお腹の張りをお腹の痛みと感じる妊婦さんもいるようです。
初めての妊娠で「妊婦健診でお腹が張っているかと毎回聞かれるけれど、どのような状態が張りなのかわからない」という人も少なくありません。初めての体験では基準がわからないのは当然ですね。人それぞれ度合いは異なりますが、妊娠中には大なり小なり「お腹が張る」可能性が高いようです。お腹が張る原因は何なのでしょうか。
お腹が張る原因とは
妊婦さんによってお腹の張りに対する感じ方がさまざまであるように、以下のように原因もさまざまです。「お腹の張り」は流産や早産の危険サインである可能性もあります。明らかにお腹が張る回数が多かったり、痛みが強かったりする場合には自己判断をせず、すぐにかかりつけの病院で先生に診てもらいましょう。
たくさん動いたときや疲れたとき
「トイレを我慢しているときにお腹が張りやすかったです。お腹が頻繁に張る状態が続き、病院に行ったら膀胱炎だったことが4~5回ありました。ほかには、起床時や椅子から立ち上がるときが気になり、長時間買い物などで動き回ると張りが強くなりました。膀胱炎以外の張りはしばらく横になると落ち着くことが多かったです」(nymnさん/26歳)
「階段の昇降時や、重たい荷物や上の子を抱っこやおんぶをしたりしなければならないときにお腹が張りました。第2子妊娠中に切迫早産になりかけ、安静にしなさいと言われました。第1子と第2子の歳の差が1歳9ヶ月だったため、上の子にまだまだ手がかかる時期の妊娠ということもあり、横になってゆっくりすることはあまりできませんでした。お腹が張ると赤ちゃんがあまり動かなかったような気がします」(nls.3mamoo24/30歳)
長時間立っていたり歩き回ったりしたときや同じ姿勢でいたときにお腹の張りを感じる人は少なくないようです。散歩などの運動をしたときだけでなく、日常的な家事を行ったときや疲れを感じているとき、ストレスを感じているときにもお腹が張る場合があるようです。
安定期からはどんどん動くように言われることが多いため、動き回ったり、疲れを見過ごしたりしてしまう場合があります。妊娠は病気ではないとはいえ、通常とは異なる身体であることを忘れずに、できるだけ身体や心に負担がかからないように過ごしたいですね。特に仕事をしている妊婦さんは無理をする傾向があるため、張りを我慢せずに周りの理解を得るようにしましょう。
便秘や下痢、おならのガスがお腹にたまっているとき
妊娠前から便秘になることが多かった人は、便秘のときにお腹が張ったり苦しくなったりした経験があるかもしれません。妊娠中も便秘や下痢、おならのガスがたまっていることが原因でお腹の張りを感じる場合があります。
その他
仰向けに寝ているとお腹の張りを感じるという妊婦さんもいます。横になっているときにお腹の張りを感じる場合、大きくなったお腹による圧迫感が原因かもしれません。パートナーとスキンシップをしたときやお風呂に入った後にお腹が張る人もいます。
妊娠初期のお腹の張り
妊娠0〜15週までを「妊娠初期」と呼びます。生理痛のような痛みや下腹部の違和感があり、胎児が大きく成長するに伴って子宮が大きくなるため、お腹の張りを感じる場合が多いようです。
あまり張りを感じない人もいますが、仕事などで立ちっぱなしの状態が続く場合などにはお腹の張りを強く感じることがあります。5分ぐらい横になって休むことで張りが解消されるようであれば、あまり心配はないでしょう。
横になってもなかなかお腹の張りが治まらない、出血やおりものの色やにおいがいつもと違う、性器付近がピリピリ痛むといった場合には、切迫流産の可能性があるため、すぐに受診しましょう。
特に妊娠初期の無理は禁物です。ハードな仕事をしていた方は、できればお休みしたり、負担が少ない業務に変更したりすると良いかもしれませんね。
先輩ママに聞いてみた!妊娠初期にお腹の張りを感じた?
ままのて会員へのアンケート調査(有効回答数116人)
21.6%のママが妊娠初期にお腹の張りを実感していたようです。お腹の張りは切迫早産や切迫流産のサインの場合もあるため、痛みの強さや出血の有無、痛みが継続する時間などにも気を付けてください。
妊娠中期のお腹の張り
妊娠16〜27週までを「妊娠中期」と呼びます。妊娠初期は神経質になりがちで、こまめに休んでいた方もいるでしょう。待ちに待った安定期に入ったからと、旅行や長時間のショッピングなど、妊娠前と同じような無理はしないように注意してくださいね。長時間の歩行などの負担のかかる行動を避け、疲れを感じる前に休憩をとりながら安定期を楽しみましょう。
先輩ママに聞いてみた!妊娠中期にお腹の張りを感じた?
ままのて会員へのアンケート調査(有効回答数116人)
60.3%のママがお腹の張りを感じたとのことです。お腹の張りを実感したママが、妊娠初期よりも40%近く増えていますね。安定期にはお腹の張りを感じにくくなりそうですが、アンケートの結果では安定期でもお腹の張りを感じたママが多いことがわかりました。
安定期に入った安心から、ママがレジャーや仕事などで活動的になるのがひとつの原因かもしれません。子宮が大きくなって胎動も感じるようになり、お腹が張りやすくなっていることもあるでしょう。安定期とはいえ、無理をしすぎないように気を付けましょう。
妊娠後期のお腹の張り
妊娠28週以降を「妊娠後期」と呼びます。胎児の成長が著しく、子宮も大きくなり、一番お腹の張りを感じやすい時期です。妊娠初期・中期にお腹の張りを感じなくても、後期になり予定日が近づいてくるにつれて張りを感じ始める人もいます。お産が近くなり、赤ちゃんがお腹の中でお産の練習をしているともいわれています。
お腹の張りを1日に何度も感じる、お腹の張りが定期的もしくは間隔が短くなっている、出血したなどの症状があれば、すぐに病院へ行きましょう。切迫早産や常位胎盤早期剥離の可能性があります。
「8ヶ月くらいからお腹の張りを感じました。かなりお腹は大きくなっていましたが、子どもが生まれてからはなかなか外出できないと思い、主人と車でよく出かけました。観光地では歩く必要があることが多く、30分ぐらい歩くと少しずつお腹が張ることがありました。少し休むと落ち着くため、定期的に休憩しながら無理のない範囲で、お腹の張りと付き合いながら妊娠期間を楽しみました。最終的にはほぼ毎日お腹の張りがあり、次第に慣れ、陣痛と区別がつかないぐらいでした」(たまじろうさん/35歳)
先輩ママに聞いてみた!妊娠後期にお腹の張りを感じた?
ままのて会員へのアンケート調査(有効回答数116人)
妊娠後期にお腹の張りを感じたママは87.9%でした。ほとんどのママがお腹の張りを感じたようです。出産に近ければ近いほどお腹が張りやすいということがアンケート結果からわかりました。
お腹が張ったときの対処法
病院に行くほどではないレベルのとき
病院に行くほどではない、病院に行ったけれど問題はないと言われた場合でも、無理は禁物です。仕事中などにひどいお腹の張りを感じたら、周りの人に事情を話して少し休ませてもらいましょう。姿勢を変えて横になるだけでも楽になる可能性があります。「大丈夫だろう」と過信せず、できるだけ休むことが大切です。
電車で立ちっぱなしが続いて席を譲ってもらえない場合には途中で電車から降りてベンチで休むなど、無理をせずに休憩をとりましょう。
病院で自宅安静と言われたとき
ひどいお腹の張りを感じた場合、子宮頸管長が短くなっている可能性があります。妊娠後期であれば子宮口が少しだけ開いている可能性もあるでしょう。切迫流産や切迫早産の危険性が高まるため、病院から自宅で絶対安静という指示が出される人もいます。自宅安静とは、家で横になるという意味であり、基本的に家事はせずに食事とトイレ以外は動いてはいけません。
お腹の張りの状態によっては、薬が処方されます。動悸などの副作用が出る場合がありますが、自己判断で勝手に服用をやめるのは控えましょう。破水を招く可能性があるため、性交渉も避けましょう。
入院ではないからと油断するのは危険です。体調が悪いわけではなく、「自分は大丈夫」だと思っていても、家事などはパパや家族にお願いしましょう。どうしても家族の協力が得られない場合には、医師から入院をすすめてくれることもあります。困ったときには、主治医に相談しましょう。
安静入院になったとき
子宮頸管があまりにも短くなり、お腹の張りがおさまらない場合には、安静入院になる可能性があります。大半が突然の入院となるため、自分だけでなく家族にとっても一大事です。
上の子がいる場合は、急に母親がいなくなるために子ども自身もつらく、世話をするほかの家族も対応に追われるでしょう。出産までに症状が落ち着けば退院できますが、落ち着かなければ出産まで病院を出られない人もいます。
子宮頸管が短くなった、または子宮口が開いているなど切迫早産の症状の重さによって安静度は変わりますが、基本的にはトイレとシャワー以外はベッドで寝ていなくてはなりません。お腹の張りがひどいケースでは、排泄・食事ともに寝たきりで、シャワーも禁止され、非常につらい毎日を送ることになります。
服薬でお腹の張りが治まらない人は、ウテメリンなどの薬(子宮収縮抑制剤)が24時間点滴されます。点滴が長期化すれば血管がぼろぼろになり、点滴の針を刺す場所がなくなります。
常に薬が血管を流れることで血管に負担がかかるため、炎症が起こったら血管炎の痛みとの戦いにもなるでしょう。寝たきり状態が続くと筋肉もおとろえ、「分娩にたえられるだろうか」と不安になるかもしれません。
「仕事で日中動いていることが多く、妊娠後期になるにつれてお腹の張りを感じるようになりました。妊娠7ヶ月ごろに切迫早産になりかけ、少し動いただけで張ってしまうのがつらかったです。張り止めの薬を飲みながら仕事をしていました。お腹が張ったらすぐに座る・横になるなど、休憩をとればすぐに治りました。家事をする際にはなるべく動かないようにしていましたが、洗濯などの際にお腹が張ることがありました。どうしてもお腹が張るときには、休憩をはさんだり座りながら洗濯物を干したり、さまざまな対処法を試しました」(ゆーさん/25歳)
お腹の張りは赤ちゃんからのサイン
妊娠中のお腹の張りは、赤ちゃんがママに「少し休んでね」とメッセージを送っているのかもしれません。最近では働くママが多く、「妊娠は病気ではない」と無理をする人もいます。のんびりと妊娠期間を過ごすことが難しい人もいるでしょう。しかし、何かあってから後悔しても遅いため、お腹が張ったら休むことを心がけ、赤ちゃんからのサインを見逃さないようにしたいですね。
お腹の張りを感じたら無理はしない
お腹の張りがいつもと何かが違うようであれば病院で診察してもらいましょう。子宮が成長する過程で感じる場合もあるため、あまり神経質にならずにゆったりとした気持ちで妊娠期間を過ごしてください。「お腹が張っている」と感じたら、できるだけ無理をせずに休むことが大切です。
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※この記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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