妊娠中の寝方、仰向けはだめ?シムスの体位など楽な寝方や抱き枕、腰痛・寝苦しさ対策について
妊娠すると眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりと、十分な睡眠がとれないことが多くなります。お腹が大きくなるにつれて、仰向けで寝るのがつらいと感じる人も増えるでしょう。なぜ仰向けで寝ると苦しくなるのか、腰痛や恥骨痛、坐骨神経痛といった妊娠中のトラブルを抱えているときにおすすめの「シムスの体位」での寝方を紹介します。
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目次
妊婦は寝るのも大変?苦しくない、楽な寝方はある?
妊娠中は、なかなか寝られないことが多いかもしれません。つわりがひどくて夜起きてしまう、腰痛や恥骨痛が気になって眠れない、胃もたれや逆流性食道炎で寝つきにくいといった悩みを抱える妊婦さんは珍しくありません。妊娠中に眠れない原因や程度には個人差がありますが、妊婦さんでも寝やすい姿勢があると良いですよね。
一般的にはシムスの体位(シムス位)と呼ばれる、身体の左側を下にして寝る方法が妊婦さんには好評のようです。ただし、眠れない原因や寝る体勢の好みにもよるでしょう。眠れない状況が続くようであれば、かかりつけの医師に相談し、原因にあった対処法を探してみてくださいね。
80%以上の妊婦さんは寝つきが悪くなった
ままのてユーザーにアンケート(有効回答数122人)を実施した結果、妊娠中に寝つきが悪くなったと回答したママは80.3%いました。妊娠中は、ホルモンバランスが崩れて疲れやすいと感じる人が増えるのに加え、赤ちゃんがどんどん大きくなるにつれてお腹が重くなり、圧迫感や息苦しさで睡眠が十分にとれないと感じることがあるようです。
寝たいのにあまり眠れない状況が続くと、睡眠不足により身体の疲れが取れにくくなったり、すぐイライラしたりすることもあるでしょう。睡眠不足による赤ちゃんへの影響が心配なママも少なくないですよね。なぜ妊娠中に寝つきが悪くなるのか、どのような体勢で寝れば妊婦もよく眠れるのかを理解することが大切です。自分の体調や気になる症状に合わせて、自分にとって楽な寝方を見つけてくださいね。
腰痛・恥骨痛・胃もたれ、妊婦が寝る際に気になる症状
妊婦さんが寝る際に気になる症状には、個人差があります。痛みの感じ方や程度も異なるため、原因によって適切な対処を行う必要があります。気になる症状があり、なかなか眠れなかったり、途中で起きてしまったりするようであれば、まずはかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。誤った対策を自己判断で行うと悪化する可能性があるため、注意が必要です。
腰や背中、骨盤周辺が痛い
背中や股関節の痛みは、妊婦さんのあいだではよくある悩みのひとつかもしれません。妊娠によって増えたホルモンの影響や大きくなったお腹の影響で、腰や骨盤周辺の部分に痛みを感じることがあります。尾てい骨や太ももの付け根が痛くなる人もいれば、腰やお尻周辺の広範囲が痛くなる「坐骨神経痛」に悩む人もいるでしょう。
つわりや胸焼け、吐き気
妊娠前でも食べ過ぎると気持ちが悪くなり、横になってもしばらくは吐き気がある状況を経験したことがある人はいるかもしれません。妊娠中は、食後に消化がうまくいっていないとき以外でも、つわりや胸焼け、胃痛といったトラブルに悩まされる人がいます。つわりであれば妊娠5ヶ月以降の安定期に入れば、落ち着く人が多いです。ただし人によっては長引いたり、妊娠後期になっても俗に「後期つわり」と呼ばれるつわりがあったりする人もいます。
お腹の張り、頻尿、めまいなど複数の症状が出ることも
妊娠中の体調は、妊婦さんによって個人差があります。妊娠期間を通してずっと安定した体調の人もいれば、さまざまな症状が複数現れる人もいるようです。頻尿やめまい、むくみで足が痛い、便秘で息苦しい、貧血や肩こりといった症状がある人もいるでしょう。ただし妊娠後期のお腹の張りや出血、破水には注意が必要です。
寝つきが悪くなる主な原因
「妊娠前と同じ寝方をしているのにぐっすり眠れない」と悩む妊婦さんは、少なくありません。妊婦さんが眠りにくくなる原因はさまざまですが、主に以下のような原因例があります。妊娠中は薬の使用に慎重になる必要があるため、我慢してしまう妊婦さんも多いかもしれません。妊娠中だからといって我慢するのではなく、かかりつけの産婦人科医と相談しながら、安全な対策を考えていくことが大切です。
お腹が大きくなる
妊娠中は、お腹の中で赤ちゃんが日々大きくなっていきます。子宮で内臓や血管が圧迫され、息苦しさや胸の痛みを感じたり、むくみや恥骨痛・腰痛・坐骨神経痛を招いたりすることもあります。
身体の不調で眠りが浅くなる
つわりで胃もたれ感が続く場合や、つわりが続き逆流性食道炎になってしまった場合には、気分が悪くて夜中に起きてしまうこともあるでしょう。頻尿や腰痛・恥骨痛などの身体の痛みで起きてしまう人もいるようです。
ストレスや不安で寝つきが悪くなる
妊婦さんには、妊娠による急激な心と身体の変化、環境の変化、人間関係の変化が一気に押し寄せます。不安が続いたりストレスがたまったりすることもあるでしょう。産後のこと、赤ちゃんのことを考えているとなかなか眠れないという人は、珍しくありません。
生活リズムの変化
妊娠によって生活リズムが変化する妊婦さんもいるでしょう。産休に入った、または会社を退職した妊婦さんは、特に生活リズムが大きく変化しますよね。体調不良や睡眠不足で昼間に仮眠をとると、仮眠の時間によっては夜に眠れなくなってしまう人もいるでしょう。
妊娠中の睡眠についての体験談
人によって、妊娠中の体調や気になる症状は異なります。同様に妊婦さんの睡眠に対する感じ方にも個人差があるようです。妊娠前までの寝ているときの姿勢によっても、感じ方は異なるかもしれません。基本的には自分が苦しくない姿勢、楽な姿勢で寝るようにしましょう。妊娠中だけとはいえ、快適に過ごせるような寝方を探したいですね。
私はよくうつ伏せで寝るのですが、妊娠してだんだんお腹が大きくなるとまったくできなくなったのがつらかったです。というよりも落ち着かなかったです。妊娠初期のまだまだお腹も出ていないころでも、少しうつ伏せになっただけでしんどくなりました。お腹は出ていなくても子宮が大きくなっていたからだと思います。
一人目は自然分娩で、出産後すぐうつ伏せになれました。そのときの感動はすごかったです。二人目は逆子が治らず帝王切開をしました。産んだらうつ伏せで寝られると思っていたのに、傷の痛みが治まるまでしばらくは無理でした。妊娠中に好きな落ち着く体勢で寝られないのは本当にストレスです。
(さきさん/出産当時26歳)
安定期に入ったころから腰痛が気になり始めました。だんだんお腹も出てきて腰痛を感じるようになり、寝るときには特に腰が痛くてなかなか眠れない日もありました。ベッドではなく敷き布団のため、余計に床の硬さを感じやすく腰の痛みを感じました。また朝起き上がる際も、ベッドならある程度の高さがあり起き上がりやすいと思いますが、敷き布団のため床からの起き上がりになるので少し苦労しています。
(misaさん/出産当時21歳)
妊婦が寝方に注意すべき時期はいつからいつまで?
妊婦さんが寝方に注意すべき時期は、人によって異なります。一般的には、妊娠後期に入る妊娠8ヶ月以降はお腹が大きく、重くなる時期でもあるため、特に注意が必要だといわれています。時期によって注意すべき原因が異なってくるため、自分の体調を見ながら注意していきたいですね。
妊娠初期
一般に妊娠1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月・4ヶ月にあたる妊娠初期には、つわりをはじめとした体調不良により、十分な睡眠が取れない可能性があります。逆流性食道炎など深刻な症状に悩んでいる場合には、夜中に起きてしまうケースもありますよね。医師と相談しながら、症状に合わせて対応していきましょう。
妊娠中期
妊娠5ヶ月・6ヶ月・7ヶ月にあたる妊娠中期は、安定期と呼ばれ、比較的体調が落ち着いてくる人が多いでしょう。一方で人によってはお腹が少しずつ大きくなる時期でもあるため、腰痛や恥骨痛が気になり始めたり胸が苦しくなる機会が多くなったりする人もいます。安定期とはいえ、無理をしないようにしてくださいね。
妊娠後期
妊娠8ヶ月・9ヶ月・10ヶ月にあたる妊娠後期には、臨月に向けて身体への負担も大きくなっていく時期です。十分に睡眠が取れない原因を考え、少しでも快適に過ごせるように寝方をはじめ、便利グッズを使うなど対策を考えていきたいですね。
妊婦の寝方、どんな方法がある?
妊婦さんが快適に過ごすことができる寝方には、どんなものがあるのでしょうか。それぞれの妊婦さんが眠ることができない原因によって、快適な寝方は変わります。基本的にはお腹を圧迫せず、自分が苦しくない寝方であれば、問題はないでしょう。
うつ伏せに関しては、お腹が圧迫されることによる赤ちゃんへの影響を考えて、避けたほうが安心ですね。また仰向けは、お腹が少しずつ大きくなるにつれて、お腹の重さで寝苦しさを感じることが多いかもしれません。
横向きに寝る場合には、右下・左下どちらが良いのかを悩む人もいますが、自分が寝やすい姿勢で問題ありません。妊娠後期におすすめされることが多い「シムスの体位(シムス位)」と呼ばれる寝方では、左向き(左を下)にします。人によっては膝を立てる姿勢が寝やすい人もいるようですよ。
切迫流産・切迫早産・合併症で安静を指示されている場合でも、医師から指導がなければ、お腹を圧迫しなければ寝る姿勢は自由であるケースが多いです。ただし医師から寝方について指導があった場合には、したがってくださいね。
妊婦の寝方は胎児の向きに影響する?逆子が治る?
骨盤位とも呼ばれる「逆子」は、お腹の中で赤ちゃんが頭を上にしている状態のことを指した言葉です。胎児は足を上にして頭を下にした状態で生まれてくるのが一般的ですが、一定の確率で胎児の向きが上下逆になる場合があります。お腹の赤ちゃんが逆子の場合、赤ちゃんが仮死や死産にならないように、帝王切開手術での出産になる場合があります。
逆子を治すために、妊婦は横向きに寝ると良いという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。横向きになることで逆子を治す「ポジショニング」に関しては、さまざまな意見があります。国立成育医療センターのサイトには、逆子を治す方法に関して以下のような見解が記載されています。
引用元:www.ncchd.go.jp逆子体操(胸膝位)やポジショニング(横向きに寝る姿勢を維持する)、鍼灸療法などがありますが、いずれも医学的な根拠は乏しく(効果がはっきりしない)、コンセンサスがある方法ではありません。
妊婦が仰向けで寝るのは良くない?
仰臥位(ぎょうがい)とも呼ばれる「仰向け(あおむけ)」は、多くの人が寝る際にとる姿勢かもしれません。妊娠初期・妊娠中期までは、妊婦自身が苦しくないのであれば、仰向けで寝ても問題ありません。ただし妊娠後期を過ぎると、大きくなったお腹による圧迫感で、息苦しさや痛みを感じる人が多くなります。自分の体調に合わせて、無理をせずに楽な寝方を見つけてくださいね。
妊婦が仰向けで寝るときの注意点
内臓や血管の圧迫
妊娠中は、赤ちゃんがお腹の中で大きくなるにつれて、内臓や血管が圧迫されます。血行が悪くなることで、むくみや静脈瘤(じょうみゃくりゅう)ができることがあります。また、胸が痛い、胃もたれのような不快感がある、息苦しいといった、寝苦しさを感じることもあります。お腹が張ったり腹痛を感じたりする人もいるようです。仰向け寝で異変があれば、体勢を変えてみてくださいね。
仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)
独立行政法人地域医療機能推進機構のサイトでは、仰臥位低血圧症候群について以下のように説明されています。苦しくなるといった異変を感じたら、横向きになっても治らないか一度確認してみてくださいね。
妊娠中におすすめの寝方
妊娠中におすすめの寝方は、気になる症状によって異なります。また妊娠前の寝方や好みもあるため、自分にあった寝方を探してみてくださいね。
足を少し高くする
むくみ予防には、足の下に薄いクッションやバスタオルを重ね、その上に足を置く寝方がおすすめです。妊娠による体重増加で足が疲れたときにも最適ですよ。
枕やクッションで上半身を少し高くする
足を上げるのが無理な場合は、上半身を高くすることで寝やすくなる人もいるようです。寝やすいように高さを調節しながら枕やクッションを背中に入れると、仰向きでも寝やすくなるようです。腰への負担軽減に期待できそうですね。
横向きで丸くなる
横向きになり腰を丸める方法は、赤ちゃんが寝る姿勢に近いかもしれませんね。腰の緊張緩和に効果が期待でき、リラックスできる寝方だという意見もあるようです。この寝方では、身体を右下・左下どちらにすべきか、という指定はないようです。
シムスの体位
シムス位、半仰臥位(はんぎょうがい)、シムスの体勢といった呼び方をする場合もある「シムスの体位」は、特に妊娠後期の妊婦さんにおすすめの寝方です。身体の左を下にして横になり、上になった足を軽く曲げる寝方です。背中にクッションを入れたり、足のあいだにクッションやバスタオルを挟んだりすると、位置が固定されて寝やすくなります。
抱き枕など睡眠サポートグッズの活用も
抱き枕を抱いて寝ると、横向きになるときの支えになるため寝やすくなります。臨月に向けてお腹が大きくなる、妊娠後期の妊婦さんにおすすめの「シムスの体位」をする際にも抱き枕は便利です。固い抱き枕はお腹にあたって痛い場合があるため、身体に自然にフィットするような柔らかさのものを選ぶと良いでしょう。
不安やストレスから眠れない妊婦さんには、リラックスできるような睡眠サポートグッズがおすすめです。薬を使用していない温湿布やアイマスク、アロマグッズなど検討してみるのも良いかもしれませんね。
抱き枕
快眠グッズ
妊娠中の寝方対策についての体験談
夫とのあいだに毛布をたたんで置きました。寝返りを打たなくて済むようになり、寝相の悪い夫が侵入してくるのを避けることもできました。タバコのにおいも少々ですが緩和されました。背中が温まり冷え対策にもなりました。
(うのさん/出産当時43歳)
腰痛対策として、仰向けになり、両足の膝の下に30〜40cmほどの固めのクッションをあてていました。こうすることで、腰に掛かっていた負担がだいぶ軽減され、まとまった睡眠時間を得ることができました。とにかく安定した姿勢を保つことが大事だと思いました。
また、ホルモンのバランスが崩れていたのか気持ちが不安定になりやすい時期があったので、アロマオイルなど、リラックスグッズを寝室に置いていました。
(chiruruさん/出産当時26歳)
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自分に合った寝方で、妊娠中も快適な睡眠を
妊婦さんにとっても十分な睡眠は必要です。睡眠不足は前日までの疲れがとれにくくなるだけでなく、ストレスやイライラの原因になることもあります。お腹を圧迫せず、苦しい、痛いといった症状がないのであれば、今までの寝方でも問題ありません。あまり神経質にならず、ゆっくりと眠ることができる寝方を探してみてくださいね。
また、腰痛や恥骨痛などが寝られないほど気になるのであれば、医師に相談することも大切です。原因によって適切な対策をとることで、気になる症状自体を緩和させるという方法も検討しましょう。
※この記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。