妊娠中〜産後の股関節痛の原因・対処法は?おすすめストレッチ動画、骨盤ベルト
妊娠後期になると、赤ちゃんが下がると共に骨盤がゆるむ場合があります。骨盤と脚をつなぐ大切な「股関節」の痛みに悩む方もいるかもしれません。今回は、妊娠中に起こる「股関節痛の原因」と「痛みを和らげるための対処法」をご紹介します。おすすめのストレッチ動画および骨盤ベルトも紹介するのでチェックしてみてくださいね。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
「妊娠中の股関節痛」の原因とは?
妊娠すると出産に向けて女性の身体は大きく変化します。まだお腹が目立たない妊娠初期の段階から、女性ホルモン「リラキシン」が分泌され、骨盤などのじん帯が緩みます。お産のときに、直径約10cmにもなる赤ちゃんの頭が産道をスムーズに通るためです。
現代の女性は、生活スタイルの変化から座ったりしゃがんだりする動作が少ないため、骨盤周りの筋肉はさほど強くありません。妊娠初期から骨盤がゆるみすぎると、歩いたときなどに足の付け根に痛みを感じる方もいます。足の付け根は、骨盤と脚をつなぐ「股関節」を指している場合が多いです。股関節は立ったり座ったりする動きを担う、とても重要な役割をする関節です。
妊娠中期~後期になるとお腹の赤ちゃんが成長し、子宮が大きくなります。大きくなった子宮が足の付け根の神経を圧迫し、股関節痛の原因になる場合があります。歩きにくいと感じたり、足全体がつったように感じたりする人もいるようです。女性ホルモン「リラキシン」は、妊娠後期に分泌量が増えます。臨月が近づくとお腹が大きくなった上、骨盤の関節がゆるんでくるため、股関節痛に拍車がかかる可能性があります。
「妊娠中の股関節痛」の対処法とは?
「股関節痛」は、ホルモンの影響で骨盤がゆるみ、大きくなった子宮が足の付け根の神経を圧迫することで起こる場合があります。妊娠中だから仕方がないと、あきらめる必要はありません。対処することで痛みが和らぐ可能性があります。
股関節体操やストレッチ
お産を楽に乗り切るためには、体操やストレッチ、ヨガなどで身体を柔らかくすると良いという説があります。お産では、力をふり絞ることより、全身の力を抜いてリラックスすることも大事なようですね。
一日のあいだに体操やストレッチの時間を設け、意識的にリラックスした身体の状態を作れるようになると良いでしょう。股関節まわりの体操やストレッチは骨盤底筋を鍛えることになり、足の付け根の痛みを和らげる効果に期待ができます。
骨盤ベルト
大きくなったお腹を骨盤ベルトなどで下から支えると、骨盤や股関節にかかる負担が軽減されます。リラキシンの影響でゆるんでいる骨盤をベルトでサポートしてあげると良いでしょう。
姿勢を整える
妊娠中は、リラキシンの影響で骨盤がゆるんでいます。骨盤がゆるむと、骨盤がゆがみやすくなり、左右のバランスが崩れて股関節痛などの症状が出る場合があります。日常生活の姿勢から、左右のゆがみが出ないように気をつけることが大切です。
具体的には、「横座りをしない」、「椅子に座ったときに足を組まない」、「立っているときにどちらかの片足に体重をかけない」などです。人によっては日常生活で、気づかないあいだに癖になっている場合があるでしょう。意識して改善していきたいですね。
整体を利用する
つらい痛みがある場合には、整体師に相談してみてはいかがでしょうか。お腹が大きくなると、腰痛や股関痛、恥骨痛などに悩まされる妊婦は珍しくありません。
妊婦を対象とした整体治療では、腰やお腹に触れずに手や足を動かし、身体のバランスを整え、骨盤などに無理に矯正力を加えない「無痛整体」をしてくれる場合があります。痛くないので、リラックスして受けることができるようです。お腹が大きくなったら、うつぶせの姿勢を取らない形で施術してくれます。ただし、妊婦への施術が可能かどうかは場所によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
運動する
お産のための身体づくりとして、妊娠中の適度な運動は有効です。9ヶ月間の妊娠期間中に運動習慣を持たずに生活すると、体力は徐々に落ちてしまいます。適度な運動をすることで血行が良くなり、身体の隅々まで酸素が行き渡ります。
お腹が大きくなると身体の重心が前方に移動します。バランスをとるために背中をそらしてしまい、腰痛の原因になる場合があります。筋力が落ちることで更に姿勢が悪くなり、腰への負担は増します。腰痛を防ぐためにも、適度な運動を続けることが大事でしょう。健康状態によっては運動を控えた方が良いケースもあるため、心配な方は産婦人科の先生に相談してみてくださいね。
「妊娠中の股関節痛」におすすめのストレッチ動画
股関節を柔らかくするストレッチの動画をご紹介します。
座ってできる体操1
足の付け根の痛みを和らげ、陣痛や分娩時にも効果を発揮する体操です。股関節のストレッチで骨盤底筋を柔らかくします。上体の重さだけで前屈し、無理に曲げないように気をつけてくださいね。
1.両手をひざにのせ、上体を前に倒します。
2.息を吐きながら両ひざを静かに押し開きます。
3.息を吸いながら上体を起こします。
4.1.~3.をもう一度、繰り返します。
座ってできる体操2
股関節を柔らかくするストレッチです。勢いをつけて行うのではなく、呼吸をゆっくりしながら、気持ち良さを感じる程度に行ってくださいね。
1.座って足の裏を合わせます。
2.両足をゆっくり上下にパタパタさせます。
3.足を持って振り子のようにゆっくり右、左、と上体を倒して伸ばしていきます。お腹が重いときには片手を後ろにつきます
4.片足を伸ばしてもう一方の足を組みます。
5.伸ばしている方の足の股関節を身体の方に引き寄せます。足先は立ててL字にします。
6.ゆっくりと呼吸をしながら身体を倒して、背中を伸ばします。もも裏が伸びていることを感じるようにしてください。
7.斜め前に身体を倒して、伸ばす場所を少しずつ変えます。
8.反対側も同様に行います。
9.あぐらをかきます。
10.左足を右足の上にのせます。左足首は立ててL字にします。左側の股関節がのばします。
11.左足のひざを気持ち良い程度にぐっと押していきます。お腹や背中が辛いときは後ろに右手をつきます。
12.反対側も同様に行います。
13.最後にまた座って足の裏を合わせて、両足をゆっくりと上下にパタパタさせます。
壁を使った体操
安産体質を作るための股関節柔軟ストレッチ法です。安産の条件には、子宮の位置、股関節の柔軟性などがあります。「子宮口の開き」や「恥骨の柔軟性」は、股関節の柔軟性の影響を受ける場合があります。
下記は股関節を外に開閉する運動です。妊娠中の大きなお腹を抱えている場合には、壁面に身体をつけて行った方が安心ですよ。
1.足を肩幅に開き、壁面に手をつけ、背中から頭まで壁面につけます。
2.1.の状態を維持したまま、足を逆「ハ」の字にしてゆっくりとしゃがみ、ゆっくりと立ち上がりましょう。
3.足を曲げるときにはゆっくりと息を吸います。立ち上がるときにはゆっくりと息を吐きます。
4.1.〜3.をくり返します。最初は3回程度、慣れてきたら10回程度を目安に繰り返しましょう。
5.座布団などのクッションを股の間にはさみます。
6.壁面に身体をくっつけた状態で、同じようにしゃがむ、立ち上がるの動作を繰り返します。10回程度を目安に行ってください。
おすすめ骨盤ベルト5選
ここでは、妊娠中から使える骨盤ベルトを5つ紹介します。どの商品も使い心地や装着のしやすさなどで工夫が施されているようです。商品によっては、Mサイズ、Lサイズといったサイズ展開もあるので、購入の際には自分のサイズに合ったものかどうか確認した上で、購入してくださいね。
骨盤ベルトは、「正しく装着すること」が大切になります。誤った装着方法では、せっかくの効果が期待できません。正しい着用法を一度は確認してみてくださいね。着用法を動画で紹介している商品もあります。骨盤ベルトは毎日使うものなので、装着が面倒すぎないか、自分にできそうかどうかも大事なチェックポイントのひとつですよ。
骨盤ベルトといえば定番「トコちゃんベルト」
トコちゃんベルトには4つのタイプがあります。「トコちゃんベルト2」は、骨盤を前から後ろに支え、お尻側を寄せる商品です。お尻や尾骨の痛み、腰痛がある方に適したベルトです。
骨盤・恥骨をしっかりサポート「ピジョン 長く使える産前産後マタニティベルト」
「長く使えるマタニティベルト」は、本体ベルトの他に強力補助ベルトでキュッと締めることができる構造になっています。前で留めるタイプなので、着用が簡単です。 伸縮性抜群のやわらか素材でできています。
産前産後以外にも使える「犬印本譜 なが~く使えるマタニティベルト」
「なが~く使えるマタニティベルト」は簡単に装着することができ、しっかりとフィットします。動いたり座ったりしても足の付け根に食い込みにくい、カーブ設計になっている点もうれしいですね。
軽い力でキュッとしまる!「コナミスポーツライフ パワフルギアF」
スポーツクラブで有名なコナミの「パワフルギアF」は、ベルトに滑車の役割をする4つのベルト通しがついていて、軽い力でもキュッとしまる点が特徴的です。ベルト通しを活用することで、装着後の微調整が楽にできる構造になっています。「ズレ防止加工」があり、メッシュ生地で快適な着け心地を追求しています。
引用元:www.amazon.co.jp■この商品に関する口コミ
・2人目を出産し、腰痛と股関節の痛みが発生した際に購入しました。着けやすく、しっかりと締めればかなりサポートしてくれます。生地が薄手で、洋服を着ると、ベルトを巻いているとはわからない点もうれしかったです。装着時の不快感がなく、このベルトなら毎日続けて着けられそうです。
女性の体形を研究し尽くした「ワコール 骨盤サポートベルト マタニティ」
「ワコール 骨盤サポートベルト マタニティ」は、日本助産師会とワコール人間科学研究所の共同開発によって商品化されました。骨盤まわりの3つのポイント(仙腸関節~大転子~恥骨結合)を環状でサポートし、腰にやさしく快適な着け心地になっています。通気性の良い圧縮ウレタンで、ムレにくくしっかりフィットします。
股関節痛で病院を受診する目安
妊娠中、女性の身体は大きく変化します。精神的に不安定になることも多いため、股関節に痛みを感じることで、不安になったり憂鬱になったりする人もいるでしょう。「妊娠中だから仕方がない」とあきらめず、かかりつけの産婦人科医に相談してみると良いでしょう。立ったり、歩くのが困難だったり、激しい痛みがあれば、次の検診を待たずに早めに受診しましょう。
出産で開いた骨盤は、産後6ヶ月程度でゆっくりと元の位置に戻り、股関節痛などは自然に解消する人が多いです。正しい位置に戻らずに固定された場合は、股関節の痛みが続くなど、身体に不調が出ます。産後は骨盤が不安定なため、早めに本来の位置に戻るように調整することが大事です。産後、不調が続くようであれば、病院を受診してくださいね。
お産に向けて股関節を柔らかくしておこう
股関節は、立つ・歩く・座る、といった日常の動作全般を担っています。股関節の柔らかさは安産の条件のひとつでもあります。股関節の違和感がある人も、そうでない人も、大切な股関節を労い、股関節を柔らかくするストレッチを試してみてはいかがでしょうか。忙しい1日の中で、心身共にリラックスした状態でストレッチを行う時間を持つことができれば、穏やかな気持ちになれそうですね。