【助産師監修】妊婦がカラオケに行くのはOK?早産などへの影響は?
妊婦でもカラオケ・ショッピング・温泉・旅行などに出かけたい場合がありますよね。つわりなどで厳しい妊娠初期に注意するのはもちろん、自分の妊娠の経過や体調にあわせてそれぞれ判断する必要はあるでしょう。安定期だからといって油断も禁物です。妊婦のカラオケが心配される理由、夜カラオケに行く場合などの注意点を解説します。
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目次
カラオケ、BBQ、旅行、妊婦もやりたいことは多い
妊娠中は「何をしてはいけないのか」「何をどこまでしてよいのか」といったことに、妊婦は戸惑う機会が多いかもしれません。もちろん妊娠中だからといって何もかもができなくなるわけではありません。母体や胎児への影響が懸念される飲酒・喫煙は禁止ですが、薬は服用してはいけないものと医師の判断によって服用できるものがあります。双子以上の妊娠の場合や妊娠の経過によっては運動や各種行動に規制がかかることもあるかもしれません。
「一般的に妊婦はしてもよいこと」と「妊婦である自分がしてよいこと」は異なる場合があります。自分の場合は何をどこまでしてよいのかを常に意識すると安心かもしれませんね。そのためには自分の体調や妊娠の経過をよく把握し、わからないことがあれば積極的に医師や専門家に相談していくと良いでしょう。無理しない範囲で、妊婦もカラオケや海水浴・BBQ・温泉・旅行などを安全に楽しんでくださいね。
妊婦のストレス解消法のひとつ「カラオケ」
妊娠によって、大きくなるお腹を始めとした身体の変化、出産に向けた心理的な変化や親になるという社会的な役割の変化などを妊婦は経験するでしょう。さまざまな変化の中で妊婦はストレスがたまることが多いといわれています。将来や人間関係、お金、お産など気になることも多く、どこかでストレスを発散したいと思う妊婦は少なくないでしょう。
妊娠初期であればつわりなどの体調不良が続いていたり、妊娠中期以降であれば大きくなったお腹により身体に負担がかかりやすくなっていたりとなかなか活発に動けない妊婦の方もいるでしょう。妊娠中のストレス解消法として「なるべく動きを必要としない」友達とのおしゃべり・ネットショッピング・カラオケなどが人気なのは、これらが理由となっているからかもしれませんね。
カラオケは大きな声で心を込めて歌うことでストレス解消にはもってこいの娯楽のひとつかもしれません。ただし妊婦がカラオケをする際には、「お腹に力がかかってよいのだろうか」「夜カラオケに行ってよいのだろうか」「妊婦がカラオケに行く際に気をつけるべきことはあるのだろうか」というように悩んでしまう人もいるようです。
初期・中期・後期、妊婦のカラオケはいつできる?
妊娠中のストレス発散や産休前の送別会などでカラオケに行く機会がある妊婦の方もいるかもしれません。妊娠中はさまざまな制限があるとはいえ、どこまで注意しなければいけないのかを自分で判断するのは難しいでしょう。ストレス発散法や趣味として楽しむ人が多いカラオケもそのひとつかもしれません。妊娠の経過にもよりますが、医師から特に安静にするように指導を受けていなければ、短時間のカラオケは妊娠期間を通して問題ないでしょう。
ただしあまりにも長時間お腹に力を入れて歌う・足元が不安定な中でカラオケをする・副流煙を浴びる可能性が高い喫煙ルームに行くといった行為には注意が必要です。妊娠期間を通して、カラオケに行くのであればそれぞれの体調に応じて判断しましょう。
「妊娠初期」であればつわりなどで体調が悪い場合には無理をせず、途中で休んだり、先に帰ったりするように心がけると良いでしょう。「妊娠中期」にあたる安定期に関しても、体調が落ち着いていても大切な妊娠中の期間であることに関しては変わりありません。安定期でも油断せずに異変があれば中断しましょう。妊娠後期は疲れやすくなる時期でもあるため、休みながら楽しむと良いかもしれませんね。
妊娠中のカラオケを不安に思う人がいるのはなぜ?
一般的にカラオケを妊婦がすること自体が禁止されるケースはさほど多くはないかもしれません。それぞれの妊娠の経過や合併症の有無、切迫早産の可能性の有無などで制限されることはあるでしょう。カラオケ自体が直接お腹の胎児や母体に影響与える可能性は高くありませんがゼロではないでしょう。
妊娠中のカラオケで心配されるのは、カラオケ中に声を張り上げるときにかかるお腹の圧力である「腹圧」でしょう。腹圧は出産の際に赤ちゃんがもうすぐ外に出てこようとしたときに圧力が高くなります。このため、カラオケにより腹圧が上がることで切迫早産や前期破水引き起こす可能性はまったくないとは言い切れません。ただしカラオケだけで何か深刻な事態が起こるというより、他の要因と組み合わさって何かの症状が引き起こされる場合の方が多いでしょう。
カラオケの腹圧での切迫早産などのリスクはある?
一般的にカラオケがすぐに母体や赤ちゃんに深刻な影響を与えるケースは多くないでしょう。ただしカラオケ以外に何か深刻な症状を引き起こす可能性がある要因を持っている人は注意が必要です。妊婦がカラオケをする際に心配されるのが「腹圧」と呼ばれるお腹にかかる圧力です。お産の際に必要になる力にもなります。
程度にもよりますが、咳・排便・重いものを持つ・カラオケなど無意識のうちに腹圧がかかる状態が続くことは好ましくないといわれています。必ずしも直接的な影響があるわけではありませんが、腹圧による影響としては、お腹が張りやすくなる・腰痛・子宮脱・切迫早産・前期破水・尿漏れなどが考えられます。
妊娠中のカラオケ、音量は大丈夫?胎教への影響は?
妊婦のカラオケで不安にあげられることが多いのが、腹圧などの影響に加えて「音の大きさ」や「胎教への影響」です。赤ちゃんの器官は妊娠初期のころに作られますが、妊娠中期・後期をかけて徐々にさまざまな機能ができあがってきます。大きな音による胎児への影響を心配する声もありますが、研究中の分野であり不明点も多いようです。非常に大きな音でやっとお腹の中で雑音のようなものが少し聞こえる程度であるという主張もあるそうです。
胎教に関しては定義が明確になっておらず、胎教の効果に関しても科学的に解明されていない部分は多いようです。このため意見が分かれますが、音の大きさと同様に現状不明な点が多いながらも現状は胎児への顕著な悪影響は確認されていないようです。
妊婦が夜カラオケに行くのは問題がある?
スケジュールの関係でどうしても夜にカラオケに行きたい、産休に入る前の送別会で仕事終わりにカラオケに行きたいというケースは珍しくないでしょう。妊婦が夜カラオケに行く場合には、昼間にカラオケに行く場合よりも注意すべき点は増えるかもしれません。
夜の暗い時間帯にカラオケに行く場合には、周囲が暗いことによる「他の人との衝突の危険性」「転倒の危険性」を意識する必要があるでしょう。お酒が入っている人がいるとつい盛り上がりすぎて「長時間のカラオケ」にならないように注意する必要もあるかもしれません。体調が良い安定期であったとしても、妊婦が夜通し遊ぶのは母体にもお腹の赤ちゃんにも負担があることを心に留めておきましょう。
カラオケだけじゃない!妊婦の日常に潜む危険
一般的には「これは大丈夫だ」「これはしてはいけない」といった基準はありますが、すべての妊婦にその基準が当てはまるとは限りません。たとえば妊娠中は薬を控えた方が良いという考えによって服用中の薬を止めてしまうと、かえって胎児や母体に悪影響与える可能性があります。妊娠中に推奨されている適度の運動ですが、人によっては切迫早産などのリスクを高める可能性があるため、自分の判断だけで行うのは危険があるでしょう。
一般的に良いとされているマタニティーヨガ・マタニティースイミングといった妊娠中の運動も、可能であれば病院と連携している施設で運動を実施する、適切な指導者の下で実施する方が安全でしょう。妊婦の悩みの種のひとつでもある体重管理に関しても、自己判断であまりご飯を食べないようにするといった対処を行うとお腹の赤ちゃんの発育に影響を与える可能性もあります。慎重すぎるといわれても、わからないことがあれば医師や専門家に相談してから行うと安心でしょう。
無理せずできる範囲で良い思い出を
特に初めての妊娠の人であれば、わからないことが多いのは当然でしょう。何か疑問に思ったり迷ったりした場合には、可能な限り医師や専門家に質問して確認することが大切です。妊婦は注意しなければならないことが多く、大変だったり面倒だったりすることもあるでしょう。長いようで短い妊婦の約10ヶ月間、大切なお腹の赤ちゃんと自分の身体のために、安全に悔いのないように過ごしてくださいね。安定期をふくめ油断しないように注意しつつも、毎日を楽しめるよう工夫していけると良いですね。