妊婦さんのストレッチ!妊娠初期から後期のおすすめ方法とポイント【助産師監修】
妊娠中は、肩こりや腰痛、便秘、坐骨神経痛など不快な症状に悩む人が多いといわれています。運動不足が気になる妊婦さんも多いかもしれませんね。誰もが気軽に試すことができる「ストレッチ」に取り組んでみてはいかがでしょうか。ストレッチの目的、効果、注意点を解説するとともに、妊娠初期・中期・後期におすすめのストレッチを紹介します。
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目次
腰痛、便秘、肩こり、妊婦さんが気になること
妊娠による身体の変化で、さまざまな身体の部位に負担がかかることがあります。腰痛や股関節痛、恥骨痛といった腰の周辺の痛みを感じる妊婦さんが多いかもしれませんね。また便秘や肩こり、足のむくみが気になる妊婦さんも少なくないでしょう。
妊娠中の気になる症状を我慢することはありません。妊婦さんは薬の使用に注意しなければいけませんが、妊婦さんでも使用できる薬で症状の緩和を目指すという方法もあります。また、原因によっては薬を使用せず、運動習慣や食事内容を見直すことで改善できる場合もあるでしょう。
自己流で対処してしまうのは危険ですが、きちんと医師に相談した上であれば、妊娠中の運動は問題ありません。ストレッチやウォーキング、マタニティヨガといった妊婦さんもできる運動に挑戦して、症状の解消を目指してみても良いかもしれませんね。妊娠中の運動は、体重管理や気分転換としてもおすすめですよ。
妊婦さんもチャレンジできる「ストレッチ」とは?
運動の前後や肩こりが気になるときやリフレッシュしたいときに、「ストレッチ」を行う人は多いかもしれません。ストレッチは、「ストレッチング」「ストレッチ体操」とも呼ばれる、筋肉や関節を伸ばす運動です。
マタニティヨガやマタニティスイミングといった運動は、妊娠前から運動している人ではないとハードルが高いと感じるかもしれません。ストレッチは特別な器具が必要なく、難しい動作も少ないことから人気を集めているのでしょう。妊婦さんがストレッチを行う際には、ストレッチを行う目的によっては症状が悪化する可能性がある点に注意が必要です。
妊婦体操とストレッチの違いは?
妊婦さんができる運動のひとつに「妊婦体操」というものがあるのをご存知でしょうか。妊婦体操とストレッチは同じように扱われることも多いため、違いはあるのか気になる人もいるかもしれませんね。
妊婦体操および妊婦さんができるストレッチの方法は、提唱する人によって細かな定義が異なります。一般的には妊婦体操の中に、筋肉や関節を伸ばすストレッチ運動が含まれている場合が多いかもしれませんね。
妊婦体操もストレッチも、体重管理や腰痛・肩こりの緩和、便秘や肌荒れの解消、骨盤矯正といった目的においては共通している場合があります。ただし参考にするトレーナーや本・DVDによって具体的なやり方はそれぞれ異なるでしょう。自分の運動レベルに合わせて、好みのものを選んでくださいね。
腰痛、便秘、妊婦さんがストレッチをする目的
何を目的にストレッチをするかは、妊婦さんによって異なります。運動不足を解消したい、リフレッシュ効果に期待したい、便秘やむくみといった症状を解消したい、腰痛や坐骨神経痛を緩和したい、太り過ぎないようにしたいなど、さまざまな目的があるでしょう。出産に向けての筋力づくりや会陰マッサージの一種として、ストレッチをする人もいるようです。
目的によって実施すべきストレッチも異なる点には、注意したいですね。妊婦さんがストレッチをする際には、自分がストレッチをする目的とその原因をきちんと認識することが大切かもしれません。
風呂上がり、寝起き、ストレッチをするタイミングは?
ストレッチをするタイミングに悩む人もいますよね。ストレッチをする目的によって、行うべきタイミングは異なります。むくみ防止のストレッチであれば入浴後が効果的ですが、リフレッシュ目的のストレッチであれば任意のタイミングで問題ないでしょう。眠気覚ましを兼ねて、寝起きにストレッチするのも気持ち良いかもしれません。
食後のストレッチは、気分が悪くなってしまう人もいます。指示がないのであれば、食後のストレッチは避けたほうが良いでしょう。
妊婦さんがストレッチを行う際のポイント
妊婦さんがストレッチをする際は、違和感があればすぐにやめることが大切です。「もう少しやってみようかな」と無理せず、股関節や腰が痛む、お腹が張るといったことがあれば中止しましょう。
腹式呼吸を意識する
腹式呼吸を意識してストレッチを行います。腹式呼吸ができるようにしておくと、出産のときに役立ちそうですね。
ゆったりとした動きやすい服装
身体をしめつける服は、お腹を圧迫する可能性があるので避けると良いでしょう。肩や太もも、背中やふくらはぎといったストレッチしたい部位に関しても、動きやすい服装が楽です。ストレッチ素材を使用した洋服がおすすめですよ。
安全な場所で行う
ストレッチは気軽にどこでも行うことができるのが魅力です。しかし妊婦さんがストレッチする場合には、安全な場所を選ぶようにしてくださいね。転倒の危険性がある足元が不安定な場所、気分が悪くなる場合もある暑い場所は、避けたほうが良いでしょう。
リラックスできる音楽やアロマを活用
自分の家でストレッチを行う場合には、好みの音楽やアロマを使ってリラックスできる環境を整えるのも良いですね。アロマの中には、子宮を収縮させる作用を持つとされるエッセンシャルオイルもあるので、選ぶ際には注意してください。
妊婦さんがストレッチを行うことで期待できる効果
運動不足の解消
妊婦さんは、つわりなどさまざまな身体の不調があることや、お腹が大きくなって動きにくくなったりすることから、運動不足になってしまう場合があります。短時間でもストレッチを行うことを習慣づけると、運動不足の解消につながるでしょう。身体が慣れてきたら、ストレッチ以外の運動を検討しても良いですね。
お産のための体力づくり
出産は体力が必要です。妊娠前にあまり運動をしていなかった妊婦さんは、出産に向けての体力づくりをストレッチから始めると良いでしょう。しかし、一気に体力をつけることはできません。出産に向けて、無理せずゆっくり体力をつけていきましょう。
体重管理の一貫として
妊娠中に体重が増え過ぎると、合併症を引き起こす可能性があります。ストレッチを体重管理の一環として取り入れ、他にも食事の内容などを見直してみてくださいね。
ストレス発散
妊娠中は、ストレスや不安を抱える妊婦さんが多いといわれています。身体を動かすことで、ストレス解消につながることもありますよね。深くゆっくりと呼吸をしながらストレッチを行い、心を落ち着かせる時間を設けるのも良いでしょう。
妊婦さんがストレッチをするときの注意点
安定期に入り、医師の許可がおりてから
安定期に入るまでは無理をしないでください。安定期に入ってからも、気になることはかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
安静の指示を受けているときは相談してから
切迫早産などで安静の指示が出ている場合でも、少しであれば身体を動かしたいなと考える妊婦さんもいますよね。自己判断で実施せず、かんたんなストレッチであれば実施していいか、注意する点はあるかを医師に確認すると良いでしょう。
体調がすぐれないときは行わない
お腹の張りがあるときや体調が悪いときには、ストレッチを中止しましょう。継続して行うことも大切ですが、妊婦さんは頑張りすぎないことも大切です。不正出血や発熱など、いつもとは違う症状がある場合にも控えてくださいね。
無理をしない
ストレッチで身体の気になる部位が伸びるとすっきりしますよね。しかし無理して強めにストレッチしたり、長い時間ストレッチしたりするのは控えましょう。
ストレッチは、気持ち良いと感じる程度にしてくださいね。ストレッチによってひどい痛みを感じたり、継続的な痛みがあったりする場合にはすぐに中止し、念のため医師に相談しましょう。
妊婦さんにおすすめの時期別ストレッチ
妊婦さんの体調や妊娠の経過によって、おすすめのストレッチは異なります。胎児の状態や妊婦さんの健康状態は個人差が大きいため、無理はせず、少しでも異変を感じたらすぐに中止しましょう。以下は時期別のおすすめストレッチ例です。
妊娠初期
妊娠初期は、つわりなどで体調が安定しない妊婦さんが多い時期です。無理せず、軽く身体を動かすストレッチから試してみましょう。肩こり・首こり対策として、肩の上げ下げや首周りをゆっくり倒すストレッチがおすすめです。医師の許可が下りれば、本格的なストレッチにも挑戦してみましょう。
妊娠中期
胎児が少しずつ大きくなるにつれて、お腹も大きくなり、腰痛や股関節、尾てい骨などに痛みを感じる人が多くなる時期ですね。足のむくみが気になるようであれば、足首のみを動かしてつま先を上げたり下げたりすると良いでしょう。
妊娠後期
出産に向けたストレッチをする妊婦さんが多くなる時期です。股関節を柔らかくすると、出産のときに楽になるといわれています。足の裏を合わせてあぐらをかき、背筋を伸ばして姿勢良くするだけでも、股関節のストレッチになるようですよ。
ただし妊婦さんの体調によっては、臨月にはストレッチができない場合があるため、注意しましょう。
妊婦さんの日常にストレッチを取り入れよう
リフレッシュ効果や腰痛・肩こりといった症状の緩和に期待ができるストレッチは、運動が得意ではない人でも気軽に試せるのが魅力です。気持ち良く身体を伸ばし、身体の不快な症状を緩和していけると嬉しいですよね。
妊娠中の便秘や肌荒れにも、バランスのとれた食事とともにストレッチを取り入れ、改善を目指すと良いでしょう。ただしお腹が張っているときや身体の痛みを感じるときには、注意が必要です。無理をせず、できる範囲でゆっくりとストレッチを行ってみてください。