妊娠中の子宮の変化!大きさや位置は?お腹が張るのはなぜ…?
妊娠すると、子宮の中で赤ちゃんが育つにつれて、子宮はどんどん大きくなっていきます。それでは、具体的にはどのような変化があるのでしょうか。また、妊娠7~8ヶ月頃になると、お腹が張りやすい人も出てきます。ここでは、妊娠中の子宮の変化を産婦人科医監修の記事でご紹介します。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
妊娠前の子宮の大きさは?
妊娠していないときの女性の子宮の大きさは、鶏の卵くらいの大きさといわれています。胎芽の大きさは、着床したときは約1mmです。妊娠2ヶ月の終わりくらいには、胎芽は約1cmになります。妊娠後、お腹のふくらみが目立ち始めるのは、おおよそ妊娠5ヶ月頃からです。
妊娠中の子宮の大きさの変化
子宮の大きさ | 胎児の身長・体重 | |
妊娠3ヶ月 | おおよそにぎりこぶし大(大き目のグレープフルーツ大) | 約4~5cm |
妊娠4ヶ月 | 子どもの頭の大きさほど | 15週目で約10cm(レモン1個分程度) |
妊娠5ヶ月 | 大人の頭の大きさほど | 約25cm・300g |
妊娠6ヶ月 | 18~20cmほど | 約30cm・600g |
妊娠7ヶ月 | 23~26cmほど | 約35cm・1000g |
妊娠8ヶ月 | 27~29cmほど | 約38cm・1500g |
妊娠9ヶ月 | 30~32cmほど | 約45cm・2500g |
妊娠10ヶ月 | 33~35cmほど | 約50cm・3100g |
妊娠中の子宮の位置の変化
子宮底長 | お腹のふくらみの目安 | |
妊娠5ヶ月 | お腹のふくらみが目立ち始める程度 | 大きな変化はなし |
妊娠6ヶ月 | 約18~21cm | おへそあたり |
妊娠7ヶ月 | 約22~26cm | おへそより指2本分上あたり |
妊娠8ヶ月 | 約25~30cm | おへそとみぞおちのあいだ(胃のほう)あたり |
妊娠9ヶ月 | 約30~34cm(子宮底長としては最も高い時期) | みぞおちの下あたり |
妊娠10ヶ月 | 約32~35cm | 赤ちゃんの頭が骨盤内に下がるため、子宮底は下がる |
妊娠中にお腹が張る4つの原因
お腹の赤ちゃんを守る子宮は筋肉でできています。普段ママがリラックスしているとき、この筋肉は柔らかく緩んでいますが、動いた際など、何かの刺激を受けることによって筋肉が緊張し、「キュッ」と硬くなるときがあります。これは子宮収縮といい、一般的に「お腹が張る」という状態です。
この「お腹が張る感じ」について、具体的にどのような感覚になるのか、ままのてでは多くのママにお聞きしました。すると、以下のような声が聞こえてきましたよ。
・妊娠初期のママ:「お腹がパンパン」「下腹部が重い」
・妊娠中期のママ:「子宮がキューっと硬くなって、手で触ると子宮の形がわかる」「バレーボールくらいの硬さになる」「風船がふくらんだみたい」
・妊娠後期のママ:「お腹がカチカチ」「ぴきーんと張り裂けそう」「スイカみたい」「石みたい」
一言に「お腹が張る感じ」といっても、妊娠時期により、様子はさまざまなようですね。それでは、このような「お腹の張り」は、どのような理由から感じるものなのでしょうか。ここではその理由について、詳しく紹介していきます。
子宮の収縮による張り
子宮は筋肉でできています。この筋肉は、柔らかく緩んだ状態が通常ですが、ママがよく動いたり疲れたりすると、その刺激を受けて「キュッ」と収縮することがあります。このような子宮の収縮によって「お腹の張り」を感じるのです。
妊娠すると、不規則で痛みを伴わない子宮収縮を自覚することがあります。これを「ブラクストン・ピックス収縮」といいます。何もしなくても子宮が収縮するのは、妊娠したことでホルモンなどの子宮収縮物質に対する子宮の感受性が高まるためといわれています。
子宮が大きくなることによる張り
子宮の大きさは通常50mLの容積ですが、妊娠して出産にいたるまでに約4Lもの容積になります。これは、鶏卵から大きなスイカに変化していくようなものです。子宮そのものの大きさの増大と、子宮を包んでいる膜がふくらんでいくときの突っ張り感によって、お腹が張ったように感じることがあります。
お腹が大きくなり皮膚がつっぱる張り
子宮が大きくなることで身体の皮膚が引っ張られるため、お腹がつっぱるように感じることもあります。この皮膚表面の張りは赤ちゃんには影響ありませんが、子宮が急激に大きくなるため、お腹のあたりに妊娠線ができてしまうことがあります。妊娠線予防のクリームなどで、しっかり予防しましょう。
子宮の重みで靭帯が引っ張られる
子宮の増大とともに、子宮を支えている円靭帯をはじめとする、仙骨子宮靭帯、基靭帯などのさまざまな靭帯がひきつれることがあります。このひきつれが、お腹の張りとして感じられることがあります。
危険を伴うお腹の張り
お腹の張りや痛みについて程度の差はあるものの、妊娠中誰もが何らかの形で感じるものです。心配ない場合がほとんどですが、切迫流産や早産の危険信号の場合もあるので注意が必要です。ここでは妊娠の時期ごとに、危険なお腹の張りについて説明します。
妊娠初期
子宮がまだ小さく、生理的な収縮の少ない時期です。お腹が張っている、というより違和感として感じることが多いかもしれません。月経痛のような痛みが続くこともあります。出血がなくて、超音波検査での胎児の心拍が確認できればまず心配ありませんが、出血などがみられるときはすぐに受診しましょう。
妊娠中期
いわゆる安定期ですが、この時期の張りはママの活動による生理的なものが多く、少し横になると治まることがほとんどです。安静にしていても治まらなかったり、痛みが徐々に強くなったりする場合は切迫早産の兆候や、ほかの病気(虫垂炎や腎結石など)の可能性もあるので診察を受けるようにしてください。
妊娠後期
身体がお産に向けての準備をしていることもあって、最もお腹の張りを感じる時期です。それまでと比べて、回数や強さも増えてきます。しばらく休んでも治まらない場合や、いつもとは違う張りや出血や痛みを伴う場合には、すぐに受診してください。なお、陣痛とはたいてい区別がつくものです。
お腹が張ったときの対処法
一口にお腹の張りといっても、妊娠中に起こってしまう生理的なお腹の張りと、トラブルが起こっている場合とがあります。お腹の張りや痛みを感じたとき、それが心配な張りなのかどうかを見分ける方法をご紹介します。
身体を休めて様子を見る
まずお腹の張りを感じたら、身体を休ませましょう。用事の途中でも無理をせず、すぐに座れるところを探して休んでください。身体を休めて張りが自然におさまるのであれば、心配いりません。1時間くらい様子を見ても張りがおさまらない場合は、注意が必要です。
お腹の張る回数を数える
お腹の張る回数が1日に10回以内かどうか、また張る間隔が徐々に短くなっていないかもチェックしてください。妊娠30週未満の人が1時間に3回以上、妊娠30週以降の人が1時間に5回以上のお腹の張りを感じる場合は、注意が必要です。お腹の張る間隔が規則的で、しかもその間隔が短くなっていく場合は切迫早産も考えられますので、早めに病院を受診しましょう。
出血がないか確認する
お腹の張りに加えて出血がある場合は、流産や早産の可能性があるのですぐに病院で診察を受けてください。切迫流産や早産につながる心配な張りか、心配のない生理的な張りかを自己判断しないようにしましょう。
特に妊娠後期は要注意
特に注意してほしいのは、妊娠後期に突然お腹がカチカチに硬くなり、痛みがだんだん激しくなる場合です。ごくまれにしか起きませんが、「常位胎盤早期剥離」といって、お産の前に子宮の中で胎盤が剥がれてしまう状態になっている可能性があります。早急に病院で診察を受けてください。
筆者自身は働く妊婦でしたので、お腹の張り自体は頻繁に経験しました。ただ、休めば治るものばかりだったので、心配のいらない生理的なものによる張りだったと思います。それでも、妊娠中はお腹が張るごとにドキドキしたものです。休めば治る、と思っていても仕事をしていると休めないときも多々あり、よく不安になりました。
そんな経験から、今は職場に妊婦さんがいると、なるべく休めるよう気遣っています。妊娠経過は人それぞれですので、お腹の張りに過敏な人と特に気にしない人がいることでしょう。お腹の張りを感じたら、無理をせず早めに身体を休めてくださいね。
お腹の声に耳を傾けましょう
お腹が張るときは、リラックスできる体勢になることが大切です。妊娠前の自分と比べて「なんでこんなに動けないんだろう」と焦りが出ることもあるでしょう。そのようなママの気持ちを感じ取って、お腹の中の赤ちゃんが、「ママ、ペースダウンして」と信号を送っているのかもしれませんね。
家事や仕事に忙しい現代のママですが、妊娠期は自分の身体を第一に考えましょう。お腹の赤ちゃんの声に耳を傾けながら、ゆったりとした時間を過ごして心に余裕を持てると良いですね。
お腹の赤ちゃんの様子がわかる本
アメリカで100万部を突破した「The Pregnancy Journal」の日本版。妊娠した日から出産日まで、毎日の胎児の成長と母胎の変化、栄養アドバイス等を詳しく解説。日本では「週・月単位」で解説した妊娠出産本は多々あるが「日単位」は初めて。妊婦の不安や気がかりを解消し、安心して赤ちゃんを迎える心と体の準備できる一冊。
「今日から○日かけて徐々に眼球ができあがります」「この時期の赤ちゃんは握力が強くなります」など、1日1日驚くほどの細かさでひとこと情報が満載です。
「赤ちゃんの成長」「お母さんの心身の変化」「まめ知識」とコンテンツが分かれているのも、読みやすくてわかりやすいですね。
働きながらの妊婦生活でしたが、仕事が忙しくてもこの本であれば読むのは苦になりませんでした。