いよいよ臨月!出産の兆候は?お腹が下がるって本当?

妊娠37週に入ると赤ちゃんはいつ産まれても良い状態、いわゆる「正期産」になります。正期産になるといつ出産が始まってもおかしくありません。陣痛が来る前には前兆があり、赤ちゃんが少しずつ外に出る準備をする期間があります。いざ本番の陣痛がきたときに慌てないよう、気になる出産の兆候について助産師監修の記事で解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 出産兆候1.お腹が下がる
  2. 出産兆候2.胎動の感じ方の変化
  3. 出産兆候3.頻尿・尿漏れ
  4. 出産兆候4.おりものの増加
  5. 出産兆候5.おしるし(産徴)
  6. 出産兆候6.前駆陣痛
  7. 出産をサポートするハーブティー
  8. おすすめ書籍
  9. ゆったりとした気持ちでお産を待とう
  10. あわせて読みたい

出産兆候1.お腹が下がる

妊娠をするとママの子宮は最大5L近くの容量を要し、子宮底は30cm以上に達します。妊娠9ヶ月、10ヶ月に子宮底が最大となるため、このころは大きくなる子宮に胃や肺が圧迫されて、食欲低下や胃酸の逆流、息苦しさなどを感じやすくなります。

しかし、出産が近くなると赤ちゃんは少しずつ外に出る準備を始めるため、頭が骨盤にはまってきます。そのため、出産の前兆として「お腹が下がった」「胃がスッキリした」などの症状が現れてることがあります。

赤ちゃんが下がったと感じる体験は、多くの先輩ママが体験しているようです。周りから「お腹が下がったね」といわれることもあるかもしれません。なんとなくいつもとお腹の形が変わったなと感じる方もいます。反対にあまり感じない方もいますが、医学的には感じなくても問題ありません。

出産兆候2.胎動の感じ方の変化

ママの骨盤にはまろうと試行錯誤

赤ちゃんは産まれるとき、頭を下にしてママの骨盤を通って外に出てきます。赤ちゃんがそろそろ外に出ようかなと準備を始めると、頭をママの骨盤にはめようと試行錯誤します。

どうやったら一番スムーズに出やすいかな、と赤ちゃんなりに考えて、「ここだ!」と位置が定まると、赤ちゃんは自分の頭をママの骨盤にピタッと固定します。経産婦さんの場合は、出産が始まるまで固定しない場合もあります。

頭が固定されてくると、いよいよ出産が近づいてきた証拠です。赤ちゃんは上手に産道を通るために、手足を胸に引き寄せて身体を小さく丸めた姿勢になります。頭が骨盤に固定すると、赤ちゃんの動きが小さくなり、ママは「胎動が減ったな」と感じるようになるかもしれません。

【河井先生のヒトコト】「臨月で胎動が減るのは当たり前」と考えるのは危険です

胎動については「減った」と感じる人もいますが、感じない人もいます。赤ちゃんが生まれる直前(陣痛がある間も)でも胎動があるのです。なお、陣痛があるため、胎動を感じるかどうかはその時の状況にもよります。また、臨月になって「胎動がどの程度減るか」ということにも、個人差があります。「どの程度少ないと大丈夫か」ということもわかりにくいのです。

「臨月で胎動が減ることが当たり前」と思うことは、危険です。「おなかをつついてみても胎動が少ない」「いつもと違う気がして心配」など、胎動に限らずですが、気になることがあったら、まずはかかりつけの病院に相談することをおすすめします。いつも赤ちゃんと一緒にいるママの直感はとても大切だと思います。

胎動カウントで赤ちゃんの様子をチェック

胎動については個人差がありますが、出産の直前まで胎動を感じます。胎動は極端に少なくなったり、まったくなくなったりするわけではないので、臨月前に胎動が急になくなるような場合は、緊急に受診が必要です。赤ちゃんが苦しい状況にあるかもしれません。日ごろから胎動カウントなどで赤ちゃんの様子を知っておくと安心です。

胎動を10回感じるまでの時間は、およそ30分くらいです。胎動カウントを毎日決まった時間におこなっていくと、自分の赤ちゃんが要するだいたいの平均時間が分かるようになってきます。臨月以外で胎動がいつもより少ない場合や、1~2時間たっても胎動を何も感じられない場合は、早めに医師に相談をしましょう。

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出産兆候3.頻尿・尿漏れ

日に日に大きくなる子宮によって、妊娠中ママの膀胱はかなりの圧迫を受け続けています。特に出産が近づき赤ちゃんが骨盤内に下がってくると、膀胱への圧迫はさらに強くなります。そのため、頻尿を訴えるママは珍しくありません。

頻尿がつらいために水分を控えてしまう方がいますが、水分摂取はとても大切です。妊娠中の頻尿は、身体の余分な水分や老廃物を循環させる意味でも、決して悪いことではありません。尿意がつらくてもあと少しの我慢と思って、こまめな水分摂取と排尿を心がけましょう。

頻尿と同様に、出産前は尿漏れもおこしやすくなってきます。赤ちゃんの頭が下がって重力が加わることで骨盤底筋群が緩み、自分の意思で排尿をコントロールすることが難しくなってくるのです。くしゃみや咳など腹圧がかかるときは要注意です。尿漏れが気になる方は尿漏れパッドなどをうまく使いましょう。産後しばらくすると、尿もれは収まってくることが多いものです。

出産兆候4.おりものの増加

出産が近づくにつれ、おりものの量や症状に変化がみられたというママ達の声をよく耳にします。これは妊娠期に不可欠な「エストロゲン」というホルモンによる影響です。エストロゲンは乳房の発育を促したり、色素沈着を起こしたりとさまざまな作用をもたらすのですが、その中の1つに頸管粘液(おりもの)を分泌する作用があります。

おりものの量には個人差がありますが、出産前のおりものは量が増えたという方が多いようです。また、形状がドロっとしたものに変わったり、色が白くなったり、においがきつくなったりといった変化も人によって現れます。今までとは違ったおりものの変化を感じたら、もしかしたら出産が近づいている兆候かもしれませんね。おりものが増えることで陰部がかぶれやすく、不衛生になりやすいため、おりものシートをこまめに取り替えるなどの対処をしていきましょう。また、かゆみがある場合は、受診しましょう。

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出産兆候5.おしるし(産徴)

出産が近づいてくると、少量の出血やおりものに血が混ざったようなドロッとした分泌物がでることがあります。一般的に「おしるし」と呼ばれているもので、医学的には「産徴」といいます。字のごとく、おしるし(産徴)は「お産が近くなった兆候」です。

お産の準備のために子宮が収縮してくると、子宮口(子宮の入り口)が徐々に開いていきます。子宮口は普段はピタッと閉じた状態ですが、赤ちゃんが産まれるときには最大10cmまで開きます。子宮口が開くことで赤ちゃんを包んでいた卵膜が子宮壁から剥がれ、少量の出血をおこします。これがおりものと混ざり外に排出されたものが「おしるし」です。

おしるしがあるといよいよ出産かも、とドキドキしますが、おしるしがあってもすぐに陣痛が始まるわけではありません。おしるしがあってから数時間後に陣痛が始まる方もいれば、数日かかる方もいます。

おしるしがまったくなく陣痛が始まる方もいるので、おしるしがあったからといってすぐに慌てる必要はありません。破水をしていなければ普段通りお風呂に入ってかまいませんし、普段通りの生活をしていて大丈夫です。下着が汚れないよう、生理用ナプキンなど清潔なパッドをあてておくと安心ですよ。

生理よりも多い出血や塊が出る場合は、おしるしではないことが考えられますので、受診しましょう。

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出産兆候6.前駆陣痛

出産が近づくと、微弱な子宮収縮が起こり、腰痛や下腹部の痛みを伴うことがあります。これを「前駆陣痛」または「準備陣痛」と呼びます。前駆陣痛が起こると子宮頸部が短くなり、子宮口が開きお産の準備が始まります。

痛みの強さや感じ方は人それぞれですが、本番の陣痛に比べて明らかに痛みも弱く、不規則に起こることが特徴です。

前駆陣痛の痛みの強さは、人によって異なります。「生理痛のよう」「お腹を下した感じ」「腰が割れそうな痛み」「子宮がキュ~ってする」など、人によってさまざまな表現があるようですね。中にはあまり痛みを感じずに、そのまま本番の陣痛を迎える方もいます。

おしるしと同様、前駆陣痛も全ての人にあてはまるわけではありませんが、前駆陣痛がみられた後は数日以内に本番の陣痛が開始することが多いといわれています。子宮の収縮が続くと夜も寝不足になりますが、陣痛の予行練習だと思って、赤ちゃんに会えるときを楽しみに待ちましょう。

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出産をサポートするハーブティー

出典:www.amoma.jp
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ラズベリーリーフティーは出産をサポートするといわれています。ちょうど臨月のタイミングで飲み始める人も多いようです。温かいハーブティーは、お産前の不安な気持ちを落ち着かせるのにもおすすめですよ。

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ゆったりとした気持ちでお産を待とう

臨月にあらわれる出産の兆候はさまざまで、個人差があります。あまり敏感になりすぎないようにしましょう。兆候があらわれてから陣痛や破水が始まるまでの時間も人それぞれですが、いずれにしろ早めに心の準備や入院準備をしておけると良いですね。

赤ちゃんは出産のさまざまな要素が噛み合ったタイミングで、ママに会いに出てきます。待つ側は今か今かと毎日そわそわしていまいますが、赤ちゃんのタイミングを信じて、ゆったりとした気持ちでそのときを待ってあげましょうね。

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