更新日:2017年10月13日

妊娠後期・臨月に風邪をひいたら?咳や鼻水、喉の痛みの対処法は?薬は飲める?

妊娠後期から臨月のあいだに風邪をひいてしまったときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。咳、鼻水、のどの痛みなど代表的な風邪の症状について、薬以外に試してみたい対処法をお伝えします。出産に備え、体力を維持しておきたい妊娠後期。風邪をひかないために自分でできる予防策についても、チェックしてみましょう。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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妊娠後期・臨月とは?風邪をひきやすい?

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妊娠期の区分では、28週0日以降の期間が妊娠後期となります。なかでも、出産予定月となる妊娠36週から39週までは一般に臨月と呼ばれます。出産予定日が近づくとともに、赤ちゃんがますます大きくなり、ママの身体も出産に向けて少しずつ変化してくる時期です。

また、妊娠中はホルモンの分泌が変わる影響で自律神経が乱れやすく、免疫力が低下しやすくなっています。血液の循環量や呼吸数が増加するため、通常時より体力が落ちたと感じやすい状態です。そのためウイルスや細菌によって発症する風邪症状には十分に注意したいものです。

妊娠後期・臨月の風邪の対処法:咳・喉の痛み

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咳が直接陣痛につながることはない

咳やくしゃみをすると腹圧がかかり、お腹は張りやすくなります。お腹に負担がかかって陣痛が起こってしまわないか気にかかる人もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょう。

2、3日で治まるような風邪の咳であれば、そのまま陣痛や破水につながることは多くありません。過度に心配する必要はないでしょう。しかし、咳が長く続いていたり、むせこむような非常に激しい咳がとまらなかったりするときは、切迫早産の原因となるケースが報告されています。ただし、咳が直接早産の原因となるのではなく、咳の原因となっている感染自体やそれによるストレスが影響している可能性もあります。

咳やくしゃみは自分の意志で止めることは難しいものです。咳が止まらずお腹がつらいと感じるときは、無理せず医師に相談するようにしましょう。

喉の保湿が大事

風邪の原因となるのは約80%がウイルスであり、そのウイルスは200種類以上あることが知られています。これらのウイルスは、乾燥した環境や温度が低い場所を好む傾向があります。

そのため、鼻が詰まって口呼吸となっていたり、空気が乾燥したりしていると、風邪のウイルスにとっては活動しやすい状態となるのです。うがいや水分補給をしっかりして、喉の乾燥を防ぎましょう。

喉の保湿には、マスクも役立ちます。また、朝起きて喉がカラカラに乾いている人は、睡眠中に口が開きやすいのかもしれません。鼻呼吸を促すための口呼吸予防テープが市販されているので、こうした専用テープを使うと口や喉の乾燥を防ぐ対策にもなります。

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喉にやさしい食べ物を食べる

喉が痛むのは、喉の粘膜に炎症が起こっているからです。喉が痛いときに辛いものや冷たいものを食べたり飲んだりすると、炎症が刺激され痛みが悪化してしまう恐れがあります。

炎症を鎮め、喉の痛みを和らげるには、抗炎症作用があったり、喉を温めたりするものを口にするようにしましょう。一般的に喉にやさしいといわれている代表的な食べ物は、はちみつです。ホットミルクに溶かしたりヨーグルトにかけたりして食べると、喉ごしが良く痛みがあるときでも飲み込みやすいですよ。

生姜に含まれるジンゲロールという辛み成分にも、殺菌作用が期待されています。生姜には身体を温める作用があるといわれているため、代謝や免疫力の向上にも一役買ってくれるかもしれません。のど飴やガムを食べると唾液がたくさん分泌され、口の中のうるおいが保たれます。はちみつや生姜入りの商品なら、ダブルの効果が期待できそうですね。

ヨウ素を含むうがい薬の使用は避ける

のどを消毒するために用いられるヨウ素(ヨード)は、殺菌効果のあるうがい薬にも含まれる成分です。ヨウ素はミネラルの一種で、昆布や海藻類に含まれています。甲状腺ホルモンを構成しており、欠乏すると甲状腺異常を引き起こします。

一方で、ヨウ素の過剰摂取や長期間の継続使用は、赤ちゃんの甲状腺異常を引き起こす可能性が指摘されています。日本人は古くから海藻を食する文化があり、ヨウ素を含むうがい薬を1回、2回使う程度では心配ありません。しかし、ヨウ素液を長期間の使用することについての安全性は解明されていないこともあります。

妊娠中は、ヨウ素の過剰摂取が心配な人は、消炎作用のあるアズノールうがい薬を使用するか、塩水うがいをするのがおすすめです。

妊娠後期・臨月の風邪の対処法:鼻水・くしゃみ

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鼻の血行を良くする

風邪をひいたときに出る症状に、鼻水や鼻づまりがあります。鼻水には、病原体を身体の外に排出するはたらきがあります。鼻づまりは風邪のウイルスや細菌に対する防御反応で、鼻の粘膜が炎症を起こしている状態です。炎症部位が腫れ、鼻水の通り道が狭くなるために鼻がつまってしまうのです。

鼻がつまっていると、呼吸がしづらく息苦しさを感じ不快ですね。鼻水が外に排出されずに、副鼻腔炎に進行してしまう可能性もあります。たかが鼻水とあなどらず、しっかり対処しておきたいものです。

鼻づまりの対処法としては、鼻の根元を蒸しタオルで温める方法があります。温かい蒸気を吸うことで、鼻の通りがスムーズになるかもしれませんよ。この方法で鼻づまりが良くなるのは、炎症部位の血流が促され、腫れが治まり鼻の通りが良くなるからと考えられています。やけどや窒息に注意して、試してみてはいかがでしょうか。

鼻うがい・鼻拡張テープ

鼻づまりの解消には、鼻うがい(鼻洗浄療法)や鼻拡張テープ(鼻腔拡張テープ)も効果が期待できます。鼻うがいは洗浄液を鼻から吸い上げ、口から吐き出して鼻の中を洗う方法です。洗浄液はノズル式の容器が付いたものが市販されていますが、水道水と食塩でも作ることができます。

塩で作る場合は、食塩水の濃度が体液に近い0.9%となるように調整します。30℃前後のぬるま湯1Lに対し塩9gが目安です。コップ1杯分であれば水200㏄に対し、塩は2gとなります。吸い込むときは片方ずつ、一方の鼻を指でしっかりとおさえ、鼻からゆっくりと水を吸い込み、口から吐き出します。このとき、水を飲み込まないように気を付けましょう。慣れていない人がやると水が副鼻腔に流入し副鼻腔炎を起こすことがあるので注意しましょう。

薬剤を使用せずに鼻からの空気を良くしたい場合は、鼻拡張テープを使用するのも良いでしょう。商品ラインナップが豊富なので、枚数や価格、貼り心地などを比較して自分にあったものを見つけたいですね。特に鼻が詰まりやすい夜に使うと効果を実感しやすいかもしれませんよ。

妊娠性鼻炎なら花粉やほこりに注意

妊娠中はエストロゲンの影響により、鼻づまり症状があらわれやすくなっています。特に妊娠中期から後期にかけて鼻づまりを訴える妊婦さんは全体の約20%にのぼるという報告もあり、この時期にみられる鼻炎症状を指して妊娠性鼻炎と呼びます。

妊娠性鼻炎は、もともとアレルギー性鼻炎にかかっている人の症状が重くなる傾向があります。花粉やほこりに反応し、水溶性の鼻水やくしゃみがあらわれやすいのです。アレルギー性鼻炎がある人は、アレルゲンを吸い込まないよう、マスクなどで対策をすると良いでしょう。

妊娠後期・臨月の風邪の対処法:熱

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微熱程度なら安静に

一般的に、医学用語ではありませんが、微熱とは37~38℃の発熱を言い、38℃以上を高熱と呼ぶことが多いようです。体温が微熱程度で、嘔吐や激しい頭痛、めまいなどの重篤な症状がなければ家で安静にして過ごしましょう。寒気を感じるときは、身体の熱を逃さないように温かい格好をすることが大切です。

高熱が出たら病院へ

38℃以上の発熱があったときは、インフルエンザなどの特定のウイルスへの感染や、感染症以外の原因も考えられます。また、もともとぜんそくや糖尿病などの基礎疾患があると、症状が悪化してしまう可能性もあります。なるべく早めに病院にかかり、医師の診察をうけるようにしましょう。

病院に行く場合はほかの妊婦さんにうつしたり、病院で別の菌をもらってきたりしないように気を付けたいものです。病院に行く前に電話をして、どのように受診すれば良いか、確認しておくことも大切ですよ。

脱水症状にも注意

発熱時は発汗により身体の中の水分が奪われています。脱水症状にならないよう、水分はこまめに補給するようにしましょう。コップ1杯の水を1日7~8回飲むのが目安です。

水分と一緒に塩や砂糖を一緒に補給することも忘れないようにしてくださいね。経口補水液を用意すると、水分補給がスムーズにできますよ。

妊娠後期・臨月の風邪の胎児への影響は?

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一般的なウイルスや細菌が原因の風邪であれば、ウイルスや細菌自体が直接赤ちゃんに影響することはないため、過度に心配しなくても良いでしょう。ただし、高熱で脱水症状になったり、抵抗力が弱まってほかの感染症にかかったりするリスクは高まるので、早めに症状を改善させるように心がけましょう。

発熱がなくても、1~2ヶ月の長いあいだ咳や鼻水に悩まされているようなら、気管支炎や副鼻腔炎に発展していないか、医師の診断を仰いでくださいね。

また、風疹や結核菌といった感染症では、ママの血液から胎盤を通じ赤ちゃんが感染するリスクがあることが報告されています。ごくまれなケースですが、ママが安心するためにも医師に相談すると良いでしょう。

妊娠後期・臨月に風邪薬を飲んでも大丈夫?

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妊娠初期の服薬は、赤ちゃんの奇形につながるリスクが指摘されていますが、妊娠後期では奇形に対するリスクは少なくなります。しかし、絶対に安全な時期というものはなく、赤ちゃんの機能に影響を及ぼす可能性は指摘されています。

PL顆粒などの、風邪の際に処方される総合感冒薬は、古くから使用されているお薬で比較的安全性が高いといわれているものです。一方で解熱効果のある消炎鎮痛剤では、服用によって赤ちゃんに血液を送る動脈管が閉じられてしまったり、羊水が減少したりするケースが懸念されます。

とはいえ、薬は症状をしずめ身体を楽にしたり体力を維持したりという利点もあります。症状がつらいときは医師に相談し、必要に応じて咳を鎮める薬、鼻水や痰(たん)を出して病原体を排出する薬、殺菌作用がある薬など、適した薬を処方してもらうようにしましょう。医師には妊娠中であることをはっきり伝えてくださいね。市販薬や漢方薬は自己判断で使用せず、医師や薬剤師に相談することが肝心です。

妊娠後期・臨月の風邪の予防法

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うがい・手洗い

風邪の予防に効果があるとして多くの医師が実践している方法が、うがい・手洗いだそうです。

また、厚生労働省が発表している資料では、水によるうがいでインフルエンザの発症率が40%抑えられたという報告があります。

飛沫感染では、主に口から病原体が侵入します。接触感染では、病原体に触れた手から身体に侵入すると考えられます。うがいにより口腔内を洗浄したり保湿したりすることや、手洗いで手についたウイルスや細菌を洗浄することが、風邪予防の第一歩なのです。

十分な睡眠

十分な睡眠は自律神経のバランスを整えます。睡眠が足りずに自律神経が乱れると、ホルモンバランスが崩れ、免疫力が低下することがわかっています。病原体に勝つ身体を維持するためにも、規則正しい生活を心がけたいですね。

妊娠後期になると、胎動やお腹が圧迫されることにより、眠りが浅くなってしまいます。不眠に悩まされる妊婦さんも多く、どうしても疲れがたまってしまいがちです。そのようなときは、昼寝をしたり横になって休息したりして、身体を休めてあげましょう。

栄養バランスの良い食事

免疫力を高めるには、バランスの良い食事をとることも大切です。代謝を高め、身体の体温を維持するために必要な筋肉は、タンパク質からつくられます。タンパク質を効率よく吸収するには、ビタミンやミネラルが欠かせません。

体調がすぐれないときや、風邪をひきやすいなと感じたときには、食生活を見直してみましょう。体調が整ってくるかもしれませんよ。

人混みを避ける

人が集まるところには、多くの病原体が潜んでいます。接触感染や飛沫感染のリスクも上がるため、できれば人混みは避けたいものです。

特に症状が強く出るインフルエンザや溶連菌、プール熱などの感染症は流行しやすい季節があります。こうした時期に外出するときは、マスクをしてウイルスの侵入を防ぎましょう。帰宅した際のうがい、手洗いもていねいに行うと感染予防につながります。

ストレス・疲れをためない

出産予定日が近づいてくると、赤ちゃんに会えることが楽しみな反面、陣痛や分娩がどのように進むのか気にかかってしまう人も多いのではないでしょうか。

精神的な緊張やストレスは、免疫力の低下と関係しています。また、妊婦さんは身体が疲れやすく、病原体に対する抵抗力が通常と比べて強くない状態です。ストレスや疲れがたまらないよう、リラックスする方法をみつけて穏やかな気持ちで過ごしたいですね。

ウイルスや菌が繁殖しにくい室温と湿度に

風邪やインフルエンザのウイルスは、低温低湿を好むものです。湿度が40%以下で気温が20℃以下の環境では、ウイルスに感染しやすくなります。

一方で細菌は高温多湿な環境で活動が盛んになります。温度が25℃以上、湿度が75%以上で繁殖力が高くなるため、感染しないように気を付けなければなりません。

ウイルスと細菌の特性を踏まえ、温度が20~25℃、室温が40~60%ほどとなるように調整しておくと良いでしょう。

妊娠後期・臨月に風邪をひいたらしっかり休もう

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妊娠後期に風邪をひいても、2、3日~1週間で症状が治まってくるようであれば大きな問題はありません。ナーバスになりすぎず、うがい手洗いをして安静に過ごしましょう。

妊娠後期に入ったら、普段から風邪をひかないように心がけ、しっかりと対策をしておきたいですね。赤ちゃんがママのお腹の中にいる生活もラストスパートです。心身ともに健やかな生活が送れますように。

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