臨月に足の付け根が痛くて歩けない!妊娠後期の股関節の激痛の原因とストレッチなどの対処法

妊娠後期に入ってお腹が大きくなってくると、足の付け根部分に強い痛みを感じるママがいます。股関節に激痛を感じると、歩くこともできなくなってしまうこともあるようです。股関節の痛みは、何かの病気の兆候なのでしょうか。考えられる原因や、今日から取り組める股関節痛の改善方法もあわせて解説していきます。

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この記事の監修

産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 臨月の足の付け根の激痛や股関節痛の原因
  2. 臨月に足の付け根や股関節周りに出やすい症状
  3. 臨月の足の付け根の痛み・股関節痛への対処法
  4. 臨月は骨盤のケアを忘れずに
  5. 妊娠後期・臨月の足の付け根の激痛や股関節痛の体験談
  6. 足の付け根に違和感があるようなら早めの対策を
  7. あわせて読みたい

臨月の足の付け根の激痛や股関節痛の原因

一般的に、妊娠36週を超えると「臨月」とよばれます。お産が近づき、足元が見えなくなるほど、お腹も大きくなってくるころです。臨月に入ると、足の付け根に痛みを感じたり、チクチクした股関節痛を感じたりするママもいます。場合によっては、歩けないことや、眠れないこともあるようです。どのような原因が考えられるのでしょうか。

じん帯のゆるみ

お産が近づくと、リラキシンというホルモンが多く分泌されます。リラキシンの働きによって、骨盤周りのじん帯がゆるみ、赤ちゃんが産道を通りやすくなるのです。しかし、このじん帯のゆるみが股関節痛の原因となることがあります。

骨盤周りのじん帯は、どこにあるのでしょうか。骨盤を正面からみるとハートのような形をしています。中心の芯となるのが「仙骨」、子宮を支え腟につながる「恥骨」、ハートのふくらみの部分である「腸骨」などで構成され、それらを筋肉やじん帯が支えています。

骨が痛むことはなく、痛みはじん帯や筋肉から生じることがほとんどです。じん帯が緩むと、骨盤全体が不安定になり歪みが生じます。この歪みを治そうと、じん帯や筋肉が緊張してしまうことが、痛みの原因になるといわれています。

子宮や赤ちゃんの重みによる圧迫

臨月に入ると、赤ちゃんの身長は45cmを超え、体重は2000g程度になります。ママの子宮内には羊水や胎盤などもあるので、赤ちゃんの体重以上に重さは増していることになります。一気に太ると下半身に負荷がかかるのと同じで、子宮や赤ちゃんの重みは、足の付け根や股関節の痛みにつながることがあります。

本来は骨盤周りのじん帯が重みを受け止めますが、臨月になるとホルモンの影響で骨盤がゆるんでいるため、そのまま足の付け根に負荷がかかることがあります。また、お産にむけて赤ちゃんが下りてくることで、股関節のあたりに痛みを感じることもあります。

赤ちゃんの頭が骨盤まで下りると、神経を圧迫されて足の付け根に近い部分で痛みを感じる場合があるようです。また、胎動も下のほうで感じるようになり、動くと恥骨あたりに痛みを感じることがあります。

過去の出産の影響

過去の出産経験が、足の付け根の痛みに影響している可能性もあります。出産をむかえると、骨盤は大きく開きます。産後、徐々に骨盤は元に戻っていきますが、姿勢が悪かったり産後にケアをしていなかったりすると、骨盤に歪みが残ってしまうこともあるようです。

骨盤に歪みが残ると、赤ちゃんの重みなどで股関節に負荷がかかり、痛みの原因となることがあります。左右の痛みに違いがあったり、片方だけ違和感があったりする経産婦さんは、骨盤のバランスが崩れているかもしれません。骨盤への影響は、出産回数が増えるごとに強くなる傾向があるようです。

臨月に足の付け根や股関節周りに出やすい症状

臨月時、足の付け根や股関節周りでは、痛み以外の症状が出ることもあります。違和感があるときは、医師に相談してみても良いでしょう。

だるさ

足の付け根部分が何となくだるいと感じるママもいるようです。痛みまではいかなくても、普段以上の重みが恥骨に加わることで、にぶいうずきを感じることがあります。散歩中、足がいつもより重い、歩くのがだるいと感じたら、赤ちゃんの重みや骨盤の開きが股関節に影響しているのかもしれません。

しびれ

正座をすると足がしびれるのと同様に、子宮の重みで足の付け根の神経が圧迫され、しびれを感じることもあります。股関節周りだけではなく、腰や太ももがしびれることもあるようです。

つる、こむらがえり

妊娠中は、足がつりやすくなるといわれています。運動不足で血行不良になったり、骨盤の開きが足の筋肉に影響を与えたりするのが一因となっています。とくに妊娠後期では、骨盤に近い太ももの付け根がつるママも多いようです。

つりそうなときの感覚は個人差があり、ピキーンと音が鳴るように感じたり、足の付け根がつっぱるように感じたりすることもあります。太ももがつると、ふくらはぎがつるよりも激痛を感じることがあります。ストレッチを取り入れたり、姿勢を改善したりして、できればこむらがえりの痛みは避けたいものですね。

腫れ・しこり

足の付け根部分に、しこりや腫れができることもあります。股関節はリンパ節が集中しているので、リンパ節のトラブルが関係していることが多いようですね。ウイルスや細菌感染が原因で、リンパ節が炎症を起こしている場合は、腫れることもあります。

また、大きくなったお腹が原因で、「鼠径(そけい)ヘルニア」になることもあります。鼠径ヘルニアは、太ももの付け根に腸の一部が飛び出してふくらんでいる状態です。まったく痛みのない場合もありますが、悪性の可能性もあるので、しこりを確認したら医師に診てもらうようにしましょう。

ムズムズする

足の付け根がムズムズ、ウズウズするママもいます。赤ちゃんが下りてきたことで、胎動を恥骨付近で感じるようになったのかもしれません。骨盤あたりで赤ちゃんが頭をぐりぐりと押し付けると、股関節周辺がむずがゆい感覚になることもあります。

寝ているときに、足にムズムズとした不快感がある場合は「むずむず脚症候群」の可能性があります。足を動かしたい欲求と不快感で眠りが浅くなり、睡眠不足になってしまうこともあります。

臨月の足の付け根の痛み・股関節痛への対処法

足の付け根の痛みを解消する方法はあるのでしょうか。臨月の時期は激しい運動は避けたいですよね。お腹が大きいママでも手軽にできる対策で、股関節痛の緩和や改善を目指しましょう。

軽いストレッチや体操を取り入れる

骨盤を支えている筋肉の衰えが、股関節痛の一因となっていることがあります。臨月のママは運動不足になりやすいため、適度なストレッチや体操で、骨盤周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

実は、一番簡単な股関節のストレッチは「あぐら」です。あぐらの姿勢をとるだけでも、股関節が伸び、骨盤周りの筋肉が鍛えられます。そのまま両手を太ももに置いて、上半身をゆっくり倒すとさらに効果が高くなります。呼吸も意識してみましょう。

骨盤の歪みを矯正してくれるマタニティヨガもおすすめです。「猫のポーズ」は背中や腰の緊張をとり、骨盤を正しい位置にリセットするといわれています。

まず、四つん這いになって、息を吸いながら背骨を反らします。次に、息を吐きながら、ゆっくりと骨盤を前に傾け、背中を天井に近づけていきます。これの繰り返しです。呼吸法も覚えられますし、身体の隅々まで伸びて気持ち良いですよ。動画も参考にしてみてくださいね。

骨盤ベルトを使用する

骨盤の緩みをしっかり支えることで、痛みが緩和されることがあります。骨盤をサポートする道具として有名なのは「骨盤ベルト」ですね。産後の骨盤矯正に使うものが多いですが、産前から使えるものもあります。苦しくない素材や形を選びましょう。

骨盤ベルトがきつく感じるようなら、腹帯やさらしも有効です。大切なのは、何で巻くかよりも「正しく巻くこと」です。間違った位置でベルトを巻いてしまうと、骨盤の緩みを支えるどころか、さらに歪みを招いてしまうことがあります。

助産師さんなどに、骨盤ベルトの正しい巻き方や位置を教えてもらうと良いでしょう。Youtubeなどで動画を見ることもできるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

骨盤や股関節に負担をかけない姿勢をとる

骨盤の歪みが、股関節痛の原因となることもあるので、左右のバランスを崩すような姿勢は避けましょう。足を組んだり、お姉さん座りをしたりすると、歪みの原因となります。背筋を伸ばしてあぐらで座ることが、骨盤に負担をかけにくい座り方といえるでしょう。

また、立っているときも片方の足に重心をかけないように注意しましょう。肩かけカバンよりは、リュックのほうが良いですね。歩き方の癖によっては、靴の片方の底だけが、すり減っていることもあります。歩くとき、立つときは正しい姿勢を意識してみましょう。

マタニティ整体・マッサージを利用する

自分だけでは足の付け根の痛みが改善しない場合、マタニティ整体やマタニティマッサージを利用することも方法のひとつです。マタニティ専門のお店であれば、妊婦への施術の経験が豊富な店もあるでしょう。横になった姿勢のまま施術を受けられるところもあります。

整体で骨盤の歪みを治したり、マッサージで全身の血行を促進したりすることで、股関節の痛みが改善することがあります。しかし、妊娠中は普段とは身体の状態が異なります。マッサージや整体が、赤ちゃんに思わぬ影響を与えることもゼロではありません。マタニティ整体やマッサージを受ける際は、事前に担当の医師に相談してからにしましょう。

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散歩・ウォーキングで無理しない

適度な運動は、安産に必要な筋肉を鍛えてくれますが、足の付け根が痛いときに無理は禁物です。家の周りを散歩する程度にして、痛みが強くなるようならすぐに休みましょう。ウォーキングをするときは、背筋をまっすぐに伸ばし、正しい姿勢で歩いたほうが良いですね。心配なようなら、夫やパートナーに付き添ってもらいましょう。

臨月は骨盤のケアを忘れずに

骨盤を骨盤ベルトなどでサポートすることで、股関節痛や腰痛を防ぐことができます。また、骨盤の左右のゆがみを防ぐことで、産後の戻りが早くなるといわれています。臨月に入ったら、産後のことも考えて骨盤ケアを始めましょう。

骨盤ベルトで人気なのが「トコちゃんベルト」です。産院によっては、医師や助産師からすすめられることがあるかもしれません。妊娠初期から使える「トコちゃんベルトⅡ」は、骨盤を前から後ろに支えるベルトで、腰痛に悩む妊婦さんが使用するケースも多いようです。

骨盤ケアは、なるべく早くに行ったほうが効果が出やすいといわれています。締め付けが苦しく感じるのであれば、産後からでも構いませんが、自分に合った骨盤ベルトを見つけることから始めてみましょう。

妊娠後期・臨月の足の付け根の激痛や股関節痛の体験談

股関節の違和感を放置しなければ良かったかも

筆者は臨月に入ると、恥骨付近に違和感があることが多くなりました。チクチクとした痛みだったり、ムズムズとしたうずきだったりしましたが「赤ちゃんが動いているのかな」ぐらいに感じていました。

今思うと、増えた体重が股関節にとって負担になっていたのかもしれません。動けないほどではなかったため、放置してしまいましたが、産後は腰痛に悩まされました。因果関係は明らかではありませんが、産前から下半身に負担をかけないように、もう少し気を遣えばよかったと思います。

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足の付け根に違和感があるようなら早めの対策を

臨月に入ると、骨盤周りのじん帯が緩み、赤ちゃんや子宮の重みが増すことから股関節付近に痛みを感じることがあります。安静にしていれば痛みが消えていくこともありますが、股関節痛の放置は骨盤のゆがみにもつながるため、早めに対策をとったほうが良いでしょう。歩けないほど痛みがひどいときは、我慢せずに医師に相談してくださいね。

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