子宮底長の平均値と測り方!長い・短い原因は?臨月や双子の場合の目安は?

子宮底長は、母子手帳の妊婦健診の結果を記入するページに出てくる項目のひとつです。妊娠中期以降、腹囲とともに必ず計測されますが、子宮底長がなにを意味する数字なのか、わからないこともあるのではないでしょうか。子宮底長の測り方や平均的な長さ、子宮底長が長い・短い場合に考えられる原因、産後の変化について詳しく解説していきます。

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この記事の監修

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産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 子宮底長とは?
  2. 子宮底長の測り方
  3. 子宮底長の平均値
  4. 子宮底長が長い場合に考えられる原因
  5. 子宮底長が短い場合に考えられる原因
  6. 双子の場合の子宮底長の目安
  7. 産後の子宮底長の変化
  8. 子宮底長が長い・短い場合でも心配しすぎないで
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子宮底長とは?

子宮底長は、胎児の発育状況の把握、妊娠週数の推定、双子や三つ子などの多胎妊娠の可能性、羊水量の異常などの目安となる数値です。妊婦健診の基本検査項目に含まれており、毎回計測することが推奨されています。

健診のたびに計測することで、数値の伸び率をみます。急速に伸びていたり、低下していたりしないかチェックし、妊娠経過の異常の有無を判断しています。計測は、お腹がふくらみ始める妊娠16~20週頃に計測を開始するのが一般的です。ただし、計測の開始時期は病院によって異なるため、妊娠初期後半の妊娠15週頃から計測を開始することもあります。

日本で多く用いられている測定方法は「安藤-Westin(ウェスティン)法」と呼ばれます。子宮底長は測り方により変動すること、個人差が大きいことから、胎児の発育を診断する根拠としては信頼性に乏しいとされていました。しかし安藤-Westin法を正確に用いることで、子宮底長の計測が胎児の発育診断に有効であることが明らかになっています。

子宮底長の測り方

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子宮底長の計測は、医師や助産師、看護師さんがメジャーを使用して行います。まず、妊婦さんは膝を曲げたまま仰向けで横になり、衣服をめくってお腹を出します。次に、医師や助産師が触診で子宮底の位置と恥骨結合(股関節付近の左右の「恥骨」をつなぐ部分)の上縁を確認します。この時点で膝を伸ばします。

恥骨結合の上縁にメジャーの起点を置き、そこから子宮底の最上部までメジャーを伸ばし、お腹のふくらみを最長距離で計測します。ここで出た数値が子宮底長です。子宮底の位置がわかりにくい場合は、膝を曲げた状態で計測を開始することもあります。

妊娠17~20週までは、膀胱が尿で満たされた状態だと数値に3cmほどの誤差が生じることがわかっています。そのため、妊婦健診で採尿した後に、排尿をしっかりと済ませておくことが望ましいと言えます。また、測定の際は軽く息を吐き、お腹を緩めた状態にすることが大切です。

子宮底長の平均値

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子宮底長の目安の計算方法

子宮底長の概算は(妊娠月数×3+3cm)で求められます。この計算方法でわかるのは、妊娠6ヶ月末~10ヶ月末の子宮底長です。妊娠月数が6ヶ月未満のときは(妊娠月数×3)の計算式で数値を求めます。また、概算法で求められる数値は、該当する妊娠月の最終週に近い数値となります。

ただし、計測が正しく行われなかったり、膀胱に尿がたまっていたりすると、計測した数値には誤差が生じます。妊婦さんの体型や初産、経産婦のどちらであるかも子宮底長に関係するため、計算で求められた数値は目安として考えましょう。

妊娠月数別の子宮底長の目安

妊娠月数
子宮底長
妊娠4ヶ月(12週~15週)12cm
妊娠5ヶ月(16週~19週)15cm
妊娠6ヶ月(20週~23週)21cm
妊娠7ヶ月(24週~27週)24cm
妊娠8ヶ月(28週~31週)27cm
妊娠9ヶ月(32週~35週)30cm
臨月   (36週~39週)33cm

子宮底長が長い場合に考えられる原因

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赤ちゃんが大きい

子宮底長と腹囲は、胎児の出生体重と相関関係にあることがわかっています。そのため、子宮底長が長いと赤ちゃんが大きい可能性があります。

出生時体重が4,000gを超えると、新生児期の低血糖や、分娩に長時間かかる遷延分娩(せんえんぶんべん)になる可能性が心配されます。しかし、近年では妊婦さんの生活レベルが向上し、食事指導などもていねいに行われているため、巨大児が生まれる確率は低くなっています。

体重増加

妊娠20週を過ぎると、赤ちゃんの成長に合わせお腹のふくらみが目立ってきます。そのため、妊娠初期後半から妊娠中期にかけては、子宮底長の伸びが著しくなります。その後、1ヶ月で3cmの割合で伸びていくのが一般的です。

もしも平均的な数値からかけ離れた伸び率を示した場合は、体重増加が原因のひとつと考えられます。ママがBMI18.5未満の「やせ」およびBMI18.5以上~25.0未満の「ふつう」の場合は、1週間に0.3~0.5kgの増加が理想です。

BMI25.0以上の肥満の場合、体重増加量は個別の管理が必要です。定期的な妊婦健診を受け、体重や尿糖をコントロールしていきましょう。

羊水過多

羊水の主な成分は胎児の尿と肺胞液です。胎児は羊水を飲み込み、呼吸や排尿の練習をしながら羊水を循環させています。しかし、ママが糖尿病だったり胎児に染色体の異常があったりすると、羊水の循環が乱れてしまいます。すると羊水過多となり、子宮底長に影響することがあります。

羊水過多となると、ママは呼吸困難や圧迫感を覚えます。早産、常位胎盤早期剝離の可能性もあるため、慎重な妊娠経過の管理が求められます。しかし、羊水過多となる頻度は妊娠全体の0.1~1.6%とされており、そう多く発生するものではありません。子宮底長だけで判断せず、エコー検査の内容と照らし合わせることが大切です。

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前置胎盤

前置胎盤とは、胎盤が正常よりも低い位置に付着している状態を指します。胎盤が子宮の出口にかかっているため、妊娠31週を過ぎて前置胎盤と診断された場合は、帝王切開での分娩となります。

妊娠初期に前置胎盤が判明したときは、妊娠の経過にともない徐々に胎盤が上へ移動することも珍しくありません。子宮底長が長いのは前置胎盤の目安となりますが、前置胎盤を診断するには、エコー検査で経過をみていく必要があります。子宮底長が長くても、心配しすぎないようにしたいですね。

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子宮底長が短い場合に考えられる原因

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赤ちゃんが小さい

子宮底長が短い、もしくはあまり変わらない場合、赤ちゃんが小さいことが考えられます。厚生労働省が発表した2015年の母子保健指標では、出生時の平均体重は男児で3,040g、女児で2,960gでした。2,500g未満の低出生体重児の割合は男児で8.4%、女児で10.6%と1980年と比較すると約2倍に増えています。

近年は高齢出産の割合が高く、低出生体重児となるケースは増加しています。お腹の中でゆっくりとでも育っていれば、赤ちゃんの大きさを気にしすぎる必要はないでしょう。

ただし、標準から著しく外れていく場合は、胎児発育不全の可能性が考慮されます。胎児発育不全では、新生児低血糖や低カルシウム血症などの発症リスクが高まることが指摘されています。母体側の問題、胎児側の問題とさまざまな原因が考えられるため、医師と相談しながら原因を探っていきたいですね。

羊水過少

羊水の量はエコー検査で量を測定しますが、子宮底長でも、羊水量の加減を判断することができます。羊水量は妊娠32週頃に最大量となり、その後徐々に減少します。分娩が近づくと、胎児が骨盤内に降りてくるため、子宮底長も短くなったり、伸び率が鈍化したりします。

しかし、妊娠32週以前に子宮底長にあまり変化がみられなかったり、予定日を超過して子宮底長が短くなったりした場合、羊水減少は胎盤機能の低下や前期破水の兆候としてあらわれます。胎動が減った、下腹部が痛むなど気になる症状があったときは、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

双子の場合の子宮底長の目安

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双子や三つ子の多胎妊娠の場合、単体妊娠に比べて子宮底長は長くなる傾向があります。胎児が在胎週数に対し、標準体重かそれよりも軽いかで差が生じますが、妊娠20週で24.1~25.7cm、妊娠32週で35.4~37cm、妊娠36週で37.3~42cmという研究結果があります。子宮底長が最大となるのは38~39週で、40.8~44cmに変化しています(※1)。

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産後の子宮底長の変化

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産後、子宮の回復にともない子宮底の高さは変化します。分娩直後の子宮底長は11cmですが、分娩後12時間が経過すると、子宮は右に傾き子宮底長は15cmまで伸びます。その後、産褥1~2日にかけて12cmになり、3日目に分娩直後の長さまで戻ります。

子宮底の高さが恥骨結合上縁まで戻るのは産後7~9日目で、9~10日が経過するとお腹の上からは子宮底を確認できなくなります。

子宮底長が長い・短い場合でも心配しすぎないで

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子宮底長は、ママが鏡越しで確認でき、家族がメジャーで測れそうな手軽さがありますね。しかし子宮底長の計測は、熟練した専門家が行う場合であっても、計測の方法、膀胱の状態、脂肪の付き方で誤差が生じるものです。

子宮底長は妊娠経過を診断するうえで重要な指標となりますが、子宮底長が長い・短いというだけでは妊娠経過を診断することはできません。仮に健診で妊娠経過にかかわるような問題がみつかれば、エコー検査や必要に応じた詳細の検査が行われます。子宮底長の数値が目安と異なるからといって不安になりすぎず、あくまでも目安としてとらえるようにしましょう。

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