双子のエコー写真はいつから・どのように見える?双子が見えないことがある?

産婦人科医監修|双子の妊娠を希望している方は、双子の妊娠がいつごろ判明するか気になるかもしれません。双子の妊娠は基本的に妊娠初期のエコー検査でわかりますが、一卵性か二卵性かによって時期が少しずれ、エコーの見え方も異なります。ここでは、双子の妊娠のエコー写真がどのように見えるか、双子が見えない場合について解説します。

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この記事の監修

寺師 恵子
産婦人科医
寺師 恵子

目次

  1. 双子とは
  2. 双子の妊娠検査薬の反応は?
  3. 双子の妊娠はいつわかる?
  4. 双子のエコー写真の見え方
  5. エコーで双子が見えないことがある?
  6. 双子の妊娠・出産は大変な分、喜びも大きい
  7. あわせて読みたい

双子とは

双子の妊娠は、医学的には「双胎妊娠」や「多胎妊娠」と言います。双胎妊娠は通常の単胎妊娠に比べてリスクが多く、厳重に管理しながら妊娠生活を送ります。

双胎妊娠は受精卵の数や胎児を包む膜の数によって分類することができます。

一卵性か二卵性か

双子は受精卵の数(卵性)によって「一卵性双胎」と「二卵性双胎」に分類され、それぞれ誕生の仕組みが異なります。

一卵性双胎は通常の妊娠と同様、ひとつの卵子がひとつの精子と受精します。しかし、何らかの原因で受精卵が細胞分裂する過程でふたつにわかれ、それぞれがひとりの胎児として発育します。もともと同じ受精卵だったため、双子のゲノム(遺伝情報)はまったく同じになり、性別も血液型も一緒、外見もそっくりになります。

二卵性双胎はふたつ以上の卵子が排卵され、それぞれ別の精子と受精して双子として成長します。受精卵が同じではないためゲノムも異なり、性別や血液型も必ずしも同じになるわけではありません。外見が似ていないということもよくあるようです。

近年、二卵性双胎が増加傾向にあるのですが、不妊治療の普及が一因と考えられています。排卵誘発剤で複数の卵子を排卵させたり、体外受精で複数の受精卵を子宮に注入したりすることで、二卵性双胎が生じやすくなるのです。

絨毛膜と羊膜は何枚あるか

一卵性双胎は、赤ちゃんを包む絨毛膜や羊膜の枚数(膜性)によって「一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)」「一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)」「二絨毛膜二羊膜双胎(DD双胎)」の3つに分類されます。

MM双胎は、絨毛膜から構成される胎嚢(たいのう)がひとつだけあり、その中にふたりの胎児が羊膜の壁を隔てずにいる状態です。MD双胎はひとつの胎嚢の中に羊膜がふたつあり、それぞれの羊膜の中に胎児がいます。DD双胎は胎嚢がふたつあり、それぞれに赤ちゃんがいる状態です。

二卵性双胎の場合にはほぼ100%の確率でDD双胎になるといわれています。

双子の妊娠は、母体と胎児の両方に大きな負担がかかるハイリスク妊娠といわれているのですが、リスクの程度はこの膜性によって大きく異なります。

双子の妊娠検査薬の反応は?

双子を妊娠した場合、妊娠検査薬の反応はどうなるのでしょうか。妊娠検査薬で規定されている期間に検査を行えば、基本的には通常の単胎妊娠と同様に陽性反応が出るようです。

ただし、場合によっては陰性反応が出てしまい、後日、双子を妊娠していたことが判明して驚く人もいます。どういうことかというと、妊娠検査薬は尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンを測定し、一定以上の数値が出ると陽性反応が出るのですが、反応できる数値に上限があります。双胎妊娠ではhCGが通常より多く分泌されるため、反応上限を超えてしまって陰性になる可能性があるのです。

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双子の妊娠はいつわかる?

双子を妊娠しているかどうかは妊娠初期の超音波(エコー)検査でわかりますが、一卵性双胎か二卵性双胎かによって時期が少し変わります。

妊娠4週後半~5週ごろになると、エコー検査で胎嚢が見えるようになるのですが、この胎嚢がふたつあると二卵性双胎と診断されます。一卵性双胎の場合、胎嚢はひとつしかないため、この段階では双子を妊娠しているかどうかわかりません。

ただし、先輩ママの中には、妊娠5週ごろのエコー検査で胎嚢がひとつしか見えなかったものの、次の妊婦健診で胎嚢がふたつ確認できて二卵性双胎だと判明したケースもありますよ。

妊娠6週~7週頃のエコー検査では胎芽と心拍が確認できるようになりますが、このときにそれぞれふたつ確認できれば一卵性双胎です。

双子を妊娠したことが判明すると、早期に膜性を診断することが重要です。双胎妊娠のリスクは膜性によって異なるからです。妊娠15週を過ぎると絨毛膜と羊膜が接着して膜性診断が難しくなるため、妊娠10週前後に行います。

双子のエコー写真の見え方

妊娠初期

二卵性双胎の場合、妊娠5週ごろにエコー検査で胎嚢がふたつ確認できます。エコー写真では、ふたつの黒い楕円の部屋があり、それぞれに赤ちゃんが白い影として写っているのが見えるでしょう。

一方、心拍が確認できたころの一卵性双胎のエコー写真を見ると、ひとつの黒い楕円の部屋の中に、ふたつの白い影が写っているのがわかります。ただし、角度によっては白い影がひとつしか見えないこともあるようです。

エコー写真では、赤ちゃんを包む羊膜もうっすらと白い線として確認することができます。DD双胎の場合、ふたつの黒い部屋にそれぞれいる赤ちゃんを白い線が囲うように見えます。MD双胎の場合は同じ部屋にいる赤ちゃんがひとりずつ線に囲まれていて、MM双胎の場合はひとつの膜にふたりとも入っています。

妊娠中期~後期

妊娠初期のうちは、双子の成長を一枚のエコー写真におさめることができます。しかし、妊娠中期以降、赤ちゃんが急速に発育すると、顔など身体の一部しか写らなくなります。ふたりを同時に写せなくなり、ひとりずつ写すことになりますよ。片方は背中を向けていて、もう片方は横向きなど、違う方向を向いていることが多いようです。

性別の判定については、一卵性双胎の場合、狭い子宮内でくっついているため、外性器を確認しづらく、性別の判定が通常の単胎妊娠より遅くなりやすいでしょう。二卵性双胎の場合、赤ちゃんが完全に別の部屋にいる状態なので、一般的に一卵性双胎よりも早めに性別がわかります。

妊娠8ヶ月頃にはお腹が臨月に近い大きさになるのですが、エコー検査のために仰向けに寝ると、お腹の重みで妊婦さんが息苦しくなってしまうことがあります。検査が長引いて母体に負担がかからないよう、エコー写真もひとり分だけ写す病院もあるようです。

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エコーで双子が見えないことがある?

双子の妊娠では、エコー検査をしても双子の両方の姿を見られない場合もあります。エコーのあて方や双子の位置によっては、片方の赤ちゃんがもう片方の後ろにすっぽり隠れた状態になり、エコーに写らなくなるのです。使っているのが古いエコーで精度が悪いケースも考えられます。

こうした場合、単胎妊娠だと思っていたのにもかかわらず、妊娠中期以降に双子が判明するということも非常にまれながらあるようです。

一方、赤ちゃんに異常があり、エコーで見えなくなってしまうこともあります。妊娠初期に片方の赤ちゃんが死亡(双胎一児死亡)してしまい、消えてなくなる「バニシングツイン」という現象です。バニシングツインの原因ははっきりとわかっていませんが、単胎妊娠の自然流産と同様、染色体異常などによって受精の段階で成長できないことが決まっていたと考えられます。双胎妊娠であれば誰にでも起こる可能性があり、残念ながら予防はできません。

双子の妊娠・出産は大変な分、喜びも大きい

双子を妊娠、出産するのは多くのリスクを伴います。ふたりの赤ちゃんがお腹で育っていく分、母体に大きな負担がかかり、貧血や妊娠高血圧症候群などの合併症を発症する可能性が高くなるからです。また、早産しやすいため厳重な管理が必要で、分娩も帝王切開になるケースがほとんどです。

双胎妊娠はハイリスクなため、妊婦健診のたびに「今日もふたりが元気に育っていることが確認できますように」と緊張する方も多いでしょう。しかし、ストレスがたまりすぎてはいけないので、わからないことや不安なことがあれば、すぐに医師に相談してください。健康管理に十分気をつけつつも、心穏やかに過ごせると良いですね。双子の妊娠は確かに大変ですが、ふたりが仲良く並んでいるのがエコーで見えたときや、無事に誕生して出会えたときの喜びは大きいに違いありませんよ。

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