【産婦人科医監修】妊娠中の動悸・息切れがつらい!原因と対処法・予防法は?|体験談
妊娠してから食後や仕事中、安静時などに動悸・息切れが気になる妊婦さんは多いようです。妊娠中期から妊娠後期ごろに激しい動悸がすると、お腹の赤ちゃんのことが心配になる人もいますよね。心臓と深い関わりがある動悸の原因・対策、貧血との関係や眠れないときの対処法などをままのてユーザーの妊娠中の体験談を交えながら解説します。
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目次
妊娠中の動悸・息切れ
動悸とは
動悸とは、自分の脈拍が速い、心臓の鼓動が激しいと感じる状態を指します。激しい運動をしたあとに動悸を感じるのは普通ですが、貧血や興奮・緊張をしている状態、カフェインやアルコールの多量摂取・病気・薬の副作用などによっても動悸を感じることがあります。原因にもよりますが、息苦しい・ふらつきを感じる・胸焼け・のぼせ・耳鳴りなどを伴うこともあるようです。
息切れとは
息切れとは息苦しく感じる、呼吸がはやくなる状態のことを指します。運動後や階段の昇り降りをしたあとには健康な人でも息切れしますが、何もしていないまたは軽く動いただけで息切れする場合には身体に異常があるかもしれません。酸素を十分取り込めていない、または酸素が身体を十分にめぐっていないときに起こります。息切れで動けない、頭痛を伴うといったケースもあります。
妊娠が判明した妊娠7週のころから、動悸が激しくなり気分が悪く、あわせて冷や汗がでる症状が何度もありました。動悸が激しくなると周りからは顔色が悪いと指摘されることがよくありました。とくに仕事で1時間ほど立ちっぱなしのときなどによくその症状が起こっていました。実際に動悸があるときに自分の脈に触れると1分間に約100回の速さで、すごく速くなっていることが多かったです。
(なるさん/出産当時28歳)
妊娠初期はつわりがひどかったので、動悸は特に感じませんでしたが、妊娠9ヶ月に入るとお腹が大きくなってきた影響も受けてか、毎日動悸が激しかったです。動悸が激しくなったのは、午前中、洗濯物を干した後が多かったです。少し動いただけでもドキドキするので、そんなときは無理をせずに横になって大事をとっていました。
(あゆみさん/出産当時27歳)
妊娠中の動悸・息切れの原因
貧血
妊娠すると、大量の血液を全身に送るために、心拍数が妊娠前に比べて20%ほど増えるといわれています。心拍数が増えると、普段よりドキドキを激しく感じるかもしれません。
妊婦はお腹の胎児のために大量の血液を身体中に送る必要がありますが、血液量が増えても赤血球はそれほど増えていません。相対的に血液成分の濃度が薄まることで、妊婦は貧血になりやすくなります。貧血も動悸や息切れの原因のひとつとなります。
病気
不整脈や狭心症などの心臓の病気、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や低血糖など内分泌の病気でも動悸や息切れが起こることがあります。動悸・息切れの症状が続くとき、ひどいときには、我慢せず病院に行きましょう。
ストレス・不安・緊張
ストレス・不安・緊張が動悸・息切れの原因になることもあります。体調の変化による仕事でのストレスや家庭環境の変化への不安などが動悸の原因になっている妊婦も少なくはありません。過剰なストレスが原因の過換気症候群(過呼吸症候群)で動悸や息切れを感じることもあります。
お腹の張り止めの薬などによる副作用
お腹の張り止めとして処方される薬や貧血の改善のために処方される鉄剤の中には、副作用として動悸や息切れが現れるものがあります。手の震え、吐き気といった副作用が起こるものもあります。ひどい副作用が続く場合には医師に相談してくださいね。
体重増加
体重の増加が動悸、息切れの原因になることもあります。体重が増加するとより多くの酸素が身体に必要になり、心臓への負担が強まることで動悸が起こりやすくなります。妊娠中はある程度の体重増加は仕方なく、むしろ正常ですが、増えすぎにはくれぐれも注意したいですね。
寝不足や低血圧、カフェインも
寝不足による自律神経の乱れ、歯医者で使用されている麻酔の一種、カフェインやアルコールの多量摂取、双子を妊娠している場合など、さまざまな原因により動悸・息切れが起こる場合があります。
アンケート:妊娠中に動悸や息切れを感じましたか?
ままのてユーザー122人にアンケートをとって聞いてみました。
妊娠初期に動悸や息切れを感じましたか?
妊娠初期に動悸や息切れを感じたママは22.1%でした。おおよそ、5人に1人は動悸を感じていたということになりますね。
妊娠中期に動悸や息切れを感じましたか?
妊娠中期に動悸や息切れを感じたママは28.7%でした。妊娠初期とあまり変わらないですが、動悸や息切れを感じるママが少し増加しました。
妊娠後期に動悸や息切れを感じましたか?
妊娠後期に動悸や息切れを感じたママは59.8%でした。妊娠初期~中期では動悸や息切れを感じるママが20%~30%でしたが、妊娠後期になると半数以上のママが動悸や息切れを感じているようです。
妊娠後期は妊婦の動悸・息切れが生理的に多くなる時期です。妊娠中期よりも赤ちゃんが大きくなり、妊婦の子宮がさらに横隔膜や肺を押し上げてしまうため、呼吸がしづらくなる妊婦さんも増えます。また、実際妊婦さんの体重が増加して心臓への負担が増すことも考えられ、動悸を引き起こす原因のひとつです。
妊娠後期や食後に注意?動悸が起こりやすい時期・タイミング
動悸や息切れが起こりやすい時期
妊娠中は動悸や息切れが起こりやすい時期があります。その時期は原因によって異なり、たとえば妊娠中の貧血が原因の場合は妊娠後期から臨月、妊娠によるストレスが原因の場合は妊娠初期と妊娠後期に強く現れる可能性があります。
妊娠中期にはつわりが軽くなる人が多いため活発に動く妊婦が増え、運動量の増加により動悸が起こることもあります。このように、動悸・息切れが起こりやすい時期は原因によって変動します。
動悸や息切れが起こりやすいタイミング
妊娠中の妊婦さんが動悸や息切れを感じやすいタイミングとしてあげられるのが、寝起き、入浴後などです。ベッドから起き上がったり、湯船から立ち上がったりと、安静の状態から急に動くことなどによって、酸素不足から動悸・息切れが起こるケースが多いようです。
妊娠中に動悸を感じるタイミングとして、食後も上げられます。一般的に入浴後は心拍数が増加しますが、食べすぎると心拍数の増加は顕著になります。妊娠中の動悸が食後にひどくなるようであれば、1回の食事量を減らすなどの工夫をしても良いでしょう。
妊娠中の動悸・息切れによる胎児への影響は?
妊婦の動悸・息切れによって即座に胎児に影響が出る可能性は低く、多くの場合は安静にしたりカフェインを控えたりすることで正常に戻るといわれています。
一方で、ひどい動悸・息切れが治らず長く続く場合や動悸・息切れの原因によっては、お腹の赤ちゃんに影響が出る可能性があるため注意が必要です。動悸・息切れはさまざまな要因によって引き起こされるため、気になるようであれば病院に相談しましょう。
動悸・息切れの対処法
身体の左側を下にして横になる
妊婦さんは左側を下にして寝ることで、子宮から心臓へ自然に血が流れるため楽になる場合があるそうです。妊婦は妊娠後期になるとお腹が重くなり、寝返りできない、息苦しいといったことから不眠になる人もいます。無理せず苦しくない体勢を見つけて横になってくださいね。
座る
妊婦でなくても、歩いているときや人ごみの中などで急に動悸を感じる場合があります。動悸を感じたら、無理をせずすぐに座れるところを探し、症状が落ち着くのを待ちましょう。念のために妊婦は外出するときは母子手帳や保険証、診察券などを忘れずに携帯してくださいね。
何かにつかまるかしゃがむ
すぐに座れるところがなくても、自分の身体を預けられるようなものにつかまり、もしくはその場にしゃがんで、動悸が落ち着くのを待ちましょう。妊婦は転倒に注意する必要があります。まずは転倒しないように気をつけましょう。
一番の対処法はできるだけ動かないこと、ゆっくり動くことだそうです。大事な時期ですから、夫や家族に話して理解と協力を求めたほうが良いとおもいます。
私のときは夫に多大な協力をしてもらいました。料理、洗濯、掃除をほぼやってくれたので、助かりました。妊娠の辛さ、産みのつらさは男性にはわからないので、妊娠中には、たっぷり甘えましょう。
(姐さんさん/出産当時35歳)
動悸・息切れの予防法
動悸・息切れはストレスや不安、緊張が原因で引き起こされる場合があります。妊娠中は環境の変化、身体の変化により自分でも気がつかないうちにストレスがたまっている可能性もあります。自分に合うリラックス方法を見つけ、妊娠中は無理をしないということを心がけましょう。
足湯や入浴で温まる
身体が温まると全身の血流が良くなり、リラックスできます。湯船に浸かる際には、長風呂せず、熱すぎない温度で入ると良いでしょう。お風呂でリラックスすると、ぐっすり眠ることもできるかもしれません。
ただし、入浴は息切れを起こしやすい動作が多く、注意しなければ心臓に負担がかかります。湯船からはゆっくりと立ち上がる、湯冷めしないように脱衣所と浴室を温めておくといった細かな点で工夫ができると良いですね。
適度に休む
つわりが落ち着くころには、つい妊娠前と同じように予定をたくさん入れてしまう人がいますが、注意が必要です。妊婦の身体は疲れやすく、気づかないうちに負担がかかっていることもあります。無理に予定を詰め込み過ぎず、適度に休みながら動きましょう。
足を高くする
足の下にクッションなどを入れて高くして寝ると、血流が良くなり妊婦の動悸予防にも効果が期待できるかもしれません。妊娠後期にはお腹が大きくなるため難しくなるかもしれませんが、この方法は妊婦に多い悩みのひとつであるむくみ対策としても有効です。無理をしない範囲で、できるときに足を少し高くして寝ることでむくみを予防しましょう。
動悸や苦しいと感じたときの寝方
動悸・息切れの対処法としては、まず「楽な姿勢で安静にすること」があげられます。動悸・息切れはさまざまな原因で引き起こされますが、大半のものは安静にすることで解消されることが多いようです。妊婦は身体の変化により、どのような体勢で安静にするべきか悩む人も多いかもしれませんが、無理をしない範囲で、自分に合う安静方法を見つけておくと良いでしょう。
シムスの姿勢
妊婦におすすめの寝方のひとつに、シムスの姿勢(シムス位)があります。身体の左側を下にして、横向きで寝る方法です。シスムの姿勢で寝れば、お腹が圧迫されず血液の循環がスムーズになり、比較的寝やすくなるといわれています。
足を高くして寝る
「足を高くして寝る」方法は、むくみ予防のひとつとして有名かもしれません。足の下にクッションなどを置き高くして寝ることで、心臓に血液が流れやすくなるため、寝やすいと感じる妊婦も多いようです。
抱き枕やクッションを活用する
横向きの姿勢でクッションを足に挟んだり、抱き枕を使ったりした上で横になると、楽であると感じる妊婦が多いようです。抱き枕はお腹も楽になり、安眠サポートとしても期待ができるかもしれませんね。
眠れないときでも、ひとまず横になる
妊娠中は、無理をせず身体を休めることが大切です。眠くなくても横になるだけで、身体の疲れは比較的とれるでしょう。全身の力を抜いて横になり目を閉じると、リラックス効果にも期待ができますよ。
動悸や息切れを感じたときは、とにかく無理をしないようにしました。無理して動くと苦しくなっていた気がします。仕事中は座らせてもらっていました。寝る前はあたたかい飲み物をゆっくり飲み、すぐ横にならず、しばらく座って落ち着いてから横になるようにしていました。枕元には飲み物を用意しておき、起きたときにすぐに飲んで落ち着けるようにしていました。
(mmo19さん/出産当時23歳)
妊娠中の動悸に関する体験談
筆者は積極的に外に出るタイプのため、予定をぎっしりと埋めて動き回ることが好きでした。妊婦になってからは、気持ちとは裏腹に大した距離を歩くことはできず、すぐに息切れをしていた記憶があります。妊娠中にもっと歩けるはずだと思いながら休まず無理して歩いたところ、股関節が痛くなり、めまいがして驚いたことがあります。妊婦はとにかく水分をとってときどき休むことが必要なのだなと実感しました。
※この記事は2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。