妊婦は胃薬を飲んでも大丈夫?妊娠中にOK・NGな胃薬は?
妊娠中の不快症状は多々ありますが、多いのは「胃のトラブル」。吐き気、胸焼け、消化不良、もたれなどなど、胃にまつわるトラブルは妊娠中にとても多いものです。そんなときに悩むのが、妊娠中に薬を飲んでいいのかどうかということ。今回は、妊娠中でも飲める胃薬と、避けるべき胃薬について解説します。
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目次
妊婦は胃薬を飲めるの?
飲んで良いものもある
胃薬は使用時のリスクの高い順に「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」「医薬部外品」の4つに分類されています。「第2類医薬品」の一部の胃薬と、「第3類医薬品」と「医薬部外品」の胃薬に関しては、妊娠中でも飲めるものがあります。
安全性が確立されていないものもある
まだ妊娠中の安全性の確立がされていない胃薬が多く、妊娠中に飲めるものと飲めないものが分かれています。一般的に作用が穏やかだとされている「ムコスタ」「セルベックス」でも、妊娠中の安全性は確立されていません。
妊婦は控えるように製造元から推奨されているものがある
「ムコスタ」や「セルベックス」の他にも、妊婦への安全性が確立されていないので、「妊婦は控えるように」ということを製造元が推奨している薬もあります。薬の説明書に記載されていますので、よく読んでください。
基本的には医師に処方してもらう
基本的には、妊娠中の胃薬は医師に処方してもらうのが、間違いありません。同じ妊婦さんでも妊娠高血圧症などの症状が出ていると、これは飲んではいけない、と判断されるものもあります。
自己判断で飲まない
また、家にある胃薬で、胃が痛いときに飲んでも大丈夫か確認したい際は、かかりつけの産婦人科の医師に聞いてみましょう。決して、自己判断で「大丈夫だろう」と飲んでしまわないように気を付けましょう。
医師に相談してから飲める市販薬
太田胃散
太田胃散は、生薬の効果で、胃もたれ、胃のむかつきの不快感を取り除き、胃酸を調整して消化を助けてくれる薬です。医師に相談し、OKが出れば、飲んでも大丈夫です。太田胃酸は、第2類医薬品に分類されています。
セルベール整胃錠
セルベール整胃錠は、産婦人科でよく処方される「セルベックス」を主成分としています。胃を守る粘液を増やし、配合されている生薬が胃の働きを高めてくれます。セルベール整胃錠は、第2類医薬品に分類されています。
ザ・ガード コーワ整腸錠
ザ・ガードコーワ整腸錠は、腸内の善玉菌が増えるのを助ける作用のあるパントテン酸カルシウムと、生きたままの乳酸菌と納豆菌が大腸に届くように製剤されている薬品です。第3類医薬品なので、第1類や2類のものと比べても、比較的副作用が少ない薬品です。
新ビオフェルミンS錠
新ビオフェルミンS錠は、自然な整腸作用があり、ヒトの腸内にいる乳酸菌を製剤化したものです。医薬部外品なので、妊娠中でも、授乳中でも飲むことが可能です。
エビオス錠
エビオス錠は、ビール酵母に含まれている栄養素の働きによって、胃腸の動きを活発化させて、栄養補給もできる薬です。
ミヤリサン錠
ミヤリサン錠は、乳酸菌の発育を助け、腸内細菌の正常バランスを保つことで、整腸作用が働く薬です。
パンシロンAZ
パンシロンAZは、荒れた胃粘膜の防御力をアップし、胃部不快感、胃の痛みなどの症状に効果を発揮する薬。これらの薬は、常用は難しいのですが、どうしても病院にいけないときに、応急処置的に飲むことができます。
妊娠中に避けるべき市販薬
それでは、妊娠中に避けるべき市販薬をお伝えします。もし、医師の処方でOKが出たものがあっても、市販薬と処方では成分に含有量が違う場合があるので「同じ名前の薬だから大丈夫」と安易に判断しないようにしましょう。
ファチモジンを含むもの
ファチモジンを含む「ガスター」などの医薬品は、妊娠中には服用しないようにしましょう。ファチモジンは、身体の免疫機能を下げてしまいます。また、妊娠中に飲んでも安心というデータもないので、妊娠中は飲まないように気を付けましょう。
H2ブロッカーを含むもの
H2ブロッカーを含む「ガスター10」「アバロンZ」などの第1部医薬品は控えるようにしましょう。これも、妊娠中の安全性の確立がなされていない成分です。医師がよほどの必要性があると判断して処方しない限り、授乳中も同様に、服用はストップしてくださいね。
ロートエキスを含むもの
また、ロートエキスを含む「スクラートA」「キャベジンコーワa(またはS)」も注意をしましょう。ロートエキスは、ロートエキスの成分を通じて、乳児の頻脈を引き起こしたり、おっぱいが出にくくなったりする可能性があります。さらに視覚異常を起こす恐れもあることから、妊娠期、授乳期の使用は控えましょう。
妊娠中の胃腸の不快症状
吐き気
最初にも書きましたが、妊娠中は胃もたれや吐き気が起こりやすくなります。それは、妊娠すると、胃腸の働きが弱くなることがひとつの原因なのです。まず、よくあるのは「吐き気」。つわりも同様に、妊娠中には、気持ち悪さが襲ってくることが多々あります。
胸焼け
妊娠中には胸焼けもよく起こります。胸焼けは胃酸が逆流している可能性もありますので、頭を高くして寝ると楽になるかもしれません。胸やけがひどい場合は、医師に相談しましょう。
消化不良
妊婦さんの胃腸はこれまで通りに働かないことで、食べ物が長時間胃の中に残り、消化不良を起こします。便秘や下痢などのトラブルに見舞われる妊婦さんは珍しくありません。
食欲不振
消化不良から食欲不振も起こりやすくなります。何を食べても胃もたれや消化不良をおこすことで、徐々に食欲不振に陥る妊婦さんも少なくありません。
胃腸が不快な原因
つわり
妊婦さんの胃腸が不快な原因の一つは、「つわり」です。つわりは、はっきりした原因はわかっていませんが、ホルモンバランスの乱れや、赤ちゃんを異物だと思ってしまって身体が反応しているためなどと言われています。大きく身体が変化する妊娠初期に体調に変化が起こるのは、普通のことなのです。
ホルモンバランスの乱れ
胃腸が不快な原因に、ホルモンバランスの乱れがあります。妊娠すると、プロゲステロンという物質が大量に分泌されます。この物質は胃腸の働きを弱めてしまうので、胃腸が不快になるのは当たり前なのです。そのため、これまでと同じように生活していても、妊娠初期には特に胃腸に不快感が出てしまうのです。
胃腸が圧迫される
赤ちゃんが大きくなってくる妊娠後期になると、胃腸が赤ちゃんに圧迫されることで、胃腸の不快感が出てきます。一度に食事を食べてしまうと胃が圧迫されて不調の原因になるため、食事はなるべく少しずつ分けて食べると良いでしょう。
不安な場合は医師に相談
いかがでしたか。妊娠中は、お腹の中の子どもの大きさやホルモンバランスの関係で、胃腸の不快感は当たり前に起こります。無理に我慢するのではなく、必要なときに医師に相談して薬を処方してもらうようにしましょう。自宅に常備薬がある場合は、必要なときに飲んでも大丈夫かどうか、あらかじめ妊婦健診のときに医師に聞いてみると良いでしょう。