更新日:2018年11月08日

妊婦の湿布の使用は大丈夫?腰痛・肩こりの悩みのケアについて

妊婦は身体の変化により、さまざまな部位の痛みに悩むことがあるかもしれません。腰痛・肩こり・坐骨神経痛などの痛みや捻挫・腱鞘炎などによる足首・手首などの痛みには「湿布」を用いる人が多いでしょう。湿布も「薬」を含んでいるため妊婦の使用には注意しなければいけません。妊婦には禁忌となる成分や使える市販品などを解説します。

監修 : ままのて 医師・専門家
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記事の監修

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産婦人科医
藤東 淳也

肩こり・腰痛・手足の痛み、妊婦の身体の変化

妊娠中は「つわり」や「お腹の張り」といった、さまざまな身体の変化・体調の変化を感じることがあるかもしれません。めまい・頭痛・腹痛・発熱などの症状が出ることもありますが、お腹の胎児の成長に伴い、腰痛をはじめ肩こり・ふくらはぎ・背中・ひざなどのさまざまな身体の部位に痛みを感じることもあるでしょう。もちろん妊娠によるものだけではなく、日々の生活の中で筋肉痛や疲労・怪我で腰や背中・手足などに痛みを感じることもあるかもしれません。

身体の一部に痛みを感じた場合、マッサージやツボ押し・お灸・サポーター・冷やす・温めるなどの対処法を検討するでしょう。最も一般的な対処法のひとつが「湿布や薬などに頼る」方法かもしれません。

湿布は名前の通り、水や薬などを浸した布を炎症が起きた部分などに当てることで症状改善を目指す際に用いるものです。このため「湿布」と言えども、水や天然由来の成分を用いている湿布もあれば、薬を用いている湿布もあります。妊婦が薬を用いる場合には、注意が必要です。妊婦が注意すべきなのは飲み薬だけでなく、湿布薬も含めた貼り薬・塗り薬・漢方薬なども妊婦は注意しなければなりません。

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足腰・背中、妊婦は湿布が必要になるケースが多い

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妊娠中はお腹の赤ちゃんの成長に伴い、子宮が大きくなります。大きくなったお腹は、身体のさまざまな部分に影響を与えます。大きくなった子宮は、血管を圧迫することで血流を悪くさせ、足腰や肩・ふくらはぎ・背中・足首などが痛くなることがあります。筋肉痛や神経痛・恥骨痛・坐骨神経痛を起こす場合もあります。大きくなったお腹をかばうために今までとは違う姿勢や寝方をすることで、お尻や腕が痛くなる・寝違えることもあるでしょう。

足のむくみとともに、「こむら返り」と呼ばれる足がつる現象が起こることも少なくありません。大きなお腹により身体の重心が変わるため、転倒・捻挫・突き指・打ち身といった可能性も考えられます。女性ホルモンの変化によって手首が痛くなる腱鞘炎になる人も多く、原因不明の肋間神経痛で肋骨が痛いといったことに悩む妊婦もいるようです。さまざまな原因により足腰の痛み・肩こりなどを感じることがありますが、無理をせずに適度に休み、痛みが続くようであれば妊婦であることを告げた上で妊婦にも可能な対処法を医師に相談すると良いでしょう。

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妊婦が湿布を貼るのはOK?安全・危険は何で決まる?

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妊娠・出産を通した女性ホルモンの変化により、妊娠中や産後に「腱鞘炎」になる人は多いといわれています。腱鞘炎以外でも、妊婦はさまざまな身体の部位に痛みや違和感をもつ機会が多いでしょう。手首・腰・肩・お尻・背中などのさまざまな部位に使いやすく手軽に試すことができる対処法が「湿布を貼る」ことかもしれません。

市販品では「湿布」というと薬が含まれた「湿布薬」が一般的でしょう。妊娠中はお腹の赤ちゃんや母体への影響を考えて使用できない薬と使用する際にはよく検討しなければいけない薬があります。市販の湿布薬にもお腹の赤ちゃんに影響与える可能性がある薬の成分を含んでいるものがあるため、自己判断で市販品を使用するのは危険です。

湿布薬を通して血液中の薬物濃度が上がると、成分によってはお腹の胎児・母体に深刻な事態を引き起こす可能性があります。市販の湿布・処方された湿布に含まれていることがある「インドメタシン」「フェルビナク」「ロキソニン」「ジクロフェナク」「フェルビナク(セルタッチ)」と呼ばれる成分には、妊婦への使用が禁忌として定められているもの、妊娠中の特定の時期の使用を控えるように指示されるものがあります。妊婦の薬の使用は副作用や影響をふくめて、医師とよく相談した上で使用することが大切です。

湿布に含まれるインドメタシンなどは何に影響する?

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湿布に含まれる場合があるインドメタシン、ロキソニンなどはお腹の胎児・母体への影響から、妊娠中の投与を禁忌として定めているものがあります。やむを得ない状況で医師が使用を許可する場合以外では、妊婦の使用は控えましょう。

インドメタシン

すべての薬は母体から胎盤を通じて胎児に影響を与えるといわれています。「インドメタシン」は動物実験で胎児に奇形が起こる危険性が報告されています。また、胎児の動脈管収縮・胎児腎不全・羊水過少症などの報告もあるようです。

ボルタレン(ジクロフェナク)

消炎鎮痛薬と呼ばれる炎症や痛みを抑える薬は、さまざまな場面で用いられることがあります。湿布薬に含まれる場合がある消炎鎮痛剤の「ボルタレン」は商品名となり、正しい有効成分名は「ジクロフェナク」となります。動脈管収縮作用が比較的強く、胎児心不全などの危険性が指摘されています。妊婦および妊娠の可能性がある人への投与は禁忌として定められています。

ロキソニン(ロキソプロフェン)

頭痛や風邪などで有名な「ロキソニン」は商品名であり、正しくは「ロキソプロフェン」と呼ばれるものが有効成分になります。ボルタレンに比べると動脈管収縮作用の可能性は低いとされていますが、妊娠末期の妊婦への使用は禁忌になります。妊娠末期以外でも安全性が確立されていないため、投与は医師の判断が必要になるでしょう。

セルタッチ(フェルビナク)

ボルタレンやロキソニンと同様に「セルタッチ」は商品名となり、有効成分名は「フェルビナク」になります。湿布薬の有効成分として代表的なものでもあるため、名前を耳にしたことがある人も多いかもしれません。フェルビナクも妊婦・妊娠の可能性がある人への安全性は確立されていないため、医師に相談した上で使用するのが望ましいでしょう。

いつまで妊婦の湿布に注意が必要?

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妊娠中は身体の痛みに加えて頭痛や腹痛、便秘にお腹の張りなど気になることが多いかもしれません。悩みが多いほど、手軽に対応できそうなものから対処法を探して試す人が多いでしょう。「妊婦は薬の使用に注意しなければいけない」という認識から、市販の内服薬以外のもので対応できるもの、漢方薬や湿布薬などの貼り薬といったものでの対応を考える人も多いでしょう。

ここで注意が必要なのが、「漢方薬や湿布薬も薬である」という点です。妊婦には使って良い薬と使う際によく検討が必要な薬があるため、自己判断で使用するのは危険です。妊娠初期はお腹の胎児の器官形成時期でもあるため、薬の使用は禁忌とされていますが、妊娠中期・後期には胎盤を通じた胎児への薬の影響が問題視されています。このため妊娠初期・中期・後期、つまり妊娠期間中はずっと「注意」自体は必要だといえるでしょう。

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医薬品・医薬部外品、痛みケア商品の種類はさまざま

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「妊婦が薬を使用する際には注意をしなければいけない」という認識を持っている人は、むかしに比べると増えつつあるかもしれません。一方で、薬のように見える健康食品や栄養ドリンクのように見える薬なども増えつつあるため、市販品の使用を検討する際に悩んでしまう妊婦は多いかもしれません。

薬局やドラッグストアなどでは「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「食品」といったものを扱っていることが多いでしょう。この分類は法律により定められています。いわゆる薬にあたるのが「医薬品」ですが、効果・効能が認められている成分が医薬品よりも弱い形で入っているのが「医薬部外品」、医薬部外品よりもさらに弱い形で効果が期待できる成分が入っており主に美容などを目的としたものが「化粧品」、リスクの軽減などの表示のみ可能な医薬品・医薬部外品以外の飲食物が「食品」です。

効果・効能が認められているものが入っているという点では、医薬品・医薬部外品に妊婦は注意が必要でしょう。医薬品はさらに第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品とわかれており、第一類は特に安全性上の注意を要するものを含んでいます。第二類・第三類・医薬部外品になるにつれてリスクは比較的少なくなっていきますが、有効成分が入っていることに変わりはないため、胎児への影響も考えて、妊婦は医師の意見を聞いた上での使用が不可欠です。

ロキソニン湿布にサロンパス、妊婦は使用できる?

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妊婦に多いといわれる腰痛・坐骨神経痛、腱鞘炎などの腕の痛みを感じると、市販の湿布薬の使用を検討する人が多いでしょう。市販の湿布薬に含まれている場合がある「インドメタシン」「フェルビナク」「ロキソニン」「ジクロフェナク」「フェルビナク(セルタッチ)」といった有効成分は妊婦への使用は禁忌とされていたり、安全性が確立されていなかったりします。お腹の赤ちゃんのためにも、疑問点・不明点があれば医師や薬剤師などに確認しましょう。

市販品

薬局やドラッグストアで購入が可能な市販の湿布薬ですが、注目すべきは「薬の成分」です。人気の高いロキソニンテープ・ロキソニンパップ・フェイタスには「ロキソニン」「フェルビナク」が含まれているため、使用する前には必ず医師に相談しましょう。湿布薬の代名詞ともいえる、サロンパス・サロンシップは商品によって含まれている成分が異なるため、注意が必要でしょう。長いあいだ指示されているトクホンにはインドメタシンなどの成分は入っていませんが、念のため相談してから使用すると安心できるかもしれませんね。

病院で処方されるもの

腰痛や肩こりなどで病院を受診した際に、モーラステープ・ナボールテープ・ミルタックスパップ・タイホウなどが処方されることがあるかもしれません。妊婦が病院を受診する際には母体・お腹の胎児への影響を最小限に抑えた治療のために、妊娠中である旨を告げる必要があります。病院で処方される湿布にもインドメタシンやロキソニンなどの成分が入っている場合がありますが、妊婦であることを理解した上での処方であれば副作用や影響などの説明を聞き納得した上で使用すると良いでしょう。疑問や不安があれば必ず医師に確認しましょう。

妊婦の肩こり・腰痛などに塗り薬・鎮痛剤は有効?

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肩こり、腰痛、足の痛みなどを感じると湿布を用いて症状を緩和しようと考える人が多いかもしれません。市販の湿布薬に含まれていることがあるインドメタシンなどの有効成分はお腹の胎児への影響が懸念されることから、妊婦への使用を禁忌としているものもあります。湿布がダメなら塗り薬や鎮痛剤はどうなのかと考える人もいるでしょう。

妊娠中は湿布がNGなのではなく、妊婦に使える薬・使えない薬・使う際にはよく検討する必要がある薬があるという点が大切です。このため、湿布薬以外の塗り薬、鎮痛剤に関しても成分によっては、妊婦は使用できない場合があります。ロキソプロフェンが含まれるロキソニンの飲み薬を鎮痛剤として用いる際には医師への相談が必要となり、液体タイプのバンテリンはインドメタシンが含まれているため使用は見送った方が良いでしょう。

古くから愛用されているロイヒのつぼ膏など、妊婦への影響が出るような成分は含まれていない貼り薬もありますが、薬である以上は念のため相談してからの使用が安心できるかもしれませんね。

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妊婦もできる湿布の代わりの腰痛・肩こりケアは?

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妊婦は薬の使用に慎重にならなければいけません。このため、さまざまな症状に対して薬以外の方法での対処法を探す妊婦は多いようです。腰痛や肩こり、腱鞘炎の手首の痛みや坐骨神経痛までカバーできる手軽な方法のひとつが「湿布」での対処です。湿布はもともと薬や水などに浸した布で炎症などの症状を抑えるものを指すため、市販の湿布の中には医薬品・医薬部外品以外の「薬を使用していない湿布」も存在します。

薬を使用していないものでは冷感湿布・温感湿布といったものが多く、湿布という名前を使っていないものもあります。痛みを感じる部位を温める・冷やすことで症状の緩和を目指します。本来の用途とは異なりますが、冷えピタや熱さまシートなどの冷却シートを一時的に湿布代わりとして用いる人もいるようです。

また、腰痛には腰痛ベルト、肩こりにはにおいも気にならないピップエレキバンなどの磁気グッズ、その他サポーターなどの方法も試してみても良いかもしれません。薬に頼りたくない人には安心しておすすめできる方法かもしれませんね。ただし、原因によっては対処法を誤ると悪化するケースもあるため、症状が改善しない場合には使用を中止し、病院を受診しましょう。

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こんにゃくが湿布の代わりになる?自然療法とは

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できる限り薬の使用を控えたいと考える妊婦は多いでしょう。薬以外で身体の痛みの緩和を目指す場合には、マッサージ・患部を温める・冷やす・ツボ・鍼などの方法を検討する人もいるでしょう。

薬を使用しない、湿布の代用品として「こんにゃく湿布」というものがあるという話を聞いたことがあるかもしれません。こんにゃくを温めて、やけどをしないようにタオルなどで気持ち良いと感じる温度になるまで包み、温湿布の代わりに用いる方法です。これは「自然療法」「自然医学」と呼ばれる考え方から生まれた方法のひとつのようです。似た形式のものでは「ひまし油温湿布」というものもあるようです。薬を用いた方法ではないという点では安心ですが、やけどや皮膚のかぶれといったリスクは考えられるため注意は必要でしょう。

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不明点や疑問点があれば専門医への相談を

腰痛・肩こり・捻挫・坐骨神経痛といったものは妊娠前に経験していてもおかしくはない、一般的な悩みかもしれません。身近なものだからこそ、つい妊娠中も妊娠前と同じように湿布を貼ってしまった、薬を使ってしまったということもあるでしょう。妊婦の薬の使用については専門医も慎重に検討するケースがあるもののため、不安なことや疑問があれば自分で判断せずに医師に相談するようにしましょう。

また、薬以外の妊婦でも使用できる腰痛ベルトや医薬品・医薬部外品ではない湿布、磁気グッズなども検討してみても良いのかもしれません。対処法も自分ひとりで悩むのではなく、医師や薬剤師に妊婦ができる症状の緩和法についておすすめを尋ねてみても良いかもしれませんね。

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