【産婦人科医監修】妊娠中にお腹が張るのがつらい!お腹が張ってしまう妊婦の行動とは?
妊娠中にお腹が張ると痛みがつらく、赤ちゃんのことも心配になってしまいますよね。妊婦さんを悩ませるお腹の張りは、どうして起こるのでしょうか。妊婦さんが立ちっぱなしでいたり、たくさん歩いたりするのは良くないのでしょうか。妊娠中のお腹の張りの原因や、妊婦さんのお腹の張りにつながりやすい行動について、体験談を交え解説します。
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目次
妊婦さんのお腹の張りの原因は?
便秘やガスによる張り
妊娠中のお腹の張りは、子宮の収縮運動が原因です。子宮は筋肉でできた袋で、母体の緊張や刺激によって収縮するので、お腹が張ったように感じられるのだそうです。
便秘やガスがたまっていることも子宮には刺激になってお腹が張ることがあるため、便秘になりやすい妊娠中は、オリゴ糖などを摂取して便秘を解消するようにしましょう。お腹の張りを放置していると、流産や早産などの危険も出てきます。お腹が張るときには、必ずすぐに身体を休めるようにしてくださいね。
筆者は食べ物での便秘解消ができなかったので、医師に相談し、妊娠中にも飲める便秘薬を処方してもらっていました。
赤ちゃんの成長による張り
妊娠初期や妊娠後期には、赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなっていくことで、生理的にお腹が張ることもあります。特に妊娠後期は子宮がかなり大きいので、出産の準備のために頻繁にお腹が張るようになります。
お腹の張りが30分以上続いたり、激痛を伴ったり、出血があったりというようなことがなければ、とくに心配はないようです。もしも不安な場合は、医師に相談をしてみてくださいね。
妊娠中のお腹の張りにつながる行動
1.長時間立ちっぱなし
仕事をしたり、きょうだいの行事に参加したりと、妊婦さんであっても長時間立ちっぱなしになる場面は少なくありませんね。しかし、妊婦さんが長い時間立ちっぱなしでいることは、想像以上に身体に負担をかけてしまいます。
特に初産の場合、お腹が張るということが、どういうことなのかわからない妊婦さんも多いようです。そのため、お腹の張りに気付かず、切迫流産などのトラブルにつながってしまうおそれもあります。
筆者は妊娠中にパートをしていたとき、ずっと立ちっぱなしで作業をしていました。自分自身では平気だと思っていたのですが、身体には思った以上に負担がかかっていたようで、切迫早産の診断を受けてしまいました。
お腹が張るとはあまり感じていなかったのですが、助産師さんによると、気付かなかっただけでいつもお腹が張っていたようだとのことでした。その後は気を付けてお腹を触るようにしていたら、通常よりも固くなっていることに気が付き、ずっと赤ちゃんに負担をかけていたのだという申し訳なさで、胸がいっぱいになってしまいました。
2.ストレスをためる
妊娠中はとにかくストレスがたまりやすいものです。身体の変化に行動の制限、つらいつわりに体重管理、ホルモンバランスの変化による精神の不安定など、驚くほど不安定になってしまいます。妊娠中のストレスは、ママにとっても赤ちゃんにとっても良いものではありません。自分にあったストレス解消法を用意しておくことが必要ですね。
切迫早産になって自宅でほとんど寝て過ごしていたころは、1日中1人きりで、退屈さと妙な焦燥感に駆られていました。夫が休みの日に一緒にDVDを見たりちょっと甘いものを食べたりして、ストレスをなるべくためないようにしていました。それでも、どうしても気分が落ち込んでしまったときには、お腹が張ることもありました。
3.身体を冷やす
妊娠中は、「とにかく身体を冷やしてはいけない」と言いますが、便秘を解消しようとわざと身体を冷やしてしまう人もいるようです。ひどい便秘に悩まされている人にはつらいかもしれませんが、便秘は寒さではなく、お腹の赤ちゃんにとって安全な方法で解消するようにしてくださいね。
また、おしゃれのために短いスカートをはいたり、胸元のあいた服を着たりしたいという人もいるかもしれませんが、妊娠中は身体を冷やさないおしゃれを心がけましょう。
妊娠中の身体の冷えによってお腹が張るだけでなく、むくみがひどくなったり、産後母乳が出にくくなったりしてしまう可能性もあります。温かい服装をして、身体を温める食べ物を積極的にとるようにしましょう。
4.重いものを持つ
重いものを持つとお腹に力が入り、子宮の筋肉が収縮してしまうため、お腹が張ることが多いです。そのため、「妊娠中はなるべく重いものは持たないように」といわれています。
特に2人目以降を妊娠している妊婦さんは、上の子を抱っこしていてお腹の張りが気になってしまうこともあるでしょう。お腹が張りやすいときは無理をせずに、パパの手も借りつつ、ほかの方法でスキンシップをとることも考えてみましょう。
第一子の妊娠時、筆者は「このくらい大丈夫」と割と重たいものをよく持っていました。サービス業だったこともあり、仕事柄持たざるを得なかったところもあります。
お子さんがいるパート仲間などにはよく心配されて、荷物を代わりに持ってくれることも多かったです。それでも自分を過信して無理をした結果が「切迫早産」だったと思うと、必要に迫られたとき以外は、やはり重たいものは避けることをおすすめします。
5.お腹を締めつける服を着る
妊娠中は身体を締めつけないゆったりとした服を着ることが推奨されているとご存じの方も多いでしょう。妊娠中によく身につける「腹帯」選びについても、きつすぎないものを選びたいですね。
筆者は、義両親からいただいた2枚と、自分で用意したもの1枚の計3枚の腹帯を使用していました。腹帯は、お腹が冷えないようにお腹全体を包み込むようなタイプのものでした。腹帯はしっかりつけなければと苦しくない程度につけていましたが、場合によっては締めつけられ、お腹が張ることもあります。筆者も切迫早産と診断されていからは、手持ちの腹帯の着用はしないようにとの指示を受けました。
また、トコちゃんベルトなどの骨盤ベルトの使用はすすめられてはいたのですが、こちらも使い方が正しくないと逆効果になってしまうとのお話でした。トコちゃんベルトを使っている方は、もう正しい使い方かどうかを確認してみてくださいね。
6.過度なウォーキング
妊娠中はウォーキングをすすめられますが、無理のない範囲で続けることが一番大切です。「今日は食べすぎてしまったから」などと疲れ切るまで行うことは避けてください。
妊娠中の運動の目安は、普段の家事に加え、ウォーキングなどの軽い運動を30分程度だといわれています。個人差はありますが、過度な運動はお腹が張る原因となってしまいます。体力づくりや安産などにも効果があるウォーキングであっても、お腹の張りを感じたらすぐに休むように心がけましょう。
こんなときは、すぐに病院へ
以下のような症状があるときには、すぐに医師に相談することをおすすめします。
・激痛を伴う
・休んでいても治らない
・出産間近ではないのに、1時間に6回以上お腹が張る
・何日も続く
・出血がある
お腹の張りのほかにこれらの症状がみられるときは、早産や流産、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)のリスクもあります。妊婦さんとお腹の赤ちゃんの命を守るためにも、心配なお腹の張り屋症状があれば一刻も早く病院へ行くようにしましょう。
※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。