【助産師監修】妊婦の冷えの原因と影響は?冷えのサインと対策・解消法

冷えは手足など身体の末梢の血行が悪いことから起こります。血液は心臓のポンプ作用で四肢の先まで回っていきますが、循環が悪くなると心臓へ戻りにくくなります。手足の先だけでなく、腰や下腹部まで冷えてしまうことも。ここでは、妊婦の冷えの原因と影響について、ままのて読者の体験談とともに助産師監修で解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 妊婦は冷えに注意
  2. 妊娠中に冷えやすくなる原因
  3. 【アンケート】妊娠中に冷えやすさを感じましたか?
  4. 冷えによる母体と胎児への影響
  5. 【アンケート】どんな場面で冷えを感じましたか?
  6. 妊娠中の冷え対策
  7. 夏場の冷房に気をつける
  8. 冷えを改善する生活
  9. 冷えていることに気づきましょう
  10. あわせて読みたい

妊婦は冷えに注意

妊娠中はお腹が大きくなり、心拍出量も通常時より30~40%増加するため暑さを感じることが多く、冷え性の自覚が起こりにくいといわれています。とはいえ妊婦さんは、冬だけでなく夏のクーラー使用時なども冷えすぎないようにしましょう。

妊娠すると胎児と胎盤を有する子宮が大きくなり、循環血液量も1.5倍になります。しかし女性はもともと筋肉量が少ないため、筋肉内のポンプで増えた水(血液中の水分)をうまく動かすことができず、むくみにつながっていきます。

妊婦さんは、暑いと感じることが多いけれど、実は冷えやすいのです。

妊娠中に冷えやすくなる原因

ストレスと自律神経の乱れ

妊娠中は妊娠を維持するためにホルモンバランスが変化するので、自律神経が乱れやすくなります。もともとストレスを感じやすい性格だったり、さまざまなストレスのために自律神経が乱れたりすると、血行不良を招き、身体が冷えやすくなります。

血行不良

妊娠中はお腹に赤ちゃんを抱えているために骨盤に負担がかかり、姿勢が変わってきます。骨盤周辺の筋肉が緊張して硬くなりやすいので、血行が悪くなり、身体が冷えやすくなるのです。

運動不足

妊娠すると、つわりや貧血、お腹の重さなどのため、どうしても身体を動かしづらくなります。冷えは、手足など末梢の血行が悪いことから始まります。血液は、心臓のポンプの作用で手足の先まで回っていくのですが、あまり身体を動かさないことで循環が悪くなると、その血液が心臓に戻りにくくなります。手足の先だけでなく、腰や下腹部も冷えやすくなります。

筋肉量の低下

妊娠すると、運動量が減ります。運動不足によって筋肉量が低下し、筋肉による熱を作る働きや血流の機能が落ちてきます。

女性ホルモンの乱れ

妊娠すると女性ホルモンに変化が起こります。これは妊娠を維持するために必要なことなのですが、ホルモンバランスが崩れると脳の司令塔である視床下部がそれを正そうとがんばってしまい、その結果自律神経のバランスも崩れる、という状態になりがちです。

環境と体温調節

妊娠すると高温期が続いたりお腹が大きくなったりするため、暑いと感じがちです。そのため、クーラーの設定温度を必要以上に低くしてしまったり、冬でも薄着になってしまったりする妊婦さんもいるでしょう。お腹まわりや首まわりなどが暑くても、手足などの末消は冷えてしまうという結果を招くので、体温調節に気をつけて過ごすと良いでしょう。

【アンケート】妊娠中に冷えやすさを感じましたか?

ままのてユーザー 200人にアンケート

アンケートによると6割を超える妊婦さんが冷えやすさを感じているようです。冷えは、季節的なこと、生活環境、妊婦中ならではの原因によって引き起こされることも多いでしょう。また、妊婦は身体を冷やさず温めることが推奨されています。

冷えによる母体と胎児への影響

妊娠中や出産時の母体への影響

妊娠中に身体が冷えていると、お腹が張りやすい、腰が痛い、足がむくむ、足がつりやすいなどの症状が出やすくなります。また、痛みにも敏感になりがちです。これらは冷えによる血行不良の影響が考えられます。

冷えで血行が悪くなることにより、四肢末梢までの血液循環量が乏しくなる結果、手足が酸素や栄養不足に陥り種々の不調を起こします。しかし、冷え性によって切迫早産、切迫流産や逆子の原因となるかどうかは、はっきりとしたデータがありません。

また、出産時の陣痛がひどくつらいものに感じたり、有効な陣痛が続かずに分娩そのものに時間がかかってしまったりする可能性が考えられますが、冷えそのものが分娩時間の長さに直結しているということも明らかにはなっていません。

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【アンケート】どんな場面で冷えを感じましたか?

ままのてユーザー200人にアンケート

冬の寒さには約半数が回答。妊婦さんでなくても冷えを感じやすい季節なので当然ですね。しかし、それよりも多かったのが夏場のクーラーによる冷えです。自宅では自分で調節できますが、職場や病院、公共の場など自分の力ではどうにもできない場所に行くときは、羽織りものを持参するなどの対策が必要でしょう。

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妊娠中の冷え対策

服装を工夫する

首、足首、手首など身体の中で首という名前のつく部分は冷やさないようにしましょう。特に冬場はタートルネックなどで覆うと身体が温まり、風邪の予防にもなります。夏場でも、クーラーの効いた場所ではストールを巻く、カーディガンを羽織るなどの工夫をしましょう。衣類も厚いものを一枚着るより、薄手のものを重ね着するほうが温まりやすい、と言われています。

「妊娠初期が真冬でした。もともと冷え性で、特にふくらはぎから足の指先にかけて、冷えていました。冷えとり靴下を履いて、お腹に絹製の腹巻をしました。そして同じく絹製のレギンスで足腰まわりを温めました。

足元は冷えとり靴下で、絹とウールの五本指靴下を交互に重ねて履きました。絹製の腹巻やレギンスは伸びが良く、出産するまでずっと着用していました。」
(nanaco/出産当時34歳)

「寝るときは着圧ソックスの上からレッグウォーマーを履いて足首が極力冷えないように温めていました。また、湯たんぽも常備していたので、併用して温めました。

ほかにも、外出時にはひざ掛けを複数枚持ち歩くなどして、とにかく足が冷えないように注意していました。靴下もできるだけ長めのものを履き、スカートのときもタイツやストッキングではなくレギンスを履いていました。」
(YM/出産当時29歳)

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体操で血行を良くする

妊娠中はお腹に赤ちゃんを抱えているために骨盤に負担がかかり、姿勢が変わってきます。骨盤周辺の筋肉が緊張して硬くなりやすいので、血行が悪くなり冷えやすくなるのです。冷えは腰痛や便秘の原因にもなります。

骨盤周辺の血行を良くするためには、足の付け根(鼠径部=そけいぶ)の血流を良くすることが大切です。お相撲さんの股割りのようなスクワット、開脚、仰向けに寝て両膝を立ててゆっくり腰を上げるなどの体操をして骨盤を動かし、鼠径部をやわらかく伸ばすと血行が良くなることにつながるでしょう。痛いと感じるようなら無理をしないでくださいね。

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夏場の冷房に気をつける

暑い夏を過ごす妊婦さんは本当に身の置きどころがないほど暑く感じるものですが、夏のクーラーは末梢からかなり冷えます。また、クーラーで冷えたフローリングの床はかなり冷たいものです。冷房をかけているときは、五本指靴下やレッグウォーマーで足(下肢末梢)を温めましょう。末梢血管を温めることにより、全身の血液循環が良くなります。

「職場のエアコンがもともと強めなのですが、安定期前後に冷えがとても気になりました。妊娠後期は体温が高いせいか、冷えはそこまで気にならなかったのですが、妊娠初期から中期には特に神経質になっていたため、冷えたように感じました。

夏場も靴下を履いて過ごしました。職場では、さらにブランケットとレッグウォーマー、腹巻きを妊娠中はずっと使っていました。」
(ny/出産当時40歳)

「職場での私の席がちょうどクーラーが直接当たる場所でした。そのため身体が冷えてしまって、お腹が張ってしまうこともしばしばありました。冬は屋内は温かいですし、冷え対策も行っているので案外身体は冷えなかったのですが、真夏に冷えを感じるとは盲点でした。」
(nico-peco/出産当時31歳)

冷えを改善する生活

運動

骨盤をゆるめる体操のほか、日ごろからウォーキングや窓ふき、床ふきなどの掃除で筋トレをし、筋持久力をつけましょう。筋肉をつけると体温が上がります。最近ではマタニティスロートレーニングといって、0.5kg~1kgのダンベルを持って筋力トレーニングをするエクササイズもあります。行うときにはかかりつけの医師に確認しましょう。

「できるだけ温かい飲み物を飲むようにし、安定期に入ってから体調が良いときは、とにかくたくさん歩くように心がけました。」
(ny/出産当時40歳)

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食事

漢方の考え方では、パン食よりも米食のほうが体温は上がるとされています。生野菜や果物(特に南国で採れたもの)、冷たい飲み物は身体を冷やすともいわれています。

身体を温めてくれる食材として、地面の中で育つもの=根菜(イモ類、大根、ニンジン、ゴボウなど)は有効です。調理法としてはできるだけ加熱をし、エネルギーを摂りこむようにします。また、その土地土地の風土野菜は気候や水に合うので良いとされています。

「ひざ掛けや上着を使用したり、温かい飲み物を飲んだりもしました。ショウガなど身体を温める作用のある食品も積極的に摂るようにしていました。身体の冷えはお腹の張りにつながるというので、じゅうぶんに注意した方が良いと思います。」
(nico-peco/出産当時31歳)

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入浴

ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのは効果的です。特に下半身浴で、みぞおちから下をゆっくり温めると良いでしょう。

また、足湯も良いです。バケツや洗面器に通常よりやや熱いお湯を入れ、自然塩一つまみを入れて足をつけます(くるぶしの3~4cm上)。バケツの代わりに発泡スチロールの箱などが利用できるとお湯が冷めにくく、より効果的です。

「寝る直前に足湯をして足を温めた後、マッサージをして、レッグウォーマーや厚めでゆるい履き心地の靴下を身に着けたりしていました。日中はできるだけ歩くようにして血液の循環を良くしたり、ストレッチをしたりしていました。それでもダメになってしまったときは、産婦人科の先生に相談して漢方薬を処方してもらいました。」
(nao_10130/出産当時26歳)

医師による漢方の処方

医師の指示のもと、妊娠中でも服用できる漢方も効果があります。「手足が冷えるタイプ」「お腹を下しやすく全身が冷えているタイプ」「下半身が冷えていて上半身はむしろ熱いタイプ」「むくみがひどいタイプ」など、タイプ別にゆっくりと体質改善できるでしょう。自己判断はあまりおすすめできません。

冷えていることに気づきましょう

子どものころからクーラーなどがある環境で育ち、冷えている人・冷えやすい人は身体の冷えが日常化してしまって自分では気づかないことがあります。そういった人の身体は、触れるとずいぶん冷えているのに、自覚はないのです。

自分の身体が冷えているかどうかよくわからないという人は、人の足と自分の足を触り比べてみてください。足同士をくっつけてみて、他の人の足の方が温かいと感じたら、自分は冷えている、ということになります。

身体が冷えているということは、妊娠や出産に関してだけでなく、全身にわたって影響があります。身体が冷えて体調不良が続くときは、早めに対応していきましょう。

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