妊婦に腹帯は必要?いつからつける?効果や目的、さらし・ガードルなど種類による違い【助産師監修】
戌の日のお参りのときには、腹帯を使用するのが一般的です。腰痛・お尻の痛み対策として腹帯を使用している妊婦さんもいるでしょう。妊婦さんは、必ず腹帯を着用しなければいけないのでしょうか。腹帯と妊婦帯の違いや腹帯の種類、おすすめの腹帯を助産師監修で紹介します。目的や好みに応じて、お気に入りの腹帯を探してくださいね。
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この記事の監修
目次
腹帯とは?読み方や妊婦帯との違いとは?
妊娠5ヶ月頃には、少しずつ身体の変化が現れ始める妊婦さんもいます。マタニティウェアやマタニティ下着、お腹の周りに巻く帯の購入などの検討を始める妊婦さんもいるでしょう。
「腹帯(はらおび・ふくたい)」は、お腹に巻く帯の総称です。このため腹帯は、妊婦さんが使う帯だけではなく、手術後に開腹部を固定するため使用する帯を指すこともあります。「妊婦帯」は、名前の通り妊婦さん用の帯です。また腹帯・妊婦帯と区別して、戌の日の帯祝いに用いる帯を「岩田帯」と呼ぶ場合もあります。
また、マタニティベルトや骨盤サポートベルトと呼ばれる妊婦さんの身体の負担を軽減する目的の腹帯もあります。目的や好みに応じて、自分に合う腹帯を探してみてくださいね。
腹帯の目的と効果は?いつからいつまで巻く?
妊婦さんが腹帯をする目的は?
妊娠5ヶ月頃に行う戌の日の帯祝いでは、安産を祈願して腹帯を妊婦さんのお腹に巻きます。この風習から、出産までのあいだ安産を願って腹帯をする妊婦さんもいます。また風習とは別に、腰痛予防や骨盤矯正などを目的として、マタニティベルト・産前ベルトを使う妊婦さんもいます。一方で着け心地などの理由から、腹帯をつけない妊婦さんも珍しくはありません。
妊婦さんが腹帯をすることで得られる効果は?
安産祈願のための腹帯には、医学的なメリットはないといわれています。一方で腰痛予防などを目的としたサポートベルトでは、効果を感じたという声もあるようです。腰痛予防などのために腹帯を使いたい場合には、必要に応じてかかりつけの産婦人科医と相談しながら、安全に腹帯を使いましょう。
腹帯に妊娠線予防の効果を期待する人もいるようですが、妊娠線は体重増加などで急激に皮膚が伸びることで生じます。このため、腹帯だけで妊娠線を予防できるとはいえないでしょう。
いつからいつまで妊婦さんは腹帯をするべき?
腹帯をする目的によって、妊婦さんが腹帯をするべき期間は異なります。安産祈願のためであれば、帯祝いの日から腹帯を巻くことができる時期までの使用で問題ないでしょう。臨月ごろには腹帯を巻くのが難しくなる妊婦さんもいるので、無理はしないでくださいね。
腰痛予防などのサポートベルト類は、商品によって使用推奨時期が異なります。それぞれの商品の注意事項を確認してくださいね。
戌の日の帯祝いに腹帯は必要?
戌の日の帯祝いとは?
腹帯を巻いて安産を祈願する「帯祝い」という行事があります。多産である犬にあやかり、妊娠5ヶ月の戌の日に行います。帯祝い後には、安産祈願のお守りを腹帯に縫い付ける妊婦さんもいるようですよ。
全国の神社やお寺の中には、戌の日に独自の演出を行っているところもあります。たとえば兵庫の中山寺は、安産祈祷で授与される腹帯に性別が書いてあることで人気です。
東京の水天宮など安産祈願で有名な神社の戌の日は、非常に混雑する場合があります。妊娠5ヶ月の戌の日にこだわりすぎず、妊婦さんの体調次第で日程を調整しましょう。
戌の日の帯祝いに腹帯は必要?
戌の日の安産祈願では、祈祷当日にお祓い済みの腹帯が授与されるケースが多いかもしれません。一部の神社では、持参した腹帯の祈祷が可能な場合もあるので、必要であれば神社に確認しましょう。なお、妊婦側の両親から帯祝いで使用する腹帯が贈られる場合もあります。事前に誰が購入するのかを確認しておくと安心かもしれませんね。
さらし、ガードル、腹巻き、おすすめの腹帯の種類は?
妊婦さんが使える腹帯には、さまざまなものがあります。腹帯を選ぶ際には、まずは使う目的と使う期間を大まかにでも決めましょう。その後、巻く・履くといった着脱方法やフィット感の有無といった細かな点を順次検討していくのがおすすめです。腹帯は種類が豊富なため、大まかに腹帯のタイプを絞った後で、さらに好みを絞っていくほうが比較しやすいでしょう。
さらしタイプ
漂白した白い木綿を指すさらしは、古くから妊婦帯として使用されてきました。帯祝いで使う岩田帯も、さらしのことを指しています。産前から産後まで使うことができ、安価で入手しやすい点が良いですね。他の腹帯タイプに比べてずれやすいという意見もありますが、すでに形ができている他のタイプに比べると自分のお腹に合わせて調節しやすいという意見もあるようです。
綿100%のさらしなので、通気性や吸水性に優れています。一枚の布を巻きつけて腹帯として使うため、自分の身体に合う巻き方ができるのも良いですね。比較的入手しやすい金額なので、帯祝いのときのみ使用する妊婦さんにおすすめです。
ガードルタイプ
ガードルタイプは、ショーツのように履くだけで身体をサポートしてくれる点が嬉しいですね。特別な履き方が必要なものでなければ、トイレのときに脱いでもずれにくいので便利です。ガードルタイプは、他の腹帯タイプに比べてアウターにひびきにくい商品が多いのも特徴のひとつです。
ママと犬印本舗が共同で開発した商品です。ショーツ一体型の妊婦帯なので、ガードルタイプに抵抗がある妊婦さんにもおすすめですよ。1枚で履くことができるため、トイレに行くときにも着脱が楽なのが嬉しいですね。ガードルタイプ同様にアウターにひびかないので、パンツスタイルが多い妊婦さんにも良いでしょう。
腹巻きタイプ
腹巻タイプは、ガードルタイプと同じように履きやすい点が嬉しいですね。他の腹帯タイプに比べてしめつけ感がない商品が多いため、お腹が大きくなる前の妊娠初期や寝るときにもぴったりです。名前の通り腹巻として、冷え対策に用いる妊婦さんもいるようです。
冷え対策としても使える腹巻タイプは、ガードルタイプ同様に着脱のしやすさが魅力のひとつです。シルク腹巻は妊婦さん専用の腹巻ではありませんが、産後も引き続き使うことができます。しゃがんだときなどに見えても恥ずかしくないシンプルなデザインが、使いやすいですね。
サポートベルトタイプ
サポートベルトタイプは、ベルト単体のものと腹巻やガードルタイプに補助ベルトが付いているものの2種類があります。他の腹帯タイプに比べてしっかりとお腹を支えてくれるものが多く、お腹が大きくなる妊娠中期以降の妊婦さんからの人気が高いです。
妊娠初期から妊娠後期まで使える妊婦帯セットです。妊娠初期や寝るときなどに使いやすい腹巻タイプ、そして妊娠後期に活躍する補助帯がセットになっています。名前の通り、初めて妊婦帯を購入する人には試しやすいセット内容でしょう。
骨盤ベルトタイプ
骨盤ベルトタイプは、骨盤のサポートを目的として作られた腹帯です。サポートベルトタイプと似ていますが、骨盤ベルトタイプには産前に使えるものと産後に使えるもの、産前・産後両方使えるものがあります。商品によって使える期間が異なるため、必ず購入前にチェックしてくださいね。
妊婦さんが使う骨盤ケアベルトでは、もっとも有名な「トコちゃんベルト」シリーズの商品です。腰やお尻に痛みがある妊婦さんは、すすめられたことがあるかもしれません。骨盤ケアを目的にしたトコちゃんベルト2は、産前から産後まで長いあいだ使うことができます。
産後から使えるタイプ
産後タイプは、ガードルのように履くタイプのものもあれば、コルセット(ウェストニッパー)のように巻くタイプのものもあります。産前には使えないため、産後だけ使いたい場合にはおすすめですよ。入院準備として腹帯の用意を指示された場合には、どのような腹帯が良いのか購入前に確認すると安心です。
ただし帝王切開で出産した場合には、手術後専用の腹帯を使います。傷の状況によって、一般的な腹帯は、しばらく使用ができない場合もあるため注意しましょう。
産褥期から産後に使える骨盤ベルトです。お腹ではなく骨盤をしめるため、苦しくなりにくいのが良いですね。しめつけ具合の調整が自分でできるベルトタイプのため、産後のデリケートな身体でも使いやすそうです。
ワコール、ピジョン、犬印本舗、おすすめの腹帯は?
ワコール
老舗の女性下着メーカー「ワコール」の妊婦帯です。腹巻タイプで、妊娠初期から臨月まで使うことができます。伸縮性のある生地ですが、気になる部分はしっかりとサポートしてくれますよ。洗濯ネットを使用すれば、洗濯機でも洗えるのが魅力的な商品です。特に肌触りの良さが好評のようですね。
ピジョン
哺乳瓶などのベビーグッズで有名な「ピジョン」の腹帯です。骨盤・恥骨のサポートを目的としたベルトタイプで、産後まで使うことができます。ダブルベルトになっているため、細かくサイズやしめつけ具合の調整ができます。おしりの部分がメッシュになっているのでムレにくく、夏も快適に過ごせそうですね。
犬印本舗
マタニティウェアやマタニティケアグッズで人気の「犬印本舗」の腹帯です。産前から産後まで、骨盤ケアや腰痛対策に使用することができます。複雑に入り組んだベルトが、しっかりと身体にフィットし、サポートしてくれそうですね。また、足のつけ根への食い込み防止設計が施されている点も魅力のひとつです。ベルトタイプを使用する妊婦さんの悩みに寄り添った腹帯といえるでしょう。
妊娠中の腹帯に関する体験談
妊娠初期からお腹の冷え予防のため腹巻タイプの腹帯を使用していました。徐々に普通のショーツがキツくなり、お腹まわりまですっぽりおさまるショーツ型の腹帯も愛用していました。妊娠前から腰痛がひどい時は骨盤ベルトを使用していたこともあり、お腹が大きくなってきたころには骨盤ベルトも併用していました。
冷え予防のための腹巻きタイプの腹帯の上に骨盤ベルトを巻き、最後にショーツを履くようにすれば、トイレもさほど不便ではありませんでした。ただし、骨盤ベルトは正しい位置に装着しないと効果がないため、メーカーの公式HPや取扱説明書を参考にしていました。
妊婦さんの腹帯の巻き方は?寝るときやトイレはどうする?
巻き方は腹帯のタイプや商品によって異なる
妊婦さんが使う腹帯の巻き方は、腹帯のタイプや商品によって異なります。さらしや骨盤ベルトタイプの腹帯は巻く必要がありますが、ガードルや腹巻タイプであれば履くだけで着脱できるものも多いです。どのタイプの腹帯でも、事故防止のために商品説明などを参考にして正しい装着方法で使用してくださいね。
寝るときやトイレに行くとき、腹帯はどうする?
夜寝るときや家にいるときには、しっかりとお腹を支えるタイプの腹帯は窮屈だと感じる妊婦さんもいるようです。腹帯にはさまざまなタイプがあります。家ではゆったりとした腹巻タイプを巻き、外ではしっかりと支えてくれるサポートベルトタイプを巻くといった使い分けもできますよ。夏の暑い時期には、あせも予防として薄手のメッシュタイプを使用するのも良いですね。
腹帯は、担当の産婦人科医に相談してから使用するのが安心でしょう。妊婦健診のときや切迫早産などで入院中の場合、また双子以上の妊娠の場合などには腹帯の使用を控えるように指示されることもあるようです。気持ちが悪い、またはお腹が張るといった気になる症状が続くときには、自己判断で腹帯の使用を続けず医師に相談しましょう。
さらしなど一部の腹帯の中には、トイレに行くときに着脱が少し面倒なものもあるようです。着脱方法は商品によって異なるため、外出時は着脱しやすいガードルタイプ・ショーツタイプが楽かもしれませんね。
腹帯は西松屋やアカチャンホンポで買える?
一般の薬局では、手術などに使う腹帯は置いていることもありますが、妊婦さんが使う腹帯は置いていない場合が多いでしょう。妊婦さん専用の腹帯である妊婦帯は、西松屋やアカチャンホンポといったマタニティ・ベビー専門店でも購入ができるようです。お店によって品揃えが異なるため、一度確認してみてくださいね。
また販売店に出向くのが難しい妊婦さんには、Amazonや楽天市場などの通販サイトでの購入がおすすめです。他の妊婦さんの口コミや人気ランキングを確認しながら商品を検討できるので、便利ですよ。
産後は腹帯をリメイク!肌着やスタイ、布おむつなど
帯祝いの日のみ腹帯を使うという妊婦さんも、珍しくありません。せっかく神社でお祓いしてもらったので、さらし帯(岩田帯)をリメイクして産後も使いたいと考える妊婦さんは多いようです。
綿でできたさらし帯は、赤ちゃんのお世話グッズにも活用できそうですよね。スタイや肌着、おむつポーチ、布おむつへのリメイクが人気です。ただし、神社によっては産後に返却が必要だったり、再利用を禁止していたりとリメイクを禁止している場合もあります。
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腹帯で妊娠中の身体の負担を軽減しよう
腹帯の使用は、期待する効果や使用感などで意見が分かれることも多いです。腹帯を使用することで身体が楽だと感じるようであれば活用するのも良いでしょう。安産祈願で腹帯を使用する場合も同様ですが、医師の指示がない場合には無理に使う必要はないでしょう。好みのタイプの腹帯を安全に使用してくださいね。
※この記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。