妊娠中期の腰痛対策!激痛の原因や流産との関係性、効果的なストレッチやベルトを紹介
妊娠中期に腰痛を感じるママは多いようです。少しずつお腹が大きくなってくることや、ホルモンの分泌が腰痛の一因となっているのかもしれません。腰痛と流産の関係も気になるところですね。ここではすぐに試せる腰痛対策や、腰痛が起こる原因を解説していきます。
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目次
妊娠中期の腰痛の原因は?
妊娠中に腰痛に悩まされる妊婦さんは少なくありませんよね。妊婦さんの腰痛はいつから起こるのでしょうか。
個人差はありますが、お腹のふくらみが目立つ妊娠5ヶ月〜7ヶ月(妊娠中期)に腰痛を感じることが多いようです。何が原因となるのか詳しくみていきましょう。
姿勢・体形の変化による腰痛
妊娠中期に入ると、赤ちゃんの体重は300g程度となります。この時期、赤ちゃんはぐんぐんと大きく重くなり、妊娠後期になると1kgを超えるほどに育ちます。妊娠初期ではまだ目立っていなかったお腹が大きくなり、重心の位置が変わってくる場合があるでしょう。
重心が前よりになり、腰の骨である腰椎が前に傾くと、腰痛が生じることがあります。無意識に身体のバランスを取ろうとして普段使わない筋肉を使うと、さらに腰痛が悪化するかもしれません。
重心が変わると、姿勢も悪くなり、片方に体重が偏ってしまうこともあります。腰の左右どちらかが痛むときは、日ごろの姿勢を疑ってみましょう。また、急に起き上がろうとしたときや、寝返りをうったときに激痛が起こることもあるようです。
ホルモン分泌による腰痛
妊娠すると、エストロゲン、プロゲステロン(黄体ホルモン)、リラキシンといったホルモンの分泌が促されます。これらのホルモンは、妊娠の維持に欠かせないものですが、骨盤周りの関節やじん帯を緩めさせる働きがあります。
軽度ですが、月経の前も同様のことが起こります。リラキシンの分泌が増えて骨盤の関節やじん帯が緩むことで、経血が排出されやすくなるのです。生理前に腰痛を感じていた人は、妊娠後も注意が必要ですね。腰痛だけではなく、お尻の横、尾骨、足の付け根あたりが痛むこともあるようです。
ホルモンの影響で仙骨・腸骨のじん帯や、恥骨の結合が緩むと、骨盤を構成する「骨盤輪(こつばんりん)」が不安定になり、腰痛を起こす要因となります。「骨盤輪不安定症」と呼ばれることもあります。骨盤全体の緩みが進むと、骨盤の後ろにある坐骨神経が圧迫されて、腰やお尻に痛みが起こることがあるようです。
妊娠中期の腰痛と流産の関係性
妊娠中期以降の流産は「後期流産」と呼ばれます。妊娠初期より流産が起こる確率は下がりますが、妊娠中期でも流産のリスクはゼロではありません。後期流産の原因はさまざまですが、絨毛膜羊膜炎、頸管無力症、子宮筋腫、子宮の奇形などがあげられます。
後期流産の兆候は個人差がありますが、出血が見られたり、お腹の張りを感じたりすることがあります。また、つわりが続いている場合、急に吐き気がおさまることもあります。腹痛や生理痛のような痛み、腰痛を感じるママもいるようですが、これらの症状があるからといって、流産であるとはかぎりません。
気になる症状がある場合は、まずは担当の医師に相談してみましょう。もし「切迫流産」と診断された場合は、妊娠が継続できる可能性は高いので、医師の指示にしたがって安静にしましょう。
妊娠中期の腰痛対策
腰痛が悪化すると、日常生活や仕事に支障が出てくることもあります。歩けない状態になる前に、手軽な腰痛対策を試してみると良いでしょう。対策をとっても腰痛がおさまらない場合は、医師に相談したほうが良いですよ。
ストレッチ
妊娠中は、安定期に入っても激しい運動はNGです。身体が疲れない程度のストレッチであれば、お産に良い影響を与えることがあります。腰痛に効果的なストレッチのひとつが、膝の横倒しです。仰向けになって膝を立て、腹式呼吸をしながらゆっくり左右に倒していきます。
身体の調子を見ながら、5~20回ずつ、1日3セットを目標に試してみましょう。ストレッチによって背骨のゆがみが改善され、腰痛が軽減する場合があります。動画を参考にしてみても良いでしょう。
マタニティヨガ
身体の不調を整え、安産を目指す「マタニティヨガ」もママに人気ですよね。最近では、マタニティヨガを定期的に開催している産院もあるようです。ヨガには腰痛やむくみなどの改善に役立つポーズが含まれています。また、呼吸法も同時に学ぶことができるので、リラックスや陣痛の緩和につながる可能性もあります。
腰痛に有効なヨガの体位に「猫のポーズ」があります。まず、四つ這いになり、息を吐きながら、お尻を後ろに下げます。胸を床につけて、背骨を反るようにしましょう。息を吐き終わったら、吸いながら元の位置に戻ります。これを何度か繰り返すことで、骨盤周辺の筋肉が緩み、腰痛や反り腰の緩和につながります。動画も参考にしてみてくださいね。
マタニティスイミング
身体に負担をかけずに全身運動をできるスポーツのひとつが、「マタニティスイミング」です。温かいプールで身体をゆっくり動かすことで、全身の血行が良くなり、適度な筋力がつきます。腰痛はもちろん、足腰の冷えやむくみなどの不快な症状も軽減できるかもしれません。
参加している他のママと交流することで、ストレス解消につながることもあるでしょう。マタニティスイミングは想像以上に疲れることもありますから、体調が良いときを選び、お腹が張るときは休みましょう。
ツボ
腰痛に効果があるとされるツボを刺激してみても良いでしょう。いろいろなツボがありますが、気軽に試せるのが「腰腿点(ようたいてん)」です。場所は手の甲の人さし指と中指、小指と薬指の骨の分かれ目の中央2ヶ所です。ふたつのツボを1日2~3回、1~2分ずつ、親指と人さし指で手の甲をはさむように刺激します。
ツボ押しは身体の不調の改善に役立ちますが、妊娠中は思わぬ影響を与えることもあります。担当の医師に確認してから試したほうが、より安心ですよ。
骨盤ベルト
骨盤周りの筋肉の緩みが腰痛の原因となっている場合、骨盤ベルトで骨盤をサポートすることで痛みが軽減する可能性があります。骨盤ベルトは妊娠初期から使えるもの、産後から使えるものなどさまざまな種類があります。
骨盤ベルトとして有名なのが「トコちゃんベルト」です。なかでもトコちゃんベルトⅡは妊娠初期から使用できます。骨盤を前から後ろに支えるベルトで、腰痛に悩む妊婦さんが使用するケースも多いようです。他にもさまざまな製品があるので、自分に合うものを探してみましょう。
ベルトが苦しいと感じるママは、さらしや腹帯で骨盤を支えても良いでしょう。恥骨の周りを巻くことが腰痛に有効とされています。骨盤ベルトも腹帯も、適切に巻くことが何より大切なので、助産師や接骨院の先生など、プロに方法を教えてもらったほうが良いですよ。
マッサージ
「マタニティ指圧(マッサージ)」が受けられるお店も近年増えているようです。美容マッサージではなく、プロが指圧で身体の調子を整えてくれます。骨盤の傾きに関わる筋肉を押しほぐすことで、腰痛が緩和されることもあります。事前にマッサージが可能かどうかを医師に確認し、マタニティマッサージ専門のところを選ぶと良いでしょう。
整体
腰痛を整体で解消する方法もあります。お腹を圧迫しないように、横向きで施術を受けられるところもあるようです。安心して施術を受けられるように、妊婦向けの施術を行っている整体院を選ぶと良いですね。妊娠中は、どのような刺激が影響するかわからないため、できれば施術前に整体を受けてもよいか、産婦人科の医師に確認しておくと良いでしょう。
理学療法士によるケア
マタニティマッサージや整体以外に、理学療法士に腰痛をケアしてもらう方法もあります。理学療法は医師の指示のもと、国家資格を持つ理学療法士が運動機能の回復を目的に行う治療です。
一部の病院や産院では、妊婦さん向けに理学療法士によるケアを行っているようです。症状がつらいときや、マッサージや整体での施術が不安な場合は、腰痛対策の選択肢のひとつとして検討しても良いかもしれません。かかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。
湿布
腰痛を和らげてくれるのが「湿布」です。冷湿布は急性の腰痛、温湿布は慢性の腰痛に効くといわれています。しかし、市販の湿布の中には、妊娠中は使ってはいけない成分が入っているものもあります。使用前に、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。
湿布は筋肉の炎症を鎮めてくれますが、根本的な解決にならないことがあります。ひどい腰痛が続くときは、湿布だけに頼らないようにしましょう。
荷物の持ち方
左右にかかる重みの違いが、腰痛の原因になることもあります。肩かけカバンなどは、左右のバランスが崩れる可能性があるので、同じ肩ばかりにかけないようにしましょう。カバンの中で左右のバランスが取りやすいのは、リュックです。重いものを入れるのは避け、出し入れしやすいリュックを選ぶとより快適に過ごせますよ。
靴を見直す
腰痛を防ぐためには、正しい姿勢を保つことが重要です。とくに歩いているときは、大きな負荷が下半身にかかるといわれています。美しい姿勢を保ちながら、足への負荷を少なくするため、自分の履いている靴を見直してみることも大切です。
自分の足の形に合わない靴は、通常とは違う場所に重心がかかり、腰痛の一因になることがあります。靴のフィッティングサービスなどを試してみても良いでしょう。また、靴底がどちらか極端にすり減っていないかもチェックしてみましょう。靴底の左右で違いがあると、骨盤のゆがみを招き、腰痛につながることがあります。
妊娠中は、ヒールがある靴を避ける人が多いかもしれませんが、靴底にまったく厚みがない靴も、歩くときの衝撃を吸収できないことがあります。クッション性のあるウォーキングシューズなどを選んでみても良いですね。
妊娠中期の腰痛で眠れない!おすすめの寝方は?
夜、寝返りをうったときに腰痛を強く感じるケースもあります。ひどい腰痛が続くと、眠れないようになり、ママの体調が悪化する可能性もあります。どのような寝方をすれば腰痛を軽減できるのでしょうか。
お腹が苦しく感じないのであれば、うつ伏せ寝でも構いません。逆に仰向けの姿勢は、お腹の重みによって血のめぐりが悪くなる可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。腰痛のママに最もおすすめの寝方は、横向きになる「シムスの体位」です。
左側を下に、うつ伏せ気味になり、右足を少し前に出してひざを曲げます。足のあいだにクッションを挟むとさらに姿勢が安定します。妊婦用の抱き枕を使うと、楽にシムスの体位が取れるかもしれません。腹部の動脈が圧迫されず、腰への負担も低いため、ママも赤ちゃんも楽に感じる姿勢といわれています。
妊娠中期の腰痛体験談
妊娠中期になると、筆者はこれまで感じたことのない腰のだるさを感じるようになりました。とくに寝ているときに腰の痛みを強く感じることが多かったです。今思うと、癖でつい仰向けで寝てしまっていたので、お腹の重みが腰に負担をかけていたんでしょうね。
妊婦用の大きな抱き枕を取り入れたことで、就寝中の腰痛は大きく改善しました。自然と横向きになることができますし、手触りの良い生地にぎゅっとしがみつくことで、リラックス効果も得られたと思います。
筆者は出産後も赤ちゃんの抱っこや無理な姿勢の授乳で、腰痛と長く付き合うことになりました。自分に合った腰痛の対策方法を早くに見つけておくことが大切かもしれません。
腰痛が改善しないときは医師に相談を
妊娠中期は、お腹が大きくなって重心が変わったり、ホルモンの影響で骨盤を支えるじん帯が緩んだりして、腰痛が起こることがあります。腰痛がひどくなって慢性化する前に、早めに対策をとりましょう。
ストレッチやヨガで骨盤周りのゆがみを改善することも、妊娠中期の腰痛には効果的です。マッサージやツボ押しは医師の許可を得てからのほうが安心ですね。いろいろ試してみても腰痛が改善しないようなら、担当の医師に相談してみましょう。