更新日:2018年10月26日

妊婦の運転はいつまで?1時間なら可能?時期・影響・注意点を解説

妊娠前から仕事で車を使用していたり車が移動手段だったりする場合は、妊婦になってからも車の運転をしたいと考える人が多いことでしょう。妊婦の車の運転には否定的な意見やさまざまな噂があるため、不安を感じるかもしれません。ここでは、妊婦が運転できる時期や時間、母体や胎児への影響の可能性、シートベルト着用の可否などを解説します。

監修 : ままのて 医師・専門家
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記事の監修

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産婦人科医
藤東 淳也

妊婦は「運転」にも注意が必要

妊娠中は身体の変化や体調の変化などにより、さまざまなことに注意が必要になります。大きくなったお腹による重心の変化で転倒しやすくなったり、胎児への影響を考えて食べるものにも注意しなければならなかったりと大変なことが多いかもしれません。日常的なこと・習慣になっていることに関しては気が緩んでしまう妊婦の方もいますが、車などの運転に関しても同様にさまざまな注意が必要です。

妊娠前まで自転車・自動車・原付バイクなどを運転する機会があった妊婦は少なくないでしょう。仕事や通院で利用している人もいるかもしれません。いずれの乗り物も事故や怪我の可能性は常にありますが、妊婦特有の身体の変化・体調の変化による影響も考えて、妊娠中は特に運転に注意しましょう。ただし自転車や原付バイクに関しては転倒時のリスクが高いため、妊婦は運転を控えた方が良いでしょう。運転を希望する際には医師とよく相談してくださいね。

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仕事・通院など、妊婦も車の運転が必要な場合がある

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妊婦でも車の運転が必要になることは珍しくありません。日常的に営業の仕事で使う、通勤や妊婦健診の通院で使う、田舎なので車が必要だという人もいるでしょう。出産前の旅行で車を運転したいケースもあるでしょう。子どもの送迎でどうしても代わりの運転手が見つからないケースや子どもが生まれる前に車の免許取りたいから練習したいというケースも考えられるかもしれませんね。

妊婦が車の運転をすることに不安を覚える人は少なくありませんが、妊婦が車を運転することが必ずしも非常に危険だとは限りません。雪道の運転や長時間の運転には一定のリスクがあるため、妊婦の体調をはじめ道路の状況や天候などの条件によってリスクの高さは変わるでしょう。

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いつからいつまで妊婦は運転ができる?

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どうしても車の運転をしなければならない妊婦であれば、いつからいつまで車の運転ができるのかが知りたい人は多いですよね。妊婦の車の運転および車への同乗は、合併症や切迫流産・切迫早産といったリスクのある妊婦にはおすすめできませんが、今のところリスクが低い妊婦であれば車の運転は許可されることが多いでしょう。ただし車による妊娠への影響の可能性や注意点などを説明してもらうためにも、あらかじめ医師には「仕事で週5日、1時間ほど車を利用したい」といった風に目的・使用頻度などを説明しておきましょう。

妊娠初期でつわりによる体調不良が続いている、妊娠中期の安定期に入ったもののひどい腰痛が気になっている、妊娠後期に入ってから疲れやすくなり集中力が低下したといったことがあれば、状況に応じて車の運転を検討する必要があります。「何ヶ月までは平気だ」「臨月以外は問題ない」といったように時期で判断するのではなく、自分の体調と道路状況・天候といった条件をあわせて判断しましょう。娠後期に入った妊娠7ヶ月以降から臨月ごろには、体調次第で自主的に車の運転を見あわせても良いかもしれませんね。

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妊婦の運転は何時間までなら大丈夫?

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仕事で車を運転する機会がある人や旅行の交通手段として車を利用したい人は「妊婦が運転をする場合は何時間まで大丈夫なのか」といったことが気になるかもしれません。通勤で毎日1時間は運転する人、旅行の際に目的まで2時間は運転が必要な人、里帰りの際にはどうしても3時間は車を運転しなければいけない人などさまざまなケースがあるかもしれません。

「妊婦の運転は何時間なら問題ない」と断言するのは、個々の状況もあるため非常に困難です。妊娠前であっても、長時間・長距離の運転は疲れがたまるため、適度な休みが必要でしょう。運転中に妊婦が体調不良を感じるようであればすぐに運転を中止し、無理せず落ち着くまで休んでくださいね。

長時間の運転にならないようにこまめに休憩を取る、万が一の場合に代わりに運転してくれる人と一緒に行くといったバックアッププランを考えておくと安心かもしれません。

眠気・集中力の低下、妊娠による運転への影響

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一部の調査では、妊娠中は、妊娠前に比べて交通事故率が増えるという結果が出たようです。妊婦の交通事故が増えるのは、妊娠中特有の身体の変化・心の変化が影響をおよぼしているかもしれません。

運転に必要な集中力などが低下する

車の運転には「ものを認識する力」「判断力」「操作能力」が必要だといわれています。このため、眠気・だるい・注意力の低下・疲れ・めまい・貧血・腰痛といった妊娠による身体の変化や体調不良は、運転に影響を与える可能性があるでしょう。自分の普段の体調や具合が悪くなったときにどのような傾向があるのかは自分自身が1番理解しているはずです。体調が悪いなと感じたら運転を控えたり、すぐに運転を中止したりすることも大切でしょう。

体型の変化により窮屈に感じることも

妊娠による体型の変化で車に乗ったときに今までとは違う感覚を覚える人がいるようです。最も多いのは「シートベルトの圧迫感」ですが、これは妊娠中の正しいシートベルト着用法を守れば解決できるかもしれません。他にも座席シートが狭い・車高が高い・ステップが低いといった変化を感じる人がいます。妊娠中の一時的なものではありますが、座席シートが硬いといった違和感であればクッションなどで調整するのも良いでしょう。

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妊婦の運転が切迫早産などを引き起こす可能性は?

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妊娠中の車の運転についての研究データは多くはありませんが、「一定の範囲内であれば妊婦の車の運転は問題ない」とされています。妊婦であればお腹の張り・めまい・腹痛といった体調不良は場所を問わず起こるものなので、運転による振動などで母体や胎児に直接的な影響が出たというケースは多くはないでしょう。ただし切迫流産・切迫早産・妊娠合併症などの危険性がある妊婦は運転による影響の可能性の有無に関わらず、運転自体を見あわせた方が良いでしょう。

運転中にお腹が張ることがあるのかを調査した研究では、歩行といった日常的な行動と同程度の反応は見られたものの、運転との明確な関連性は得られなかったそうです。妊婦が車の運転をするとへその緒が絡まる、逆子になるといった噂もあるようですが、これも明確な関連性を示す調査結果はないようです。

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妊婦も注意が必要!高速道路や雪道の運転

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妊婦も妊婦以外の方も注意が必要なのは、自分の体調だけでなく「運転環境によってリスクが高まることもある」という点かもしれません。例としては、冬の雪道・夏の日光の照り返しといった季節による影響、急には止まれない高速道路・緊張状態が続く細い山道といった環境による影響などがあげられるでしょう。

一方で普段から通っているよく慣れた運転環境であっても、特に妊娠後期以降であれば、いつ出血・子宮収縮・破水などが起こるかはわかりません。行き帰り1時間程度の道であっても、本当に車で行く必要があるのかどうかを検討することも大切かもしれません。

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妊婦の免許取得はいつするべき?更新には特例措置も

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免許の取得は体調と相談を

出産後の赤ちゃんとの生活を考え、妊娠中に免許を取得しておこうと考える人は少なくありません。免許の取得には、実際に車を運転する「技能」と車の運転に必要な知識を得る「学科」をそれぞれ学ぶ必要があります。医師の許可が下りたら体調が安定する妊娠中期以降の取得が望ましいですが、妊婦の体調には個人差があるため「長時間の勉強」「長時間の運転練習」ともに可能な場合のみ挑戦すると良いでしょう。

また免許取得の際に通う教習所の中には、安全上の理由から妊婦の受講を受け付けていない施設もあるため必ず申し込み前に確認しましょう。

免許更新には特例更新を利用する方法も

免許更新日が臨月とかぶっているといった理由で免許更新に行くのが難しい場合、更新期間の前に更新できる「特例更新」を利用できる可能性があります。申請には母子手帳が必要な場合が多いようです。更新方法や更新の詳細に関しては、各都道府県の運転免許センターに問い合わせましょう。

日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方|警察庁Webサイト

妊婦はシートベルト免除?急ブレーキ時のリスクは?

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道路交通法(道交法)で妊婦のシートベルト着用について触れた条文があり、この法律の文章の解釈に関してはさまざまな見解があります。

妊婦はシートベルトをしなくていい?

交通事故に遭遇したことによる妊婦の死亡例の77%がシートベルトを着用していなかったというデータがあります。また、シートベルトを着用していない妊婦が事故にあい、胎児が死亡する確率は、着用している妊婦の約4倍になるそうです。以前は妊婦のシートベルト着用による子宮破裂が心配されていましたが、妊娠中の正しいシートベルト着用法を守っていない場合に発生するとされています。

シートベルトを着用しない場合のリスク

すべての座席におけるシートベルトの着用は道路交通法で義務付けられていることもあり、妊婦も特例を除きシートベルトを着用すべきであるという風潮が強いといえます。妊婦でもシートベルトを着用していない場合に道交法違反になる可能性もあります。本当にシートベルト着用を避けるべき理由がある場合は事前に医師への相談・了承・指示を受けておきましょう。

シートベルトが免除されるケース

原則、妊婦でも安全上の理由から正しくシートベルトを着用するべきだといわれていますが、双子以上の妊娠といった特別なケースの場合のみ、シートベルト着用をすべきではないという指示が出る可能性はあるでしょう。ただし、急ブレーキや事故に遭遇した場合の飛躍的なリスクの増加を考えると、シートベルトが着用できない場合には車の運転はもちろん、家族・友人の運転する車への同乗も控えた方が安全でしょう。

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妊婦はシートベルト免除?関連する法律や急ブレーキでの影響は?

妊婦の正しいシートベルト着用法

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日本産婦人科学会は、妊婦のお腹を横断しない形で正しくシートベルトを着用することで事故が起こったときの妊婦と胎児のリスクは軽減されるという見解を示しています。重要なのは「正しくシートベルトを着用する」という点で、お腹への圧迫を心配して腰の部分のみシートベルトを着用するといった誤った着用方法では子宮破裂といった深刻な影響を与える可能性があります。

「肩ベルトと腰ベルトともに着用する」「肩ベルトは首にかからないようにする」「肩ベルトは胸のあいだを通してお腹の側面にかかるようにする」「腰ベルトは大きくなったお腹の部分を避けて腰骨の低い位置を通す」といった点に注意しましょう。

全ての座席でシートベルトを着用しましょう|警察庁Webサイト

駐車場の車いすマークのスペースは妊婦も使える?

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「車いすマークのスペース」がある駐車場を見かける機会は増えているかもしれません。平成18年に制定されたバリアフリー法によって、一定基準を満たした施設における車いすマークのスペースがある駐車場の設置が義務化されました。車椅子マークのスペースは、「車椅子に乗っている人や障がい者が使用するもの」という認識は浸透していますが、妊婦の使用については意見が分かれているようです。

車いすスペースに駐車できる人の法的な定義はない

車いす使用者用の駐車スペースに関しては「バリアフリー法」で設置義務のガイドラインや駐車スペースの大きさなどが定義されています。しかし車いすスペースに駐車できる対象者についての明確な定義はありません。国土交通省のQ&Aでは「身体の機能上の制限を受ける高齢者・障害者など」という解釈の幅がある回答もありますが、駐車場の利用者・管理者の判断による部分も大きいでしょう。

妊婦などが駐車できるスペースを設ける動きも

車いすスペースに駐車できる対象者についての認識には差があることから、利用者同士でトラブルになるケースもあるようです。トラブルを避けるため、昨今では「思いやり駐車区画」という車いす利用者以外の高齢者・妊婦・けが人などが利用できるスペースを別途作ったり、許可証・利用証を発行することで利用可能な人を明確にしたりする独自の取り組みを行う自治体や施設もあるようです。

バリアフリー - 国土交通省

妊婦の運転にはクッション・シートベルト補助グッズも

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妊娠中の体型の変化・心理的な変化により、妊婦は使い慣れた自分の車に乗る際に今までは感じなかった違和感を覚えることがあるといわれています。シートベルトによるお腹の圧迫をはじめ、座席の高さが変わったと感じる人もいるようです。また大きくなったお腹により腰痛に悩んでいる人もいるでしょう。必要に応じてマタニティシートベルトやクッションといったカーアクセサリーで調整するのも良いでしょう。

ただし市販のカーアクセサリーを購入する場合には「妊婦の使用可否」「安全基準」を必ず確認し、取扱説明書をよく読んで使用しましょう。

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無理せず安全な運転でドライブを

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妊娠前の1時間のドライブと妊娠してからの1時間のドライブでは、道や天候といった条件が同じでも違うように感じる人がいるかもしれません。体調や心の状態は妊婦により大きく異なるため、いつまでなら運転できそうかといった感覚も人によって異なるでしょう。

妊婦に運転させるのはいかがなものかといった意見の人もいるかもしれませんが、切迫流早産・合併症といったリスクがない妊婦であれば、体調や環境に応じて最終的には自分で判断しなくてはなりません。正しくシートベルトを着用し、無理せず安全なドライブを心がけてくださいね。

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