母性健康管理指導事項連絡カードの書き方や費用は?診断書は不要?

「母性健康管理指導事項連絡カード」をご存じですか。妊娠中や出産後の働く女性のために作られた書類で、つわりなどで普段通りに働けないときに診断書代わりとして効力を持ちます。ここでは母性健康管理指導事項連絡カードの書き方や費用、休業による傷病手当、通勤緩和や時短勤務の措置についてお伝えします。

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この記事の監修

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産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 母性健康管理指導事項連絡カードとは
  2. 母性健康管理指導事項連絡カードの書き方・記入例は?
  3. 母性健康管理指導事項連絡カードの発行費用は?
  4. 母性健康管理指導事項連絡カードの効力は?診断書は不要?
  5. 母性健康管理指導事項連絡カードの記載内容に応じた措置とは?
  6. 母性健康管理指導事項連絡カードで傷病手当金はもらえる?
  7. 母性健康管理指導事項連絡カードを活用してみよう
  8. あわせて読みたい

母性健康管理指導事項連絡カードとは

「母性健康管理指導事項連絡カード」(以下「母健連絡カード」)は働いている妊産婦さんが、医師から通勤緩和や時短勤務などの指導を受けたときに、その指導内容を勤務先に正確に伝えるために作られたカードです。

たとえば「つわりの症状が重く、勤務時間を考慮したほうが良い」と医師が判断した場合、その内容が記載された母健連絡カードを勤務先に提出すれば、時短勤務など妊産婦さんの体調に配慮した対応をとってもらうことができます。

母健連絡カードを働いている妊産婦さんから受け取った企業は、母健連絡カードの記載内容に応じた措置を講じる必要があり、そのことは男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置として法律で定められています。

母健連絡カードを提出したら、不当な扱いを受けるのではないかと心配している妊婦さんもいるかもしれません。しかし、妊娠・出産を理由にした解雇や降格など働く女性に不利益になる行為は法律で禁止されています。妊娠中や出産後は思うように身体を動かせないことも多いため、妊産婦さんは母健連絡カードを活用することを検討してみてくださいね。

母性健康管理指導事項連絡カードの書き方・記入例は?

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母健連絡カードを使いたいと思ったときは、どこで手に入れれば良いのでしょうか。

母健連絡カードは厚生労働省のHPからダウンロードが可能です。プリントしてかかりつけの医師に記入してもらいましょう。医師には指導内容はもちろんのこと母健連絡カード上部の医療機関名・医師名・捺印欄もしっかり記入してもらいましょう。ここに記入漏れがあると診断書に代わる正式な書類として扱われない可能性があります。

妊産婦さん自身で記入すべき箇所としては、基本的に母健連絡カード下部に記載されている「指導事項を守るための措置申請書」の部分のみです。申請日、所属、部署、氏名を記入し捺印したものを提出するようにしましょう。

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また母子手帳によっては、母健連絡カードが始めから添付されている場合があります。ご自身の母子手帳をまずは確認してみてくださいね。

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母性健康管理指導事項連絡カードの発行費用は?

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母健連絡カードの発行費用は、病院によってまちまちです。ただし、診断書より安い金額で発行するよう病院側が指導されているため、2,000~4,000円前後で発行してもらえることが多いようです。気になる人はかかりつけの病院に料金を確認してから、記入をお願いしてみましょう。

母性健康管理指導事項連絡カードの効力は?診断書は不要?

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母健連絡カードは診断書と同等に取り扱われる証明書類です。そのため基本的に診断書の提出は必要ありません。ただし、勤務先によっては母健連絡カードと診断書の両方の提出を求められることがあるようです。その場合は母健連絡カードが診断書と同等の効力であることを勤務先に説明したうえで、診断書の発行を検討するようにしましょう。

また、まれに母健連絡カードの記入をお願いしても医師に書いてもらえないケースがあるようです。母健連絡カードへの医師側の認識不足や、医師と上手くコミュニケーションがとれなかったことなど理由はさまざまですが、母健連絡カードを書いてもらうためにかかりつけの病院を変えたという妊産婦さんも一部います。

病院や勤務先で思うような対応が得られず悩んでいる人は、下記の窓口で相談してみることも方法のひとつです。自分ひとりで不安や悩みを抱えこまないよう、相談するという選択肢も持ちあわせておきたいものですね。

母性健康管理指導事項連絡カードの記載内容に応じた措置とは?

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母健連絡カードを提出すると、勤務先には母健連絡カードの記載内容に応じた措置を講じてもらえるとありますが、具体的にどういった措置があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

通勤緩和

交通機関の混雑を避けて通勤できるよう、通勤緩和の指導が医師からあった場合は始業時間や終業時間に30分~60分程度の時差を設けたり、勤務時間を短縮したりすることができます。会社にフレックスタイム制などの制度があれば問題ありませんが、そうした制度がない場合でも母健連絡カードを利用し、会社と相談したうえで勤務時間の変更が可能です。

また、交通手段や通勤経路を変更することで通勤ラッシュが避けられる場合は、利用する交通機関を変更することも検討しましょう。

休憩時間の増加

妊娠中は疲れやすく、体調も不安定になりがちです。仕事内容によっては、通常より休憩が多くほしいというケースもあるでしょう。その場合、母健連絡カードに医師から休憩時間の指導の記載があれば、休憩時間や休憩回数を増やしてもらうことができます。体調や感じ方には個人差があるので、妊産婦には休憩を何回・何分増やすというような具体的な数字は決められていません。勤務先とよく話し合ったうえで、休憩の回数や時間を考慮してもらうようにしましょう。

負担の大きい作業の軽減

妊産婦にとって負担の大きい業務とされている仕事は、重いものを取り扱う業務、外勤など長時間歩かなければならない業務、常に全身運動が求められる業務などがあげられています。母健連絡カードを利用すれば、こうした負担の大きい業務から負担が少ない業務へ配置転換を求めることができます。

また、仕事内容だけでなく時間外労働や休日出勤、深夜業務が多くて困っている場合にも母健連絡カードを使うことができます。申し出をすれば、妊産婦さんは時間外労働や休日出勤が免除されると法律で定められています。残業や休日出勤が多くてストレスに感じている妊産婦さんは、申し出とともに母健連絡カードの利用を検討すると良いかもしれません。

休業

妊娠中や産後の身体の状態によっては、仕事を休まざるを得ないときがあります。切迫流産や切迫早産など、突然入院が必要になるケースもあります。その場合も母健連絡カードの利用は可能です。休業に要する期間や症状を医師に記入してもらい、提出するようにしましょう。

母性健康管理指導事項連絡カードで傷病手当金はもらえる?

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傷病手当金とは

傷病手当金とは健康保険に加入している人が、業務外で病気やケガを負って働けないときに生活をサポートしてくれる制度です。傷病手当金を受け取ることができれば、給料が支払われないあいだの治療費や生活費を心配せずに過ごすことができます。しかし、病気やケガが理由で休んでいても、条件によっては傷病手当金を受け取れない場合があるので注意が必要です。

たとえば、傷病手当金は業務外での病気やケガが受給の条件です。業務上病気やケガをした場合は労災保険の給付対象となり、傷病手当金は受け取れません。また、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、休業中に給与の支払いがないことも傷病手当金を受け取る条件としてあげられています。

妊産婦の傷病手当金の申請

妊娠悪阻(にんしんおそ)や切迫流産、切迫早産、妊娠高血圧症候群などにより、医師から自宅療養や入院を指示されることがあります。医師の判断による休業の場合は、妊産婦さんでも傷病手当金の受給対象になることがあります。

勤務先の健康保険に加入していることや、医師の判断で業務に就けないと判断されたことなど、妊産婦さんの傷病手当金の受給条件は通常の傷病手当金の受給条件とほぼ同じです。一点注意したいのは、基本的に出産手当金と傷病手当金は重複して受け取れないということです。ただし、傷病手当金のほうが出産手当金より多い場合は、差額を受け取ることができます。

傷病手当金は、母健連絡カードの提出で受け取ることはできません。傷病手当金申請書への記入と手続きが必要です。傷病手当金申請書の中には、担当医師による証明欄もあるので、忘れずに記入を依頼しましょう。

また、欠勤日に有給を使用する場合は傷病手当金の申請はできません。休業した日数によっては有給を使うか、傷病手当金を申請するか悩むことがあるかもしれません。勤務先の就業規則によっては休業中の給与の支払いに違いがあるので、よく確認したうえで有給にするか傷病手当金を申請するか決めるようにしましょう。

母性健康管理指導事項連絡カードを活用してみよう

母健連絡カードは妊産婦さんのあいだでもあまり知られていないため、書き方や利用法を初めて知ったという人が多いかもしれません。妊娠・出産による体調の変化を自分から言い出しにくいときは、母健連絡カードの利用がおすすめです。母健連絡カードを活用することで自分の体調を勤務先にスムーズに伝えることができ、場合によっては勤務時間の変更や休業が可能です。働き方に悩んでいる妊産婦さんは、活用することを検討してみてはいかがでしょうか。

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