産休・育休制度はどんな法律?取得条件・期間・手当金を解説!復職が義務?
産休・育休はそれぞれ労働基準法、育児・介護休業法という法律で定められた制度で、条件を満たせば誰でも取得できます。仕事と子育ての両立を目指す夫婦は、産休・育休をとれる期間やもらえる手当金、復職しない場合の対応について知り、制度を賢く利用したいですね。日本だけでなく、シンガポールなど海外の産休・育休事情も紹介していますよ。
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目次
産休・育休制度とは?法律で定められている?
産休・育休は、仕事と子育ての両立を支えてくれる休暇制度です。産休・育休は法律でしっかりと規定されており、条件を満たした人ならば誰でも取得する権利があります。
産休は労働基準法で規定
産休は働く女性が出産前後に取得できる休暇です。労働基準法第65条で定められており、「産前産後休業」が正式名称です。会社は産休取得を理由に女性を解雇すると法律違反になり、懲役や罰金の対象になります。
育休は育児・介護休業法で規定
育休は1歳未満の子どもを養育するために取得できる休暇で、正式には「育児休業」と言います。育児・介護休業法(正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)によって規定されており、一定の条件を満たした男女労働者が対象です。
育児・介護休業法の成立時期は1995年(平成7年)ですが、2017年(平成29年)10月に制度改正され、子どもの2歳の誕生日の前日まで期間を延長できるようになりました。
育児・介護休業法では、育休制度の他、育休明けの時短勤務制度についても定めています。
会社に産休・育休制度がないときはどうする?
産休・育休はそれぞれ労働基準法や育児・介護休業法という法律で定められた制度です。したがって、もしも会社の就業規則で産休・育休について規定されておらず、制度がない場合でも従業員は産休・育休を申請する権利があります。
最近は独自の子育て支援制度を整えている企業も多いですが、産休・育休の取得実績がなく、女性に退職をほのめかす会社がないとも言えません。厚生労働省は、もしも産休・育休の取得で会社とトラブルが起こったときは、会社がある都道府県の労働局雇用均等室まで相談するよう呼びかけています。
産休の取得条件・期間・もらえる手当金
働いている女性ならば誰でも取得できる
産休は、働いている女性が妊娠・出産を理由に取得できる休暇です。この出産には、妊娠85日(4ヶ月)以後の死産(流産)や早産、人工妊娠中絶も含まれています。
働いている女性であれば誰でも産休を利用でき、パートやアルバイト、派遣社員、契約社員など雇用形態は問われません。勤続年数も関係なく、転職してすぐで入社まもないという女性でも産休をとることができます。
一方、男性は産休取得の対象外です。産休は出産前後の母体の健康保護を目的としているからです。その代わりに、2022年10月に産後に合わせて男性が休暇を取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されています。
産前休業と産後休業がある
産休には、出産前にとれる「産前休業」と出産後にとらなければならない「産後休業」があり、いつからいつまでとれるか期間が労働基準法で定められています。
産前休業は出産予定日の6週間前から取得可能です。双子など多胎妊娠の場合は身体への負担を考慮して14週間前からお休みできます。産前休業は強制的な休暇ではなく、女性が会社に申請することで休暇がとれます。妊婦さんが希望すれば、出産直前まで働いても法律的に問題はないということです。
一方、産後休業は出産日の翌日から8週間です。出産後の母体の回復のために産後休業の期間は必ず休暇をとらなければなりません。ただし、産後6週間を過ぎて、ママが復職を希望し、医師も働いて問題がないと判断した場合には、職場復帰も可能です。
自分の産休がいつからいつまでなのかわからないというときには、自動計算ツールや早見表を使うと便利ですよ。
産後パパ育休との併用が可能
産後パパ育休は子どもが誕生した際、出生後8週間以内に4週間までの休みを取得できる制度で、申請時に申し出れば2回まで分割取得することも可能です。育休とは別に取得でき、ママの産休と併用できるので、退院時や1ヶ月検診など人手が必要なときに便利な制度です。
出産手当金を申請できる
労働基準法では産休中の給与について定められていません。法律で規定されていないということは、会社が産休中の女性に賃金を支払う義務はないということです。したがって、産休中は無給与のことが多いでしょう。
産休中に給料が出ないときは、給料の代わりに「出産手当金」という手当金をもらえる可能性があります。出産手当金は健康保険から給料の3分の2が支払われる制度です。
出産手当金を受け取る条件は、会社の健康保険や地方公務員の共済組合に1年以上継続して加入している女性であることです。夫の健康保険の被扶養者や国民健康保険の被保険者は申請できないので注意しましょう。
また、妊娠・出産を機に退職する場合には、以下の条件を満たさなければ出産手当金を受け取れません。
妊娠・出産を機にした退職により出産手当金を受け取れる条件 |
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退職日までに1年以上継続して被保険者である |
退職日に出勤していない |
退職日が産休期間内である |
産休中は社会保険料免除
産休中は有給か無給かに関わらず、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料が免除になります。産休中も保険料を納めた期間として扱われ、将来の年金額が減額されることはありません。
社会保険料が免除されるには、産休中に書類を提出して手続きする必要があります。
育休の取得条件・期間・もらえる手当金
男性も取得できる
育休は、1歳未満の子どもを育てる男女労働者が取得できる休暇です。産休は女性しか取得できないのに対し、育休は男性も取得できるのが特徴です。男性が育休をとることへの理解も高まってきており、男性の育休取得率は年々微増しています。
育休は日々雇用される方を除き、パートや派遣社員など期間に定めのある労働契約で働く人も取得可能です。
ただし、育休を申し出た時点で以下の条件を満たしている必要があります。
育児休業の対象となる労働者の条件 |
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同じ事業主に引き続き1年以上雇用されている |
子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用される見込み |
子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでない |
一方、以下の条件にあてはまる労働者を労使協定で育休の対象外にしている場合は、育休をとれないことになっています。
育児休業の対象とならないケース |
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雇用期間が1年未満 |
週の所定労働日数が2日以下 |
1年以内に雇用関係が終了する |
制度改正で最長2歳まで延長可能に
育休はいつまででもとれるわけではなく、原則として子どもが1歳の誕生日を迎える前日までと法律で決められています。ただし、1歳を超えても育休が必要だと判断された場合、手続きによって育休期間を延長することも可能です。
2017年9月までは最長1歳6ヶ月まででしたが、制度改正され、2017年10月からは最長2歳まで延長できるようになりました。
育休延長が申請できる条件 |
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保育園に入園を希望し、申し込みをしているが入園できない |
子どもを養育している配偶者が、病気などやむを得ない事情で養育が困難 |
パパ・ママ育休プラス制度がある
育休には、夫婦ふたりで育休をとることを支援する「パパ・ママ育休プラス」という制度もあります。この制度を利用すると、夫婦それぞれの育休期間は1年(女性の場合は産後休業8週間を含む)のままですが、時期をずらすことで1歳2ヶ月まで育休がとれます。たとえば、ママの育休終了後にパパが2ヶ月お休みするといったことが可能です。
なお、公務員については子どもの3歳の誕生日の前日まで育休をとれることになっています。最近では、民間でも独自の育休制度を整え、2年以上育休を取得できるような企業が増えてきました。
育児休業給付金を申請できる
育休中は産休中と同様、会社に給料の支払い義務がないため無給です。しかし、一定の条件を満たすと雇用保険から育児休業給付金という手当金が支給されます。支給額は、育休開始日から180日目までは賃金の67%、181日目から育休終了日までは賃金の50%です。
産後パパ育休も育児休業給付の対象です。なお、給付割合については賃金の67%から実質的に手取り額と同等となるよう支給額の見直しが進められています。
さらに育休中に二人目を妊娠した場合、条件を満たしていれば二人目の育児休業給付金も受け取ることができます。
育児休業給付金の支給条件 |
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雇用保険に加入していて、育休開始前の2年間のうち1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある |
雇用期間に定めのある方の場合、同一の事業主のもとで1年以上雇用が継続しており、かつ、子どもが1歳6ヶ月までのあいだに労働契約が更新されないことが明らかでない |
育休中に職場から賃金の80%以上を支給されていない |
ヶ月ごとの支給単位期間中、就労している日数が10日(10日を超える場合は就労時間が80時間)以下である |
育休中も社会保険料免除
育休中は産休中に引き続き、社会保険料が免除されます。社会保険料免除の手続きには、育休中に「育児休業等取得者申出書」を年金事務所に提出します。なお、育休を延長した場合には、そのつど「育児休業等取得者申出書」が必要です。
産休・育休明けの復職は法律で規定されている?
産休・育休明けに職場復帰する予定でいても、実際に子育てがスタートしてみると想像以上に大変で、退職したいと悩む方は多いかもしれません。産休・育休明けの復職は法律で義務化されているわけではなく、退職することは可能です。
育児休業給付金については、復職する見込みがなければ受給資格を得られないことになっています。しかし、もしもやむを得ない事情があって退職しても、一度受給した給付金を返還する義務はありません。産休・育休中に免除された社会保険料についても返納しなくて良いことになっています。
海外の産休・育休制度は?
日本では制度の改正が進み、育休の延長期間が最長2歳までになったり産後パパ育休が創設されたりと、働きながら子育てしやすい環境づくりが急いで進められています。では、海外の産休・育休制度はどうなっているのでしょうか。
シンガポール
シンガポールでは、産前と産後あわせて16週間(4ヶ月)の産休がとれ、そのあいだは会社や政府から手当金がもらえるようです。パパの子育て推進政策が進められており、2017年1月からパパの有給の育休期間が1週間から2週間に拡充されました。
フランス
女性が働きながら子育てするのが一般的なフランスでは、男性にも2週間の産休があり、約7割の男性が取得しているといわれています。女性は子どもが3歳になるまで育休をとることができますが、育休の途中で手当金が終了することもあって早めに復帰する女性が多いようです。
スウェーデン
福祉大国として知られるスウェーデンでは、パパとママがそれぞれ240日、合計480日の育休を取得する権利があります。休暇は子どもが8歳になるまで有効で、夫婦間で譲渡することも可能です。
また、日本では国会議員の産休・育休制度がありませんが、スウェーデンでは国会議員も国民同様に産休・育休がとれる他、休暇中の代理議員制度が採用されています。
ドイツ
ドイツでは、2007年にパパの育休取得を目指して「両親手当」という制度が導入され、2006年に3%程度だった男性の育休取得率が2012年には約30%に大幅にアップしました。
産休・育休制度とともに子育て観も変わる
共働きのパパ・ママにとって、産休・育休は心強い制度です。厚生労働省によると、2016年度時点で3.16%だった男性の育休取得率も、2021年度には13.97%まで上昇しました(※1)。しかし、女性のは85.1%に比べて大幅に低いことがわかっています。いまだパパは育休を取得しにくく、ママのワンオペ育児になりやすいなど課題が多いことは否めません。
政府は男性の育休取得率を2025年までに30%に引き上げる目標を掲げていましたが、今後少子化対策をさらに強化し、25年度には50%、30年度には85%まで向上させたい考えです。
制度が変更されることで、子育てや仕事に対する価値観もまた変わっていくかもしれません。女性が出産後も安心して働き続けられ、男性が子育てに取り組むのが当たり前の社会になるよう、各家庭でも夫婦が互いに本音を伝えあい、うまく役割分担していきたいですね。
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