産休・育休の手続きの流れ!会社への提出書類はいつまで?申請スケジュールをチェック!

産休・育休を取得するには、さまざまな申請をする必要があります。会社が進めてくれる手続きもありますが、自分で行うことも多いため、不備がないよう「いつまでに申請するのか」「必要書類は何か」などよく確認しましょう。産休・育休の手続きの流れがわかるフローチャートや一覧表を活用しながら、余裕を持って手続きしてくださいね。

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目次

  1. 産休・育休とは
  2. 産休・育休の手続きは自分で行うの?
  3. 産休・育休の手続きの流れは?いつまでに申請する?
  4. 産休・育休の申請方法と必要書類
  5. 産休・育休の手続きスケジュールをよくチェックしよう
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産休・育休とは

働くママが増えている中、産休や育休をとって仕事を続けたいと考えている妊婦さんは多いのではないでしょうか。しかし、産休や育休がどんな制度で、産休手続きのうち自分でやることはなにか、いつまでに手続きをしなければならないのか、よく知らないという妊婦さんもいるかもしれませんね。まずは産休・育休の制度についてきちんと確認しておき、手続きがスムーズにできるようにしましょう。

産休とは

産休とは、働く女性が出産前と出産後にとれる休暇のことです。正式には「産前産後休業」と呼ばれ、働いている妊婦さんならば誰でも取得する権利があると労働基準法で定められています。したがって、正社員はもちろん、アルバイト、パート、契約社員や派遣社員も産休取得の対象です。

産休は「産前休業」と「産後休業」にわかれ、いつからいつまでお休みできるか期間が決まっています。

産前休業は妊婦さんの申請により出産予定日の6週間前からとれます。ただし、双子などの多胎妊娠の場合は14週間前から取得可能です。

一方、産後休業は妊婦さんが働きたいかどうかに関わらず、出産日の翌日から8週間取得しなければならない休暇です。しかし、産後6週間を過ぎて妊婦さんが就業を希望し、医師の許可も出た場合には、仕事に復帰することもできます。

産休中は、企業には給料を支払う義務がないため無給与となりますが、「出産手当金」などを申請することができます。

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育休とは

育休の正式名称は「育児休業」で、基本的に産後休業の翌日から子どもの1歳の誕生日の前日まで取得できます。1歳に達した時点で保育園に入れないなど、一定の条件を満たすと、最長で2歳まで延長することも可能です。

産休は働いている女性だけが取得できるのに対し、育休は男女ともに取得できるのが特徴です。雇用形態も関係なく、派遣社員やパートも育休を取得する権利があります。ただし、「同じ事業主に引き続き1年以上雇用されている」といった条件を満たしていることが必要になります。

育休中は産休中と同様、企業から給料が出ません。しかし、一定の条件を満たしていれば、生活保障として雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。

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産後パパ育休とは

産後パパ育休は正式名称を「出生時育児休業」といいます。2022年10月に施行されたもので、赤ちゃんの出生後8週以内に4週間まで2回に分けて休業を取得できる制度です。ママの産後休業に合わせられ、1歳までの育児休業とは別に取得できることがポイントです。

産後パパ育休中は「出生時育児休業給付金」が受けられます。労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することも可能です。

ただし、給付金を受給するには、休業期間中の就業日数が最大10日(10日を超える場合は80時間)以下である必要があります。労使協定や就業日数などについて、詳しくはハローワークで確認しましょう。

産休・育休の手続きは自分で行うの?

産休・育休をとり、お休みのあいだに手当金をもらうためには、さまざまな手続きを行う必要があります。手続きの中には会社が行ってくれるものもありますが、自分で必要書類に記入しなければならないものも多いです。また、産休や育休の取得実績がないような会社の場合、通常会社が行ってくれる手続きを自分で行うケースもあるようです。

特に出産後は赤ちゃんのお世話でバタバタしてしまい、産休・育休の手続きについて調べる時間がなかなかとれないことが予想されます。出産前の時間に余裕があるうちに、手続きの流れや必要書類、申請期限などをチェックしておきましょう。そのうえで、産休・育休手続きのうち自分でやることを会社によく確認し、申請に不備がないようにしましょう。

もしも不明点があれば、早めに会社の人事部や総務部に問い合わせてくださいね。

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産休・育休の手続きの流れは?いつまでに申請する?

産休・育休の手続きの流れがひとめでわかるよう、フローチャートと一覧表にまとめました。手当金の申請期限などスケジュールをしっかりとチェックしておき、いざというときに慌てないようにしましょう。

産休・育休の手続きフローチャート

産休・育休の手続き一覧表

手続きの内容
申請時期の目安
対象者
備考
会社への妊娠の報告早めがのぞましい働いている女性
産休の届け出会社によって異なる働いている女性
産休中の社会保険料免除手続き産休中健康保険・厚生年金保険の被保険者の女性
出産育児一時金の申請直接支払制度の場合は入院前健康保険や国民健康保険に加入していて、妊娠85日以上(妊娠4ヶ月以上)で出産した女性
出産手当金の申請産前分と産後分を一括で受け取る場合は産後56日以降・会社の健康保険や地方公務員の共済組合に1年以上継続して加入している女性 ・退職する場合には、退職日が産休期間内で、かつ欠勤していること国民健康保険の加入者、夫など家族の健康保険の被扶養者は対象外
育休の届け出・育休の開始予定日の1ヶ月前まで ・出産が早まったなどの特別な理由がある場合は育休開始日の1週間前まで以下のような条件にあてはまる男女 ・同じ事業主に引き続き1年以上雇用されている ・子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる ・週の所定労働日数が3日以上
産後パパ育休の申し出・原則として休業の2週間前まで ・出産予定日前に子が出生した等の場合は、1週間前まで産後休業をしていない労働者(主に男性、養子等の場合は女性も対象)2022年の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、申出期限を1ヶ月前までとすることができる
育休中の社会保険料免除手続き育休中育休を取得している人育休を延長する場合はそのつど申請が必要
育児休業給付金の申請・自分でハローワークに申請する場合は育休に入ってから4ヶ月後の月末まで ・初回以降の申請は約2ヶ月ごとに行う以下のような条件を満たしている男女 ・雇用保険に加入している ・育休前の2年間のうち、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
出生時育児休業給付金の申請出生日(出産予定日前に子が出生した場合は、出産予定日)の8週間後の翌日から起算して2ヶ月後の月末まで以下のような条件を満たしている原則男性 ・雇用保険に加入している ・育休前の2年間のうち、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある

産休・育休の申請方法と必要書類

会社への妊娠の報告

妊娠が判明したら、まずは会社に妊娠を報告します。いつごろ妊娠報告をしたら良いのかは一概には言えませんが、つわりや妊婦健診で欠勤が増えたり、仕事の引き継ぎをしたりすることを考慮すると早めが望ましいかもしれません。ただ、妊娠初期は流産してしまう確率も低くないため、まずは上司にだけ伝えておき、安定期に入ったタイミングで同僚に報告するというのも手です。

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産休の届け出

産休を希望する場合、その旨を会社に伝えます。妊娠報告のタイミングで会社から産休の意思を確認される場合もあれば、もう少し妊娠週数が進んでから改めて産休を申請する場合もあります。このときに、いつから産休をとるか、有給休暇を利用するかといったことも伝えることになるでしょう。

会社によっては、人事部や総務部に産休届を提出する必要があります。会社が用意している書式があればそれを利用しますが、もし書式が指定されていなければ、無料のテンプレートを使うと良いでしょう。

産後パパ育休の申し出

産後パパ育休は原則として男性を対象として設けられた制度です。休業を取得したい場合は、休業開始の2週間前までに会社に申し出る必要があります。産後パパ育休は分割して2回取得できますが、手続きは最初にまとめて行います。

出産予定日前に子どもが生まれた場合、申出期限は休業開始予定日の1週間前までとなります。早い段階で産後パパ育休を取得する意向があれば、産休や育児休暇と同様に、妊娠報告のタイミングで休業の取得について相談しておくとスムーズです。

申し出は原則として書面で行います。会社によって、所属する部署や人事部や総務部への提出となります。あらかじめ窓口を確認しておくと良いでしょう。

産休中の社会保険料免除手続き

産休中は健康保険や厚生年金保険などの社会保険料が、個人負担分、会社負担分ともに免除です。社会保険料免除のための手続きは会社が行うことになっており、従業員の産休中に「産前産後休業取得者申出書」という書類を年金事務所に提出します。「産前産後休業取得者申出書」には被保険者名や出産予定日などを記入する欄があり、産休に入る前に自分で記入するよう指示される場合があります。

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出産育児一時金の申請

出産育児一時金とは、分娩費用の負担を軽減するための制度で、子どもひとりの出産につき42万円が加入している健康保険や国民健康保険から支給されます。

妊婦さんに代わって病産院が手当金の請求と受け取りを行う「直接支払制度」を利用する場合、妊婦さんは出産1ヶ月前くらいに出産する病産院から渡される「直接支払制度を利用する合意文書」に署名します。退院時には手当金の額を超えた分だけ支払えばよく、もしも手当金よりも出産費用が少なければ、必要書類を提出すると差額分が指定の口座に振り込まれます。

出産手当金の申請

出産手当金は、産休中の生活支援を目的として、給料の代わりに健康保険から支払われる手当金です。産前休業分と産後休業分をわけて申請することもできますが、産後休業56日以降にまとめて申請して一括支払いしてもらうのが一般的です。

出産手当金を申請するには「健康保険出産手当金支給申請書」を会社に提出する必要があります。「健康保険出産手当金支給申請書」には被保険者の情報のほか、医師や助産師が記入する欄もあるため、退院時までに病産院にお願いしておくと良いでしょう。用紙は産休前に会社から渡されることが多いようですが、全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページからもダウンロードできます。

なお、出産手当金の支給額は【標準報酬日額】×2/3×【産休の日数】で計算します。出産予定日よりも遅れて出産した場合には、遅れた分の日数も支給対象になります。一方、帝王切開などでもともとの出産予定日よりも早く出産した場合には、出産日を基準に産休の期間を計算し直して申請することも可能です。

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育休の届け出・育休中の社会保険料免除手続き

育休の取得を希望する場合、育休開始予定日の1ヶ月前までに会社に申し出なければなりません。その際、「育児休業等取得者申出書」を会社に提出することになります。会社はこの書類を年金事務所に出すことで、育休中の社会保険料の免除手続きが完了します。

なお、保育園に入園できないといった理由で育休を延長する場合には、そのつど「育児休業等取得者申出書」を年金事務所に提出しなければなりません。

育児休業給付金の申請

育休中は会社から給料が支払われない代わりに、原則として子どもの1歳の誕生日の前日まで育児休業給付金を受け取ることができます。育休開始から180日目までは休業開始前の賃金の67%、181日目以降は賃金の50%が雇用保険から支給されます。

育児休業給付金の申請は、本人の代理で会社が育休中に行うのが一般的です。育児休業給付金の申請のために必要な「育児休業基本給付金支給申請書」や「育児休業給付受給資格確認票」といった書類が会社から郵送されてくることが多いので、提出期限内に返送するようにしましょう。

ただし、自分でハローワークに行って申請するよう会社に指示されることもあります。その際は、申請期限が過ぎないよう、職場やハローワークに手続き内容やスケジュールをよく確認するようにしましょう。

なお、育児休業給付金の支給は2ヶ月ごとです。初回の支給のタイミングは育休が始まってから数ヶ月後のこともあるため、生活費に困らないよう注意してくださいね。

出生時育児休業給付金の申請

産後パパ育休を取得した場合、給与が支払われない代わりに出生時育児休業給付金を受け取れます。支給額は休業開始前の賃金の67%です。子どもの出生日もしくは出産予定日の遅いほうから8週間を経過した翌日から2か月後の月末まで申請することができます。

なお、出生時育児休業給付金が給付された日数は、育児休業給付金の180日に通算されます。つまり、出生時育児休業給付を最大28日受けた場合、育児休業給付金は152日分が休業開始前賃金の67%で支給されることとなります。

出生時育児休業給付金を受給するには、管轄のハローワークに必要書類を提出する必要があります。手続きは原則として会社側が行います。必要書類は「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」「育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金支給申請書」です。

さらに「賃金台帳、出勤簿またはタイムカードなど出生時育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払い状況を証明できるもの」「出産予定日及び出産日を確認することができるもの(写し可)」「育児休業申出書」も必要です。会社から出産予定日・出産日を確認するために母子手帳のコピーや住民票の提出が求められたときに提出できるよう準備しておきましょう。

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産休・育休の手続きスケジュールをよくチェックしよう

産休や育休を取得し、手当金をもらうにはさまざまな手続きを行わなければなりません。子育てで慌ただしいときに、提出期限内に必要書類を用意するのは大変なことも多いかもしれませんが、子育ての負担を軽減させるためにも各制度をぜひ活用してくださいね。「いつまでに申請すればいいのか」「必要書類はなにか」など事前にスケジュールをしっかりとチェックし、不明点は会社に早めに確認しましょう。

※この記事は2024年8月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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