【出産手続き】知っておきたい産前産後の申請書・給付金リスト(2022年度)
妊娠出産に関わる書類や給付金の手続きはたくさんあり、申請や手続きがよくわからないという方も多いようです。産後すぐが期日となっている書類や、申請し忘れると受給できない給付金もあるので注意が必要です。ここでは、産前産後に必要な申請書や給付金についてご紹介します。
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目次
出産前後に行う手続きの流れ
妊娠中にできる手続き、産休前に済ませたい手続き、産後すぐにするべき手続きなど、妊娠中から産後にかけてさまざまな手続きが必要になります。申請し忘れるともらい損ねる助成金や個人負担が大きくなるものなどもあるので、自分がどれに当てはまるのかを確認しておくと安心です。
まずは、産前産後のさまざまな手続きについて、おおよその申請の時期順に、いつまでに申請すれば良いかをご紹介します。
手続き | 詳細 |
---|---|
傷病手当金 | つわりや切迫早産などで連続する3日間(待機期間)を含む4日以上、仕事に就けなかったときに申請できます。申請は休業4日目以降に行います。 |
産前産後休業保険料免除 | 産休前に、勤め先への申請がおすすめ。申請出来る期間は、産前42日間(多胎の場合は98日)、産後56日です。 |
高額医療費 | 妊娠中や産後に、ママが長期入院することになり、1ヶ月に負担する医療費が上限を超えた場合に差額が戻る制度です。年齢と年収によって金額が変わります。 |
失業給付金の延長 | 退職後30日を過ぎた翌日からできるだけ早く申請します。本人が出産時期と重なって行けない場合は、代理人でも郵送でも申請可能です。 |
出産育児一時金 出産育児付加金 | 保険のきかない出産費用を国が負担してくれる制度です。支給額は42万円。大抵は医療機関で手続きを行ない、国から直接費用が振り込まれます。 |
出生届 | 赤ちゃんが生まれた日を含めて14日以内に、市区町村役場の戸籍孫口に提出します。生まれたのが早朝でも深夜でも1日とカウントするので注意。 |
未熟児養育医療給付金 | 自治体によって提出期限が違います。提出期限が生後14日以内というところもあるので、お住まいの地域の期限を確認してください。 |
児童手当金 | 出生日の次の日から15日以内に、お住まいの市町村役所に申請します。 |
健康保険の加入 | 生後1ヶ月までを目安に加入します。保険証を作った後に乳幼児医療証を作るため、できるだけ早く、勤め先または国民健康保険の場合は自治体に申請します。保険証がくるまでに、申請から2週間ほどかかります。 |
乳幼児医療費助成 | 上記の健康保険証ができたら、お住まいの市町村役所で申請します。医療助成を受けられる年齢制限と負担額は、地域によっても変わります。また、所得制限がある場合もあるので確認しておきましょう。 |
育児休業給付金 | 初回の支給申請は、育児休業開始日から4ヶ月たつ月の月末までに申請し、給付は生後8週を過ぎた翌日から1歳になるまで受けられます。 |
医療費控除 | 出産した年の医療費実費負担の合計金額が10万円を超えた場合、翌年の2/16~3/15の確定申告時期に、確定申告が不要な場合は翌年1月から5年を経過する日までに申告します。 |
出産祝い金 | 勤め先から出産祝い金をもらえる場合があります。出産報告と同時に確認しておきましょう。 |
医療保険 | 帝王切開などで出産した場合、加入している医療保険が適用されます。 |
出産手当金 | 健康保険に1年以上加入していて、妊娠が4ヶ月以上継続している人がもらえる手当です。流産、早産、死産、中絶も含み、産後に申請する場合は産後56日以降。一般的にその都度医師の証明書が必要。 |
出産後に全員が行う5つの手続き
出生届
■対象者
赤ちゃん全員
■申請期間
生まれた日を含んだ14日以内
■届出人
原則、父か母(この場合母は入院中なので、ほとんどの場合父が行います)
■提出先
お住まいの市町村、父か母の本籍地、子どもの出生地、いずれかの市町村役所に、生後14日以内に提出します。里帰り中の場合は里帰り先の役所に提出します。
■必要な書類
・母子手帳(出生記録を医師が記入したもの)
・出生証明書(医師が記入)
・記入した出生届
・印鑑
児童手当金
申請した翌月から支給されます。月末生まれや災害で申請ができなかった場合は、出産翌日から15日以内の申請で特例となる場合があります。申請し忘れた月の分の給付をさかのぼって受けることはできないので、出生届など他の届けをするときに一緒に申請しておきましょう。申請先はお住まいの市町村です。
■対象者
0歳から15歳になる年度末(中学卒業)まで
■支給対象と支給額
0~3歳未満・・・15,000円
3~小学校卒業まで・・・第一子・第二子は10,000円、第三子から15,000円
中学生・・・10,000円
所得制限があり、扶養親族等の人数によって所得上限限度額が異なります。扶養親族等が3人の場合、養育者の年収が約960万円以上の家庭には、年齢に関係なく5,000円の支給になります。また、2022年10月以降は児童手当法が改正され扶養親族等が3人の場合、養育者の年収が1,200万円以上の世帯へは支給がありません。
19歳以上は児童としてカウントされないので、年齢差のあるきょうだいの場合は、第一子を18歳として数えます。公務員の場合は勤務先から支給されるので、自治体と勤務先両方の申請が必要です。
■申請期間
出生日から15日以内
■必要な書類
・健康保険被保険者証の写し
・5月以降の出生で、同じ年の1月1日に住民登録がない場合は、前の住所の前年度の児童手当用所得証明書が必要
・振り込み口座のわかるもの
■支給月
毎年、2月、6月、10月に4ヶ月分まとめて支給されます。
■毎年提出するもの
毎年、現況届を6月に提出します。届けがない場合は次回から受けられなくなることがあるので、必ず提出しましょう。
健康保険の加入
赤ちゃんの保険証を作ります。乳児医療証を作るために保険証が必要になり、1ヶ月健診で早速使うので、早めに申請しましょう。
■支給対象
赤ちゃん全員
■申請期間
生後1ヶ月、産後の1ヶ月健診までに
■申請先
扶養者が勤務先の保険に入っている場合は勤務先、自営業などで国民健康保険に入っている場合は、自治体に申請します。夫婦が共働きの場合は年収の多いほうの扶養になります。
■必要な書類
・出生届出済証明の記入された母子手帳
・印鑑
・被保険者の保険証
・出生届のコピー
出産育児一時金・付加金
保険がきかない出産時の高額医療費の負担を軽減してくれる制度です。多くの場合は医療機関に申し出ることで、医療機関と保険組合のあいだで手続きが行なわれます。
■対象者
健康保険加入者、またはその扶養家族
■申請期間
妊婦健診時に医療機関に申請します
■申請先
自身の加入しているまたは扶養に入っている健康保険、自営業の場合は自治体
■支給額
子ども一人につき42万円(多胎の場合は×人数)。妊娠4ヶ月未満の出産には40万円、妊娠12週以降の流産や死産も含まれます。
■直接支払い制度
この制度で申請すると、給付金は直接出産する病院に支払われます。費用が42万円を超えた場合は差額分を支払います。たいていはこの制度を利用しますが、利用しない場合は病院に費用を支払った後に手続きをして受給します。
■必要な書類
・出産育児一時金・付加金 内払い金支払い依頼書 差額請求書
・病院の合意書の写し
・出産費用の領収書、明細書
乳幼児医療費助成
乳幼児の通院、入院代を全額負担または一部を助成してくれる制度です。お住まいの地域によって受けられる対象年齢と金額に差があります。多くは出生届と一緒に申請します。
■対象者と助成金額
0歳児から自治体の決めた年齢まで受けられ、対象年齢と金額はお住まいの地域によって変わります。また、地域によっては所得制限があります。ひとり親家庭等医療費助成など他の助成を受けていると対象にならない場合が多いです。
■申請期間
子どもの健康保険証ができ上がったら、市町村役所に申請します。1ヶ月健診までを目安にしてください。
■申請先
お住まいの市町村役所
■必要な書類
・子どもの健康保険証
・印鑑
産休中のママが行う会社関係の手続き
育児休業給付金
■対象者
過去2年間のあいだに11日以上の勤務が12ヶ月以上あり、雇用保険に加入している人
■申請期間
生後8週を過ぎた翌日から、育児休業開始日から4ヶ月になる月の月末まで
■給付期間
生後8週を過ぎた翌日から、1歳になるまでの期間
■申請先
申請者の勤め先
申請者が自分で手続きをする場合は、ハローワーク
■給付額
育児休業開始日から180日までは、月給の67%、181日から最終日までは月給の50%が給付されます。(給料の額によって給付額の上限と下限があるので、この通りでない場合もあります)
■必要な書類
・育児休業受給資格確認票(勤め先からもらいハローワークに提出)
・育児休業給付金支給申請書(ハローワークからもらい勤め先に提出)
・給付金の受取口座の通帳コピー
・母子手帳の出生届欄などの育児休業を証明できるもの
■2ヶ月に一度提出するもの
勤め先から次回の申請書が2ヶ月に一度送られてきます。申請をしないと受給できないので必ず記入し提出します。
■保育園に入れないとき
休業あけに保育園に入れない場合は育児休業を最長6ヶ月延長できます。このあいだにも受給が続きます。
産前産後休業保険料免除
産前産後の保険料の支払いが免除される制度です。産休の申請とともに行います。
■対象者
産前42日間(多胎の場合は98日)、産後56日、妊娠・出産を理由に休業した人
■申請期間
産前休業中
■免除期間
産休取得月から産休終了予定日の翌日の前月
■申請先
事業主が提出します。勤務先に申し出をして、必要書類を受け取り記入し提出します。
企業の出産祝い金
お勤めの会社の福利厚生によって違いますが、慶弔見舞金で出産祝いがもらえる場合があります。金額や申請方法は企業により異なるので、妊娠の報告をする際に確認しておきましょう。
出産手当金
■対象者
勤め先の健康保険に1年以上加入していて、妊娠が4ヶ月以上継続している人。4ヶ月以上妊娠していれば、流産、早産、死産、中絶も含みます。
■申請期間
産後に一括で受け取るケースが多く、その場合は産後56日以降に申請します。都合により産前産後で2回に分けて受給する場合は、医師の証明書を提出してその都度の申請になります。
■支給期間
出産日または出産予定日の42日前から、出産翌日から56日までのあいだで会社を休み給与がなかった期間が対象
■申請先
申請者の勤務先
■必要な書類
・健康保険出産手当金支給申請書
・母子手帳
・保険証
・出産または出産予定日が証明できるもの
・振込先の口座
・印鑑
■退職する場合
退職日までに被保険者期間が1年以上あり、退職日(資格喪失日)までに出産手当金を受給しているか、受けられる状態になっている場合は、継続して受給できます。
夫にお願いしたい出産後の手続き
産後の手続きの中には、ママが入院中や産後すぐで動けない期間に行うものもあります。パパが手続きをしたほうが良いものがいくつかあるので、夫婦で確認しておきましょう。一見難しそうですが、会社や役所の専用窓口で相談できるので大丈夫ですよ。
出産費用の支払い
多くの場合は、国から支給される出産一時金を病院が受け取る手続きになっています。そのため、一時金の範囲内であれば問題ありませんが、追加料金が発生した場合は病院の窓口に支払います。
子どもの健康保険の加入
勤め先の健康保険の場合は会社に、国民健康保険の場合はお住まいの市町村役所に申請します。詳しくは前項の「健康保険の加入」を参考にしてください。一般的には、会社に出生の報告をするときに同時に行います。
病院から出生届けに関する書類をもらい役所に出す
出生届は生まれた日から14日以内の提出が必要です。出生届と同時に、子どもの住民登録、児童手当の申請も行います。児童手当の申請には振り込み口座が必要になるので、口座のわかる通帳を持参しましょう。
子どもの保険証ができたら役所に行く
健康保険の加入後しばらくすると子どもの保険証が発行されます。子どもの保険証をを役所に提出し、乳児医療費助成の申請をします。
出産後に該当者が行う手続き
医療費控除
家族でかかった医療費の実費が1年で10万円を超えると、医療費控除の還付金を受け取れる場合があります。出産の実費も医療費に入るので、領収書は保管しておきましょう。
■申請期間
原則として確定申告の期間(翌年2月16日~3月15日)に行います。還付金申請のみの場合は、翌年1月から5年を経過するまで受付可能です。
■申請先
住民票のある地域の税務署
■対象となるもの
健診代、入院費、通院や入院に使った交通費、陣痛時のタクシー代、入院中の食事代、産褥入院代、産後の母乳マッサージ代、骨盤ベルト代、市販薬など
給付金などで実際に支払っていない額は差し引いて計算します。
■必要な書類
・確定申告書
・それぞれの領収書
・振込先口座のわかるもの
失業給付金の延長
退職した場合は失業保険の申請ができますが、失業保険の期間内に、妊娠出産で30日以上働けない期間がある場合は、失業給付金の延長を申請できます。申請で最長3年の延長が可能です。
■対象者
退職までに6ヶ月以上雇用保険に入っていた人
■申請期間
退職後31日目から、延長後の受給期間の最後の日までの間
■申請者
本人または代理人、郵送も可能
本人が出産等で期間中に申請できない場合もあるので、期間中に代理人または郵送で申請することを忘れないでください。
■必要な書類
・離職票-1・-2(退職した会社からもらう)
・受給期間延長申請書(ハローワークでもらう)
・必要な場合は医師の診断書
・印鑑
未熟児養育医療給付金
出生後、入院して治療が必要だと認められた赤ちゃんに対して、お住まいの自治体に申請することで給付されます。
■対象となる赤ちゃんの状態
・体重が2,000g以下
・けいれん、運動異常
・体温が34度以下
・強いチアノーゼなど呼吸器、循環器の異常
・くり返す嘔吐など消化器の異常
・強い黄疸
■年齢制限
1歳になる前日まで
■申請期間
お住まいの自治体によりますが、生後14日以内のところもあるので、早めに申請しましょう。
■必要な書類
・養育医療給付申請書(申請者が記入して、身分証明書が必要になる場合があります)
・養育医療意見書(主治医が記入)
・世帯調書(申請者が記入。世帯の個人番号が必要)
・所得税額等の証明書類(扶養義務者全員のものが必要)
・健康保険証(赤ちゃんがまだ未加入の場合は、入る予定の物)
・印鑑
・こども医療費支給申請書兼請求書
自治体の出産祝い金
お住まいの自治体によっては、独自の出産祝い金がある場合があります。出生届を出すときに役所に問い合わせてみましょう。
傷病手当金
つわりや切迫早産等で、産休前に連続で4日以上休み、給与の支給がない場合に申請できます。出産手当金と期間が被る場合は出産手当金が優先です。
■対象者
勤め先の健康保険の被保険者。病気はケガ、妊婦さんの場合はつわり、切迫早産、切迫流産などで入院や自宅安静と言われた場合にも使えます。
■申請期間
連続して休業した4日目以降、2年以内
■給付金額
日給の2/3相当額
■申請先
勤め先の保険窓口
■必要な書類
健康保険傷病手当金支給申請書
出勤簿・賃金台帳の写し
医療保険
自然分娩の場合は民間の保険は適応されませんが、帝王切開などの場合は医療保険が使えます。加入先の保険会社で手続きをします。
高額医療費
妊娠中や産後に長期入院などで医療費が高額になる場合は、高額医療費を受給できます。高額医療費制度とは、1ヶ月に自己負担する医療費の上限を超えた場合の金額が戻る制度です。年齢と年収によって金額が変わり、70歳未満は年収で5段階に分けられています。
■自己負担限度額の計算方法
年収約1160万円以上・・・252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
年収約770~1150万円・・・167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
年収約370~770万円・・・80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
年収~約370万円・・・57,400円
住民税非課税者・・・35,400円
■事前に申請する場合
高額になるとわかっている場合は、事前に保険証の保険者(勤め先の窓口)、国民保険の場合は役所に「限度額適用認定証」を申請し、認定証を病院に提示することで、支払いが自己負担限度額のみになります。
■事後に申請する場合
いったんは3割負担額の医療費を支払い、保険証の保険者(勤め先の窓口)国民保険の場合は役所に高額医療の申請をします。
■申請先
勤務先の保険窓口、国民健康保険の場合はお住まいの市町村役所
■必要な書類
・領収書
・保険証
・振り込み口座のわかるもの
・印鑑
自分に必要な手続きをまとめておこう
盛りだくさんの手続きにため息をついてしまう人もいるかもしれません。手続き先も申請期間もバラバラなので、出産前に自分がどれに当てはまるかをチェックしておきましょう。
手続きは一見難しそうですが、それぞれ専用の窓口があり相談に乗ってもらえるので大丈夫です。わからないことは何でも質問して、早めに申請すると安心ですね。