「喉が痛い」妊娠中でもできる喉の痛みの治し方や注意点、原因は?【産婦人科医監修】
熱いものなど刺激物の摂取、風邪、乾燥、扁桃腺の腫れなどにより「喉が痛い」と感じる機会は少なくないかもしれません。妊婦の場合には薬の使用に慎重にならなければならないため、喉が痛いときには原因や影響、薬以外の治し方が気になる人は多いでしょう。のど飴やトローチの注意点や病院を受診する目安などを産婦人科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
喉が痛い!妊娠中も気になる「喉の痛み」
「喉の痛み」を感じる機会は珍しくないかもしれません。乾燥が気になるとき、咳が止まらないとき、魚の骨などが喉に引っかかったとき、扁桃腺が腫れたとき、嘔吐したとき、刺激物を食べたり飲んだりしたとき、カラオケなどで喉を酷使したとき、日常生活のさまざまな場面で「喉の痛み」を感じる機会があるでしょう。喉の痛みは一時的なものが多いかもしれませんが、のどは話をするときにも、食べるときにも、飲むときにも使うものです。不快な症状があれば、どうしても気になってしまうでしょう。
妊婦が喉の痛みに対して対処を行う場合には、慎重に対応を検討する必要があるでしょう。お腹の赤ちゃんや母体への影響に注意する必要があるからです。妊娠中は自己判断で薬を飲むことができないため、喉の痛みなどの症状を我慢していたり、対処に悩んでいたりする人は多いかもしれません。
すべての薬を使用していけないわけではないため、専門の医師にお腹の赤ちゃんへの影響や副作用などを相談の上、適切に対処を行っていくことが大切です。
喉が痛い、痰、発熱、咳、妊婦が気になるさまざまな症状
喉が痛い・痰が出る・発熱・咳・鼻水・鼻づまり・くしゃみ・頭痛や腹痛など、妊婦もさまざまな症状に悩まされることがあるでしょう。単純に風邪が原因の場合もあれば、妊娠による身体の変化が元となった症状や病気が隠れているケースも考えられるでしょう。喉が痛いだけでなく下痢や吐き気など複数の症状が一度に現れることもあるかもしれません。
一般的に「喉の痛み」は日常的によく遭遇する症状のひとつだといわれています。喉の痛みの多くはウイルスによる感染が原因となる「急性咽喉頭炎」とよばれる「のどの炎症」が原因の場合が多いといわれています。ただしなかには、風邪のような症状であっても生命に関わる病気が隠れている可能性があるため、注意が必要です。
喉の痛みがあれば風邪?原因を見極めることは可能?
喉の痛みを感じると、まず風邪を疑う人が多いでしょう。風邪は、ウイルスがのどや鼻にくっつき、喉の痛みや鼻水・鼻づまり、発熱や頭痛、全身の倦怠感などの症状が現れる状態を指します。喉の痛みだけで、風邪であると原因を断定するのは難しいかもしれません。喉の痛みを引き起こすものは、風邪などの感染症や炎症以外にもあります。
魚の骨を飲んでしまったときや有害物質を飲み込んでしまったときに起こる外傷や異物、がんなどの腫瘍、神経の刺激により起こる神経痛、心因性によるものでも喉の痛みが生じる場合があります。
風邪などによる炎症が多いとはいわれていますが、なかには肺炎・急性咽頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)といった深刻な影響をもたらす可能性があることを忘れずに、気になることがあれば病院に相談するようにしましょう。溶連菌(ようれんきん)やインフルエンザなどに感染している人との接触にも注意したいですね。
妊婦が喉の痛みに注意すべき時期はある?
妊婦であれば、喉の痛みが引き起こすさまざまな影響が気になる人は多いでしょう。喉の痛みがあることで、すぐに何かしらの重大な影響が現れるということは多くないでしょう。妊娠初期だから気をつけなければならない、臨月だから気をつけならばならないといった「時期」に注目するよりは、いつもと違う点がないか、症状がひどくないかといったところに常に注意を払いましょう。
喉の痛みを素人が特定するのは難しいため、不安な点や疑問点があれば医師に相談することで安心できるでしょう。冬の乾燥や夏風邪やインフルエンザの流行期などには、特に注意を払うと良いでしょう。赤ちゃんが生まれた後にも使える除菌剤やハンドソープなどで、日頃から予防を心がけることが大切かもしれませんね。
妊婦の喉の痛み、市販薬やイソジン、漢方は使える?
喉の痛みを感じる場合、早い段階から薬で対処していくべきかを悩む人もいるかもしれません。妊娠中であれば、薬の使用には注意が必要なため注意しましょう。お腹の赤ちゃんの身体の器官ができあがる「妊娠初期」は、薬の使用を控えた方が良いといわれています。この妊娠初期だけでなく、妊娠期間中は常に薬の使用に注意しなければなりません。
妊婦に使用してはいけない薬、使用の際には慎重に検討する必要がある薬があります。これはお腹の赤ちゃんの身体の形成への影響、胎盤を通じたお腹の赤ちゃんへの薬の効果の影響が考えられるためです。市販の薬はもちろん、漢方薬・貼り薬・塗り薬といったものにも注意しましょう。風邪の薬としては「イソジン」などの昔から馴染み深い薬がありますが、自己判断で勝手に使うのではなく、念のため担当の医師に相談してから使用しましょう。
妊婦でもできる、喉が痛いときの薬以外での治し方は?
万が一の場合を考えて、「妊娠中は可能な限り薬の使用を控えたい」と考える妊婦は少なくないかもしれません。薬以外での喉の痛みへの対処法といえば、うがい・部屋の加湿・お茶・マスク・蜂蜜などの飲み物や食べ物が代表的かもしれません。民間療法は科学的に検証されていないものも多く、根本的な治療にはならず対症療法であるものも多い点には注意が必要かもしれません。一方で、薬に頼らずに一時的な効果を期待する場合には有効な手段もあるでしょう。
我慢できない痛みや喉が痛い状態が長く続いている・ひどいといった場合には病院をすぐに受診すべきですが、次の妊婦健診まで待てそうだなといったケースもあるでしょう。マスクや部屋の加湿といった比較的安全な方法であれば試してみても良いかもしれません。ただし原因によっては悪化する可能性もあるため、良くならないようであればすぐに中止し、病院へ相談しましょう。
妊婦の喉の痛み、のど飴・トローチも注意が必要
喉の痛み対策として手軽に試すことができる「のど飴」と「トローチ」は非常に人気が高い手段だといえるでしょう。一方で注意しなければならない点もあります。
「トローチ」はトローチ剤と呼ばれる薬のひとつです。早く溶けないように硬めに作られているのが特徴的で、口の中でゆっくりと成分が溶け出すことで炎症を沈めたり殺菌したりといった効果に期待ができるものです。「のど飴」は、名前の通りデンプンを固めて糖類などを加えた飴です。昨今では「のど飴」「メディカルドロップ」といった名前でも、効果・効能が認められた成分が配合されている医薬品に分類されているものがあります。
薬に分類されるものは、トローチ・のど飴ともに、妊婦が使用する際には念のため医師に確認してから使用すると良いでしょう。昨今では漢方の元となる生薬をベースにした商品などもあり、医薬品・医薬部外品と食品の区別が難しい場合もあるかもしれません。基本的には、食品以外は医師に処方されたものを使用するのが安心でしょう。食品に分類されるものであれば、リラックス効果や一時的な保湿効果として使用するのは問題ないでしょう。ただし糖分のとり過ぎには注意が必要です。
妊婦の喉の痛み、何科を受診すれば良い?
妊娠中に喉の痛みで病院の受診を考えた際、何科を受診すれば良いのか悩む人は多いのではないでしょうか。原因や他の症状にもよりますが、喉の痛みであれば「産婦人科」もしくはかかりつけの「耳鼻科」を受診する方法があります。
「産婦人科」の場合には今までの妊娠の経過をよく把握しており、かかりつけの「耳鼻科」に関しては今までの病歴や症状の傾向などを把握しているでしょう。産婦人科の場合には妊婦健診の際に相談をするのも良いでしょう。耳鼻科など産婦人科以外の病院を受診する際には、必ず妊婦である旨を伝えましょう。
病院を受診する目安としては長引く場合、痛みがひどい場合、喉の痛み以外にも気になる症状がある場合などがあげられます。ただし、妊婦であれば万が一に備えて、気になるようであれば早めに病院を受診するのも良いかもしれません。ひとりで悩むよりは、早めに病院を受診して専門医の適切な指示を受けることで、症状の緩和や不安の軽減に期待ができるでしょう。
妊娠中に喉が痛いときの飲み物・食べ物
喉が痛いときには、食事の際に痛みによって食べにくい・飲みにくいと感じることもあるでしょう。妊婦は、お腹の赤ちゃんのためにもバランスの良い食事が基本となります。喉が痛い場合でも、可能な限りはしっかりと食事や水分を摂るようにしましょう。
熱いもの・味が濃いもの・酸っぱいものなど刺激の強いものは、喉の痛みを増す可能性があります。食事の際には、なるべく喉に刺激を与える可能性があるものは避けましょう。また、喉が痛い場合でも脱水対策として十分な水分をとるようにしてくださいね。喉が痛い場合には、はちみつやヨーグルトなどの喉越しの良い食べ物・飲み物ものから栄養を摂るのも良いでしょう。ただし、はちみつなどに関しては、糖分の摂り過ぎにならないように注意が必要です。
妊娠中の喉の痛み、我慢する必要はない
妊娠中は薬を控えなければいけないという点で、喉の痛みをはじめとしたさまざまな症状を我慢しようとする妊婦の方もいるようです。妊婦だからといって、つらい症状を我慢する必要はありません。適宜、医師と相談していけば、薬の服用も可能です。自己判断でいろいろな方法を試すよりも不安も軽減できるため、医師とよくコミュニケーションをとりながら対応していきたいですね。