生理前に乳首が痛い!妊娠初期症状の可能性はある?病気の場合も?原因と対処法|産婦人科医監修

乳首が痛いと衣服に触れただけで不快に感じ、痛みの原因が気になる人も多いのではないでしょうか。乳首の痛みと一言でいっても「生理前だけ痛い」「片方だけ痛い」など時期や症状はさまざまです。妊娠の初期症状の可能性もあるのでしょうか。ここでは乳首の痛みの原因や対処法、病気に関連した乳首の痛みについてもお伝えします。

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この記事の監修

池田 貴子
産婦人科医
池田 貴子

目次

  1. 乳首の痛みとは?片方だけ痛い場合も?
  2. 乳首の痛みの原因
  3. 乳首の痛みで生理前か妊娠初期か見分けられる?
  4. 乳首の痛みの対処法
  5. 乳首の痛みが気になるようなら病院へ
  6. 乳首が痛む時期や症状は人それぞれ
  7. 「ままのて」が妊娠中のママをサポート
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乳首の痛みとは?片方だけ痛い場合も?

乳首の痛みは女性の多くが経験します。なかには乳首だけでなく、おっぱい全体が痛む女性もいるかもしれません。おっぱいは女性ホルモンの影響を受けやすく、生理前や妊娠初期、授乳期といった時期に痛みを感じやすい場所です。おっぱいの先端にある乳首は皮膚が薄く、デリケートな部分のため、痛みのほかにかゆみを感じる人もいるでしょう。痛みやかゆみを感じる場所も、両方の乳首が痛むケースと片方だけ痛むケースがあり個人差がみられます。

乳首の痛みの原因

排卵

「排卵」は成熟した卵子が卵管へ放出されることを言い、次の生理が始まるおよそ2週間前に起こります。生理が周期的に来ていて基礎体温をつけている人であれば、体温がガクッと下がることから排卵日を予測している人も多いでしょう。

排卵日の前後は妊娠しやすい時期というだけでなく、排卵のためにホルモンバランスが変化する時期でもあります。その影響で、人によっては腹痛や腰痛といったマイナートラブルに見舞われ、乳首の痛みも排卵期に起こる症状のひとつだと考えられています。

生理前のPMS

生理前になると乳首が痛いと感じる人も多いでしょう。乳首の痛みや胸の痛みをはじめ、腹痛や頭痛、精神的に不安を感じる、肌荒れでにきびができるなど生理前に起こる不快な症状を月経前症候群(PMS)と言います。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が生理前に急激に変化することが、PMSを引き起こす原因のひとつとして考えられていますが、ストレスや食生活もPMSの症状に影響を及ぼしているといわれています。

妊娠初期症状

妊娠の初期症状として、乳首の痛みを感じる人も少なくありません。妊娠初期症状は早い人だと、受精卵が着床する妊娠3週頃から感じることがありますが、まったく感じない人もおり個人差がある症状です。妊娠初期には乳首の痛み以外にも、眠気・吐き気・頭痛・頻尿などさまざまな不調が、妊娠によるホルモンバランスの変化で起こりやすいといわれています。

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更年期

更年期を迎える44~55歳の女性が、閉経前後に乳首の痛みを感じることがあります。更年期の症状はホルモンバランスの乱れが原因で起こることが多く、動悸やのぼせ、耳鳴りなどの身体的症状や、イライラ・不安といった精神的症状を感じる人がいます。日常生活に支障がでるほど重い症状に悩む人もいれば、ほとんど不調を感じずに過ごす人もおり、症状に個人差があるのも更年期症状の特徴です。

成長痛

急激な足の成長変化に伴う痛みを成長痛と呼びますが、足だけでなく胸が成長するうえでも成長痛が生じ、乳首や胸が痛むことがあります。女性ホルモンが分泌され、バストアップが促される思春期に胸や乳首が痛いときは、胸の成長痛が原因かもしれません。

乳腺症

乳腺症は女性ホルモンの過剰な分泌によって起こり、30歳代後半~閉経前後の女性がかかりすい病気です。母乳を運ぶ乳腺という部分とそのまわりの組織が大きくなり、おっぱいが圧迫されたような痛みを感じることがあります。痛みの他に、おっぱいが硬くなる、しこりができる、乳首から異常な汁が分泌されるといった症状があらわれることもあるでしょう。一般的に乳腺症の痛みは、生理後に弱まることが多いですが、症状が悪化すると生理周期と関係なく痛みが続くことがあります。

乳腺症は良性の状態です。乳腺症になったから乳がんになる、または乳がんのリスクがあがることはないといわれています。しかし、乳腺症になるとおっぱいに硬さが出るため、触診で乳がんのしこりを見つけにくくなったり、レントゲン写真が全体に白く写ることで小さな異変を見逃してしまったりすることがあります。そのため乳腺外科で定期的な経過観察が求められます。

乳腺炎

乳腺炎は母乳が通る乳腺という場所に炎症が起こる病気です。乳腺炎には大きく分けてふたつあります。ひとつは、うっ滞性乳腺炎と呼ばれる種類で、母乳が乳腺につまってしまうことで乳首や胸の痛みやしこり、寒気・発熱などの症状を伴います。もうひとつは、うっ滞性乳腺炎がきっかけで細菌が侵入してしまったり、授乳により傷ついた乳首から菌が入ってしまったりすることで起こる感染性乳腺炎です。

また、乳首に白いにきびのようなものができて痛みを感じることがあります。これは白斑と呼ばれ、母乳の出口をふさいでしまうことから乳腺炎の原因になるといわれています。乳腺が完全に詰まっていない初期の白斑の場合は、赤ちゃんへの授乳によって解消することがありますが、放置しておくと授乳のたびに激痛が走り乳腺炎に移行することがあるので注意が必要です。

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ストレス

ストレスの影響でホルモンバランスが崩れ、一時的に乳首が痛いと感じることがあります。睡眠不足や疲れによって、より身体にストレスをかけないためにも規則的な生活を送ることを心がけましょう。痛みが一時的でない場合は、乳腺外科の受診を検討した方が良いかもしれません。

授乳

赤ちゃんにおっぱいをあげていると乳首トラブルがよく起こります。生後間もないころは、赤ちゃんもママも授乳に不慣れで授乳回数も多いことから、乳首に傷ができて痛むことがあるでしょう。授乳間隔があいてくるころには赤ちゃんの歯が生え始め、乳首にあたることで乳首が切れ、激痛が走ることもあります。こうした乳首の傷から細菌が入ってしまい、乳腺炎になることもあるので注意しましょう。乳首に傷ができてしまったら、乳頭保護器や乳頭ケアクリームなどを使用してケアすることも対策のひとつです。

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乳首の痛みで生理前か妊娠初期か見分けられる?

乳首の痛みだけでは、生理前か妊娠初期かの見極めは難しいでしょう。基礎体温を付けている場合、高温期が3週間ほど続くようであれば妊娠している可能性があります。また、睡眠をとっているのに強い眠気を感じたり、吐き気や胃のむかつきを感じたりするケースは妊娠初期症状かもしれません。生理予定日を過ぎても生理が来ていないときは、妊娠検査薬で検査をしてみることも検討しましょう。

また、妊娠していても生理予定日前後に出血することがあります。着床出血と呼ばれるこの症状は出血の量や期間に個人差があり、着床出血自体が起こらない人もいます。出血後も乳首が痛む場合は、生理ではなく着床出血だったという可能性があるため妊娠を疑いましょう。

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乳首の痛みの対処法

食事に気をつける

乳首に痛みを感じるときはホルモンバランスが崩れていることが多いため、ホルモンの分泌を整えるバランスの良い食事を心がけましょう。特に生理前はPMS対策として、コーヒーや栄養ドリンクといった神経を興奮させる作用のあるカフェインが含まれたものは控えるようにします。反対に、女性ホルモンに似た働きのイソフラボンが多く含まれている豆腐や豆乳などを積極的に摂取するようにしましょう。

軽い運動をする

乳首が痛いとあまり運動する気にならないかもしれませんが、軽いストレッチやヨガを取り入れることで、リラックス効果と血行の改善により乳首の痛みが軽減する場合があります。ストレッチやヨガが難しい場合は散歩など軽いウォーキングでも構いません。自分がリラックスできて身体がほぐれる方法を探してみましょう。

ストレスをためない

乳首の痛みは、ホルモンバランスの乱れで起こることが多くあります。ホルモンバランスはストレスにより簡単に崩れてしまうものです。現代社会でストレスをためないようにするのはなかなか難しいことですが、自分ひとりでストレスを抱え込まずに家族や友人に話したり、趣味に没頭する時間を作ったりするなど、ストレス解消法を日頃から見つけておきましょう。

乳首の痛みが気になるようなら病院へ

乳首の痛みが強くて日常生活に支障が出るときや、乳首の痛みが長期間続いている場合は病院を受診しましょう。

乳首が痛いときは、何科を受診すれば良いのか悩んでしまいますよね。基本的には乳腺外科を受診するようにしましょう。乳腺外科は予約必須の病院が多く、女医希望などの条件がある場合はすぐに予約が取れないこともあります。受診前に一度電話などで問い合わせをしたほうが安心です。

授乳中のママの場合の乳首の痛みは、母乳外来や産婦人科の受診がおすすめです。症状によっては授乳中でも飲める薬を処方してもらえますし、母乳育児の相談にものってもらえるでしょう。

乳首が痛む時期や症状は人それぞれ

乳首の痛みはホルモンバランスの崩れから起こるものが多く、痛む時期や症状には個人差があります。バランスのとれた食生活や休息時間の確保など、ホルモンバランスを整える生活習慣を心がけて少しでも痛みを軽減させたいものですね。

生理後も胸のはりや乳首の痛みがおさまらない場合は、なんらかの病気を発症している可能性があります。乳首の痛みが長期間に及んでいる場合や、胸にしこりがあったり乳首から異常な分泌物が出ていたりする場合は、乳腺外科を受診しましょう。

妊娠したら摂取しておきたい栄養素

妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月の女性は葉酸を摂取するよう心がけましょう。厚生労働省は妊娠可能性のある女性に対し、食事からの摂取に加えて1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。

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厚生労働省が定める管理基準を満たしたGMP認定工場で生産されているほか、放射能検査や残留農薬検査もクリアして品質にこだわって作られています。また、配合されているすべての成分について、原産国と最終加工国の両方が公開されています。

※この記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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