妊娠初期の吐き気はいつから?食べると気持ち悪いときの対処法は?吐き気止めは飲める?

妊娠初期の吐き気はいつから感じやすいのでしょうか。人によっては空腹時に吐き気が起こる、食べると口の中が気持ち悪いなど吐き気が起こるきっかけはさまざまです。吐き気のケースごとの対処法や、気持ち悪いときに吐き気止めを服用してもよいのかについてもお伝えします。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 妊娠初期とは
  2. 妊娠初期の吐き気・気持ち悪さはいつから?
  3. 妊娠初期に吐き気を感じる・気持ち悪いとき
  4. 妊娠初期の吐き気とともに感じる症状
  5. 妊娠初期に吐き気止めを飲んでも大丈夫?
  6. 妊娠初期の吐き気の対処法
  7. 妊娠初期の吐き気が急になくなることも
  8. 自分に起こる吐き気や気持ち悪さの特徴をとらえよう
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妊娠初期とは

一般的に妊娠初期は、妊娠15週までを指すことが多く、最近では妊娠13週までを妊娠初期と分ける場合もあるようです。最終月経が始まる週を妊娠0週とし、生理が規則的な人であれば妊娠2週頃に排卵が起こります。妊娠4~5週になると生理予定日に生理が来ないことから妊娠に気づく人が出てくるかもしれませんね。

赤ちゃんの心拍がエコー検査で確認できるころには妊娠6週を迎えているでしょう。妊娠7週にはママのお腹の中で胎盤が作られ始めます。胎盤はママから赤ちゃんへ酸素や栄養を渡し、反対に赤ちゃんからは老廃物や二酸化炭素を渡す、赤ちゃんの成長には欠かせない器官です。妊娠15週頃に胎盤は完成するといわれています。

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妊娠初期の吐き気・気持ち悪さはいつから?

つわり

一般的につわりは、妊娠5~6週から現れる吐き気や嘔吐、頭痛、眠気、全身倦怠感といった不快な症状をさします。つわりは妊婦さんの50~80%が経験するといわれており、原因は判明していませんが、要因として妊娠によるホルモンバランスの変化や、代謝の変化が影響しているのではないかといわれています。

つわりの症状には個人差があり、受精卵が着床する妊娠3週頃から吐き気を感じる人もいれば、症状をまったく感じずに普段通りの生活を送る妊婦さんもいます。つわりは胎盤が完成する妊娠12~16週前後に自然におさまることが多く、吐き気もそのころには消えるでしょう。しかし、まれに強い吐き気や嘔吐の影響で水分が取れず、治療が必要な妊娠悪阻(にんしんおそ)になるケースがあります。水分がとれていない場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。

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お酒

妊娠初期に、妊娠に気づかずお酒を飲んでしまったという人は少なくありません。妊娠に気づいた後に振り返り、あのときの気持ち悪さはお酒のせいだったのか、もしくは妊娠によるつわりだったのかわからない人もいるでしょう。

いつもはおいしく飲めるお酒がなぜかおいしく感じなかったり、お酒を少量しか飲んでいないのにお腹に気持ち悪さを感じたりするなど、人によっては妊娠3週頃から違和感を覚える人もいるようです。

しかし、妊娠中はこの時期にこのくらいのお酒の量なら安全ということが言えません。奇形、低体重といった赤ちゃんへ悪影響をおよぼす胎児性アルコール症候群のリスクを避けるためにも、妊娠を希望した段階で飲酒は控えるようにしましょう。

妊娠初期に吐き気を感じる・気持ち悪いとき

食事

妊娠前は楽しみだった食事が、妊娠初期には苦になるママが多いかもしれません。食べると口の中が気持ち悪い、食後に吐き気を感じるといったように、食事がきっかけで吐き気が生じてしまうのです。また、人によってはできたての料理やコーヒーなど、特定のにおいをかぐと気持ち悪くなる「においつわり」の症状が出る人もいます。

空腹時

いつでも吐き気を感じるわけではなく、特定の条件や時間に吐き気を感じる人もいます。空腹になると吐き気が起こる人は、常にお腹を満たすために必要以上に食べてしまうことがあるようです。ちなみに、つわりは英語で「morning sickness(モーニングシックネス)」と言います。一番空腹を感じやすい寝起きに、つわりを感じる人が多いことの表れかもしれませんね。

また、朝や夕方といった時間帯によって気持ち悪さを感じる人もおり、妊娠初期の吐き気の症状には個人差があります。

お風呂

妊娠初期は、リラックスタイムのお風呂でも注意が必要です。妊娠中は赤ちゃんを育てるために子宮に送るための血液量が増え、ママの心臓は通常より負荷がかかった状態です。そのためお風呂の温度や入浴時間によってはのぼせてしまい、吐き気や貧血、立ちくらみが起こることがあります。お風呂の温度はいつもよりぬるめの38~40℃に設定する、長風呂をせずに10分ほどの入浴にする、においつわりがある人は入浴剤を使用しないといったことを取り入れてみましょう。

歯磨き

日常生活は平気でも、歯磨きをするときに気持ち悪さを感じる人は少なくありません。歯ブラシをくわえることや歯磨き粉のにおいを受け付けなくなるケースがあるようです。毎日しなければいけないことだけに、つらいですよね。歯磨き粉を変えてみる、こまめに口をゆすぐなどの工夫をしてみましょう。

他にも、日常生活の中で携帯を見ていると気持ち悪さを感じる人や、これといったきっかけはなくても常になんとなく気持ち悪さを感じる人もいます。

妊娠初期の吐き気とともに感じる症状

腹痛・下痢・便秘

妊娠によるホルモンバランスの変化で、人によっては腹痛・下痢・便秘といった消化器系のトラブルに見舞われることがあります。妊娠初期は赤ちゃんを育てるために子宮が大きくなる準備をする時期です。そのため下腹部や恥骨のあたりが痛むことがありますが、我慢できないほどの強い痛みが続く場合は、医師に相談するようにしましょう。

吐き気とともに下痢や便秘の症状が続いて、水分が取れない・お腹がはるといった症状が続く場合も病院を受診しましょう。特に強い下痢の症状が続くと、脱水症状に陥る可能性があるため注意が必要です。

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頭痛

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが原因で、吐き気とともに頭痛や寒気といった風邪と似た症状を感じることがあります。妊娠に気づかず、風邪だと思いこみ風邪薬を服用しないよう注意したいものですね。

めまい・立ちくらみ

妊娠すると、赤ちゃんを育てるために多くの鉄分が使われるため、めまいや立ちくらみ、貧血といった症状が起こりがちです。また、吐き気とともに起こるめまいや立ちくらみは、吐き気のせいで食事や水分が十分にとれていないことから起こっている可能性があります。積極的に鉄分摂取を心がけるとともに、補助的にサプリメントの使用を検討しても良いかもしれません。

妊娠初期の吐き気とともに感じる他の症状として、肩こりやげっぷをあげる人もいます。妊娠による緊張や自律神経の乱れから血行不良になり、肩こりを感じる妊婦さんは少なくないようです。身体に無理のない範囲でストレッチやマッサージを取り入れてみましょう。

また、げっぷは吐き気がストレスとなり起こっているケースや、吐き気をがまんするときに無意識に多くの空気を飲み込んでしまうことで起こるケースがあります。ストレスをためないようにゆったり過ごすことを心がけ、げっぷを誘発しやすい炭酸飲料を控えてみましょう。

妊娠初期に吐き気止めを飲んでも大丈夫?

妊娠初期に強い吐き気を感じると、吐き気止めの薬に頼りたくなるかもしれません。しかし、妊娠初期は赤ちゃんの器官形成が始まる大事な時期です。安易に自己判断で市販薬を飲むと、赤ちゃんに悪影響がおよぶ可能性があります。強い吐き気や嘔吐が続く場合は、きちんと医師から処方された薬を服用するようにしましょう。

つわりの症状を根本から解消する薬は、残念ながら今はありません。吐き気や嘔吐の症状を軽減させるために、ビタミン剤や漢方薬をはじめとした内服薬が処方されることがありますが、こちらも医師から処方されたものを用法・用量を守って飲むようにしましょう。

妊娠初期の吐き気の対処法

妊娠初期の吐き気を抑えるためにはどんな対策があるのでしょうか。吐き気が起こるケースは個人差があるため、自分に合った対処法を探してみましょう。

食べられるものを食べる

吐き気を感じていると食欲不振になりがちです。無理に通常の食事をとろうとすると、かえって気持ち悪さが増してしまう場合があります。のどごしの良い麺類やスープ、口の中がサッパリする柑橘系のフルーツやアイスといった食べ物なら食べられたという妊婦さんもいます。妊娠初期は食べられるものを食べるようにしましょう。

食べられるときに食べる

朝はどうしても食べられない、反対に夕方から夜にかけては水分しか取れないといったように時間帯によって症状の感じ方が違うケースがあります。仕事や家事の状況によっては難しいかもしれませんが、食べられるタイミングで食事を取ることを心がけるようにしましょう。

水分をしっかりとる

吐き気や嘔吐が続くと脱水症状になりやすいため、水分はしっかりとるようにしましょう。吐き気や嘔吐が続き、食事を取ることがままならないと赤ちゃんの成長が気がかりかもしれません。しかし、妊娠初期は食事が十分にとれなくてもママの身体に蓄えられている栄養で赤ちゃんは成長できるといわれています。

水分さえも身体が受け付けなくなってしまった場合は妊娠悪阻(にんしんおそ)の可能性があります。すみやかに産婦人科を受診しましょう。

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食事を小分けにする

「食べつわり」と呼ばれる、空腹時に吐き気を感じやすい人におすすめなのが、食事を小分けにしたり軽食を携帯したりすることです。一番空腹を感じやすい寝起きの吐き気対策として、枕元にすぐにつまめるクッキーや小さなおにぎりを置いておくこともひとつの方法です。

香りがすくないものを食べる

妊娠前には気にならなかったにおいが、妊娠した途端に吐き気を催す原因になることがあります。できたての料理や、コーヒーなどの熱い飲み物はにおいを感じやすいため、においが少ない冷たいものを食べるようにしましょう。

料理だけでなく、日常的に使っているシャンプーや化粧品のにおいに吐き気を感じることもあります。一時的に無香料のものを使うことを検討してみましょう。

ゆったりした服装にする

締め付けが強い服装も、気持ち悪さを誘発する原因のひとつです。特に肌に一番近いインナーをカップ付きのゆったりしたものやマタニティインナーにかえると、吐き気が軽減されることがあります。マタニティ服はお腹が大きくなったら着るものと考えている妊婦さんが多いかもしれませんが、しめつけが少ないマタニティ服は妊娠初期からおすすめですよ。

趣味や仕事に集中する

趣味や仕事に神経を集中させることで、吐き気を感じにくくなることがあります。読書や映画鑑賞をはじめとした家の中で過ごせることや、身体に無理のない範囲でする簡単なストレッチやヨガも気分転換になるでしょう。

無理をしない

仕事や上の子どもがいるなど、環境によっては無理をせざるを得ないというママが多いかもしれません。それでも妊娠初期は、吐き気を感じたらいつもより少しでも多くの休息をとることが望ましいです。仕事をしている場合は、出勤時間の変更や勤務時間の短縮の相談をするのもひとつの手です。家族にも協力してもらいながら、つわりの時期を乗り切りましょう。

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妊娠初期の吐き気が急になくなることも

吐き気が急になくなると、お腹の赤ちゃんに何か起こったのではないかと心配になるママが多いかもしれません。つわりの症状がなくなる原因のひとつとして、妊娠が継続できずに流産が起こっている可能性があるためです。

しかし、吐き気がおさまったからといって必ずしも流産が起こっているとはかぎりません。つわりの症状は日々違うこともありますし、早めにつわりが終わった可能性もあります。

吐き気の有無以外に出血や腹痛などの心配な症状がある場合は、病院を受診するようにしましょう。

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自分に起こる吐き気や気持ち悪さの特徴をとらえよう

妊娠初期の吐き気は起こる時期や期間には個人差があります。自分の吐き気が空腹時に起こるのか、においに対して起こるのかといった特徴をそれぞれとらえて、自分に合った対処法を早めに見つけられると良いですね。長期間に渡り、嘔吐が続いて水分が取れないときは我慢せずに病院を受診するようにしましょう。

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