【産婦人科医監修】妊娠初期でも太る?妊娠初期の体重増加の原因と対策
そんなに食べているわけではないのに、妊娠初期の急激な体重増加に悩んでいるママは珍しくありません。妊娠中の体重増加は、なぜ問題があるといわれているのでしょうか。ここでは、妊娠初期に体重が増える原因と対策について、先輩ママのアンケート結果をもとに医師監修の記事で解説します。
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この記事の監修
目次
妊娠初期に体重はどのくらい増える?
1~2kgが目安
妊娠初期に増加する体重目安は、平均で1~2kgが目安といわれています。これから約10ヶ月間、ママの身体は少しずつ出産に向けた準備をしていきます。目安量以上に急激に体重が増えてしまうと、身体はその増加に追い付けず、最終的には脂肪となってしまったり、難産につながってしまったりする場合があります。
妊娠期間中の体重増加は7~15kgが目安
出産までの約10ヶ月の妊娠期間で増加する平均体重ですが、一般的には、普通体重の方でトータルで10~13kgが目安といわれています。(妊娠期間を通じ、低体重(やせ)の人は12~15kg、ふつうの人は10~13kgの体重増加が理想)(※)
もちろん、産前の体形や体質によって個人差はあります。あまりにもオーバーして太りすぎると、身体も重くてつらいですし、お腹の赤ちゃんに影響が出てしまう場合もあります。
アンケート:妊娠初期に体重は何kg増えましたか?
ままのて会員 200名にアンケート
妊娠初期に何kg体重が増えたのか先輩ママにアンケートをとったところ、妊娠初期の段階では「1kg以下」という回答が最も多く、約半数を占めています。しかし、体重増加が「6kg以上」「5~6kg」という人があわせて6%以上います。ここまで増えてしまうと、妊婦健診時に医師から体重指導が入るかもしれません。
食べづわりの場合、妊婦前よりも食べてしまい、体重が増加する傾向にあるようです。つわりがおさまったら、その時期に見合う体重になるよう、運動するなどして体重増加をおさえるようにしましょう。
第一子はつわりがなく、食欲は常にありました。義母と同居だったので「子どもの分まで食べろ」と言われ、それに甘えて食べ続けたら20kgも増えてしまいました。健診に行く度に、お医者さんに怒られていました。なので第二子の時は食べずにいたら飢餓状態になり、めまいがして病院に運ばれてしまいました。(のび/20代)
私は現在3人目を妊娠中ですが、初めての妊娠時にはドラマでよく見るような、2人分食べなくちゃいけない説を信じて、とにかく食べていました。結果初期だけで6kgぐらい増えてしまい、後々大変でした。 第二子は1人目のことを思い出し、神経質にならない程度に体重に気を遣いました。しかし、なんだかんだで妊娠初期で4kg増。第三子の今回も、妊娠初期ですでに5kgくらい増えています。(あん/30代)
妊娠初期に太る原因
水分量や血液量の増加
妊娠初期の頃から、身体は少しずつ出産をする準備に入っていきます。そのひとつとして、「水分量や血液量の増加」があげられます。今までと食べている量はあまり変わっていないのに、なぜか体重が増えるため、妊娠初期は太ると感じることがあります。
妊娠中は高温期になるため、どうしても普段よりのどが渇くことがあり、そのとき摂取した水分がむくみとなって現れる場合があります。水分補給は大切なことで、水分を取り、胎児に送る血液を作ろうとする働きによるものなので、適度に飲んで適度に出すことは必要です。トイレが近くなるということも出てきますが、赤ちゃんのためには必要なことなので、妊娠初期からどうしても頻尿になることが多いです。
妊娠をすると、血液の量は妊娠する前に比べて、最大30%~50%増加するといわれています。赤ちゃんとママをつなぐ胎盤・子宮が大きくなるにつれて、より多くの血液が必要になるためです。なので、この場合の「太る」は生理現象のようなもので、自然に起こり得ることだといえます。
食べづわりによる食べ過ぎ
「食べづわり」という言葉を知っていますか。つわりで食べ物がのどを通らない、食べてもすぐに戻してしまう状態を「つわり」ということが多いですが、実はこのつわり以外にも「食べづわり」というつわりがあります。
食べづわり症状は、胃の中が空っぽになると気持ち悪い、常に何かを口の中に含んでいないと気持ち悪い、というような症状があげられます。食べづわりは、何も知らない人からすれば「誘惑に負けて食べているだけ」と思われてしまうかもしれません。つわりの症状は人それぞれです。
妊娠中はホルモンバランスが崩れて、血糖値が下がることがあります。その状態になると人間の脳は「栄養を取らなきゃいけない」と判断します。食べづわりの状態はホルモンバランスとも関係しており、食欲が満たされれば楽になるというものではありません。
食べづわりの妊婦さんの中には、太るからといって妊娠初期の頃から無理に食事を控える人もいますが、過剰に食べ過ぎさえしなければ、多少の食べ過ぎは問題ありません。何も食べずに赤ちゃんに栄養がいかない方が問題があるので、ママと赤ちゃんの身体を第一に考えてくださいね。
当時は仕事をしていて、仕事中気持ち悪くなると、よく飴をなめていました。とにかく食べつわりがひどく、無性にフライドポテトが食べたくなることもありました。そんな時は、仕事帰りにマクドナルドに寄ったりして、つわりを紛らわしていました。その分体重も増えてしまい、お医者さんに注意されました。(まれか/40代)
食べつわりだったので、とにかく何かを口にしていないと気持ち悪く、常にミント味の刺激の強い飴を食べていました。妊娠初期ですでにお腹が出るくらい体重が増えてしまい、医師に健診の度に怒られていました。(うさぎ/30代)
痩せにくく太りやすい体質になる
「妊娠前はスリムだったのに、妊娠した途端太った」という人も多いようです。その原因は、妊娠中の体質の変化です。妊娠初期の頃から、身体は食べ物を摂取するとそれを体内に蓄えようとする働きがあります。これはごく自然なことで、お腹の中の赤ちゃんがしっかりとママから栄養を取れるよう、身体の仕組みが変わります。
ですので、妊娠初期の頃に普段とまったく同じメニューを食べていても太ることがあり、食べ過ぎには注意していく必要があります。ただし体質には個人差があり、「体重の増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分でない」という認識があることから、妊娠初期に太ることについて気になることがあれば、医師に相談してみましょう。
妊娠前はガリガリな体形でした。妊娠がわかるちょっと前くらいからすぐお腹が減るようになって、たくさん食べるようになってしまいました。妊娠が判明してからは、特に食べ過ぎているつもりはないのに、どんどん体重が増えていき怖かったものです。妊娠初期だけで5kg以上太ってしまいました。(しゃも/20代)
妊娠初期の体重増加を防ぐ方法は?
なるべく太りたくない、少しでも体重に気をつけたい、というママに、妊娠初期からできる体重増加対策をご紹介します。自分にあった方法で、ストレスなく実施できるものを探してみてください。
毎日体重計に乗る
毎日が難しい人は2日に1回でも良いですが、できれば毎日体重計に乗るようにしましょう。体重計に乗る時間は、できるだけ毎日同じ時刻にしたほうが良いでしょう。毎朝体重計に乗るだけでも前日と比べて太ったかが数字で分かるので、「昨日より少し増えたから、今日は少し食べる量をセーブしよう」などの意識も生まれやすいです。
食べた物を記録する
一時期「レコーディングダイエット」という方法が流行りましたが、それと同じく、食べた物を記録する方法です。やり方は至ってシンプルで、その日一日に何を食べたかをノートなどに記録するだけです。一日で自分がどのくらい食べたのか、この食べ物(おやつなど)を減らせば太るのを防げたのではないか、など食べ過ぎを防ぐ効果があります。妊娠初期の頃から実践できると良いですね。
軽い運動をする
体重増加の抑止には、軽い運動もおすすめです。食事制限だけではストレスがたまります。ある程度好きなものを食べて、軽いウォーキングを取り入れることで体重増加を抑える方法です。妊娠初期の頃はストレスも多いので、身体を動かすとストレス発散にもつながるのでおすすめです。ウォーキングや軽い運動をする際は、くれぐれも無理は禁物です。
初期はつわりがあり食べ物も受け付けなかったけれど、動かなかったせいで太りました。その後は、1日30分散歩をして、体重が増えないように気をつけていました。(まろきち/30代)
カロリーの低いものを食べる
どうしてもカロリーを気にせずたくさん食べたいという人は、サラダを多めに食べたり、こんにゃくや豆腐を使った料理をメインにしたりするなど、低カロリーなものを食べるようにしましょう。ネット上でも簡単に作れる低カロリーレシピがたくさん出ていますよ。これなら妊娠初期から多少食べ過ぎても安心ですね。
妊娠中に必要以上に太るとどうなる?
妊娠高血圧症候群のリスクが高くなる
もともと高血圧でなかった人で、妊娠中に高血圧(最高血圧 140mmHg以上、最低血圧 90mmHg以上)がみられる場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。
妊娠高血圧症候群の症状として、頭痛・倦怠感・高血圧・蛋白尿・浮腫(1週間に500g以上体重が増える重度のむくみ)があげられます。身内に高血圧の人がいて元々の体質により発症する人もいますが、太りすぎも妊娠高血圧症候群の原因の1つになっています。
妊娠高血圧症候群が重症化すると、低体重の赤ちゃんが生まれたり、常位胎盤早期剥離を起こして早産や胎児死亡を引き起こしたり、最悪の場合、新生児仮死や死産になってしまうということがあります。妊娠高血圧症候群を防ぐためにも、妊娠初期からの体重管理は重要です。
妊娠糖尿病になる確率が上がる
妊娠糖尿病は、妊娠前は糖尿病の兆候がまったくなかったにも関わらず、妊娠により血糖値が高い状態になってしまう糖尿病のことをいいます。妊娠中の太りすぎが原因で糖尿病になったという人も少なくありません。妊娠中はホルモンバランスの影響で、血糖値を下げるインスリンの働きが弱くなり、血糖値が上昇しやすくなります。
妊娠糖尿病の赤ちゃんへの影響は、奇形児・巨大児・心臓病・流産・胎児死亡・新生児低血糖などが考えられます。ママの影響は、妊娠高血圧症候群・羊水過多・難産があげられます。このように、妊娠糖尿病は悪化すると母子ともに危険を伴います。太ることは妊娠糖尿病につながる危険もありますので、妊娠初期から気をつけることが大切です。
身体への負担が大きい
体重が増加することは、妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病のリスクだけでなく、ママの身体への負担も大きくなります。例えば、体重増加に伴う腰痛やひざの痛み。太ると自分の身体を支えられなくなって、身体が悲鳴をあげます。ましてやお腹に赤ちゃんを抱えているわけですから、さらに負担は増えます。
急激な体重増加で急にお腹が大きくなると、妊娠線の原因にもなります。妊娠線は一度できてしまうと、予防クリームを塗ってもあまり効果がなくなります。この妊娠線は産後もずっと残る場合があるので太りすぎには気を付けたいですね。妊娠線の予防には、妊娠初期からのこまめなケアが重要です。
難産になることも
体重が増加しすぎると、難産につながりやすいといわれています。出産時に赤ちゃんが通る産道にも脂肪がついてしまい、なかなか赤ちゃんがおりてこないことがあります。また、本格的な陣痛につながらない微弱陣痛ばかりが続き、出産に時間がかかる可能性もあります。難産はママも赤ちゃんもつらいものなので、なるべく避けたいものですね。
妊娠初期に太ってしまった体験談
筆者は妊娠初期の頃、すごく太ってしまいました。つわりがなく、赤ちゃんにたくさん栄養をあげなきゃ! という気持ちで、食欲にまかせてバクバク食べていたのです。気がつくと、妊娠4ヶ月で妊娠する前より4kgも増えていました。しかしその時はまったく危機感というものがなく、妊娠したんだから太るのは当たり前、なんてのんきなことを考えていました。
筆者が太りすぎを自覚したのは、妊娠2ヶ月から3ヶ月の病院での健診の時です。順番待ちしていたとき、同じく妊娠初期ぐらいの妊婦さんが何人か座っていました。その姿を見てびっくり! みなさん本当に妊娠中? というぐらい細いんです。比べて自分はお腹もぽっこり出ていて、きっとまわりからは妊娠中期ぐらいの妊婦に見えていたことでしょう。
健診では体重増加について怒られ、太りすぎによる出産のリスクについて初めて知りました。あわてて食生活を見直し、できるだけ間食を減らしました。妊娠初期に体重増加のリスクに気づけて良かったです。その後は体重を増やし過ぎることなく、トータル8kg増で出産することができました。
無理なく楽しいマタニティライフを
妊娠初期は非常にデリケートな時期なので、あまり体重に神経質になりすぎてしまい、ストレスをためることは良くありません。ちょっと太ったかも、と気をつける意識はとても大事ですが、決して無理はしすぎないようにしましょう。妊娠初期に少し食べ過ぎたからといって、自己嫌悪する必要はないのですよ。
マタニティライフは今しか味わえません。自分と赤ちゃんの身体を大事にしながら、約10ヶ月間を楽しんでください。
妊婦さんにおすすめの商品
妊娠初期に摂るべき栄養素
妊娠初期には葉酸を摂取しましょう。妊娠中に葉酸を摂取することで、赤ちゃんが神経管閉鎖障害や重度の障害になるリスクを減らすことができます。厚生労働省は妊娠の可能性がある女性に対し、食事からの摂取に加えて、1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。
メルミーの魅力は、産婦人科医と管理栄養士によるダブル監修を受けていることです。葉酸のほか鉄やカルシウムなど、妊娠中に特に重要な17種類の栄養素を配合し、内14種類の栄養素については厚生労働省の定める栄養機能食品の基準値をクリア。「無添加」なのも嬉しいポイントですね。
厚生労働省が定める管理基準を満たしたGMP認定工場で生産されているほか、放射能検査や残留農薬検査もクリアして品質にこだわって作られています。また、配合されているすべての成分について、原産国と最終加工国の両方が公開されています。
※この記事は2024年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。