【管理栄養士監修】妊婦は納豆を毎日食べていい?食べ過ぎたときの影響や、妊娠中におすすめの納豆レシピついて

納豆は栄養豊富な食材という情報を耳にして、妊娠中に進んで食べているママもいるかもしれませんね。納豆にはどのような栄養や効果があるのでしょうか。ここでは納豆を食べ過ぎてしまったときの影響や、生卵やキムチとあえた納豆を食べる上での注意点を解説していきます。おすすめの納豆レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。

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この記事の監修

片村 優美
管理栄養士
片村 優美

目次

  1. 納豆にはどんな栄養がある?効果は?
  2. 妊婦は納豆を毎日食べてもいい?
  3. 妊婦が納豆を食べ過ぎたときの影響は?
  4. 妊娠中、こんなときの納豆は食べてOK?NG?
  5. 妊娠中におすすめの納豆の食べ方、レシピ
  6. 妊娠中の納豆に関する体験談
  7. 納豆を食べて健康的なマタニティライフを
  8. あわせて読みたい

納豆にはどんな栄養がある?効果は?

ねばねばした食感と、強いにおいが特徴的な納豆は、日本人にとって身近な発酵食品のひとつかもしれません。納豆は大豆から作られているため、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。他にもビタミンKや大豆イソフラボンといった成分が含まれているため、妊娠中の健康管理にも役立つ食材ですね。どんな栄養が納豆に含まれているのか具体的に見ていきましょう。

ナットウキナーゼ

納豆は、大豆を納豆菌で発酵させる過程で「ナットウキナーゼ」というたんぱく質分解酵素を生成します。このナットウキナーゼは、同じ大豆食品である豆乳や豆腐には含まれず、納豆にのみ存在するものです。ナットウキナーゼは血栓を溶かす働きがあり、血液をサラサラにする効果があるといわれています。血栓は心筋梗塞や脳梗塞の原因となりますが、血栓は寝ているあいだにできやすく、、夜に納豆を食べる方が良いとの見方もあります。

イソフラボン

納豆には「大豆イソフラボン」というフラボノイドの一種が含まれます。フラボノイドとは、植物が生産するポリフェノールのひとつです。大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと化学構造が似ているため、更年期障害などに有効といわれています。

大豆イソフラボンは、女性のさまざまな悩みを解決してくれる一方で、過剰摂取には注意が必要な成分でもあります。過剰摂取すると乳がん発症や再発のリスクを高めたり、お腹の赤ちゃんの発育を妨げたりしてしまう場合があります。

通常量であれば特に問題はありませんが、イソフラボンや大豆食品は身体に良いからといって積極的に摂るのは避けた方が良いでしょう。また、日本人は普段から大豆製品を口にする機会が多いので、サプリメントなどで大豆イソフラボンを上乗せして摂取することは控えましょう。

食物繊維

納豆には1食30gあたり2.0gの食物繊維が含まれています。(※1)食物繊維には、便秘を予防したり、腸内環境を整えたりする効果があります。成人女性の食物繊維の摂取基準は一日18g以上です。(※2)他の食品と組み合わせながら、上手に納豆を取り入れていきたいですね。

ポリアミン

ポリアミンは細胞増殖に欠かせない成分です。20歳頃にピークを迎えて加齢とともに減少していき、老化現象の原因の一つとされています。納豆、チーズ、きのこ類、鶏肉に多く含まれていて、動脈硬化の予防効果など、さまざまな研究が進められています。

ビタミンB群

それほど多くはありませんが、納豆には、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸なども含まれています。ビタミンB群は、皮膚や粘膜を健康的に保持する役割があり、エネルギー代謝にも関わっています。栄養ドリンクなどにもよく含まれる成分ですね。

その他の栄養素

納豆には、骨の形成をサポートするビタミンKや、貧血を予防する鉄分も含まれています。さらにカルシウムの吸収を促すポリグルタミン酸も含まれるため、妊娠中の健康管理に役立つ食材といえますね。

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妊婦は納豆を毎日食べてもいい?

妊娠中は、特定の食べ物ばかり食べたくなることがあります。しかし、ママや赤ちゃんの健康のためには、さまざまな食材からバランス良く栄養を取り入れるのが理想です。納豆は比較的栄養価の高い食材なのですが、どんな食べ物でも偏り過ぎないことが大切です。

妊娠初期でつわりがひどいママは、食べたいものを食べられるときに食べてもよいでしょう。納豆は朝食のイメージが強いですが、どの時間に食べても問題ありません。つわりがおさまった妊娠中期や臨月のママは、少しずつ栄養バランスにも͡気を付けてみると良いでしょう。

妊婦が納豆ばかりを食べ続けるのは、栄養バランスの観点からもおすすめではありませんが、妊娠中の貧血予防や便秘解消をサポートしてくれる食材です。他の大豆製品とのバランスを考えながら、健康管理に活かしていきましょう。

妊婦が納豆を食べ過ぎたときの影響は?

納豆は栄養が豊富な食材ですが、摂取量には注意が必要です。納豆に含まれる「大豆イソフラボン」は女性ホルモンと似た作用を持つため、人にとって有益である場合もありますが、過剰に摂取すると有害になり得ます。

大豆イソフラボンを摂り過ぎると、乳がん発症や再発のリスクが高まる可能性があります。大豆イソフラボンの1日摂取目安量の上限値(アグリコン換算値)は、70~75mgとされています。納豆1パックに含まれるイソフラボンは36mgほどなので、1日2パックまでなら問題ありませんが、他の大豆製品のことも考えると1パックにとどめておくのが良いでしょう。(※3)

食品安全委員会は、動物実験や大豆イソフラボンの作用から考えて、妊娠中のママがイソフラボンを日常的な食生活に上乗せして摂取するのは推奨できないとしています。(※4)つまり、納豆を毎日適量食べるのは問題ありませんが、大豆イソフラボンを含むサプリや健康食品を摂るのは避けたほうが良さそうですね。

また、納豆のたれは塩分が多めなので、気になるママは半分だけ使用しましょう。カロリーは製品によって違いますが、納豆1パック70kcaL~100kcaLほどです。ご飯と一緒に食べ続けてしまうと、体重増加につながる可能性があります。つわりで納豆ばかり食べたくなるときも、適量を守るようにしましょう

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妊娠中、こんなときの納豆は食べてOK?NG?

賞味期限切れ納豆

食品には「消費期限」があるものと、「賞味期限」があるものがあります。消費期限は、安全に食べられる期限であり、腐敗しやすい食品に記載されています。一方、賞味期限は品質が変わらずにおいしく食べられる期限のことです。納豆に書かれているのは「賞味期限」のため、賞味期限が過ぎてもすぐに健康被害があるというわけではありません。

ただし、賞味期限を過ぎると納豆の風味が落ちたり、納豆独特のにおいが強くなったりすることもあります。本来の納豆の味を楽しむためには、期限内に食べたほうが良いでしょう。また、妊娠中は普段より免疫力が落ち、食中毒なども発症しやすいといわれています。安全を一番に考えるのであれば、賞味期限内の納豆を食べるようにしましょう。

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納豆キムチ

納豆もキムチも発酵食品であり、ふたつを同時に食べることで整腸効果が期待できるといわれています。妊娠中に、刺激物を食べてはいけないという制限はありませんが、香辛料を摂り過ぎると胃もたれや下痢の原因となることがあります。

また、キムチは漬物の一種のため、塩分が多くなっています。塩分を摂り過ぎると、妊娠高血圧症候群につながる可能性もあります。納豆キムチを食べるときは、一日に小鉢一杯までにしておいたほうが良いでしょう。

生卵入り納豆 

納豆に生卵を入れて、納豆卵かけご飯を楽しみたいというママもいるでしょう。妊娠中は生卵は控えたほうが良いといわれています。生卵はサルモネラ菌が付着している可能性があり、食中毒になる可能性はゼロではありません。

どうしても食べたいときは、新鮮でひびの入っていない卵を選び、割った後は手を洗ってすぐに食べましょう。それでも食中毒のリスクはありますから、気になるママは卵を加熱してから混ぜるか、市販の卵醤油たれ付きの納豆を選んでみても良いですね。

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妊娠中におすすめの納豆の食べ方、レシピ

納豆巻き 

酢飯に納豆を入れて巻けば、つわり中でもさっぱり食べられる納豆巻きができます。コンビニやスーパーでも購入できますが、意外と簡単なので自宅で手作りしてみてはいかがでしょうか。100均などで巻きすを買っておけば、赤ちゃんの離乳食作りのときにも活躍します。

巻きすの上にのりをしき、真ん中に酢飯を乗せて薄く広げます。納豆はひきわりが食べやすいのでおすすめです。納豆をスプーンで乗せても良いですが、角を少し切ったビニール袋に入れて生クリームのように絞ると均一に乗せることができます。あとは巻きすで巻くだけです。気分や体調によってご飯の量を変えてみても良いでしょう。

納豆パスタ

手早く、お腹いっぱいに納豆を食べたいならパスタがおすすめです。塩を入れたたっぷりのお湯でパスタを少し硬めに茹でます。あとは納豆と混ぜるだけで立派な一品になりますが、味付けや混ぜる食材にもこだわるとさらに豪華においしくなります。

洋風にするならオリーブオイルやバター、アボカド、トマトなどを混ぜてみましょう。和風であればしょうゆやごま油、のり、青じそなどがおすすめです。ちりめんじゃこやしらすを混ぜればカルシウムも補給できますね。

納豆トースト 

納豆ご飯を食べ飽きたというママは、トーストに納豆を乗せてみるのはいかがでしょうか。納豆だけでも食べられますが、ぽろぽろと落ちてくる場合もあるので、つなぎになるものがあるとより食べやすくなります。

おすすめはカルシウムも摂れるチーズです。普通のスライスチーズでもおいしいですが、クリームチーズもコクがあります。チーズと納豆にのりを乗せると一気に和風テイストになりますよ。

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納豆チャーハン

ぱらっとした納豆チャーハンは、ついつい食べ進めてしまうおいしさです。火を通すと納豆特有のにおいや味が薄くなるので、においやねばねばが気になるというママにもおすすめです。

多めの油に溶きほぐした卵を入れて、半熟ぐらいになったら温かいご飯と納豆を入れて炒めます。一緒にネギやひき肉を入れても良いですね。キムチはもちろん、海老やイカなどの海鮮にもよく合います。仕上げにごま油を少しだけかけると、香りが引き立ちますよ。

妊娠中の納豆に関する体験談

つわりのときの救世主

つわりがひどく、料理をする気力がなかったときは、毎日のように納豆ご飯を朝食兼昼食にしていました。納豆であれば他の食材よりも栄養が摂れると思ったことと、ずるずるしたねばり気があり食べやすかったことが理由です。安く手軽に買えるのも大きいですね。冷蔵庫にかならず1パックは常備していました。

つわり中は食事の時間も内容も滅茶苦茶になっていたため、納豆ご飯を食べているときは「とりあえず赤ちゃんのために少しは栄養が摂れた」と、自分の罪悪感が減ったように感じました。納豆は何を混ぜてもおいしいので、その日の気分によってごま油を入れたり青じそを入れたりと、アレンジもしやすかったです。

納豆を食べて健康的なマタニティライフを

納豆は栄養豊富な食材です。便秘の解消や貧血の予防などに効果のある成分が含まれています。一方で、カロリーや大豆イソフラボンの過剰摂取には注意が必要です。

妊婦が納豆を食べるときは一日1パックまでにして、納豆だけに栄養補給を頼らないようにしましょう。納豆は他の食材との相性も良く、和食、洋食、中華とさまざまな料理に使えます。上手に食事にとり入れて、健康的なマタニティライフを過ごしましょう。

※この記事は2024年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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