おりもので排卵日をチェック!においや色、量は?卵白のような白いかたまりや伸びるおりものが出る?

一般に、排卵日に近づくとおりものが変化することをご存じですか?おりものの変化は、妊娠しやすいタイミングを知るために大切な手がかりになります。ここでは、排卵日付近のおりものの特徴や妊娠しやすいタイミング、異常なおりものの見分け方、排卵日におりものが多いときの対策について解説します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. おりものとは?
  2. おりものは排卵日付近にどう変化する?
  3. おりものから排卵日を知るには?卵白のようなかたまりが出る?
  4. 排卵日を知るために、おりものとあわせてチェックしたいこと
  5. 性交を行うタイミングは?
  6. においや色、状態の変化に注意して病気を見分けよう
  7. 妊娠初期のおりものは排卵日のおりものと似ている?
  8. 排卵日付近におりものが多いときの対策は?
  9. おりものをチェックして、排卵日を知ろう
  10. あわせて読みたい

おりものとは?

おりものは女性ホルモンの働きによって分泌される液体で、子宮や腟壁にある、汗腺や皮脂腺などからの分泌物が混ざってできています。おりものには、腟のうるおいを保って細菌が身体に入るのを防ぐ「自浄作用」や、排卵期に受精しやすい状態をつくる作用があります。

おりものは、女性にとって欠かせない存在なのです。

おりものは排卵日付近にどう変化する?

おりものの量や色、状態は「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンのはたらきにより、以下のように変化します。

月経直後~卵胞期前半

生理直後は、量が少なく、さらっとした状態のおりものが出てきます。身体内に残った経血がおりものに混ざり、茶色いおりものが出てくることもあります。

卵胞期後半~排卵期

卵胞期にはおりものの量が少しずつ増えていき、生理と生理のおよそ中間にある排卵期には、おりものの量がもっとも多くなる傾向があります。排卵日付近のおりものは透明~白色で、とろみがあって伸びやすいゼリーのような状態になることが多いといわれます。

黄体期

黄体期にはおりものの量が減り、白濁色で粘り気が強い状態になります。下着に黄色くこびりつくこともあるでしょう。

生理直前

生理直前になるとおりものの量が再び増え始め、においが強くなる傾向があります。生理直後と同様に、経血が混ざる可能性があります。

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おりものから排卵日を知るには?卵白のようなかたまりが出る?

おりものから排卵日を知るためには、排卵日のおりものの特徴を知ることが大切です。それでは、その特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、その具体的な内容をご紹介します。

量が増える

排卵日付近には女性ホルモンの分泌量が多くなるため、おりものの量が増える傾向があります。おりものの量には個人差があるため、あまり変化がない人もいるでしょう。

卵白やゼリーのように伸びやすい

おりものが卵白やゼリーのようにとろっとして、伸びやすい状態になる場合があります。どろっとしたかたまりで出てくることもあるでしょう。このような状態になることで、おりものは精子が卵子のもとへ移動するのをサポートしてくれます。

おりものが水っぽくなる人もいる

排卵期に水っぽいおりものが増える場合もあります。おりものの状態は、女性ホルモンのバランスやもともとの体質によって変化しますし、感じ方もさまざまです。必ずしもゼリーや卵白のような状態になるとは限りません。

排卵日を知るために、おりものとあわせてチェックしたいこと

基礎体温を測る

起床後すぐに身体を安静に保った状態で測った体温のことを基礎体温と呼びます。基礎体温は月経期~卵胞期に低くなり、黄体期に高くなる傾向があります。

排卵期は卵胞期と黄体期のあいだにあり、排卵日には基礎体温がもっとも低くなるといわれています。基礎体温を継続して測ることで、体温の変化から排卵日を予測しやすくなるでしょう。

排卵検査薬を使う

排卵が近いかどうかを知るために、排卵検査薬を使ってみるのも良いでしょう。排卵検査薬は排卵を促進するホルモンである「黄体形成ホルモン(LH)」の分泌を尿で調べます。

排卵直前に黄体形成ホルモンが大量に分泌される「LHサージ」が始まると、通常約36時間以内に排卵するとされています。

性交を行うタイミングは?

卵子が体内で生きていられる時間は24時間ですが、受精に適した状態であるのは6~8時間といわれる場合もあります。また、精子が体内で生きていられる期間は約72時間で、射精後およそ6時間で受精能力を持つといわれています。

これらの情報から、性交を行うタイミングは排卵前から直後にかけての期間がベストであると考えられます。排卵検査薬で陽性反応が出た場合は、陽性反応が出た当日~翌日にかけて性交を行うと良いでしょう。

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においや色、状態の変化に注意して病気を見分けよう

排卵日付近のおりものの変化だと思っていたものが、実は病気のサインだったということがあるかもしれません。病気が原因でおりものの量が増えたり、おりものが水っぽい状態になったりすることも考えられます。それでは、おりものが増えやすい病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

カンジダ腟炎

おりものが増えると同時に、白く濁って豆腐や酒かす、カッテージチーズのようにボロボロするときは、カンジダ腟炎を疑うと良いでしょう。代表的な症状として、外陰部のかゆみや灼熱感、性交時の痛みがあります。

トリコモナス腟炎

黄緑や鮮やかな黄色で、泡のようなおりものが大量に出るときは、トリコモナス腟炎に感染しているかもしれません。トリコモナス腟炎は、性交によって感染するほか、下着やタオル、便器や浴槽などからも感染する可能性のある病気です。外陰部のかゆみや痛みをともなう場合があるでしょう。

細菌性腟症(非特異性腟炎)

灰色がかった色で、魚が腐ったようなにおいがする大量のおりものが出る場合は、細菌性腟症の可能性があります。特定の原因菌がなく、非特異性腟症とも呼ばれる場合もあります。おりものの量が増えるほか、外陰部のかゆみや刺激感があらわれることがあるでしょう。子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎につながる可能性があります。

淋菌感染症(淋病)

白~黄緑、黄色がかった色のおりものが大量に出る場合は、淋菌感染症(淋病)に感染している疑いがあります。おりものが膿のようにみえる点も特徴です。性交によって感染する病気で、主な症状としては発熱や下腹部痛があります。

性器クラミジア感染症

白~黄色のおりものの量が増え、水っぽくなる場合には、性器クラミジア感染症に感染している恐れがあります。発熱や下腹部痛を伴う場合がありますが、まったく症状がない場合もあります。

放置すると腹膜炎に波及したり、臓器が癒着して不妊につながったりすることがあるため、感染の疑いがある人とは性的接触を持たないなど注意が必要です。

子宮腟部びらん

子宮腟部びらんという状態になると、おりものが増える場合があります。子宮腟部びらんは、子宮の入り口部分の内側の粘膜が外側にめくれた状態で、女性ホルモンの分泌量が多くなる時期に発生しやすいといわれています。病気ではありませんが、おりものの量が多すぎる場合や不正出血がひどい場合には、治療を行うことも考えられるでしょう。

妊娠初期のおりものは排卵日のおりものと似ている?

妊娠すると、女性ホルモンの分泌量が増え、おりものの量が増えたり水っぽくなったり、ゼリーや卵白のような状態になったりしやすいといわれています。

排卵日が終わると通常はおりものの分泌量が減少し、白濁色で粘り気のあるおりものに変化しますが、妊娠すると排卵日のおりものの量や状態がそのまま保たれる場合があるでしょう。ただし個人差があるため、妊娠してもおりものに変化がない人もいます。

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排卵日付近におりものが多いときの対策は?

おりものシート(パンティーライナー)を活用する

おりものの量が多いと、下着が濡れて気持ち悪く感じられたり、下着が汚れて洗濯に手間取ったりしてしまう人も多いのではないでしょうか。おりものが多くて困ったときには、おりものシート(パンティライナー)が便利ですよ。

おりものシートはおりもの専用に開発されたシートで、生理用ナプキンよりも薄くて軽い作りになっています。上手に活用しましょう。

通気性の良い服装をする

おりものの量が増えると、下着の中が蒸れてかゆくなったり、細菌が繁殖して腐ったようなにおいがしたりする可能性があります。通気性の良い格好をするように心がけ、かぶれやにおいを防ぎましょう。

洗いすぎないように注意しよう

おりものが多くて気になると、デリケートゾーンを念入りに洗ってしまうかもしれません。しかし、洗いすぎには注意が必要です。

おりものを洗い流してしまうことで腟が乾燥しやすくなり、「自浄作用」がはたらきにくくなったり、石鹸が皮膚の刺激になってかぶれやかゆみが出たりする可能性があります。洗う場合はぬるま湯を使って優しく洗いましょう。また、石鹸の使用は1日1回程度に抑えることをおすすめします。

おりものをチェックして、排卵日を知ろう

おりものの量や状態をチェックすれば、妊娠しやすい性交のタイミングを予想しやすくなります。基礎体温の変化や排卵検査薬による反応と合わせて確認し、上手にタイミングを計りましょう。

おりものの変化は妊娠や病気のサインになる場合もあります。おりものをチェックして、排卵以外にもさまざまな身体の変化に気をつけるようにしておきたいですね。

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