排卵日の性交渉で妊娠しない理由は?男性・女性の不妊の原因

赤ちゃんが欲しいときは、避妊をしていないのになかなか妊娠できないと気持ちが焦るものですよね。性交渉のタイミングが排卵日と合っていなかったり、卵子や精子に何か問題があったり、妊娠しにくい原因があるかもしれません。ここでは、妊娠しやすい性交渉のタイミングや、女性側・男性側の不妊の原因を解説します。

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目次

  1. 妊娠の仕組みと不妊
  2. 排卵と性交渉のタイミングが合ってない?
  3. 女性側の不妊の原因
  4. 男性側の不妊の原因
  5. 年齢とともに妊娠しにくくなる
  6. 原因がわからない場合も多い
  7. 早めに専門医に相談を
  8. 夫婦で協力して妊活に取り組もう
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妊娠の仕組みと不妊

女性の身体の中では、生理周期に合わせて多くの場合一つの卵子が卵巣から排卵されます。卵子が女性の腟内に射精された精子と出会い受精し、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。

一般に、妊娠を希望する健康な男女が避妊をせずに性交渉をし、一定期間妊娠しなければ不妊と定義されています。一定期間については、1年とする考えが一般的です。

結婚・出産の高齢化にともない、不妊に悩む夫婦は年々増えています。国立社会保障・人口問題研究所が2015年に実施した「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、不妊を心配したことがある夫婦の割合は35.0%、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は全体で18.2%となっています。

不妊の原因は女性にある場合だけでなく、男性に原因がある場合や、男女ともに原因がある場合があります。そのため、なかなか妊娠しないで悩んでいる場合、夫婦で妊活に取り組むことが大切だといえるでしょう。

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排卵と性交渉のタイミングが合ってない?

赤ちゃんが欲しいと思い始めたら、性交渉のタイミングが大切だということを知っておきましょう。女性には妊娠しやすい時期があり、避妊をせずに性交渉すれば必ず妊娠するというわけではありません。

女性の身体の中では、女性ホルモンの働きにより、およそ月1回の割合で卵巣から成熟した卵子が飛び出します。これを排卵と言います。排卵された卵子が精子と出会い受精卵となり、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。

妊娠するためには、この排卵された卵子が精子と出会うことが必要です。つまり、排卵と性交渉のタイミングが合うことが重要なのです。一般的に、排卵日は生理(月経)開始日の14日前とされています。妊娠したいと思ったら、自分の排卵のタイミングを把握するために、基礎体温をつけたり排卵検査薬を使ったりすると良いでしょう。

妊娠を希望する方の中には「排卵日に性交渉しているのに、なかなか妊娠しない」と悩んでいる方も多いようです。しかし、最近の研究で、排卵日当日よりも排卵日2日~1日前の性交渉が最も妊娠しやすいことがわかってきています。多くの人が最も妊娠しやすいと考えている排卵日は、妊娠可能ではあるものの、妊娠の確率が高いわけではないのです。

また、排卵日前の禁欲期間によって精子が濃くなり、妊娠しやすくなるという説が以前はありました。しかし、最近の研究では、精子の質は禁欲期間が短い方が良いことがわかっています。

排卵日はストレスなどによりずれることもあります。妊娠しやすい日に性交渉しなければならないことが、男女ともにストレスになることもあるでしょう。妊娠しやすい日のみにタイミングをはかるのではなく、排卵日が近づいたら性行為の回数を増やすことが、妊娠の可能性を高めると言えます。

女性側の不妊の原因

妊娠は女性の身体の中で排卵した卵子が、精子と受精し、子宮内膜に着床することで成立しています。そのため、女性の身体の状態と妊娠しやすさには大きな関係があります。女性側の不妊の原因は、卵子、卵管、子宮、頸管の異常によるとされています。

女性は年齢とともに妊娠しにくくなることがわかっています。また、流産後に妊娠しづらくなってしまっているケースもあるようです。

正常に排卵しない(排卵因子障害)

妊娠は、女性の卵巣から排卵した卵子が精子と出会うことから始まります。卵子が十分に育たなかったり、成熟しかけた卵胞が多すぎたりすると、正常に排卵できずに不妊の原因となります。

排卵に関する障害の代表的なものとして、生理がこない「無月経」、排卵がスムーズに行われず生理(月経)周期が異常に長くなる「稀発月経(きはつげっけい)」、排卵がない「無排卵」があります。そのほか、母乳が出ている期間に妊娠しにくくなる作用があるプロラクチンというホルモンが分泌されてしまう「高プロラクチン血症」や、卵胞が育ちにくく卵子が外に飛び出すことができない「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん、PCOS)」などがあります。

卵管に異常がある(卵管因子障害)

卵巣より排卵された卵子は卵管に入り、精子と受精するのを待ちます。受精した受精卵は卵管を通り子宮内に入ります。このとき卵管がつまっていたり狭くなっていたりすると、精子が卵子と出会えない、受精卵が子宮に移動できないといった状態がおこり、不妊につながります。

卵管に関する障害には、卵管が一部狭くなっている「卵管狭窄(らんかんきょうさく)」卵管が完全にふさがってしまう「卵管閉塞(らんかんへいそく)」、卵巣から飛び出した卵子を取り込む卵管采(らんかんさい)の異常による「ピックアップ障害」などがあります。

着床がうまくできない(子宮因子障害、着床障害)

精子と卵子がうまく受精した場合、受精卵となり子宮に移動します。受精卵が子宮内膜に潜り込んで着床すると妊娠が成立します。子宮に何らかの異常があり着床できないことも不妊につながります。

着床障害の原因として、子宮以外の部分に子宮内膜と似た組織ができる「子宮内膜症」、子宮の筋肉からできる良性腫瘍「子宮筋腫」のほか、子宮腺筋症や子宮がん、子宮内膜ポリープなどがあります。排卵後の黄体ホルモンの分泌量が少なく子宮内膜が厚くならずに着床しづらくなる「黄体機能不全(おうたいきのうふぜん)」も原因の一つです。

精子が子宮の中まで進入できない(頸管因子障害)

おりものには、精子が子宮頸管(しきゅうけいかん)を通過しやすくし、精子の運動性を高める働きがあります。おりものが少なかったり濁っていたりすると、精子が子宮の中まで進入できないことがあります。

クラミジアなどの細菌感染などにより子宮頸管が炎症をおこす「子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)」や、卵胞ホルモンの分泌が不十分でおりものの分泌が少なくなることや、精子にアレルギー反応をおこしてしまう状態が考えられます。

男性側の不妊の原因

一般的に、男性の精巣の中では、毎日数千万個の精子が作られており、一度の射精によって数億個の精子が出ていくとされます。性交渉により女性の腟の中に射精された精子は、卵管をめざして子宮内を進んでいきます。

男性の主な不妊の原因は、精子の機能が低下していたり、精子の通過が妨げられていたりするほか、性行為がうまくできないという場合があります。

精子をつくる機能が低下している(造精機能障害)

男性側の不妊原因として最も多いのが、精子をつくる機能が低下してしまうというもの。精液中に精子がない「無精子症」、精子の数が少ない「乏精子症(ぼうせいししょう)」、精子の運動率が悪い「精子無力症」などが代表的な例です。

精子の通過が妨げられている(精管通過障害)

精子は正常に作られているのに、精子の通り道である精管・副睾丸・前立腺などにトラブルがあり、精子が通過できない状態です。細菌感染によって精巣上体が炎症を起こしていたり、精液が膀胱側に射精されてしまったりします。トラブルが起こっている部位によっては、手術で精管をつなぎ合わせることができます。

うまく性行為できない(性行為障害)

性器の形の異常や精神的な理由から、性行為自体がうまくいかないというものです。勃起障害や早漏・遅漏、性行為が出来ても膣内射精ができないなどがあります。精液中の精子には問題がないことが多いため、適切な治療により妊娠する可能性も高くなります。

年齢とともに妊娠しにくくなる

妊娠を望んでいるのに妊娠できないカップルが増えている大きな理由は、結婚年齢が上がり、妊娠・出産しようとする女性の年齢が高くなってきていることだといわれています。妊娠に適している女性の年齢は20代とされており、加齢とともに妊娠する確率が極端に下がっていくことがこれまでの研究でわかっています。

女性は生まれたときから、卵巣の中に卵子のもととなる細胞を持っています。卵子は胎児期の妊娠4ヶ月ころまでにつくられ、その後は新たに作られることはありません。その後卵子はどんどん減っていき、若い女性では毎日30個のペースで卵子を失っていくという説もあります。年齢を重ねると、卵子の状態が変化し、卵子の数も減り、妊娠しづらくなると考えられるのです。

最近では、40代の妊娠も以前に比べると珍しくなくなってきました。実際に50代での妊娠も、数は少ないものの存在します。しかし、やはり年齢とともに妊娠はしづらくなるのは事実です。不妊治療の現場でも、女性が42歳~43歳ごろになると、高齢であることを理由に不妊治療の終了を提案するケースが多いようです。

自然妊娠の確率と限界年齢は?自然妊娠のためにできること

原因がわからない場合も多い

なかなか妊娠できないと、一般的な不妊検査を受けても、明らかな原因が見つからない場合もあります。不妊検査で異常がないにも関わらず、性行為のタイミングをあわせても妊娠できないケースも多いようです。

原因不明の不妊の中には、一般的な不妊検査では見つけることができない異常が隠れていることもあります。その場合、自然妊娠から次の不妊治療にステップアップすることで妊娠できることもあります。

また、特に異常がないものの、精神的なストレスなどによって、なかなか妊娠できないというケースもあります。実際、長年不妊治療を続けていた人が治療をお休みしたら妊娠できた、忙しい仕事をやめたら赤ちゃんを授かったという話も少なくないようです。

なかなか妊娠しないと、気持ちが焦ってしまったり、落ち込んでしまったりするものですよね。しかし、ストレスをため過ぎると、ホルモンバランスが崩れてしまいます。女性の場合は子宮や卵巣の機能低下につながる恐れがありますし、男性も精子の質や性欲の低下につながる場合があります。

妊娠しやすい身体づくりを目指して夫婦で生活習慣を整えつつ、上手にストレスを発散するように心がけましょう。

早めに専門医に相談を

最近は結婚年齢が高くなり、子どもを持つ年齢も高くなっています。2015年の厚生労働省の人口動態統計によると、第一子出産時の女性の平均年齢は30.7歳とされています。年齢を重ねるとともに妊娠する可能性が低くなることから、なかなか妊娠しないと不安を感じたら、早めに専門医に相談することをおすすめします。

自己流で妊娠しやすいタイミングをはかって性交渉しても、実はタイミングが合っていなかったということも多いものです。医師の指導のもと正しいタイミングをはかるだけで自然妊娠に至るケースもあります。また、生活習慣の改善指導や、漢方治療による体質改善で自然妊娠を望める場合もあります。

男性または女性に何らかの不妊の原因があった場合も、年齢が低いうちに不妊治療を始めれば、妊娠できる可能性は高くなります。不妊治療を開始する年齢が低ければ低いほど、女性の卵子の質や子宮の状態は良いと考えられ、不妊治療にチャレンジできる回数も多いのです。

不妊治療に対する心理的ハードルは高いかもしれませんが、早め受診により、妊娠につながる可能性は高くなるでしょう。まずは夫婦で専門医に相談し、検査だけでも受けてみてはいかがでしょうか。

夫婦で協力して妊活に取り組もう

子どもが欲しいと望んでも、なかなか妊娠できないと不安になることも多いものです。女性の中には、自分に原因があるのではないかと一人で悩んでしまう人もいるようです。しかし、妊娠は女性一人でするものではありません。妊娠しやすいタイミングをはかることも、専門医に相談することも、夫婦で協力することで妊娠の可能性が高まるでしょう。

また、結婚生活は夫婦が仲良く過ごせることが大切です。子作りがお互い義務になってしまうと、夫婦関係までぎくしゃくする場合もあります。まずはパートナーとお互いの気持ちを思いやる関係を大事にしてみてはいかがでしょうか。

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