妊娠超初期の便秘・おならの解消法は?便秘薬は飲める?|産婦人科医監修
産婦人科医監修|妊娠して「便秘」に悩まされている人はいませんか。便秘に伴って、おならが臭くなってしまったという人もいるようです。妊娠超初期の便秘には理由があります。妊娠超初期の便秘の理由と解消法、そして、人にはなかなか聞けないおならのにおいについて解説していきます。
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目次
妊娠超初期の症状とは?
妊娠超初期とは、医学的な用語ではありませんが、妊娠が確定する前の0~4週のことを指します。妊娠0週は、妊娠していない場合の最終月経週でもあります。28日周期の場合は、妊娠0週で月経期、1週には卵子が発育し、2週で排卵と受精が起こります。妊娠3週で受精卵が着床し、妊娠成立となります。つまり、妊娠成立は28日周期なら妊娠3週頃からということになります。
妊娠3週の着床後、早い人では「妊娠超初期症状」と呼ばれる妊娠兆候があらわれ始めます。お腹が張ったり、下痢、腹痛、おならなどの症状があらわれたり、便秘を引き起こしたりすることもあるでしょう。
妊娠超初期に便秘になりやすいのはなぜ?
妊娠超初期にはなぜ便秘になりやすいのでしょうか。
妊娠中に活発に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンには、食物を肛門に送り出す筋肉の収縮を抑えるはたらきがあるため、腸の蠕動(ぜんどう)運動そのものが減ってしまいます。腸の蠕動活動があることで、スムーズに便が肛門まで運ばれているので、蠕動運動が減ることで便秘になってしまうというメカニズムです。
さらに、プロゲステロンは水分をため込む働きもあるため、大腸から水分を吸収してしまい、水分量が少なくなった便はさらに排出されにくくなります。蠕動運動の減少と水分量の減少により、便秘を悪化させてしまうのです。
これらの症状は、生理前にプロゲステロンの量が増える黄体期と同じ状態で、生理前の症状と似ています。そのため、生理前と妊娠との区別は少し難しくなります。
妊娠超初期はおならが出やすい・臭い?
おならは腸内環境が悪いときほど臭くなりがちです。妊娠すると、プロゲステロンの影響で腸内から水分量が減ってしまったり、蠕動活動が少なくなったりすることから、便秘を引き起こしてしまい、古い便が体内にあることになり、おならが臭くなりやすい傾向があります。
また、空気をたくさん飲み込んでしまう「吞気症」という症状が原因で、おならが出やすい状態になってしまうこともあります。人は緊張やストレスで奥歯をかみしめると、唾液を飲み込む際にたくさんの空気を吸い込んでしまいます。妊娠超初期はつわりのような症状が出たり、ストレスがたまりやすかったりすることから、いつもより空気を多くのみ込んでしまい、呑気症でおならが出やすくなってしまうのです。
このように、おならがいつもより出やすかったり、おならがいつもより臭いと感じたりするのは、妊娠の影響による場合もあるのです。
妊娠超初期の便秘でいきむのは大丈夫?
少しいきむとお腹がつったような状態になり、お腹の中の赤ちゃんが心配になってしまう人もいるのではないでしょうか。妊娠超初期の便秘で、排便時にいきむのは特に問題ありません。子どもへの影響はほとんどありませんが、妊娠中いきみすぎると「痔」になってしまう可能性もあります。あまりにいきまないと排便ができないときは、担当の医師に相談してみましょう。
妊娠超初期の便秘・おならの解消法は?
便秘になりやすく、おならも出やすい妊娠超初期ですが、その解消法はあるのでしょうか。いくつか症状を緩和、解消する方法を解説していきます。
規則正しい生活をする
ホルモンバランスが安定することで、ストレスが減り、便秘の解消につながります。ホルモンバランスを安定させるためには、規則正しい生活を心がけてみましょう。睡眠を十分にとって、栄養バランスの良い食事をとるようにします。
食事は、朝・昼・夕にわけてきちんととりましょう。その際、食べられるようであれば、乳酸菌や食物繊維を摂取する意識を持つと、便秘の解消につながりやすくなります。つわりがひどい場合には、食事に関しては無理をせず、食べられるときに食べられるものを食べられるだけ食べるようにしましょう。
水分をしっかりとる
妊娠中、プロゲステロンというホルモンの影響で、大腸から水分の吸収が促進されます。そのため、大腸が水分不足になり、便が排出されにくくなり、便秘を引き起こす原因のひとつとなるのです。妊娠中は、いつもよりも水分を意識してしっかりとり、便秘の解消に努めましょう。
乳酸菌を摂取する
乳酸菌の代謝物は腸内を弱酸性にすることで、腸内に生息する悪玉菌の増殖を抑えてくれます。悪玉菌が住みにくくなる環境も整えてくれ、腸の蠕動運動も促してくれます。乳酸菌を摂取することは、便秘を予防するだけでなく、便秘の解消にも役立つのです。乳酸菌を多く含んだ食べ物は「ヨーグルト」「乳酸菌飲料」「チーズ」「漬物」「味噌」などです。意識して摂取していきたいですね。
適度な運動をする
妊娠中は安静にしなければいけない、という考えから、安静にしすぎてしまうこともありますが、便秘の解消やストレスの発散などの側面を見ると、医師から特別の指示がない限りは適度に運動する方が、ママにとってもお腹の中の子どもにとっても良いことがあります。運動は腸を活性化させ、腸の蠕動運動を促し、自律神経を整えてくれます。軽いウォーキングや、ストレッチなど、自分が「気持ち良い」と思う程度の運動量で構わないので、運動をしてみましょう。
妊娠超初期に便秘薬は飲める?
薬の多くには「妊婦は控える」旨の記述があります。それは、妊婦に対しての安全性が確立されていないものが多いからです。市販薬で便秘薬があるからといって、自己判断で飲まないようにしましょう。便秘がひどい場合は妊娠中でも飲める薬を処方してもらえるように医師に伝え、病院で処方してもらってください。
自己判断で薬を飲んだ場合、後になって不安が押し寄せ、逆にストレスがたまってしまったという話もよくあることなのです。
妊娠中は便秘がちに!生活の中で改善しよう!
妊娠中の便秘はよくあるトラブルのひとつですが、たかが便秘だと甘く見ていると、症状が悪化して治りにくくなってしまうかもしれません。実は、頑固な便秘のために開腹手術になってしまった例もあるのです。特に妊娠中はホルモンバランスやストレスの影響から、便秘になりがちです。それに伴っておならが出やすくなったり、臭くなったりといった弊害もあります。日々の生活の中で改善できそうなことは改善し、便秘の解消につとめましょう。