妊娠4週|つわりがある?妊娠初期症状と赤ちゃんの成長、気を付けること

【医師監修】妊娠4週(4w)は生理予定日の時期にあたり、妊娠検査薬で陽性反応が出始めるころです。妊娠4週の後半にはエコー検査で胎嚢が確認できるかもしれません。このころから、つわりなど妊娠初期症状に気付くママもいますよ。ここでは、妊娠4週の赤ちゃんの様子やママの体調の変化、早期流産の兆候などを詳しく解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠4週の妊婦の身体の変化と症状
  2. 妊娠4週の赤ちゃんの成長の様子
  3. 妊娠4週に起こる出血や腹痛の原因と対処法
  4. 妊娠4週の過ごし方と注意点
  5. 妊娠4週のママへ
  6. あわせて読みたい

妊娠4週の妊婦の身体の変化と症状

妊娠4週は生理予定日の時期にあたる

妊娠週数は最終月経日を起点として数えるため、生理周期が28日の人であれば妊娠4週は生理予定日の時期にあたります。生理周期が整っている人や基礎体温をつけている人は、妊娠4週の半ばころから生理の遅れに気が付くでしょう。

この時期はまだ妊娠の自覚がない人がほとんどですが、経産婦や妊娠を望んでいる人は妊娠初期症状に気付くこともあるようです。

妊娠検査薬で陽性反応が出始める

妊娠が成立すると、胎盤の絨毛組織からhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が分泌されます。市販の妊娠検査薬は尿中のhCGを感知して妊娠の有無を判定する仕組みになっており、hCG量が50IU/Lに達すると陽性反応が出ます。

尿中のhCG量は妊娠5週ごろに50IU/Lに達しますが、最近の妊娠検査薬は感度が良いため、妊娠4週でも陽性反応が出ることがあります。妊娠5週未満では検査薬の反応が薄いことがありますが、薄くても判定窓に色のある線が出たら陽性と考えて良いでしょう。

妊娠4週で検査薬を使用し陰性が出た場合は、まだ尿中のhCG量が基準値に達していない可能性があります。その後陽性になるケースもあるので妊娠5週(生理予定日の1週間後)を過ぎたら再度検査をしてみてくださいね。

基礎体温は高温期が続く

排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)には基礎体温を上昇させる作用があります。プロゲステロンは妊娠の成立・維持に役立つホルモンなので、妊娠が成立しなければ分泌が止まります。プロゲステロンが分泌されなくなると排卵後14日ほどで基礎体温がガクッと下がり、生理が始まります。

妊娠が成立すればプロゲステロンが分泌され続けるため、基礎体温も高温期が維持されます。普段から基礎体温をつけている人は高温期が14日以上続くことから妊娠4週あたりで妊娠に気付けるでしょう。

吐き気や腹痛などのつわり・妊娠初期症状に気付く人も

早ければ妊娠4週ごろから妊娠初期症状が出始めます。特に妊娠を望んでいる人や経産婦は身体の変化に敏感なため、妊娠初期症状の自覚が早いようです。まだ体調に変化があらわれない人もたくさんいるので、この時期に症状がなくても心配しなくて大丈夫ですよ。

妊娠初期のさまざまな不快症状の原因ははっきりとは解明されていません。しかしプロゲステロンという黄体ホルモンの増加時期に症状があらわれやすくなることから、プロゲステロンの影響が大きいとされています。

プロゲステロンは妊娠の成立や維持を助けるホルモンなので、排卵後と妊娠成立後に分泌量が増加します。強い眠気やだるさ、頭痛、情緒不安定など、PMS(生理前症候群)の症状と妊娠初期症状が似ているのもプロゲステロンの作用のためだといわれていますよ。

妊娠初期の頭痛やだるさ、熱っぽさをPMSや風邪の症状だと勘違いして市販の鎮痛剤や風邪薬を服用してしまう例もあるので注意が必要です。妊娠の可能性があるときは市販薬の服用は避けてくださいね。

妊娠4週にあらわれやすい妊娠初期症状

・腹痛、下腹部痛
・お腹の張り
・胸の張り
・吐き気
・胸やけ
・においに敏感になる
・頭痛
・強い眠気
・だるさ、熱っぽさ
・サラサラとした水っぽいおりものが出る
・気分のムラ、情緒不安定

妊娠4週に吐き気や胸やけ、においに敏感になるなどつわりの症状があらわれるママもいます。食事が思うようにとれないような重症なつわりは「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という病名がつき、点滴や入院などの治療が必要になることがあります。症状が重いと感じたら我慢せず医師に相談しましょう。

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妊娠4週の赤ちゃんの成長の様子

エコー検査で胎嚢が確認できるかも

妊娠4週の後半は、エコー検査で子宮内に胎嚢(たいのう)という赤ちゃんが入っている袋が確認できるころです。

胎嚢は妊娠4週2日(受精後16日)に1.5mmほどの大きさで出現し、妊娠5週になるまで毎日1mmずつ大きくなります。妊娠4週の胎嚢の大きさにはほぼ個体差はありませんが、妊娠5週以降からは個体差があらわれ始め、大きさにばらつきが出てきます。

エコー検査で胎嚢が見えないと医師から異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性を指摘されるかもしれませんが、妊娠5~6週ではじめて胎嚢が確認されるケースもたくさんあります。出血や腹痛などの症状がなければあまり心配しすぎずに次の健診を待ってくださいね。

胎芽や心拍が確認できるのはもう少し先

妊娠4週のエコー検査では早ければ胎嚢が見えますが、まだ胎嚢の中の赤ちゃんや赤ちゃんの心拍までは確認できません。

妊娠5週になると胎嚢の中にリング状の卵黄のう(胎盤が完成するまでの赤ちゃんの栄養源)が写るようになるでしょう。そして妊娠5週の後半~妊娠6週の前半にやっと胎芽(たいが)と呼ばれる赤ちゃんの姿や心拍が確認できるようになります。

エコー検査で赤ちゃんの心拍が確認できると流産の確率がぐっと減り、正常妊娠であることが確定しますよ。

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妊娠4週は器官形成期の始まり

受精卵が細胞分裂を繰り返し発育したものを胚(はい)といい、妊娠4週を過ぎると胚の中に外胚葉、内胚葉が分化し、さらに発生が進むと中胚葉が分化してきます。

この3つの胚葉は三胚葉と呼ばれ、それぞれ特有の器官を形成します。外胚葉は主に表皮や中枢神経系に、内胚葉は消化管とその付属物や肺などの呼吸器官に、中胚葉は骨や筋、心臓などの循環系、泌尿生殖系などに発達します。

妊娠4週の赤ちゃんはまだエコーに写らないほどの大きさですが、すでに身体の需要な器官を形成する「器官形成期」が始まっています。赤ちゃんの成長に悪影響をおよぼす薬の服用や放射線被ばく、飲酒、喫煙には特に注意をして過ごしましょう。

胎盤が働き始める

妊娠4週ごろには未完成ながら胎盤が働き始めます。胎盤と赤ちゃんはさい帯(へその緒)でつながっていて、胎盤を通してママの血液中の酸素や栄養分が赤ちゃんに送られます。同時に赤ちゃんからも胎盤を通して二酸化炭素や老廃物をママに渡していますよ。

酸素や栄養分、二酸化炭素、老廃物は血液に乗せて運ばれますが、胎盤の中でお互いの血液が混ざり合うことはありません。そのためママと赤ちゃんの血液型が違っていても問題なく酸素や栄養分の受け渡しができるようになっています。

妊娠4週に起こる出血や腹痛の原因と対処法

着床出血

着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に子宮内膜が少し溶けることで起こる出血です。着床したら誰にでも出血があるわけではありませんが、妊娠4週(生理予定日)ごろに少量の出血が見られたときは着床出血の可能性があります。

着床出血の有無が妊娠の経過に影響することはないので、おりものにピンク色や茶色の血が少し混じる程度であればそのまま様子を見ても良いでしょう。出血が3日以上続いたり腹痛を伴ったりするようであれば他の原因が考えられるため受診が必要になります。

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絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)は、絨毛膜と子宮内膜のあいだに何らかの原因で血腫(血のかたまり)ができてしまうことをいいます。主な症状は出血と下腹部痛ですが、目立った症状がなくエコー検査で発覚するケースもあれば腹痛がなく鮮血が多量に出るケースもあります。

出血がある場合は切迫流産となりますが、安静や服薬によって回復が見込めることが多く、絨毛膜下血腫による出血があっても無事出産に至った例はたくさんあります。診断を受けてもあまり悲観しすぎず、医師の指示にしたがって過ごしてくださいね。

異所性妊娠(子宮外妊娠)

異所性妊娠(子宮外妊娠)とは、子宮内膜以外に着床した妊娠のことです。95%以上が卵管内で発生し、他に卵巣や腹膜、子宮頸管で起こることがあります。いずれにしても妊娠の継続はできず、基本的には卵管切除などの手術が必要となります。

異所性妊娠の主な症状は下腹部痛と出血ですが、妊娠4~5週ごろでは自覚症状がないことが多く、ほとんどの場合エコー検査で胎嚢が確認できないことから発覚します。

発見が遅れ胎嚢がそのまま発育すると卵管が破裂し腹腔内で大出血を起こすこともあるため、早期発見がとても重要です。4~5日以上続く断続的な少量の出血や強い腹痛が見られたらただちに受診をしましょう。

早期流産

妊娠4週ごろに起こる出血や腹痛は、流産の兆候かもしれません。流産全体の8割以上は妊娠12週未満の早期流産であり、特に心拍確認前は流産の確率がもっとも高くなります。

早期流産のほとんどが胎児の染色体異常が原因とされており、病院にかかっても予防や治療をすることはできません。しかし流産後に適切な処置がされないと不妊につながることもあるため、医師の診察は必要です。エコー検査で胎嚢が確認されていて生理のときより多い出血があるときは必ず受診をしましょう。

生化学的妊娠(化学流産)

エコー検査で胎嚢が確認される前に流産してしまうことを生化学的妊娠(化学流産)といいます。昔はごく初期に流産をしても生理による出血や腹痛だと思われ見過ごされてきましたが、最近は市販の妊娠検査薬の普及によって生化学的妊娠が認知されるようになりました。

生化学的妊娠は医学的には流産や妊娠の回数に含まれず、治療や検査も必要ありません。ただし出血が1週間以上続く、強い腹痛を伴う、出血後も妊娠検査薬の陽性反応が続くなど異常が見られた場合は異所性妊娠の可能性もあるため病院を受診してくださいね。

妊娠4週の過ごし方と注意点

飲酒や喫煙は避けて!妊娠していることを意識して生活しよう

妊娠4週~7週は赤ちゃんの重要な器官が作られる「器官形成期」にあたり、薬剤や放射線被ばくに対する過敏性がもっとも高いことから「絶対過敏期」とも呼ばれます。

妊娠4週では妊娠が成立しているか判断がつかないことも多くありますが、後で後悔したり不安になったりすることのないように、妊娠している前提で生活をするのが良いでしょう。少しでも妊娠の可能性があるときは以下のことに特に注意をして過ごしてくださいね。

妊娠の可能性があるときに気を付けること

・市販薬の服用
・レントゲン検査、CT検査
・喫煙(受動喫煙を含む)
・飲酒

市販薬の服用は避け、内科や歯科にかかるときも妊娠の可能性があることを事前に伝えるようにしましょう。お酒やタバコは妊活を始めた時点でやめておくとより安心ですね。

初診のタイミングは妊娠5~6週ごろがおすすめ

妊娠検査薬で判定できるのは妊娠の有無のみで、正常妊娠かどうかは病院で検査を受けないとわかりません。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科を受診しましょう。あまり早い時期に受診をしても胎嚢が見えないことがあるため、初診のタイミングは妊娠5~6週ごろがおすすめです。

万が一異常妊娠であった場合は早急に対処する必要があるため、遅くとも妊娠7週のうちに初診を済ませましょう。

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葉酸不足を解消にはサプリメントが便利

ビタミンB群のひとつである葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄の発育に不可欠な栄養素です。葉酸が不足すると神経管閉鎖障害などの先天異常のリスクが高まるという研究結果があります(※1)。

そのため厚生労働省は、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月の女性に対し食事からの摂取に加えて1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています(※2)。400μgの葉酸を毎日食品から摂取するのは難しいため、妊娠中の葉酸不足の解消にはサプリメントの利用がおすすめですよ。

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妊活中~妊娠3ヶ月の女性は葉酸の積極的な摂取が望ましいとされています。厚生労働省は妊娠可能性のある女性に対し、食事からの摂取に加えて1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。 ベルタ葉酸からは400μgの葉酸を手軽に摂取できるほか、鉄分やカルシウム、ビタミン、ミネラルなどが摂取でき、妊娠中の健康維持に役立ちますよ。

葉酸を効率良く摂取できるように体内にとどまりやすい「酵母葉酸」を使用している点もこだわりポイントのひとつ。香料、着色料、保存料などを使用していないところもうれしいですね。サプリメントの大きさは直径9mmと小さく比較的飲みやすいでしょう。

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妊娠4週のママへ

妊娠4週は受精卵が着床し、少しずつママの身体に変化があらわれ始めるころです。高温期が続いてだるさや熱っぽさを感じているママも多いでしょう。

これから長い妊娠生活が始まります。自分の身体を労わることは赤ちゃんを大切にすることと同じだと思って、体調に合わせた無理のない生活を送ってくださいね。

※この記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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