【産婦人科医監修】妊娠15週|胎動を感じるママも!お腹の出方や赤ちゃんの成長【エコー写真付き】
妊娠15週(15w)は安定期を目前に控え、胎盤が完成してエコーでみる赤ちゃんは人間らしさが増してきます。ママは基礎体温が下がり始め、お腹の出方の変化に気付くかもしれません。早い人は胎動を感じます。ダウン症などを調べられる出生前診断のこと、お腹の張り、出血や腹痛などの症状、体重管理、お腹の大きさなどについて解説します。
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目次
妊娠15週の赤ちゃんの成長の様子
妊娠15週の赤ちゃんの基礎情報 身長、BPD、体重、発達
身長 | BPD(児頭大横径) | 体重 | 発達 |
---|---|---|---|
11~16cm | 2.4~3.5cm | 40~120g | ・身体が完成する ・皮膚が厚くなる ・吸啜反射がみられる ・性別がわかる ・胎動が感じられる ・胎毛が生える |
妊娠15週(15w)は妊娠4ヶ月です。胎児の大きさは、身長が約11~16cm、体重が約40~120gほどになります。胎盤の形成が完了し、赤ちゃんの身体や主要な器官もほぼ完成します。
身体が完成したことで、動きも活発になってきます。自分の指を吸う「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」がみられるかもしれません。身体にはうっすら胎毛も生えてきますよ。
妊娠15週に胎動を感じる人も
胎動はいつから感じられるのか気になりますね。一般的に初産婦が胎動を感じるのは妊娠19週頃からですが、経産婦の中には胎動を感じられる人もいます。
初めのころの胎動は腸が動いたり、ガスがポコポコとはじけたりするような感覚のため、わかりづらいかもしれません。回数が重なるにつれ、「これが胎動だ」と意識できるようになります。
妊娠15週に性別はわかる?
形成が進んだ外性器がエコーにうつり、早ければ性別がわかるようになるのもこの時期です。妊娠16週ころにもなると身体の細部も完成し、性別がよりはっきりしてきますよ。
妊娠15週の赤ちゃんのエコー
妊娠15週の赤ちゃんは皮膚が厚くなり、エコー写真ではますます人間らしくなった姿がみられます。赤ちゃんの角度や位置によっては、形成が進んだ外性器がエコーに映り込むこともあります。
上のエコー写真は15週5日のものです。頭頂部と手が見えますよ。
妊娠15週の妊婦の身体の変化と症状
妊娠15週の妊婦の身体の変化と子宮やお腹の大きさ
子宮の大きさ | お腹の大きさ | 外見の変化 |
---|---|---|
メロン | お腹のふくらみが自分でわかる | ・服を着てもお腹のふくらみがわかる ・胸が大きくなる |
妊娠15週は4ヶ月の最後の週です。安定期を目前にしてお腹がふくらみはじめ、妊婦らしい身体つきと感じる人が増えてきます。お腹の出方は個人差があり、臨月近くまで外見では気付かれない人もいます。お腹が出ないと赤ちゃんが成長しているか気になりますが、妊婦健診で問題なければ心配しすぎなくて大丈夫ですよ。
妊娠15週にあらわれやすい症状 胸の張り、鼻血、貧血…
症状 | 対策 |
---|---|
つわり | ・気にしすぎないでリラックスして過ごす ・症状が強いときは医師に相談する |
下腹部痛 | 出血や繰り返す腹痛に注意 |
出血 | 安静にして医師に相談する |
胸の張り | ・マタニティインナーを活用する ・中期になったら母乳指導を受ける |
鼻血・鼻炎 | ・湿度を保つ ・症状が強いときは医師に相談する |
貧血 | ・鉄分と葉酸を摂取する ・めまいなどが続くときは医師に相談する |
妊娠15週になると、完成した胎盤からホルモンが安定して分泌されるようになります。そのため、プロゲステロンの影響で高かった基礎体温が徐々に下がって正常に戻ります。つわりも治まる時期ですが、なかには症状が続く人もいるかもしれません。「つわりが終わらない」と気にかけていると、症状が悪化することがあるのでリラックスして過ごしましょう。
子宮が大きくなり、下腹部が突っ張るような感覚を覚えることもあります。靭帯が引っ張られて起こっていることが大半ですが、強い腹痛やお腹の張りを感じたら早めに医師に相談すると安心です。
乳腺は妊娠12週ころから発達を続けるため、胸の張りも出てきます。また、妊娠中は鼻血や鼻炎に悩まされる人が増えます。これは血液が増え粘膜が充血することと、ホルモンの影響によるものと考えられています。血液の増加は血液が薄まることによる貧血の原因ともなるため、注意が必要です。
妊娠15週の過ごし方と注意点
体重増加に気をつけて
つわりが治まってくると、衰えていた食欲が回復してきます。食べ物がおいしく感じられて、いつもより多く食べてしまうこともあるかもしれません。一方で体重増加を気にするあまり、必要以上に食事を抑えてしまうケースもみられます。
妊娠中の体重増加量の目安は、妊娠前の体格によって示されています。この目安は2021年3月に公益社団法人日本産科婦人科学会により提示されたもので、それ以前に推奨されていた数値よりもゆるやかな目安となっています(※1)。体重増加量は個々の体格や妊娠の状況によっても変わるため、極端に食べ過ぎたり、必要のない食事制限をしたりしないよう注意してくださいね。
妊娠前体格 | BMI kg/m2 | 体重増加量の目安 |
---|---|---|
低体重 | <18.5 | 12~15kg |
普通体重 | 18.5 ≦ ~ <25 | 10~13kg |
肥満(1度) | 25 ≦ ~ <30 | 7~10kg |
肥満(2度以上) | 30 ≦ | 個別対応(上限 5 ㎏までが目安) |
※妊娠中の体重増加量の目安:「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し,個人差を考慮したゆるやかな指導を心がける」産婦人科診療ガイドライン産科編 2020 CQ010 より
※体格分類は日本肥満学会の肥満度分類に準じた
確率は低いが流産の可能性はまだある
妊娠12週以降22週未満の流産は後期流産といいます。妊娠12週をすぎると胎盤が完成に近づくため、流産する可能性は低くなります。しかし、妊娠13~16週のあいだに起こる流産は、流産全体の6~9%の割合で存在しているため、可能性がまったくないとはいいきれません。
後期流産となる原因は子宮筋腫、子宮頸管無力症、感染症などさまざまです。妊娠初期の段階で「絨毛膜下血腫」がみとめられるときも注意が必要です。もしも強い腹痛、生理のときよりも多い出血、鮮血が出る、 腟の圧迫感などの症状があらわれたら病院に連絡し指示をあおぎましょう。
貧血予防のためにも葉酸を
妊娠中は鉄欠乏性貧血になりやすいといわれていますが、実は葉酸が不足することも貧血を引き起こします。葉酸欠乏性の「悪性貧血(巨赤芽球貧血)」といわれるもので、赤血球の減少がみられます。
葉酸は胎児の神経管閉鎖障害を予防するはたらきが有名ですが、それ以外にも、貧血予防、アミノ酸生成、核酸生成に欠かせないため1日400μg以上を摂取するようにしましょう。
食事と冷え対策でむくみ予防
妊娠中は女性ホルモンの影響や、大きくなった子宮に血管が圧迫されることでむくみ(浮腫)が生じやすい状態です。特にふくらはぎや足首がむくみやすく、症状が進むと手や顔など全身に症状があらわれます。
むくみの予防には塩分・糖分・脂肪分をとりすぎないようにすることが大切です。また、冷えないように対策することも、むくみ予防に有効です。安定期に入ったら適度な運動も取り入れていきましょう。
以前は全身のむくみがあると「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」と診断されていましたが、現在は血圧が正常であれば問題ないとされています。しかし、全身にむくみが広がっているときは、腎臓や心臓の病気が隠れている可能性があるので、早めに医師に相談するようにしましょう。
ダウン症などを調べる「羊水検査」をするならこの時期
胎児を包む羊水には胎児の細胞が含まれているため、羊水を調べることで胎児の染色体異常の有無がわかります。この検査を「羊水検査」といい、妊娠中に行う「出生前診断」のひとつとなります。
羊水検査は妊娠15週以降から可能で、ダウン症、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、開放性二分脊椎、無脳症などを確認できます。
妊娠15~17週ころに検査を行う産院がほとんどですが、検査するには厳しい基準があること、羊水を採取する際に流産や感染症のリスクが存在すること、結果によっては重い決断をしなければいけないことを理解する必要があります。実施するかどうかも含め夫婦でしっかり相談し、医師ともじっくり話し合うことが大切です。
安産祈願は戌の日がおすすめ
安産祈願は授かった命に感謝し、赤ちゃんが無事に誕生するように神様にお願いする行事です。妊娠5ヶ月の戌の日に行うのが習わしで、この日から腹帯を巻くことから「帯祝い」とも呼ばれます。
多産・安産の犬にあやかり、日取りは戌の日が良いとされてきましたが、仕事の都合や体調によっては戌の日が選べないこともあります。そのようなときは無理をして戌の日に合わせず、夫婦で良い日取りを決めましょう。
神社でご祈祷する場合は、初穂料がかかります。初穂料は神社ごとに異なりますが、3,000円、5,000円、1万円が目安です。事前にご祈祷の時間や初穂料を調べておくと安心です。
マタニティウェアでお腹を楽に
お腹を締め付けず、ママがリラックスして過ごせるように設計されたマタニティウェア。少しずつ変化するお腹に合わせサイズが調整できたり、産後も授乳で使えるように授乳服兼用となっていたりと、機能性が充実したものを選ぶと長く使えますよ。
トレンド感を意識した、デザイン性の高いマタニティウェアも人気です。ワンピースやつなぎよりも、上下わかれたスタイルを選べば、妊婦健診の腹部エコーもスムーズに対応できます。
夫婦喧嘩のあとは気持ちを切り替えよう
胎盤が完成に近づき、ホルモンの分泌が安定してくる時期とはいえ、妊娠中から産後にかけては体調や気持ちの波が大きいものです。普段は気にならないささいなことがきっかけで、大きな夫婦喧嘩に発展してしまうこともあるかもしれません。
極度なストレスや疲れは赤ちゃんの発育に影響をおよぼすという報告があるため、夫婦喧嘩のあとは赤ちゃんに問題がないか気になります。しかし、問題なのは夫婦喧嘩そのものよりも、その後もストレスを抱えている状態が続くことです。
夫婦喧嘩はお互いに関心がある証拠ともいえます。早めに気持ちを切り替え、相手の声にも耳を傾け、思いやりの気持ちで接していきたいですね。
安定期まであと少し待とう
妊娠15週、いよいよ安定期が目前に迫ってきました。妊娠経過に異常がなければ、軽い運動や近場への旅行などがしやすくなります。安定期にやりたいことや、そろえておきたいもののリストを作り、おだやかに過ごしましょう。
無理をするとつわりの症状が再開したり、腹痛などが起こったりする可能性もゼロではないため、疲れをためすぎないように心がけてくださいね。
妊娠15週のママへ
妊娠の判明、心拍の確認、つわりのはじまりと、ママにとっては怒涛のような数ヶ月でしたね。つらかったときを乗り越え、やっと安定期を迎えようとしています。流産の可能性、お腹の張り、治まらないつわりと、まだまだ心配はつきないかもしれませんが、これまでの自分のがんばりをほめてあげましょう。
妊娠が判明してからの急激な変化はママだけではなく、パパも感じています。ママの気持ちをわかってくれない場面があったとしても、パパはどうして良いかわからず戸惑っていたのかもしれません。夫婦ふたりで数ヶ月の疲れをねぎらい、素敵な安定期を迎えてくださいね。
※この記事は2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。