妊娠16週|安定期とは?お腹のふくらみや赤ちゃんの成長【エコー写真付き】
【医師監修】妊娠16週(16w)は妊娠5ヶ月の1週目、妊娠中期にあたります。いよいよ胎盤が完成し、流産の確立が下がり妊娠27週までの安定期に入るころです。これからお腹はどんどんふくらみ、胎児の体重も増えていきます。早いと胎動を感じるママもいますよ。注意したいお腹の張りや出血、妊娠糖尿病などについても解説します。
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目次
妊娠16週の赤ちゃんの成長の様子
妊娠16週の赤ちゃんの基礎情報 身長、BPD、体重、発達
身長 | BPD | 体重 | 発達 |
---|---|---|---|
16~20cm | 2.8~3.8cm | 120~150g | ・胎盤が完成し成長のスピードが上がる ・胎毛が生える ・性別がわかる ・聴覚器官の発達が進む ・記憶する能力がつき始める |
妊娠16週になると妊娠5ヶ月に突入です。胎盤が完成し、赤ちゃんに栄養がたくさん送られるようになります。赤ちゃんの成長が加速しますが、成長には個人差があるので、医師から指摘がなければ大きさを気にしすぎる必要はありません。
身体の内部もどんどん成長します。赤ちゃんの下顎(したあご)の形成にあわせて、音を伝えるための内耳の骨化が始まります。聴覚をつかさどる「蝸牛(かぎゅう)」、記憶や知覚にかかわる大脳皮質(だいのうひしつ)、海馬(かいば)といった器官も発達が進みます。妊娠20週ころには音の刺激にはっきりと反応するようになりますよ。
妊娠16週は安定期?「16週の壁」って?
「安定期」とは、つわりの症状が落ち着いてママの気持ちが安定する時期を意味します。いつからいつまでという明確な定義はありません。一般的に、つわりの症状が落ち着いて胎盤が完成するのが妊娠16週ころなので、この時期を目安に「安定期に入った」と言う人が多いようです。また、安定期を迎えることから16週を壁と表現することもあります。
つわりがいつまで続くのかは個人差が大きく、16週を過ぎてもつわりが続くママもいます。あくまでも目安ととらえておきましょう。
妊娠16週に胎動は感じる?
胎動を感じる人も増えてくる時期です。個人差があるので、胎動がまだの人も焦らず待ちましょう。経産婦のほうが初産よりも胎動を早く感じるケースが多いです。
妊娠16週に性別はわかる?
妊娠中期となり、赤ちゃんの身体には胎毛が生えてきます。外性器の発達が進み、エコーの性能によっては性別がわかることもあります。
妊娠16週の赤ちゃんのエコー画像
妊娠16週5日の胎児を写したエコー写真です。BPDは36.9mm、CRLは99mm、身長は15cmと推定されています。バンザイをするように上げた手は頭の上まで届きそうです。小さな5本の指も、はっきりと見えていますね。顔やお腹がふっくらとしてきている様子が、エコーでもわかります。
妊娠16週の妊婦の身体の変化と症状
妊娠16週の妊婦の身体の変化と子宮やお腹の大きさ
子宮の大きさ | お腹の大きさ | 外見の変化 |
---|---|---|
子どもの頭大 | お腹のふくらみがわかる | ・身体全体が丸みを帯びる ・ブラジャーのサイズが上がる |
妊娠16~19週にかけて、子宮底長は12~18cmになります。ほとんどのママはお腹のふくらみを実感する時期ですが、この時期のお腹の大きさは個人差があるため、お腹が大きく出る人もいれば、あまり出ない人もいます。病院によっては子宮底長の測定が始まります。お腹が出すぎだと感じても、妊婦健診で問題なければ気にしすぎないようにしましょう。
胎盤から授乳のためのホルモンが生成され、胸もだいぶふくらんできます。人によっては乳房が張ったり乳汁が出たりすることもある一方で、乳房の成長が一時的にゆるやかになることもあります。病院によってはおっぱい指導が始まるので、母乳育児、授乳方法、乳房ケアなど、気になることがあれば聞いてみましょう。
妊娠16週にあらわれやすい症状 お腹の張り、おりもの…
症状 | 対策 |
---|---|
お腹の張り | ・安静にする ・張りが治まらなければ受診する |
おりものの増加 | ・おりものシートを活用し清潔を心がける ・においやかゆみがあれば受診する |
性器からの出血 | ・安静にする ・出血やお腹の張りが続く、激しい腹痛があるときは受診する |
歯茎の腫れ | ・歯医者に行く ・毎日正しく歯磨きをする |
おなら・ガス | ・生活のリズムをと整え排便を促す ・便秘になりにくい食事をとる |
胎盤が完成して安定期に入るため、お腹の張りがあっても、しばらく安静にして治まるようであれば心配しすぎることはありません。痛みが続く、強くなる、出血をともなうといったときには、切迫流産の可能性があるので受診してください。
妊娠中期は腟の清潔を保つため、おりものが多く分泌されます。色やにおいがあるときは細菌感染が起こっているかもしれません。妊娠中は唾液の分泌が減ったり、エストロゲンを好む細菌が繁殖したりするので、歯周病や歯肉炎にも注意が必要です。腟や口腔内の細菌感染は早産の原因になることがわかっています。性交の際はコンドームをする、つわりが治まったら歯科検診を受けるなどの対策をしましょう。
ホルモンの影響で腸のぜん動運動が抑えられると、ガスがたまっておならが出やすくなることもあります。バランスの良い食事を心がけ、水分をしっかり摂ると腸の運動が助けられます。便秘対策にもなりますよ。
妊娠16週の過ごし方と注意点
安定期のうちにやりたいことを決める
レジャー関連 | ・旅行・夫とデート ・上の子と遊ぶ ・友だちと遊ぶ ・趣味 ・マタニティフォト |
身体のケア | ・歯医者に行く ・美容院に行く ・マタニティヨガ、マタニティスイミングなど |
出産準備 | ・赤ちゃん用品の準備 ・入院用品の準備 ・断捨離 ・部屋の模様替え |
リサーチ・下見 | ・子育て支援施設や一時預かりの確認 ・公園、公共施設の下見 ・病院の情報収集 |
待ちに待った安定期です。ほとんどの人がつわりから解消され、気持ちも前向きになっているのではないでしょうか。妊娠中期は妊婦健診が4週に1回となるため、フリーな時間が増えます。臨月までのあいだにやりたいことをリストアップし、効率良く時間を使っていきましょう。
赤ちゃんが生まれてからは身軽に動けないので、夫や上の子とレジャーを楽しむのも良いですね。お散歩がてら、公共施設やショッピングでよく行く場所の授乳室やエレベーターの有無なども確認しておくと安心です。小児科や一時預かりの情報なども集めておくと、いざというときに役立ちますよ。
安産祈願のお参りは戌の日を目安に
日本では安産の犬にあやかり、安定期に入った最初の戌の日に安産祈願する風習があります。神社でご祈祷を受け、この日から腹帯を巻いて「帯祝い」をするのが一般的です。
神社でご祈祷を受ける際は、初穂料を納めます。初穂料は神社によって異なりますが、3,000~10,000円が相場です。時間が決まっていることもあるので、あらかじめ調べてから向かうようにしましょう。日本橋の水天宮や八王子の子安神社などは、独自の撤下品(てっかひん)がいただけることで人気です。
最近は夫婦共働きだったり天気や体調が悪かったりといった理由で、戌の日以外を選ぶのも珍しいことではありません。お参りに行くのが難しくても、夫婦で赤ちゃんが無事に生まれてくることを願う気持ちがあれば大丈夫ですよ
妊娠中期は体重増加しやすい時期
つわりが治まると、悩みの種となるのは食欲です。食べすぎにより体重が増えすぎると、生まれてくる赤ちゃんが巨大児になるリスクを高めます(※1)。巨大児の分娩は出血が多くなったり帝王切開となったりすることがあります。また、ママが糖尿病になった場合、赤ちゃんが低血糖になったり肺の発達が遅れたりする可能性もあるので、過度な体重増加に注意しましょう。
妊娠中に目安となる体重増加量は、妊娠前の体重から割り出したBMIによる体格区分ごとに設定されます。BMIが18.5未満の「低体重(やせ)」および18.5以上25.0未満の「ふつう」の人は、1週間あたり300~500gの体重増加量が推奨されています。BMIが25.0以上の「肥満」に区分される場合は、個別に目標値が設定されます(※2)。
食欲を抑える食事の工夫
同じ量の食事でも、食べ方の工夫次第で満腹感が変わります。たとえば、食事を1色抜くよりもバランスの良い食事を1日3回食べほうが、まとめ食いを減らせます。食事の時間が空きすぎると空腹感が増すので、適度な間食も必要ですよ。
血糖値は食後15分ほどたってから上がるため、1回の食事は15分以上かけてゆっくり食べるのもポイントです。食物繊維たっぷりのサラダ、たんぱく質を含む主菜の順に食べていくと、血糖値の上昇がゆるやかになり、満腹感が持続します(※3)。
極端な食事制限は赤ちゃんの低体重を招き、出生後の成長に悪影響をおよぼす可能性が指摘されています。体重増加が適正であれば、必要以上に食事を制限する必要はありません。
運動は医師に確認をしてから
お産は10数時間にものぼる長丁場です。長時間のお産に耐えられる体力をつけておきたいですね。妊娠経過が順調であれば、適度な運動で体力を維持していきましょう。運動を始める際は、主治医に許可を得ることが大切です。
マタニティヨガ、マタニティスイミングはお産に必要な骨盤周辺の筋肉が鍛えられ、転倒のリスクも少ないのでおすすめです。ウォーキングも気分転換になりますね。運動する時間がとれないときは、普段の家事をていねいにやるだけでも運動につながりますよ。
妊娠線ケアを始めよう
妊娠5~6ヶ月にかけて、赤ちゃんの成長は加速します。お腹が大きくなるスピードも、これまで以上になります。妊娠線は急激に皮膚が伸びたり、肌が乾燥したりするとできやすいといわれているため、体重管理と保湿をしっかり行っていきましょう。
通常サイズ(160mL)
(お徳用サイズ(500mL)あり)
AMOMAの「マタニティオイル」は、お腹の保湿がしたいママにおすすめのスキンケアオイルです。米ぬかをもとにしたライスオイル、保湿力の高いマカダミアナッツオイルを中心に、原材料には5種類の精油とオイルを使用しています。きれいなお腹をキープできるよう、AMOMA独自の比率で配合されているのもポイントでしょう。
無添加で100%植物性の優しいオイルがお腹の皮膚の潤いを逃さず、柔軟性を保ってくれますよ。優しい柑橘系の香りは、つわりでつらい時期にもすっきりしていて使いやすいと評判です。
風疹は夫婦で予防を
風疹はリンパ節の腫れ、発熱、発疹などの症状があらわれる感染症です。風疹に対する抗体を持たないママが、妊娠20週ころまでに風疹に感染すると、胎児もウイルスが感染し、心臓、耳、目などに生まれつきの障害を負うリスクがあります。これらの障害を総称して「先天性風疹症候群」と呼びます。
先天性風疹症候群を予防するには、ママ自身が風疹に対し高い抗体を持つ必要があります。妊娠中は風疹の予防接種が打てないため、抗体がなかったり低かったりする場合は、感染に注意し、できる限り人込みに行かないなどの対策をとりましょう。
風疹の予防は夫や家族の協力も欠かせません。特に1962年4月2日~79年4月1日のあいだに生まれた男性は抗体保有率が低いため、住んでいる自治体で抗体検査受け、結果が陰性だった場合は予防接種を受けるようにしてください。
流産・切迫流産のリスクは減少
流産は全妊娠の8~15%の割合で発生し、そのほとんどが妊娠12週以前に集中しています(※4)。妊娠13~16週ころの流産の頻度は6~9%と流産となる可能性がゼロになるわけではありませんが、妊娠初期のころと比べると、リスクは大きく減少します。
注意したいのは性器からの出血、生理痛よりも強い腹痛、お腹の張りが続くといった症状です。このような症状のときは、医師の診察を受けましょう。妊娠16週以降では、子宮の収縮がある場合に子宮収縮抑制剤が使われることがあります。
細菌性腟症は早産のリスクを高める
妊娠中に腟や子宮頸管が細菌に感染した状態を「細菌性腟症」といいます。細菌性腟症は、腟の中の常在菌のバランスが崩れることで起こります。感染が子宮頸管や子宮内部にまでおよぶと、産褥子宮内膜炎や絨毛膜羊膜炎の原因となります。
絨毛膜羊膜炎は、妊娠28週未満で早産となったケースの60%以上に確認されていることから、低出生体重児、早産、前期破水、新生児の肺炎・髄膜炎などとの関連性が指摘されています(※5)。
妊娠中はホルモンの影響で腟内の環境が変わりやすいので、夫との性交の際にはコンドームを着用し細菌感染を防ぐ、疲れをためない、清潔を保つといったことを心がけ、細菌性腟症や絨毛膜羊膜炎を予防しましょう。
尿糖や尿蛋白に注意
妊娠中は血糖値を下げるためのインスリンが働きにくくなるため、「妊娠糖尿病」に注意が必要です。インスリンが働かないと、糖代謝がうまくいかず尿の中に糖が排出されます。
尿検査では尿蛋白も調べます。尿蛋白と高血圧の症状が見られれば「妊娠高血圧症候群」と診断されます。妊娠糖尿病と妊娠高血圧症候群を合併することもあります。
尿検査で尿糖や尿蛋白が「+」になってもただちに妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群になるわけではありません。しかし、肥満や急激な体重増加は病気を引き起こす原因となるので、食べすぎたり、栄養がかたよったりしないように気を配っていきましょう。
バースプランを考えよう
お産や産後の希望をまとめたバースプランを取り入れる病院が増えてきました。お産の進行は人それぞれ違うため、必ずしも希望通りに進むとは限りませんが、どのようなお産にしたいのかイメージすることで、お産に対する心構えができてきますよ。
バースプランにはお産の際の姿勢、呼吸法、産後のケア、夫の立ち会いなどを記入します。最近は無痛分娩や和痛分娩を希望する人も増えています。無痛分娩は麻酔を使うため、専門の知識を有する医療機関で行う必要があります。病院が無痛分娩に対応しているか、確認しておくと良いでしょう。
寝苦しいときは抱き枕でリラックス
お腹が大きくなってくると、楽な寝姿勢がなかなか見つからないかもしれません。ホルモンバランスや自律神経の影響で眠りも浅くなりがちです。寝不足が続いてつらいときは、「シムスの体位」で横になってみましょう。
シムスの体位は左側を下にして横向きに寝る姿勢です。左足は伸ばし、右足は足のつけ根と膝を90度に曲げます。上半身は、無理のない程度にうつ伏せ気味にします。抱き枕を抱えるように眠ると身体が安定しリラックスできますよ。
■サイズ:110×50×高さ19cm
■素材:パウダービーズ 発砲ポリスチレン
■カバー:パイル部分/綿57%・ポリエステル43%、伸縮部分/ナイロン85%・ポリウレタン15%
■生産国:日本
細かいパウダー状のビーズが、体形に合わせて流動します。身体になじむような安定感で、寝るときの姿勢をやさしくサポートしてくれますよ。生地には天然系よもぎ成分「ケアトリナチュレ」を配合し、妊娠中の敏感な肌をいたわります。細菌の増殖を防ぎ、防臭効果も期待できます。
マタニティウェアに切り替える
お腹や乳房だけではなく身体全体がふっくらしてきたら、マタニティウェアの出番です。ウエストやバスト周りがゆったりとしているので、お腹の締めつけがなく快適に過ごすことができますよ。どれを買うか迷ったら、パンツに取りつけるタイプのアジャスターも便利なアイテムです。
最近はおしゃれを意識したオリジナルデザインのマタニティウェアが数多くそろっています。カジュアルなものからフォーマルなものまで幅広く、働いているママにもぴったりのアイテムが見つけられるかもしれません。
妊娠16週のママへ
妊娠中期に入り体調が上向いてくると、出産までにやりたいことが次々と頭に浮かんできますね。無理のない範囲で、マタニティ期間を楽しんでくださいね。
遠出をするときや知らない土地に出かけるときは、保険証、母子手帳、診察券、携帯電話は必ず持ち歩くようにしましょう。なるべくひとりでは出かけないようにする、連絡先をメモしておくなど、いざというときのために備えておくと安心です。
※この記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。