【産婦人科医監修】安定期はいつからいつまで?妊娠何週が目安?つわりの変化や過ごし方、流産のリスクについて

安定期はいつからいつまでなのか、妊娠何週が目安になるのかは、妊娠初期のママにとって気になるところではないでしょうか。妊娠報告を安定期にしようと考えているママもいるかもしれません。ここでは安定期の時期や過ごし方、注意点について産婦人科医監修でわかりやすく解説していきます。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. そもそも安定期とは?
  2. 安定期はいつからいつまで?
  3. 安定期に入るとつわりは終わる?
  4. 安定期でも流産することはある?
  5. 安定期の過ごし方
  6. 安定期を過ごす上での注意点
  7. 妊娠中の夫婦生活に関する体験談と注意点
  8. 快適な妊娠生活を送るために安定期でも油断しないで
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そもそも安定期とは?

妊娠初期には多くのママが、吐き気や食欲不振、眠気などの症状が現れるつわりを経験します。妊娠初期は流産のリスクが高い時期でもあるので、赤ちゃんが無事に成長してくれるか心配になり、気持ちが不安定になることがあります。

つわりの症状が落ち着くと、安定期に入ったという表現をよくしますね。安定期とは流産のリスクが減り、つわりの症状が落ち着いて、ママの気持ちが安定する時期のことです。また安定期に入るころは、ママから赤ちゃんへ栄養を運ぶ胎盤が完成する時期でもあります。

安定期はいつからいつまで?

一般的な目安は妊娠16週から妊娠27週

実のところ安定期には「いつからいつまで」という明確な定義はありません。一般的には、つわりの症状が落ち着いて胎盤が完成する妊娠16週頃を目安に「安定期に入った」といいます。一方の「安定期がいつまでか」の目安は、妊娠後期に入る前の妊娠27週(妊娠7ヶ月)までです。

妊娠28週頃になると、ママの身体の血液量が最も多くなり、心臓の機能に負荷がかかります。加えて、羊水の量も最も多くなる時期で、胎動が活発になります。また、妊娠高血圧症候群などの合併症が発症しやすくなるのもこの時期からです。こうしたことから安定期は「妊娠16週から妊娠27週まで」といわれているのです。

安定期とはいえ無理や油断は禁物

「安定期に入ったら子どもが生まれてからではできないことをしておきたい」と考えるママやパパは多いかもしれません。しかし、「安定期」とは「ママの体調や気持ちが安定してくる時期」を指しているのであって、決して「妊娠が安定するという意味ではない」ことを理解しておく必要があります。

「妊娠に安定期はない」という医師もいます。妊娠の経過は人それぞれであり、安定期だからといってママや赤ちゃんに何も変化がないわけではありません。無理をせずに妊娠生活を送ることが大切です。

安定期に入るとつわりは終わる?

つわりの症状は長らく原因が解明されていませんでしたが、近年の研究により、胎児由来の「GDF15」というホルモンに対する感受性がつわりの重症度に影響する可能性が示されました(※1、2)。感受性の高さは人それぞれで、GDF15に対する感受性が高いと、つわりが強くなることが分かっています。

また、においや食べ物に対する嫌悪感とママの免疫との関連を示す研究も発表されています(※3)。この研究では、吐き気・嘔吐は10週頃までに症状が収まるのに対し、においに対する嫌悪感は15週頃、食べ物に対する嫌悪感は20週頃まで続くことが示されました。

一般的につわりは妊娠5、6週に始まり、妊娠12週から妊娠16週頃に落ち着くといわれていますが、つわりがいつまで続くのかは個人差があります。安定期を過ぎてもつわりが続くママもいます。つわりが落ち着く妊娠週数はあくまでも目安ととらえておきましょう。

安定期でも流産することはある?

流産は、妊娠22週よりも前に何らかの原因で赤ちゃんが亡くなってしまい、妊娠が中断されることです。流産は妊娠12週より前の時期に起こることが多く、その割合は流産全体の約90%とされています(※4)。よって安定期に入る前に起こる流産が多いといえますが、残りの10%は妊娠12週以降に流産が起こる割合です。安定期に入ったから流産しないとはいえないのです。

しかしながら、安定期は運動したり、出産の準備を始めたりと妊娠生活の中でも活動しやすい時期です。お腹が張る、腹痛、出血などの切迫流産の症状がなく医師から順調といわれているなら、心配し過ぎずに無理のない範囲で日常生活を送ってよいでしょう。

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安定期の過ごし方

安定期のあいだに運動や旅行などをしたいと考えているママもいるかもしれませんね。アクティブな活動は妊娠何週あるいは何ヶ月まで可能なのでしょうか。ここでは安定期の過ごし方について解説していきます。

旅行

妊娠中の旅行は、ママの妊娠経過に異常がないことが前提となります。安定期の旅行は「いつからいつまで可能」という決まりは特にありません。また海外旅行も国内旅行と同じくママの妊娠経過に異常がなければ禁止されているわけではありませんが、長時間のフライトや環境の変化による体調不良のリスク、現地でなにかあったときの対応については考慮したほうが良いでしょう。

旅行を計画するときの注意点
ママ単独での旅行は避ける
予定を詰め込み過ぎず、ゆとりのある計画を立てる
旅行に出発する前は医師の診察を受けて旅行が可能なのか確認する
母子健康手帳と健康保険証は忘れずに持って行く
旅行先に医療施設があるか確認し、できれば紹介状を用意してもらう
温泉は湯温が40℃から41℃の温泉を選び、入浴時間は10分以内にする
飛行機利用では、航空会社に提出が必要な書類の有無を確認する
海外に行く場合は妊娠中でも入れる海外医療保険について確認しておく
アジアなど水道水の衛生環境が良くない場所ではペットボトルの水を飲む

運動

妊娠中の運動はママの体力維持や肥満予防に効果があり、良い気分転換にもなります。妊娠12週を過ぎて妊娠経過に異常がなければ、妊娠中でも運動を始めることができます。妊娠中の運動は妊娠何週まで可能といった期限はなく、ママの体調に合わせて継続することができます。

妊娠中でも簡単にできる運動としてウォーキングがあります。ウォーキングは有酸素運動かつ全身運動で、自宅の近くでできることがメリットです。ウォーキングは始める際は、15分から20分程度の時間で無理のない範囲から始めて、慣れてきたら30分、40分と時間を長くしてみると良いでしょう(※5)。

妊娠中に運動をするときの注意点
ママの妊娠経過が順調である
経産婦のママの場合はこれまでの妊娠経過で早産、流産を繰り返していない
真夏の炎天下での運動は避ける
陸上の運動は平坦な場所を選ぶ
有酸素運動かつ全身運動で楽しく続けることができる運動をする
お腹を圧迫する、相手と接触する、転倒する可能性がある運動は避ける
妊娠16週以降では仰向けになる運動は避ける
可能であれば午前10時から午後2時に運動を実施する
一回の運動時間は60分以内とする

※一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会「妊婦スポーツの安全管理基準(2019)」をもとに作成

歯の検診

安定期に入ったらぜひ歯科検診に行きましょう。妊娠初期のつわりで嘔吐があると口の中が酸性になり、歯垢を落としきれずに虫歯や歯周病を引き起こす場合があります。特に歯周病は、早産(妊娠22週から妊娠36週までの出産)や低出生体重児(体重が2,500gよりも小さい赤ちゃん)のリスクを高めます(※6)。歯科検診で虫歯や歯周病がみつかった場合は、安定期のうちに治療しておきましょう。

戌の日のお祝い

日本では、ママが妊娠5ヶ月に入った戌の日に腹帯を巻き、安産祈願をする習慣があります。腹帯を巻く目的はお腹を保温して支えたり、腰痛を予防したりすることです。戌の日のお祝いは必ずやらなければならないことではありませんが、ママや家族が希望する場合はお祝いすると良いでしょう。腹帯はきつく締め過ぎないようにしてくださいね。

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妊娠報告

職場の人や身のまわりの人への妊娠報告は、一般的には安定期に入った妊娠12週頃に行うママが多いようです。妊娠報告では出産予定日と、産前休業を取得する場合はいつから取得するのか伝えましょう。産前休業は出産予定日の6週前(妊娠34週0日)から取得することができます。また育児休業の取得を考えているママはいつまで取得したいのか、予定を伝えておくと良いですね。

ただし妊娠報告の時期はあくまで目安です。つわりがひどい場合や、切迫流産と診断された場合など、仕事を突然休まなくてはならないこともあります。こうしたケースでは、早めに職場の人に報告せざるをえないこともあるでしょう。

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出産準備

出産準備はいつまでに済ませておくのが良いのか疑問に思うママは少なくありません。安定期は流産のリスクが減って、つわりの症状が落ち着く時期です。ママは活動しやすくなるので、安定期に入ったら少しずつ出産準備をしていきましょう。妊娠28週に入る前までに、出産の入院中に使うものと退院してから産後3ヶ月まで使うものとをそれぞれわけて準備をしておくようにしましょう。

安定期を過ごす上での注意点

安定期に入ったら妊娠前と同じような生活を送ることができるかというと、そうではありません。これから解説する注意点を参考に日常生活を送ってみてくださいね。

体重増加に気をつける

妊娠中の体重増加指導の目安は、BMIが18.5以上25未満のふつう体形の人で10kgから13kgです(※7)。1ヶ月に1kgずつ程度の増加を目安にすると良いでしょう。つわりの症状が落ち着いてくると、食欲が増してきます。食欲が増すと食事量が増えるため、体重が増え過ぎてしまう場合があります。朝、昼、夕の3食をバランス良く食べるようにし、間食は食べ過ぎないようにしましょう。

妊娠中の体重増加指導の目安(*)は以下の通りです。

妊娠前の体重(**)
体重増加量指導の目安
低体重(やせ):BMI18.5未満12~15kg
ふつう:BMI18.5以上25.0未満10~13kg
肥満(1度): BMI25.0以上30.0未満7~10kg
肥満(2度以上): BMI30.0以上個別対応(上限5kgまでが目安)

* 「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し、個人差を考慮したゆるやかな指導を心がける」産婦人科診療ガイドライン産科編 2020 CQ 010 より
** 日本肥満学会の肥満度分類に準じた

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便秘やむくみ、腰痛対策をしっかり

妊娠中は腸の動きをゆっくりにするホルモンの働きや、大きくなった子宮による腸への圧迫によって便秘になりやすくなります。食物繊維や水分をしっかり摂って、毎日同じ時間にトイレへ行くようにしましょう。

妊娠中はママの身体の水分量が増えるため、足のむくみが起こりやすいです。塩分を控えた食事を意識して、休むときは足を少し高くしてみましょう。運動も全身の血行を促すため、むくみ対策に効果があります。

妊娠すると出産に備えて骨盤の関節を緩めるホルモンが分泌されるため、妊娠中は腰痛を経験するママがたくさんいます。前かがみや背中をそらした姿勢は、腰に負担がかかるので控えましょう。椅子には深く腰かけるようにしてください。骨盤ベルトの装着で腰痛が軽減される場合もあるので、医師に相談してから試してみてくださいね。

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仕事で無理をしない

妊娠中は同じ姿勢を続けることによって、お腹が張りやすくなります。特に立ち仕事はお腹が張りやすくなる仕事のひとつです。仕事でお腹が張ったり、疲れたりしたときは無理をせずに休息をとるようにしましょう。身体を横にして休むとお腹の張りが治ってきます。休息をとってもお腹の張りが軽減しない場合は、早めに退社して自宅で休み、病院を受診するようにしましょう。

妊娠中の夫婦生活に関する体験談と注意点

夫婦生活はほどほどに

妊娠中の夫婦生活はママとパパにとって不安や心配になることのひとつです。夫婦生活がいつからいつまで可能なのか、何に注意すれば良いのか気になることはさまざまあるでしょう。

妊娠中の夫婦生活はママの妊娠経過に問題がない限り、特に制限はありません。妊娠したら妊娠何週から何週まで夫婦生活が可能なのかという定義はないのです。しかしながらママと赤ちゃんのために、妊娠中の夫婦生活では以下の5つの注意点を守るようにしましょう。

・手と指は清潔にする
・コンドームを装着し、不潔な行為は避ける
・ママのお腹を圧迫しない体位にする
・ママの体調がすぐれないときはお休みする
・医師から切迫流産・切迫早産といわれている場合は夫婦生活を控える

第一子妊娠中だった先輩ママの事例

夫婦生活が原因で切迫流産になった初産婦のママの事例

つわり症状が落ち着いて、安定期に入った初産婦のママは夫婦生活を始めました。妊娠中の夫婦生活については、ママの身体に無理のない範囲なら可能と知っていたからです。しかし他の注意点はわからず、妊婦健診で医師に注意点を聞きたいと思っていました。しかし担当医師が男性のため、恥ずかしくて質問できずにいたのです。

ママは友人から「妊娠しているのなら避妊はしなくてもよい」という話を聞いて、腟内で射精する方法で夫婦生活を行っていたそうです。すると不正出血が起こり、お腹が張るようになってしまったのです。すぐに病院で診察してもらったところ、切迫流産と診断されて数日の入院が必要となりました。

妊娠中の夫婦生活について助産師からのアドバイス

妊娠したからといって夫婦生活を制限する必要はありませんが、コンドームを使用すると良いですね。精子には子宮を収縮させたり、赤ちゃんを包む卵膜の強さを低下させたりする作用を持つ成分が含まれています。そのため「妊娠中は避妊をしなくてもよい」という妊婦さんの友人の話は間違いです。

事例のように夫婦生活はデリケートな部分のため、ママは男性医師に質問しづらい場合もあるでしょう。医師は妊娠や出産のエキスパートなので、ためらわずに気になることは聞いてみてください。もし男性の医師に抵抗があるなら、助産師に相談してみましょう。夫婦生活の不安や心配なことは早めに解決して、ママとパパのコミュニケーションを大切にしてくださいね。

快適な妊娠生活を送るために安定期でも油断しないで

安定期でも妊娠していることに変わりはなく、無理をすると合併症を引き起こしたり、切迫流産・切迫早産につながったりする可能性があります。ママの体調や身体の変化に合わせて、油断せずに日常生活を送りましょう。また安定期は胎動を感じるようになり、お腹が大きくなり始める時期です。赤ちゃんの成長を実感しながら毎日を過ごしてくださいね。

※この記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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