【産婦人科医監修】 妊娠時の産婦人科の初診はいつ?初診料と検査内容、受診タイミング

妊娠しているかもしれないと思ったとき、産婦人科の初診はいつが良いのか、受診するタイミングが気になりますね。費用や診察にかかる時間、何をするのかなど、初めてのことばかりで不安な方もいることでしょう。ここでは、産婦人科を受診するタイミングや、初診の内容、初診料、妊娠検査の方法について詳しく解説します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 妊娠の兆候あり?まずは身体の状態を確認しよう
  2. 妊娠したら初診はいつ?妊娠検査薬の陽性反応後?
  3. 産婦人科の初診料
  4. 妊娠検査・初診の内容
  5. 服装・夫の同伴、初診時に気になること
  6. 産婦人科を受診するときの注意点
  7. 産婦人科の初診に関する体験談
  8. 妊娠の陽性反応が出たら、早めに受診を
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妊娠の兆候あり?まずは身体の状態を確認しよう

主な妊娠初期症状

個人差はありますが、妊娠初期に以下のような症状を感じる場合があります。

・身体がだるい、眠気がある
・おりものの変化
・下腹部痛
・身体のほてりや寒気を感じる
・味覚が変わる
・微量の出血がある
・胸が張る、痛くなる
など

上記に当てはまる症状があり、生理予定日を過ぎても生理がこない場合には妊娠している可能性があります。

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基礎体温の変化

女性の基礎体温は、生理周期によって変化します。生理が始まると基礎体温が低い「低温期」が2週間程度続き、その後「排卵期」になり排卵すると、基礎体温が高い「高温期」が2週間程度続きます。妊娠が成立していなければ、高温期の後に基礎体温が下がりますが、妊娠していると、そのまま高温期が続きます。

高温期が3週間以上続く場合は、妊娠している可能性があると認識しておきましょう。

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妊娠検査薬の判定

妊娠検査薬を使用して陽性反応が出たら、妊娠の可能性は高いといえるでしょう。ただし妊娠検査薬は、妊娠の可能性を判定するものです。このため妊娠の可能性がある場合には、病院(産婦人科)を受診する必要があります。

妊娠したら初診はいつ?妊娠検査薬の陽性反応後?

目安は生理予定日1週間後以降

一般的な妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使用できるとされています。しかし最近の妊娠検査薬は感度が高く、少しのホルモン量でも陽性反応を示すことがあり、早めの検査でも陽性反応になることがあります。とはいえ、このように陽性反応が出てすぐのタイミングで産婦人科を受診しても、妊娠の確定診断にはいたりません。

妊娠の確定診断ができるのは、胎嚢(たいのう)、胎児、胎児心拍が確認できてからです。胎嚢は妊娠5週頃にみとめられることがほとんどです。心拍は早いと妊娠5週頃、遅くとも妊娠6週末には確認できるでしょう(※1、※2)。

生理周期がはっきりとわかっている人は、生理予定日の1週間を過ぎたタイミングで妊娠検査薬を使用し、陽性反応が出たら病院を受診するようにしましょう。ただし生理予定日の1週間後を過ぎても陽性反応が出ず、しばらくしてから陽性反応が出る場合もあります。

妊娠週数の数え方(参考)

最後に月経(生理)が始まった日を妊娠0週0日として、妊娠週数をカウントします。生理予定日1週間後のタイミングで妊娠が確定したら、おおよそ妊娠5週目(妊娠2ヶ月)あたりになります。

ただし、検査薬が陽性反応を示すタイミングには個人差があるため、陽性となったときが妊娠6週目や妊娠7週目というケースもあります。また、排卵日がずれていると生理開始予定日も変わることから、妊娠週数や出産予定日は妊娠が確定した後に医師が総合的に判断します。

妊娠週数身体の変化<例>
妊娠0週目前回の月経(生理)開始
妊娠1週目前回の月経(生理)終了
妊娠2週目・妊娠3週目排卵・受精・着床
妊娠4週目本来であれば、次の月経(生理)開始
妊娠5週目妊娠検査薬で陽性反応が出始める時期
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産婦人科の初診料

全部で5,000~15,000円が目安

産婦人科の初診料は、病院の規模や設備によっても異なり、検査は一緒でも費用が大きく変わってきます。初診からしばらくのあいだは、多めにお金を用意して持っていくようにしましょう。妊婦健康診査(妊婦健診)はほとんどの自治体で助成を行っていますが、初診から妊娠確定までは対象外となるため実費での支払いが必要です。

医師の診察により妊娠が確定し、自治体の窓口へ妊娠を届け出ると、母子手帳が交付され医療機関で助成を受けるための妊婦健康診査受診票も受け取れます。妊婦健診時に妊婦健康診査受診票を提出すれば、費用の一部が助成されます。助成の内容は住んでいる自治体に確認しておきましょう。

初診料と診察料は別にかかる

初診料、定期健診代とは別に、超音波検査の代金など、諸費用が上乗せされることがあります。病院によっては、定期健診代の中に超音波検査代が含まれている場合もあるので、不安な方は事前に確認しておきましょう。

妊娠が正常なら保険は適応されない

妊娠が正常に成立していた場合は、「妊娠は病気ではない」ことから保険が適用されません。ただし、妊娠検査が陰性であったり、母体や胎児に異常があったりする場合には、保険が適用になることがあります。

妊婦健診では保険が適用にならないことがほとんどですが、妊娠に関連した病気の検査を行う場合や、妊娠中に風邪をひいた場合では保険が適用になることもあるので、保険証は必ず持っていきましょう。

妊娠検査・初診の内容

妊娠の検査で産婦人科を受診する場合のおおむねの流れと内容を紹介します。おおよそ何をするのかを知っておけば、少しは不安が軽減されるでしょう。

検査内容や検査にかかる時間は、病院によって差があります。可能であれば事前に電話などで受診予約をして、あらかじめ病院に検査内容や費用、持ち物など気になることを確認しておくと安心ですよ。

問診票の記入

初めて産婦人科を受診する場合は、問診票の記入から始めます。産婦人科へ来た理由や症状、前回の月経がいつであったか、妊娠・出産・中絶の有無、体重、持病や過去の病歴、アレルギーの有無などを記入します。

妊娠が無事に確認できれば、問診票に書かれた情報をもとに、出産までの妊娠経過を診ていくことになるので正確に書くようにしましょう。生理予定日を過ぎても生理がこないことや、妊娠検査薬で陽性反応が出たという情報も書いておきましょう。

尿検査

尿検査では、尿に含まれるホルモンの数値を測り、市販の妊娠検査薬と同じように妊娠しているかどうかを調べます。また、尿たんぱくや尿糖などの数値も同時に検査し、健康状態を調べます。

体重測定

初診時の体重をもとに、胎児の成長や体重管理を行っていきます。体重を看護師が計ってくれるところや、自分で計って申告するところなど、産婦人科によって方法はさまざまです。最初に測る体重をもとに出産まで経過を診ていくので、自分で申告する場合はごまかしたりせず、正しい体重を申告しましょう。

血圧検査

初診時に血圧が高めの人は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)になる可能性が高くなります。しかし、検査のときに緊張していたり、激しく動いた直後だったりすると、血圧が高く表示されてしまうこともあります。計測の際には落ち着いて、ゆったりとした気持ちで測定するように心がけましょう。

内診

婦人科、産婦人科の受診経験がない場合、内診を初めて受けるという人もいるかもしれません。内診では触診と腟鏡診が行われますが、どちらも腟内に指や器具を挿入するため、痛みを感じることもあります。

最初は恐怖心があるかもしれませんが、子宮の硬さや性感染症、子宮筋腫、卵巣の腫れの有無など、腹部からの超音波検査ではわからない症状を調べられる大切な検査です。できるだけ力まず、リラックスをして受けるようにしましょう。

超音波検査

超音波検査では、経腟プローブと呼ばれる棒状の器具を腟の中に挿入し、子宮の状態を調べていきます。妊娠が正常なものかどうか、双子(多胎妊娠)かどうかなども知ることができます。胎嚢や胎児の大きさも調べることができるので、検査時期によってはおおよその出産予定日もわかりますよ。

血液検査

血液検査では、隠れている病気がないかどうかを調べることができます。何かの病気に感染している場合、お腹の赤ちゃんに影響をおよぼす可能性もあるので、早期発見が重要です。赤ちゃんのためにも、血液検査は欠かせません。

医師からの説明

さまざまな検査を終えた後、医師から妊娠しているかどうかの診断を受けます。妊娠している場合でも、異常妊娠であるなど、何らかのリスクを背負っている可能性もあります。医師からの説明をよく聞き、今後について考えていきましょう。

その他の検査を受けることもある

尿検査や血液検査、内診など、基本的な検査を受けると初診は終了ですが、人によっては検査項目が増える場合もあります。問診の結果によっても、必要であれば他の検査を行うことがあります。また、産婦人科によっては独自で他の検査項目を組み込むところもあり、初診でクラミジアなどの性感染症検査を受けたという人もいるようです。

検査項目が増えることにより費用もかかるので、不安な方は事前に確認してから病院へ行くようにしましょう。

服装・夫の同伴、初診時に気になること

服装

多くの場合、妊娠の検査では初診時から内診を行います。このため内診がある前提で、着脱しやすい服装を選びましょう。ワンピースなら、内診台に上がるときに下着を脱ぐだけなので楽ですよ。ワンピースやチュニックなど丈が長い服装を選べば、比較的下半身が隠れるので内診時の抵抗が少ないという声も多いです。

また内診台に上がるときや体重計測のときに靴を脱ぐので、紐靴やブーツは避けると良いでしょう。

持ち物

産婦人科を初診で訪れる際にも、基本的には病院を受診するときと同じように健康保険証を持参しましょう。初診は少し高めなので、お金は多めに持って行くと安心ですよ。基礎体温を記録していた場合には、基礎体温表も念のため持っていきましょう。

夫やパートナーの同伴有無

産婦人科を訪れる際に夫やパートナー、家族などに同伴してもらうべきか悩む人は、少なくありません。夫や夫やパートナーの同伴は、必須ではありません。ひとりで産婦人科に行くのは心細い場合などは、夫や夫やパートナーと相談して一緒に行くのも良いでしょう。

ただし、初診では妊娠が確定しない場合もあるので注意が必要です。また病院には妊婦さんや体調が悪い人もいるため、同伴者は座れない場合もある点にも気をつけましょう。

夫やパートナーを初診に連れて行った先輩ママの体験談

初めての妊娠だったので、夫と一緒に産婦人科の初診に行きました。心細かったので一緒に行ってくれて嬉しかったのですが、圧倒的に女性が多い中で待たされた夫は終始少し気まずそうでした。

夫やパートナーを初診に連れて行かなかった先輩ママの体験談

産婦人科の初診には、旦那は連れて行かずひとりで行きました。あまり大きくない個人の病院で待合室が混雑していたため、旦那に同伴してもらわなくて良かったです。

二人目以降の初診

初診では、妊娠の確定が判断できない場合があります。このため二人目以降の妊娠の場合には、少し経ってから受診したほうが良いのではないかと考える人もいるようです。しかし正常な妊娠ではない可能性もあるため、適切なタイミングである妊娠5週目から妊娠8週目ごろまでには病院を受診しましょう。

産婦人科を受診するときの注意点

測っていれば基礎体温表を持参する

いつも基礎体温をつけている人は、産婦人科に基礎体温表を持って行きましょう。基礎体温表から現在の状況を推測することができ、妊娠している場合には、妊娠したタイミングや出産予定日がいつであるかの参考になります。妊娠が成立していなかった場合でも、今後の状況について相談することができますよ。

お金は多めに準備しておく

事前に初診にかかる費用がわかる場合は安心ですが、調べてもよくわからなかったり、予想外の検査が加えられたりする場合があります。また、初診での診察料金は、思っている以上にかかってしまうケースもよくみられます。初診からしばらくは、お財布の中身は多めに持参するようにしましょう。産婦人科によっては、次の料金の目安を教えてくれるところもあります。

最終月経や生理周期を確認しておく

最終月経や生理周期がわかると、妊娠している場合、妊娠週数の参考になります。妊娠が確認できない場合でも、最終月経や生理周期によって今の状況を推測することができます。あまり意識していない人もいるかもしれませんが、今では生理周期を管理できる便利なアプリもあるので、普段からチェックしておくといざというときに安心です。

フライング検査だと妊娠の判断ができないこともある

妊娠検査薬の使用時期である生理予定日1週間後を待たずに、妊娠検査薬を使用して検査することをフライング検査と呼びます。フライング検査では正しい結果が出ないこともあり、陽性反応が出たからといって必ずしも妊娠しているとは言えません。また、検査の時期が早いと、病院へ行っても妊娠しているかどうか判断するのは難しいようです。

妊娠の判断ができなかった場合は、生理予定日より1週間後以降に再度検査を行い、はっきりと陽性反応が出てから再度病院を受診しましょう。

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異常妊娠の可能性もあるので、受診は早めに

生理予定日の1週間後に妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、妊娠している可能性が高くなります。陽性反応が出たらすぐに産婦人科を受診する人が大半ですが、健診のたびにお金がかかったり、安定するまでは毎回不安だったりするため、受診するタイミングを少し遅らせようと考える人もいます。

しかし実際には正常な妊娠ではなく、化学流産や子宮外妊娠の可能性もあるので、陽性反応が出た後は早めに受診しましょう。

特に子宮外妊娠の場合は、病院で医療的な措置が必要になります。そのままにしていると、大量出血や感染症などで命が危険にさらされる場合もあります。産婦人科は遅くとも5~8週目までには受診するようにしましょう。

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産婦人科の初診に関する体験談

心拍が確認できるまで不安でした

筆者にはふたりの子どもがいます。そして、2回の出産のあいだに、2度の稽留流産を経験しました。2度の稽留流産のときは、産婦人科をいつ受診しようかソワソワしていました。結果、早い時期に受診したのですが、次の診察までちゃんと成長しているのかどうか、いつ心拍が確認できるのかどうかなど、不安だらけでした。そして不安が現実となり、とても悲しく、つらかったです。

胎嚢だけが見える状態から、2週間ごとに受診して、心拍が確認できるまで数週間かかります。初診のタイミングが早いと、流産の可能性も頭に入れておかなくてはならず、その分不安も大きいものです。

それでも、筆者は早いタイミングで受診して良かったと思っています。なぜなら、早いタイミングで受診したことで、結果的には流産になってしまったふたりの赤ちゃんの存在に気づくことができたからです。今でもそのエコー写真はとっておいてあります。初診のタイミングが早い分不安でしたが、それでも早く受診しておいて良かったと思った経験でした。

妊娠の陽性反応が出たら、早めに受診を

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、なるべく早いタイミングで受診しましょう。正常に妊娠が成立し、順調に成長しているなら問題ありませんが、異常妊娠や流産などの際には、早めの対応が必要になることもあります。ただし、フライング検査や早期妊娠検査薬での陽性反応の場合は、生理予定日1週間後を過ぎてからの受診をおすすめします。

妊娠検査薬で陰性が出た場合でも、生理がなかなかこないなど、いつもと違う症状を感じたら、早めに婦人科や産婦人科を受診しましょう。妊娠を望んでいる人は特に、現在の自分の身体の状態を診てもらうことで次につながる可能性もあります。

早く受診することで、流産の可能性などの不安を感じることもありますが、何かあってからでは遅いということは頭に入れておいたほうが良いかもしれません。いつ受診しようか迷っている人は、早めに受診してくださいね。

※この記事は2023年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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