【管理栄養士監修】妊婦におすすめの甘酒は?米麹や酒粕の影響は?飲み方の注意点、効果について解説
お米のやさしい甘みが特徴の甘酒は、栄養豊富で「飲む点滴」ともいわれています。妊婦さんは甘酒を飲んでも問題ないのでしょうか。また実際に、甘酒にアルコールは含まれているのでしょうか。甘酒に含まれる栄養や、甘酒を飲むときの注意点、おすすめの甘酒レシピなどを解説していきます。
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目次
甘酒とは?妊婦さんでも飲める?
甘酒には「米麹」から作るものと、「酒粕」から作るものが存在しています。甘酒は水分、糖分、塩分、アミノ酸、ビタミンなどがバランス良く含まれており「飲む点滴」ともいわれています。
しかし名前に「酒」が含まれていることから、甘酒にアルコールが含まれているのか気になる妊婦さんは多いのではないでしょうか。妊娠中でも安心して飲める、ノンアルコールの甘酒はあるのでしょうか。
米麹甘酒
妊婦さんが飲める甘酒が、「米麴甘酒」です。米麹とお米を原料とする米麹甘酒は、アルコール分を含んでいないので妊娠中でも飲むことができます。蒸したお米と種麹を混ぜて、保温しながら発酵させたものです。
麹菌のアミラーゼという酵素によって、お米のでんぷんがブドウ糖やオリゴ糖に分解されて、やさしく自然な甘さになります。お米の粒が残っているため、どろっとしたのど越しのものが多いです。
お米のミネラル分がそのまま残っていることが特徴であり、砂糖を加えていないのでカロリーも低めです。米麹甘酒にはビタミンB群、葉酸、ビオチン、ナイアシンなどの栄養成分が含まれています。
酒粕甘酒
酒粕に、水と砂糖を加えて温めて作ったものが「酒粕甘酒」です。酒粕は米麹に酵母菌を加え発酵させたもので、重量の約8%のアルコールが含まれています。酒粕甘酒には少量ですがアルコールが含まれています。妊娠中は注意しましょう。
酒税法上は「お酒」ではないため、家庭で作ることも可能です。糖分を後から入れるため、カロリーは米麹甘酒と比較すると少し高くなります。粒が残っていないさらりとしたのど越しと深いコクが特徴です。
麹菌と酵母で発酵するので栄養成分が豊富です。酒粕甘酒にはたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラル、β-グルカン、葉酸などが含まれます。十分に温めて、アルコールを飛ばした後なら妊娠中でも飲めますよ。
妊娠中に甘酒を飲んでしまった!赤ちゃんに影響する?
アルコールの影響
妊娠初期に、赤ちゃんがいることに気づかずに甘酒を飲んでしまったということがあるかもしれません。基本的に、甘酒に含まれているアルコールは少量なので、神経質になり過ぎる必要はありません。
市販されている甘酒の多くはアルコール度数1%未満であり、「清涼飲料水(ソフトドリンク)」として扱われています。しかし、アルコールに敏感な体質の人は体調を崩すことがあるため、妊娠に気づいてからは注意したほうが良いでしょう。
妊娠中にアルコールを常用すると、知能障害や発育障害のある胎児性アルコール症候群の子どもが生まれるリスクが高まります。妊婦は甘酒を飲む場合でも「ノンアルコール」と書かれたものを選んだほうが良いでしょう。
飲みすぎによる影響
砂糖を加えられていない米麹甘酒のカロリーは100mg当たり76kcaLです。(※1)砂糖が加えられている酒粕甘酒は、砂糖の量にもよりますが100mg当たり200kcaL程度です。
甘酒は栄養バランスが良く、適量であればダイエット中でも飲めますが、過剰摂取するとカロリー過剰となって太る可能性があります。妊娠中に急激に体重が増えると、妊娠高血圧症候群となるリスクが高まりますから、注意が必要です。
妊婦におすすめの甘酒は?
森永製菓 森永のやさしい米麹甘酒
市販の甘酒は酒粕を使ったものが多いですが「森永のやさしい米麹甘酒」は米麹と食塩のみで作られています。ノンアルコールなので、アルコール量についての心配は無用です。ほのかな甘さですっきりと飲めるので、飽きがこないのも嬉しいですね。
マルコメ 糀甘酒豆乳ブレンド
甘酒の味が少し苦手という人には、豆乳がブレンドされた「糀甘酒豆乳ブレンド」がおすすめです。米麹から作られているので、アルコールは0%ですし、豆乳のうまみが甘酒の甘みとマッチして飲みやすくなっています。ストローつきなので、どんなシチュエーションでもさっと飲みやすいのも良いですね。
八海山 麹だけでつくったあまさけ
八海山は新潟の酒造会社です。その酒造りの技術を用いて作られた甘酒が「麹だけでつくったあまさけ」です。砂糖不使用で、アルコールも入っておらず、上品な甘みがあると評判ですよ。ギフトにもおすすめです。
メロディアン 米麹甘酒
米麹を使用した、アルコールゼロの甘酒です。甘さ控えめでなめらかな口当たりです。こちらの甘酒はふた状のシールを取って、そのまま電子レンジで温められるので、手軽に温かい甘酒が楽しめますよ。
妊婦さんにとって嬉しい甘酒の効果
栄養が豊富
甘酒は寒い冬に飲むイメージがありますが、実は俳句では「夏」の季語です。昔は夏バテ防止のために甘酒が売られていたそうですよ。飲む点滴といわれるほど、健康に必要な栄養が豊富に含まれています。
まず、身体のエネルギーとなるブドウ糖やオリゴ糖が豊富です。これらは実際に栄養補給用の点滴にも含まれています。さらに、代謝を促す効果のあるビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群や細胞を作るのに必要な必須アミノ酸も多く含まれています。
便秘対策
妊娠中は便秘になるママが多いといわれています。ホルモンの分泌変化や、運動不足などで消化器官の働きがにぶることが一因のようです。甘酒には、オリゴ糖と食物繊維が豊富に含まれています。そのため、甘酒を飲むと便秘の改善につながるといわれています。
水分と水溶性食物繊維、不溶性食物繊維が含まれているので、便のかさを増し、腸内の老廃物を排出する効果があります。また、善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれる効果もあるので、便秘の解消だけではなく栄養の吸収も助けてくれますよ。
冷え対策
甘酒に含まれる酒粕には、血流を良くする効果があるといわれています。そのため冷え性の人が酒粕を食べると、手の表面温度が上昇し、血流量も増加すると考えられています。
酒粕を酵素で分解したものを摂取すると、一酸化窒素がつくられ、血管を拡張し血行が改善するようです。そのため甘酒を飲むことで、目の周辺の血流が増加し、目の下のクマの改善につながることがあります。
冷え性のママは、温かい甘酒を飲んでみると良いでしょう。ただし、甘酒の成分の中には、沸騰すると壊れてしまうものも存在します。甘酒を温めるときは弱火にして、60℃以上にならないように注意しましょう。
肌のしみ・くすみ予防
甘酒にはメラニンの生成を抑えるコウジ酸や、アミノ酸の一種であるシステインが含まれているため、紫外線でできる肌のしみやくすみを防ぐ効果があります。
また、皮膚や粘膜を正常に保つ効能があるビタミンB群も豊富です。抗酸化作用があるフェルラ酸も含まれるため、新しい細胞の生成を促し、美肌をサポートしてくれます。
妊娠中におすすめの甘酒の飲み方・摂取量は?
妊娠中の甘酒の摂取量
いくら栄養が豊富といっても、甘酒をお水のようにずっと飲み続けるのはおすすめできません。ノンアルコールで栄養が豊富だからと、妊娠中に大量に摂取し続けると栄養が偏る可能性があり、体重が増える一因となります。
一般的に、間食は一日200kcaL程度が適当といわれています。甘酒のカロリーは米麹甘酒で100mg当たり76kcaLなので、コップ2杯までにしたほうが良いでしょう。(※1)酒粕甘酒はさらにカロリーが高くなるので、妊婦が甘酒を飲むときは一日1杯までにしたほうが良いですね。
甘酒を飲むのにおすすめの時間帯
甘酒はカフェインが含まれていないので、寝る前に飲むことも可能です。いつ飲んでも問題ありませんが、目的別に飲む時間帯を変えても良いですね。甘酒には糖質の代謝を助けるビタミンB1や脂質の代謝を助けるビタミンB2、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6が含まれています。朝食時に甘酒を飲めば、エネルギー消費が促され、ダイエットに効果があるといわれています。
美肌効果や疲労回復効果を求めるのであれば、就寝前に飲むのがおすすめです。麹菌はメラニンの生成を防ぐため、美白効果があるとされます。午後10時~午前2時ごろは肌のターンオーバーが活発になる時間といわれているので、寝る前に甘酒を飲めば美肌効果が高まるかもしれませんよ。
妊娠中におすすめの甘酒レシピは?
野菜がおいしい甘酒しゃぶしゃぶ
■材料
・野菜や肉
・甘酒 300mL
・水 300mL
・昆布 一切れ
■作り方
1.水と同量の甘酒を混ぜ、昆布を入れて火をつける
2.弱火で沸かした後、野菜や肉に火を通してたれで食べる
■コツ・ポイント
いつものしゃぶしゃぶをお湯ではなく甘酒を使って作るレシピです。お肉や野菜、きのこなどを温めた甘酒にくぐらせて食べます。火をしっかり通し、生ものを食べるのは避けましょう。たれはポン酢でもごまだれでも構いません。ごまだれは甘酒のほのかな甘みに合いますし、ポン酢は酸っぱさが抑えられて食べやすくなります。
簡単甘酒豆乳シャーベット
■材料
・甘酒 お好みの量
・豆乳 甘酒と同量
■作り方
1.甘酒と豆乳をよく混ぜ合わせる
2.好きな型に入れて冷蔵庫で冷やす
3.1時間ぐらい冷やした後、空気を入れるように混ぜ合わせる
■コツ・ポイント
甘酒を凍らせると、つわりのときでも食べられそうなひんやりおいしいシャーベットになります。豆乳を入れると、甘酒のくせが緩和されてまろやかな味わいに。砂糖が入っていないので、糖質を気にしている妊婦さんにもおすすめですよ。
意外と簡単!手作り甘酒
■材料
・米(もち米) 1合
・水 540mL
・米麹 200g
■作り方
1.米と水を1:3の割合で炊いておかゆを作る
2.おかゆを60℃まで冷ます
3.米麹をほぐしながら混ぜる
4.炊飯器のふたを閉めずに布巾を乗せ、8時間ほど保温する。
■コツ・ポイント
温度が高すぎると麹菌が死んでしまうので、おかゆの温度管理(60~
63℃)には注意しましょう。途中で何度か味見をして、自然な甘みが出たら成功です。できあがった甘酒を保管するときや調理器具類は煮沸消毒してから使いましょう。
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甘酒を取り入れて健康的なマタニティライフを
米麹で作られた甘酒には、ビタミンや食物繊維、アミノ酸が含まれています。適量を飲むことで、日々の食事に足りない栄養を補うことができますね。
妊婦が甘酒を飲むときは、米麹が原料なのか、酒粕が原料なのか確認し、アルコールの含有量にも注意しましょう。ドリンクとしてだけではなく、料理の味つけとしても利用できますから、上手に甘酒を利用して妊娠生活を元気に乗り越えたいものですね。
※この記事は2024年4月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。