卒乳・断乳後のおっぱいのケアは?正しいケアで乳腺炎を予防しよう
子どもの卒乳・断乳が進むと同時に、ママのおっぱいケアを考えなくてはなりませんね。正しいケアを行うことで、つらい乳腺炎などのトラブルを防ぐことができるでしょう。ここでは卒乳・断乳後の母乳の止め方やケアの仕方について詳しく説明します。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
卒乳・断乳をするとおっぱいはどうなる?
授乳をやめても、急に母乳が出なくなるわけではありません。とくにもともと母乳が出すぎるママは、なかなか母乳の分泌が抑えられずに苦労することがあるでしょう。
授乳の間隔が空くと、行き場をなくした母乳がどんどんたまって、おっぱいが張っていきます。その状態を放置すると、おっぱいが詰まって乳腺炎になってしまうことがあります。乳腺炎になると、おっぱいの痛みにくわえて、頭痛、発熱、悪寒、吐き気などさまざまな症状に見舞われ、体調を崩して寝込んでしまうということもあるでしょう。
正しいケアを行うことにより、卒乳・断乳後のおっぱいトラブルを回避することができますので、実践してみると良いでしょう。母乳が出る仕組みについてはこちらで詳しく説明しています。あわせて確認してみてくださいね。
卒乳・断乳後のおっぱいのケア方法
正しいおっぱいケアを行うことによって、乳腺炎の予防につながります。ぜひ実践してみてくださいね。
おっぱいを軽く搾る
この方法は、1日に何回授乳をしているかによってやり方が違います。
まずはだんだんと授乳回数を減らしていきます。1日1回の授乳回数になったときに、最後の1回をなくしていくようにすると乳房への負担も少なくなるでしょう。
しかし、まだ授乳回数が2〜3回以上あるときに断乳しなければならないこともあると思います。その場合、断乳後は授乳に代わって搾乳を取り入れます。
たとえば、1日に4回の授乳をしているときに完全に断乳したい場合は、2〜3日間ほどは1日3回の搾乳にします。
次の2〜3日は1日2回、次の2〜3日は1日1回とだんだんと搾乳回数を減らしていきます。
ここで、時間をかけなくても乳房の痛みや張りがない場合は、もっと早いペースで搾乳回数を減らしても大丈夫です。
搾乳回数を減らしているあいだに、母乳を分泌するホルモンの活動が弱まってくるため、母乳の分泌量は少なくなります。
1日1回の搾乳で乳房の張りや痛み、しこりがない場合は、1日以上あけて次の搾乳をするようにすると良いでしょう。次の搾乳は、搾らなくても良さそうだと感じたらできる限り搾乳と搾乳の間隔をあけていきましょう。
たとえば3日目に乳房が張ってきた場合、乳房が楽になる程度に搾ります。乳房がやわらかく軽くなる程度で良いので、しっかりと搾りきらなくても大丈夫です。次は3日以上あいだをあけるようにし、搾らなくても問題ない場合は搾らないようにします。
搾乳しなくても乳房が張ったり、しこりになったりせず、1週間10日ほど日があく場合はうまくケアできていると考えて良いでしょう。
また乳房の張りがあるうちは、搾乳の後に刺激を抑えるために小さい保冷剤などで乳房を冷やすと良いでしょう。寒くなる場合は、無理をして冷やさなくても大丈夫です。
突然、授乳も搾乳もしなくなると乳房に負担がかかるため、少しずつ間隔をあけて溜まった母乳を出していくようにしましょう。多少時間はかかりますが、乳房への負担が軽くすみますよ。
卒乳や断乳の方法はさまざまな方法が紹介されていますが、自分に合う方法で実践できるといいですね。
搾乳するタイミングがよくわからない場合は、助産師に相談すると良いでしょう。
濡れタオルでおっぱいを冷やす
おっぱいのトラブルを回避するためには、まず母乳の分泌を抑えることが大切です。濡れタオルなどを利用しておっぱいを冷やし、母乳分泌の抑制を促しましょう。また、冷やすことによって、おっぱいの張りによる痛みを和らげる効果もあるので一石二鳥ですよ。
ペパーミントティーやセージ茶を飲む
ペパーミントティーやセージ茶を飲むのがおすすめです。ペパーミントティーやセージ茶は、母乳分泌の抑制や乳腺炎の予防に良いといわれています。断乳や卒乳を目指すママや、母乳分泌過多で困っているママの心強い味方になってくれるでしょう。
湯船につかからずシャワーだけにする
身体を温めると、母乳の分泌が盛んになります。身体がポカポカして気持ちが良い湯船ですが、断乳のケア中のママには不向きです。シャワーを浴びるだけか、半身浴程度にするのがおすすめです。
水分の摂りすぎを避ける
母乳をつくるために水分は必要不可欠であるため、水分を大量に摂取することが癖付いていることもあるかもしれません。断乳中は母乳の分泌を減らすために「通常よりも控えめに」ということを念頭に置き、通常の水分量に戻していきます。
卒乳・断乳後に気を付けたい食生活
授乳が終わりを迎えると、今までおっぱいのために食事を制限していたママたちも解放感から、ついいろいろな食事に手を出してしまいますよね。しかし、母乳の分泌が続いているあいだは、なるべく授乳中と変わらない食生活をするほうが良いといわれています。
食事と母乳の関係は科学的にはまだ立証されていませんが、人はそれぞれ体質が異なるため、食べ物が母乳の分泌量に影響を与えるケースもないとは言い切れません。たとえば授乳中に「脂っこいものを食べたらおっぱいが詰まった」などという経験があるママもいるでしょう。
そういった経験があるママは、断乳中に食事内容を大きく変えないほうが安心でしょう。自分の身体と相談しながら、少しずつ産前の食生活に戻していくと良いですね。
卒乳・断乳後に乳腺炎になってしまったら
卒乳・断乳にあたり、こまめなケアを行っていても、ママのコンディションが良くなかったり、細菌感染してしまったりすると、場合によっては乳腺炎になってしまうことがあるでしょう。
つらい痛みや発熱などの体調不良を伴う場合は、医療機関を受診することをおすすめします。乳腺炎が悪化すると、おっぱいに膿(うみ)がたまってしまい、場合によっては切開ということもありえます。
また、乳腺炎になるとしこりができ、「乳がんではないか」と不安になってしまうママもいるでしょう。自分で判断がつかない場合は、病院で診察してもらうと安心できますよね。念のため受診しておくと良いでしょう。
こちらで乳腺炎については詳しく説明していますので、あわせて確認してみてくださいね。
母乳を止める薬がある?
「どんなにケアをしても、おっぱいが止まらない…」というママもいるでしょう。個人差はありますが、断乳して1ヶ月くらいで母乳の分泌は止まるといわれています。数ヶ月たっても止まる気配がないという場合は、念のため、産婦人科や母乳外来などを受診することをおすすめします。
母乳の分泌が止まらない場合、医療機関によっては「カバサール」という薬を処方してくれるでしょう。母乳の分泌に影響を与えるプロラクチンを抑制することで、断乳に効果があるとされています。
診察する医師にもよりますが、卒乳・断乳後のおっぱいトラブルがひどく、薬が必要と判断された場合に処方されるようです。ただし薬による副作用も報告されているため、医師と相談の上、気を付けて服用する必要があるでしょう。
また、妊娠中は服用できませんので、少しでも可能性があるママは注意が必要ですよ。
正しいケアでトラブルを回避
授乳をやめたからといってすぐにおっぱいが出なくなるわけではありません。正しいケアを行うことで、おっぱいトラブルを回避しましょう。断乳後は子どものケアで手いっぱいになってしまいがちですが、ママ自身の身体も大切にしてあげてくださいね。