産後に生理がこない!病気?妊娠の兆候?二人目を妊娠希望の場合はどうする?
産後の生理再開の時期は個人差がかなり大きく、いつになったら始まるのかと不安を覚えるママもいるでしょう。母乳を出すホルモンは排卵を抑制する働きを持つため、母乳育児の場合は産後1年経って初めての生理がきたということもありますよ。ここでは、産後に生理がこない原因や産後の排卵を促す妊活方法などをご紹介します。
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目次
産後に生理がこないのは普通?原因は?
産後に生理が再開しない理由の多くは、ママの心身がまだ次の妊娠に向けて準備できていないことにあります。産後間もないときは心身ともに疲弊しているのが当たり前です。そのような状況ですぐに次の妊娠をするのは、精神面でも体力面でもリスクが高くなってしまうでしょう。
そのため出産後にしばらく生理がこないのは、ママの脳や身体が自らを守ろうとする生体反応といわれています。長いあいだ生理が再開しないと不安になってしまうかもしれませんが、心配ないケースがほとんどなのであまり気に病む必要はありませんよ。
「次の妊娠の準備がほぼ整った」と脳が判断すると、排卵を起こすためのホルモンが分泌され、排卵後に生理が始まります。おりものの粘り気が強くなったり量が増えたりするのは排卵日が近づいているサイン。そのような変化があったときは生理再開の兆候かもしれませんね。
では、生理が再開しないときの身体の状態はどのようになっているのでしょうか。産後のママの脳が「次の妊娠の準備ができていない」と判断する主な原因をみていきましょう。
母乳分泌のためにホルモンバランスが変わる
授乳期間中に生理がこないのはホルモンバランスの変化による正常な現象なので、悪いことではありません。どのようなホルモンバランスの変化により生理がこないのか、少しご説明します。
生理や排卵は、頭蓋骨のほぼ中心に位置する「下垂体(かすいたい)」という部分から分泌される「ゴナドトロピン」というホルモンの分泌量が変化することで起こります。下垂体は他にもさまざまなホルモンを分泌する役割があり、産後は母乳をつくる働きを持つ「プロラクチン」というホルモンを出します。
プロラクチンはゴナドトロピンの分泌を止める役目も担っており、脳の視床下部にある神経細胞を介してゴナドトロピンの分泌を止めるように働きかけます。これによりゴナドトロピンが分泌されなくなると排卵が起こらず、生理がこなくなるのです。
母乳育児のママの生理開始が遅れがちな理由は、このようなホルモン分泌の仕組みにあります。
子宮が完全に回復していない
子宮は10ヶ月の妊娠を通して、通常時の11倍にまで大きくなります。そして出産が終わると、分娩時に負った子宮内のダメージなどを修復しながら6~8週間かけて元の状態に戻ります。母乳育児をしていないのに産後の生理再開が遅れている場合は、子宮の回復がまだ完全でないのかもしれません。
産後の身体の回復を早めるには、バランスの良い食事や十分な休息、産褥体操などが有効です。また、骨盤が歪んでいると骨盤内にある子宮や卵巣の機能を低下させてしまうので、骨盤の歪みがある場合はケアをして正しい位置に戻しましょう。
ストレスや睡眠不足
ストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れると、生理を起こすホルモンの分泌に影響を与え、生理不順や無月経といった症状につながります。これは、自律神経とホルモン分泌がどちらも脳の「視床下部」という場所でコントロールされており、片方のバランスが崩れるともう片方にも影響が出てしまうためです。
産後のママの多くは、不安感やイライラなどのストレスを抱えたり頻回授乳や夜泣きによる睡眠不足が続いたりしています。パパやおばあちゃんの援助があまり受けられない環境にあるママは特にその傾向が強いでしょう。
日常的に強いストレスや睡眠不足が続いていて産後になかなか生理がこない場合は、一度婦人科を受診してみることをおすすめします。
産後の生理が再開する時期
産後の生理再開の時期は母乳育児のママよりミルク育児のママのほうが早いのが一般的です。それぞれの生理開始の平均的な時期や、生理が再開しないときに受診を考える時期の目安をご説明します。実際に産後の生理がいつから再開したのか、先輩ママの体験談も募りました。
母乳育児の場合
母乳育児のママの生理開始の平均は産後6~7ヶ月ごろとされていますが、母乳をつくるホルモンに排卵を抑制する働きがあるため、平均と大きく離れていても問題がない場合がほとんどです。
母乳育児をしている場合の産後の排卵に関して、約半数のママが20週までに、ほぼ全員が62週までに排卵が回復するという研究結果があります。産後1年半経ったときや断乳や卒乳をしてから3ヶ月間経っても生理が再開しないときは、念のため受診することをおすすめします。
長男を完母で育てたときは産後9ヶ月のときに生理が再開しました。断乳は1歳10ヶ月のときに行いましたが、断乳するまで生理周期が35~56日とバラバラでした。
30代後半でふたり出産しました。どちらも完母だったのですが、生理再開のタイミングがまったく違ったので驚きました。一人目は1年4ヶ月後に産後初めての生理がきました。通常の生理より量が少なく、久しぶりの生理だったからか生理痛もつらかったです。二人目の再開のタイミングは産後4ヶ月で、PMSや量、生理痛の重さは通常の生理とあまり変わりませんでした。
ちなみに、一人目の卒乳は3歳の誕生日ごろ、二人目は2歳の誕生日ごろでした。
ミルク育児の場合
ミルク育児のママの生理開始の平均は産後2ヶ月とされています。母乳育児に比べて個人差はあまりなく、産後10週までにはほぼ全員の排卵の回復がみられるようです。産後3ヶ月を過ぎても生理が再開しない場合は自律神経やホルモンのバランスが崩れている可能性もあるので、受診を考えてみましょう。
完ミで産後3ヶ月くらいに生理が再開しました。周りの完ミの知り合いも大体産後2~4ヶ月くらいに再開したようです。産後は妊娠前より生理痛が軽くなった気がします。量の変化はありませんでした。
産後に生理がこないのは妊娠兆候の可能性も?
生理再開前にも排卵の可能性はある
排卵は生理の前に起こるので、まだ生理が再開していなくてもすでに排卵はされているという可能性があります。排卵が起こっていれば妊娠することもあり得るので、次の妊娠をまだ考えていないときは産後初めての性交渉から避妊しましょう。
「妊娠したかも」というときは妊娠検査薬を試して
産後の生理開始が遅れていて妊娠初期症状がみられるなど、妊娠の可能性があるときは妊娠検査薬を試すことをおすすめします。妊娠初期症状には吐き気や下腹部痛、おりもの変化などがありますよ。妊娠検査薬を使用するタイミングは、性交渉のあった日の3週間後を目安にしてくださいね。
生理がこないけれど妊娠希望!妊活の方法6選
妊娠するためにはまず排卵が行われなければなりません。排卵は産後しばらくは抑制されている状態ですが、脳の視床下部が「次の妊娠の準備ができた」と判断すると再開されます。では、どうすれば「妊娠の準備ができている身体」になれるのでしょうか。
「生理の再開はまだだけれどそろそろ二人目がほしい」というママや「産後あまり間隔をあけずに次の妊娠がしたい」というママにおすすめしたい産後の妊活方法をご紹介します。
授乳を控える
母乳を分泌する「プロラクチン」というホルモンの影響で、授乳期間中は排卵が抑制されます。生理を再開させたい場合はまず授乳を控えてみましょう。夜間の授乳をやめたら生理がきたというママもいます。完全に断乳することが難しい場合は夜間断乳から始めてみても良いでしょう。
栄養バランスの良い食事をとる
ママが摂取する栄養が偏ってしまうと自律神経やホルモンバランスが整わず、生理の再開が遅れがちです。育児が忙しく炊事や食事の時間があまり確保できないときは、具だくさんのスープや鍋料理など効率良くたくさんの食材を食べられる料理がおすすめですよ。
こまめに睡眠
産後は頻回授乳などで夜にまとまった睡眠がとれない日々が続いてしまいますよね。睡眠時間が足りていないときは、赤ちゃんと一緒に20~30分お昼寝をするなど、こまめに睡眠をとるのがおすすめです。
あまり長時間昼寝をしてしまうと夜間の睡眠に影響してしまうので注意しましょう。1日合計で最低7~8時間の睡眠時間を確保できると良いですね。
身体を冷やさない
東洋医学では「冷えは万病のもと」とされており、「冷え」による血行不良が生理不順の一因にもなると考えられています。「冷え」の解消方法でおすすめなのは、首筋をホットタオルで温めること。首の後ろには太い血管が通っており、そこを温めることで一気に血行が良くなりますよ。
お腹や下半身を温めたり、ショウガやネギ、根菜類などの身体を温める食材を積極的に食べたりすることで「冷え」の改善を実感しているママも多いようです。
基礎体温を測る
妊活する際は基礎体温を計り、いつ排卵が起こるのか予測することが大切です。産後も基礎体温の記録を付けていれば、生理の再開前に排卵の回復が確認できるかもしれません。産後初めての生理は排卵を伴わず、2回目以降の生理から排卵が回復するケースも多くありますよ。
高温期と低温期がはっきり分かれていない場合は無排卵月経である可能性が高いので、基礎体温の記録を付けてきちんと排卵が行われているか確認してみましょう。
不妊治療も検討して
授乳やストレス、睡眠不足など生理を遅らせる原因に心当たりがなく産後に生理が再開しない場合は、不妊治療を検討してみても良いでしょう。一人目は自然妊娠をしたのに産後に無月経になってしまったという「二人目不妊」の例も少なくありません。
思うように妊活が進まないというママは一度不妊外来で相談してみることをおすすめします。
産後の生理トラブル!考えられる病気は?
産後2回目・3回目の生理がこない
産後に生理が再開した後に生理不順や無月経の症状が出るのは、ホルモンバランスがまだ整っていないためであることがほとんどです。産後初めての生理はホルモン分泌が正常に行われておらず、無排卵月経であるケースも多くあります。
通常は2回目、3回目の生理から自然に排卵が伴い、徐々に生理周期も安定してきます。生理周期が3ヶ月以上空いてしまう場合は他の原因があるかもしれないので受診を検討しましょう。
息子は完母だったのですが、生後4ヶ月くらいに一度生理がきました。ちょうど授乳間隔を少し空けようとした時期でした。しかしその後、授乳間隔の調整を諦めたところ、また生理がこなくなり、1歳8ヶ月で本格的に再開しました。卒乳は2歳でしたよ。
産後、生理痛はかなり楽になりました。量も減った気がします。妊娠前は血の塊なども出ていたのですが、今は本当に軽いです。
産後1年以上生理がこない
授乳をしていないママが産後1年以上、授乳をしているママが産後2年以上経っても生理がこない場合は「高プロラクチン血症」という病気である可能性があります。高プロラクチン血症は無月経や生理不順がある女性の3分の1にみられる病気で、不妊治療で病院にかかり発覚するケースも多くあります。
直接命に関わるような病気ではありませんが、不妊につながるため、次の妊娠を考えているママは特に早めに治療を開始することが大切です。産後あまりにも長く生理不順や無月経が続く場合は受診しましょう。
ストレスをためずにホルモンバランスの回復を促そう
産後はママの身体が回復していく過程で、ホルモンの分泌も段階を踏みながら妊娠前の状態に戻っていきます。次の妊娠を考えているママは生理がなかなか再開しないことに焦ってしまうかもしれませんが、あまり気に病んでしまうとそれがストレスになり悪循環に陥ってしまいます。
基本的には「産後の生理開始は個人差が大きいもの」と割り切って穏やかな気持ちでホルモンバランスの回復を待ちましょう。断乳や卒乳をしても3ヶ月以上生理がこない場合などはホルモンバランスが整わない理由があるかもしれないので、一度病院に相談することをおすすめします。