産後の食事のポイント!おすすめの食べ物・簡単レシピは?無理せず栄養をたっぷり摂ろう! 【管理栄養士監修】
産後のママの疲労回復をはかるには、栄養バランスの取れた料理を食べることが大事です。「産後の食事は何に注意すればよいのか」「産後におすすめの簡単手抜きレシピが知りたい」といった疑問を持つママは多いでしょう。ここでは、産後の肥立ちをはじめ産後に必要な栄養素を含む食材や、手抜きなのにおいしいと評判の料理のレシピを紹介します。
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目次
産後のママの身体の回復には食事が大切!
妊娠・出産という大仕事を終えたママの身体は、時間をかけて妊娠前の状態に戻ろうとします。特に出産後から6~8週目までの産褥期(さんじょくき)は、子宮の収縮や悪露(胎盤の残りや、卵膜、子宮内膜など)の排出など、ママの身体の変化が大きな時期です。
産後間もないママは、分娩によって体力が消耗されており、腹部に痛みを感じることが多いでしょう。ママの身体の回復のためにも、産褥期はむやみに身体を動かさないことが大切です。
一方で、生まれて間もない赤ちゃんは睡眠時間が不安定で、ママは睡眠不足に悩まされことがあるでしょう。母乳育児が軌道に乗るまでは数時間おきの授乳が必要なこともあり、赤ちゃんのお世話には体力を使います。
産後のママは、身体の回復を助けるためや、育児のための体力をつけるために、栄養バランスの良い食事をとることが大切です。
産後のママに必要な栄養とは?
妊娠中には、赤ちゃんの身体を作るためにママの身体の中からカルシウムが失われやすくなります。また、出産による出血や悪露・授乳によって鉄分が足りなくなり、貧血を起こしやすくなるママもいるでしょう。産後は、疲労回復を意識した栄養バランスの良い食事をとることを心がけましょう。
産後に意識して摂りたい栄養素は下記の通りです。
・良質なたんぱく質
・ビタミン
・ミネラル(特に鉄とカルシウム)
産後におすすめ「まごわやさしい」
産後に必要な栄養を摂るためにおすすめの食材のキーワードが「まごわやさしい」です。「まごわやさしい」の食材を使ったメニューは、身体に負担をかけずに必要な栄養素をバランス良く摂取できる理想の食事といえます。具体的な食材は次の通りです。
・ま:豆類(たんぱく質・ビタミン・食物繊維)
・ご:ゴマ(たんぱく質・食物繊維・ミネラル)
・わ:わかめ/海藻類(ビタミン・ミネラル・食物繊維)
・や:野菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)
・さ:魚(たんぱく質・DHA・EPA)
・し:しいたけ/きのこ類(ビタミン・食物繊維)
・い:いも(炭水化物・ビタミン・食物繊維)
いずれも日本人になじみ深く、日本人の健康を支えてきた食材です。栄養をバランス良く摂ることができるため、産後のママはもちろんのこと、パパやほかの家族にもおすすめです。スーパーなどで手に入るものばかりなので、普段の食事メニューに意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
産後にママの食事のポイント
産後のママが知っておきたい料理のポイントや、食事の注意点について解説します。
「主食」を中心にエネルギーをしっかりと摂る
主食とは、主に炭水化物の多く含まれる料理のことでご飯・パン・麺類が挙げられます。糖質制限ダイエットの流行により、ご飯などの炭水化物は太るというイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、育児には体力を使うため、主食であるご飯を食事の中心にして、エネルギーをしっかり補給することが大切です。
特に母乳育児をしているママは、妊娠前よりも約350kcal多くカロリーを摂取する必要があるといわれています。母乳育児が順調に進めば、食事量が多少増えてもスリムになるママが多いようです。
不足しがちなビタミン・ミネラルを「副菜」でたっぷりと摂る
ビタミンやミネラルは、ママの身体の調子を整えるために必要な栄養素です。野菜や大豆製品、海藻類を使ったサラダや煮物を副菜として料理に取り入れましょう。特にのりやおから、かんぴょうなどの日本の伝統的な食材には、ビタミンとミネラルが理想的なバランスで含まれているため、積極的に食べることをおすすめします。
身体作りの基礎となる「主菜」を適量摂る
メインのおかずである主菜は、身体作りの基礎となる良質なたんぱく質を中心に考えましょう。たんぱく質は肉や魚、豆類などに多く含まれています。
肉類を食べすぎると脂質の摂りすぎになるのではと心配になる方が多いでしょう。そういったときは、白身魚や大豆製品をメインにした主菜がおすすめです。特に大豆や大豆製品には、たんぱく質のほかにビタミンなどの栄養素も含まれています。産後の美容や健康維持にもぴったりの食材です。
牛乳・乳製品などを組み合わせてカルシウムを十分に補う
産後のママが意識したいのがカルシウムの摂取です。妊娠中は、赤ちゃんの身体を作るため、ママの身体のカルシウムが失われがちです。
赤ちゃんの丈夫な身体を作るために、母乳にはカルシウムが豊富に含まれています。母乳をあげているママが十分なカルシウムを摂取していない場合、ママの骨からカルシウムが使われるため、将来骨粗しょう症になる可能性が高まります。母乳育児をしているママは、特にカルシウムを補うことが必要です。
そのため、牛乳や乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)を料理に取り入れてカルシウムを補うようにしましょう。牛乳や乳製品が苦手な方は、小松菜や豆腐、小魚を多く食べるようにしてくださいね。
貧血予防のための食事を心がけよう
出産時の出血や母乳育児により、産後のママは貧血に陥りやすい状態になっています。そのため、鉄の摂取を意識して貧血予防を心がけましょう。
鉄は魚介類や海藻類、ホウレンソウなどの野菜に多く含まれています。プルーンなどのドライフルーツからも鉄分が摂取できるので、おやつ代わりに食べても良いですね。
母乳育児と食事の関係は?
「ママの食事内容が母乳の量や質に影響する」と言われることがあります。
これについてははっきりと断言することはできませんが可能性は示唆されています。ママが食べたご飯は、胃や腸を通して消化されてから血液中に溶けていき、最終的に母乳として赤ちゃんのもとに届けられます。辛味成分のカプサイシンは、母乳中に移行して赤ちゃんの皮膚炎を引き起こす原因になるというデータもあります。授乳中の食事は、完全に影響がないとは言い切れませんので注意をしましょう。
また、ママの健康と赤ちゃんの健康のためには食事の栄養バランスが重要です。育児には多くの体力を消耗しますので、栄養バランスの良い食事をとり、健康を維持することを心がけたいですね。
産後に手軽に栄養補給できる食べ物は?
産後はバランスの良い食事が大事だとわかっていても、1日に何品も料理するのは大変ですよね。赤ちゃんが頻繁に泣いてしまうようであれば、短時間で用意できて後片付けが簡単なメニューが好ましいでしょう。
ここでは産後に簡単に栄養補給できる食材をピックアップしているので、ぜひ参考にしてください。
グラノーラ・シリアル
簡単に食べられる食事メニューとしておすすめなのがグラノーラやシリアルです。商品によってはドライフルーツやナッツ類などがミックスされ、ビタミンやミネラル、食物繊維などをより手軽に摂取できます。未開封であれば保存性が高いため、出産前から購入しておくのも良いでしょう。
牛乳やチーズなどの乳製品
牛乳や乳製品にはカルシウムやたんぱく質が豊富に含まれています。牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を上手にとり入れてみてはいかがでしょうか。
ウェブの記事や育児雑誌などには、「ママが牛乳を飲むと母乳の質が悪くなる」「赤ちゃんが牛乳アレルギーになる」といった情報が掲載されていることがあります。しかし、牛乳が母乳に直接的に影響を与えることに関しての科学的根拠はありません。とはいえ、牛乳を大量に摂取するとお腹を壊してしまうおそれがあるので、飲みすぎには注意しましょう。
スムージー
普段から朝食は食べないというママは少なくないでしょう。しかし、母乳育児の場合、朝食を省くと栄養不足になったり、貧血になったりすることがあります。
冷蔵庫の中の余ったフルーツや野菜をふんだんに使用したスムージーは、栄養価が高く、デザートにも適した飲み物です。最近大豆製品を食べていないという方は、豆乳やきな粉を加えるのもおすすめです。ただし、あまりに冷たい飲み物は身体を冷やすことがあるので、十分に注意しましょう。
産後の食事におすすめの簡単レシピ
ここでは、育児に追われているママや、普段料理をしないパパでも簡単に作れる料理を紹介します。いずれも栄養バランスに優れており、作り置きやリメイク・アレンジにもぴったりのレシピです。
鍋料理
鍋料理は材料さえ切っておけば煮えるのを待つだけなので、産後の忙しい時期にもおすすめのレシピです。野菜やお豆腐、ゴマなど、「まごわやさしい」の食材を積極的に活用しましょう。
食材の旨味が出たスープは捨てず、翌日の雑炊や鍋焼きうどんにアレンジしてみてはいかがでしょうか。手抜き料理でも十分においしく食べられます。
具だくさんのお味噌汁・豚汁
具だくさんのお味噌汁や豚汁は、白いご飯にぴったりの一品です。季節の野菜やお豆腐を使用し、ボリュームたっぷりに仕上げましょう。汁物は作り置きにも向いているメニューです。
お味噌汁の下ごしらえには、切干大根や乾燥わかめ、乾燥きのこなどの乾物を使うと便利です。乾物は栄養素が凝縮されており、保存がきくというメリットもあります。家に常備しておくと良いでしょう。
炊き込みご飯
市販の炊き込みご飯の素は便利ですが、食材の触感や香りを楽みたい場合は手作りしてみると良いかもしれません。手作りというと面倒なイメージがありますが、きのこ、さつまいも、塩昆布など、家にある食材を上手に組み合わせるだけで、簡単においしい炊き込みご飯が作れます。
炊き込みご飯は、おかずがなくてもおいしく食べられるのがメリットです。残ったご飯はおにぎりにし、翌日の朝食や昼食用に作り置きしておきましょう。
産後の食事に宅配サービスを利用するのもおすすめ!
産褥期のあいだは、赤ちゃんを連れて買い物に出かけることや、たくさんの料理をつくることは困難です。里帰り出産の場合は家族のサポートに甘えましょう。里帰り出産でない場合は、パパや周りの人を頼るようにしてくださいね。
なかなか周囲のサポートが得られない場合は、宅配サービスの利用を考えてみませんか。ネットで簡単に注文でき、いつでも食材を届けてくれるネットスーパーは、大変便利です。事前に1週間分の献立表を考えておき、まとめて購入すると良いでしょう。
料理する手間を省きたい場合は、すでに調理済みのご飯やおかずが届く配食サービスや、出前など、状況に応じて使い分けるのもおすすめです。
産後は寝不足やストレスが多く、体調の悪化や精神的に不安定になりがちです。あまり無理をせず、自分の身体をいたわることが大切です。頑張りすぎには注意しましょう。
食事は身体の健康をつくる基本!上手に手抜きしながら栄養を補おう
産後はホルモンバランスが変化したり、育児に追われて睡眠不足になったりと、心や身体の健康が乱れやすくなります。赤ちゃんのお世話を優先し、自分の健康をおろそかにするママは多いでしょう。
食事はママの身体の健康にとって重要なものです。手抜きメニューや作り置き、宅配サービスを上手に取り入れながら、栄養バランスの良い食事がとれると良いですね。