【産後のママに寄り添う】「産後ケアリスト」とは?サポート内容や料金・利用方法を紹介

産後のママは身体の疲れと心のゆらぎを抱えて不安定になりやすいものです。そのようなときに頼りになるのが、ママに寄り添い助けてくれる産後ケアリストです。民間サービスである産後ケアリストについて、ママと赤ちゃんのためのサポート内容や利用方法、料金などを紹介します。(この記事は2021年11月時点の情報をもとに作成しています)

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 産後のママの身体と心の状態は?
  2. 産後ママをサポートする「産後ケアリスト」とは?
  3. 産後ケアリストのサポート内容は?
  4. 産後ケアリストの利用方法・料金は?
  5. 産後ケアリストのサポートで家族も笑顔に
  6. あわせて読みたい

産後のママの身体と心の状態は?

ママの身体が回復しようと変化する時期

妊娠・出産は、ママと赤ちゃんの身体と心に大きな影響を与えます。

主に産後6~8週間までは産褥期(さんじょくき)と呼ばれ、ママの身体が妊娠前の身体の状態に回復しようとする変化と、赤ちゃんのために母乳を分泌しようとする変化とが同時に起こる時期です。このようにママの身体に大きな変化があるときは、できるだけ身体を休めることが大切とされています。

しかし、実際には数時間おきの授乳やおむつ替えなどでまとまって休む時間がとりづらく、育児に対する責任感や不安が募り、精神的・身体的な疲労がたまりやすくなっているママも少なくありません。

※産褥期…ママの身体が妊娠前の状態に戻るまでの期間。おおよそ産後6〜8週間まで。

マタニティブルーズと呼ばれる症状も

産後数日〜10日程度は、不安や気持ちが落ち込むマタニティーブルーズの症状があらわれ、心身ともに不調が続き落ち込みやすい時期とされています。マタニティブルーズの症状は一時期で終わることでほとんどですが、症状が長引く場合は医師や助産師に相談して早めに対処できると安心です(※1)。

近年は、近くに祖父母が住んでいないなど核家族化が進み、ママがひとりで子育てや家事を担う場面も増えてきました。産後うつや夫婦仲にズレが生じる産後クライシスも気になる方も多いでしょう。できるだけ産後のママの負担を減らすためにも、ママと赤ちゃんのそれぞれに合ったサポートを上手に活用していけると良いですね。

産後ママをサポートする「産後ケアリスト」とは?

「産後ケアリスト」とは、一般社団法人日本産後ケア協会の認定資格を取得し、産後のママのサポートを行う人のことをいいます。出産後の女性の心と身体、子育てをサポートする訓練を受けており、ときにはマタニティ期から子育て環境を整える手伝いをします。

産後のママは赤ちゃんを迎えて嬉しく思う反面、身体の不調や育児に対する不安、夫婦関係に関する悩みなどを抱えてしまうことがあります。産後ケアリストはそんなママの気持ちに寄り添い心の声に耳を傾けながら、子どもの成長に合わせたさまざまな支援を提供していく人たちといえます。

産後ケアリストのサポート内容は?

産後ママの身体のサポート

産後のママは腰痛、産後腱鞘炎、尿失禁など、さまざまな身体のトラブルに見舞われることがあります。そこで産後ケアリストはママの体力回復と健康的な生活のために、ママや赤ちゃんをとりまく環境を整えたり育児のお手伝いをしたりとさまざまなことに取り組みます。

たとえば、バランスのとれた食事や料理のサポート、十分な休息と睡眠確保のためのアドバイス、産褥体操や骨盤ケアなどに関する情報提供など、ママが子育てしやすいよう充実した内容が特徴です。ママがゆっくりと身体を休めることで、疲れたときや気分が落ち込んだあとなども少しずつ前向きに育児ができるようサポートします。

産後のママたちの心のサポート

赤ちゃんがお腹の中にいるあいだ、ママは赤ちゃんが生まれたときのイメージや心がまえをゆっくりと育んできましたね。幸福感に包まれたゆとりのある育児をイメージしていた人もいるかもしれません。

しかし、実際に赤ちゃんのお世話が始まると「きちんとできているか」「栄養が足りているか」「泣き止まないのはなぜ」と気になることが絶えず、不安な気持ちになることがあります。特に産後は気持ちの波が大きいケースも多く、夫や家族に対してモヤモヤとした気持ちを抱えて自分を責めてしまうことも珍しくありません。

産後ケアリストはこうした産後のママ特有の不安や悩みを受け止め、ゆっくり安心して母親になるためのサポートをします。夫や祖父母との関係調整のアドバイスや、退院および帰宅の付き添いも行っている支援のひとつです。

子育てや生活のサポート

赤ちゃんのお世話をしながら生活リズムを心地良く整えていくには、少し時間が必要とされています。上の子どものお世話があったり、早々に仕事に復帰をしなければいけなかったりする場合もありますよね。

育児の環境を整え、赤ちゃんがいる生活に慣れるまでのサポートをするのも産後ケアリストの仕事です。食材や生活用品の買い出し、家事代行といった家事サポートや、赤ちゃんと一緒に外出する際の付き添い、上の子どものお世話を含む育児サポートなど、大人の手が必要なときにママの心強い味方になってくれますよ。

産後ケアリストの利用方法・料金は?

自治体のサービスを利用する

たとえば、京都市では産後ケアリストがいる産婦人科に産後ケアを委託し、施設を利用したママに対して助成を行っています。このような公的な産後ケアは、全国各地の市町村が主体となり実施しています。サポート内容には産後ケア施設による宿泊型や通所型のサポート、担当者が自宅に訪問するアウトリーチ型のサポートなどがあり、いずれも無料~数千円程度の料金で利用できることがほとんどですよ。

しかし、現在産後ケアリストの派遣や利用助成を行っている自治体はまだ多くありません。サポートを実施する事業者や利用条件は自治体によって異なるため、産後ケアリストのサポートを希望する場合は住民票がある自治体に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

また産後ケアリストのサポート以外でも、自治体でさまざまな産後ケア事業を行っているケースもあります。産後ケアのサポートや申し込み内容が気になる場合は、同じく各自治体に問い合わせて確認できると安心ですね。

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民間のサービスを利用する

産後ケアリストは、日本産後ケア協会が運営する訪問型の産後ケアサービス専門サイト「MAMA’S HEAVEN」から申し込みが可能です。申し込みには5つのステップがあります。

1.希望の産後ケアリストを検索
2.サイトから登録・申し込み
3.希望の産後ケアリストと面談
4.産後ケアリストから見積もり・サポート内容の提示
5.見積内容の承認後、料金を振り込み申し込み完了

現在サイトで紹介されているのは、登録された産後ケアリストの一部に限られています。掲載されていない産後ケアリストも在籍しているため、利用地域などに希望があれば事務局に問い合わせてみましょう。

利用料金は産後ケアリストのキャリアや依頼内容などによって異なりますが、2~3時間の利用で5,000円~10,000円が目安です。

産後ケアリストのサポートで家族も笑顔に

産後は急激にママの身体の回復が行われる時期とされています。疲れたなと感じたときは、ママはできるだけ自分のことをしっかりとケアしてあげたいものですね。しかし、ママになると赤ちゃんのこと、家族のこと、家のことを優先することになり、なかなか思うように休みが取れないこともあるかもしれません。

そのようなときには、思い切って誰かに頼ってみてはいかがでしょうか。近くにサポートをお願いできる人がいないときは、産後ケアリストをはじめとする民間サービスや自治体のサポートを利用してみるのもおすすめです。ママが心と身体をしっかり休めて穏やかに過ごせることで、赤ちゃんや家族が笑顔になれるよう育児ができると良いですね。

この記事は2021年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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