【助産師監修】ママの強い味方、産後ケアはどこで受けられる?産後ケア事業の種類や期間もご紹介
核家族化や出産年齢の高齢化、女性の社会進出など、妊娠・出産を取り巻く環境が大きく変わってきています。こうした中、不安や悩みを抱えて孤立しがちなママに寄り添う「産後ケア」の重要性が高まっています。ここでは、産後ケアを利用するメリット、自治体による産後ケア事業の概要、民間サービスの特徴や内容について解説します。
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目次
産後ケアとは?
出産前と出産後では、ママの身体や環境が大きく変わったという方も少なくありません。赤ちゃんのお世話で生活リズムも不規則となり、心身に不調を感じるママもいることでしょう。そこで近年注目されるようになったのが、ママに寄り添いながら心と身体の回復をサポートする産後ケアです。
産後ケアでは、ママがしっかり休息をとり、気力と体力に満ちた状態で育児できるよう支援します。サポート内容はママの身体のケアから悩み相談、育児指導、赤ちゃんの預かりなど多岐にわたり、ママが心穏やかに子育てできる環境を整えてくれますよ。
産後ケアはどこで受けられる?いつからいつまで利用できる?
自治体による産後ケア事業
2021年(令和3年)4月1日に「母子保健法の一部を改正する法律」が施行され、自治体による産後ケア事業の拡充が図られました(※1)。全国の自治体では子育て世代包括支援センターを中心に、地域の病院や助産所と連携してママや赤ちゃんへの支援を実施しています。
民間企業による産後ケアサービス
産後ケアを行う民間のサービスも多く登場しています。民間サービスには家事代行やきょうだいのお世話までを請け負う訪問型や、食事やエステ付きの産後ケアが受けられる滞在型施設などがあり、料金や時間に応じたプランが選べます。
出産直後から産後1年まで
出産を経たママの身体が妊娠前の状態に戻るまで、通常6~8週間ほどかかるといわれています。この期間を「産褥期」といいます。従来の自治体などが行う産後ケアは、この産褥期を含む出産後4ヶ月頃までのママを対象に実施されてきました。
しかし現在では、入院期間が長期化する場合やママのメンタルヘルスケアの重要性について見直され、産後ケアを利用できる期間は出産直後から産後1年までに延長されています。
産後ケアはなぜ必要?
母体の回復を助ける
分娩後の子宮は産後9~13日ころにはお腹の外から触ってもわからないほどに収縮し、産褥期が終わるころには元の大きさに戻ります(※2)。さらに、骨盤底筋群の緊張は4~8週頃には回復するといわれています(※3)。
一方で、一日に何度も行う授乳やおむつ替え、抱っこといった動作は身体への負担が大きく、産後半年を経過しても尿漏れや腰痛などのトラブルを抱えているママも少なくありません。
長期にわたる痛みや不快感を予防するためにも、産後すぐからママが身体を休めるためのサポートが必要です。
マタニティブルーズの解消
出産が終わり胎盤が排出されると、妊娠を継続するために増加していた女性ホルモンが急激に減少します。こうしたホルモン量の変化や産後の疲れから、精神的に不健康な状態にあると感じているママは半数近くにのぼります(※4)。
産後にふいに涙が止まらなくなったり、イライラしたり、落ち込んだりする症状をマタニティブルーズといい、産後数日ごろにあらわれはじめ、産後10日頃には軽快するといわれています(※5)。しかし、なかにはマタニティブルーズから産後うつへと移行する人も存在します。
産後うつは出産後2~3週間後以降に発症の傾向がみられることから、産後のできるだけ早い段階で産後ケアを受け、心の負担を解消することが大切です。
自治体による産後ケア事業とは?
産後ケア事業の対象となる人
自治体による産後ケア事業は、産後に心身の不調や育児不安を抱えていたり、家族や親せきから育児のサポートが十分に受けられなかったりなど、支援を必要するママを対象にしています。
医療的な助成制度ではないため、ママや赤ちゃんが感染性の疾患にかかっていたり、医療的な治療が必要だったりする場合は利用できません。
2021年4月の母子保健法の改正にともない、利用者の選定基準や利用時期が変更されているため、期間や対象などの利用条件については住んでいる自治体の最新情報を確認してみましょう。
産後ケア事業の種類
実際に産後ケアは、助産師・保健師・看護師による専門的なサポートが受けられます。自治体によっては保育士や管理栄養士といった専門家を配置していることもあります。
産後ケアの実施方法には自宅に助産師が訪問する居宅訪問(アウトリーチ)型、提携する医療機関や助産所を日帰りで利用する通所(デイサービス)型、施設に宿泊する短期入所(ショートステイ)型の3種類があります。利用料や利用できる日数は自治体によって異なります。
産後ケアセンターがある地域も
各自治体では妊娠前から育児期にかけ、子育て世代に対しする支援を途切れることなく実施できるよう、さまざまな取り組みが行われています。
産後ケア事業における産後ケアセンターの開設もそのひとつです。公的な産後ケアセンターを整備することで、医療機関、保健所、子育て支援機関などとの連携が生き、必要な情報や支援策を必要なタイミングで届けられます。
民間のサービスよりも安価で支援を受けられるのも魅力です。すでに東京都世田谷区、埼玉県和光市、千葉県浦安市、山梨県などでは産後ケアセンターが活用されており、全国でも整備が進められる予定です。
産後のママを支えてくれる人たち
産後ドゥーラ
産後ドゥーラとは、一般社団法人ドゥーラ協会の講座・研修を経て認定を受けた産前産後のママを支えてくれる女性のことです。妊娠中から出産後一年半までのママの気持ちに寄り添い、子育てや家事をサポートします。「これをやって欲しい」という明確な希望がなくても、ママの声に耳を傾け、安心できる環境を作ってくれます。
提携する自治体やクリニックでサポートを受ける方法と、個人契約で利用する方法があります。
産後ケアリスト
産後ケアリストとは、一般社団法人日本産後ケア協会の認定を受けた人です。産後や赤ちゃんに関する知識と技術、経験で産後のママを支えます。心、身体、家事、育児、情報提供による包括的なサポートで質の高いケアサービスを提供し、子育ての良きアドバイザーとしてママに寄り添ってくれますよ。
産後ヘルパー
産後ヘルパーは産後のママと赤ちゃんやその家族のお世話をする人です。自治体の産前・産後ヘルパー派遣事業のサービスとして、自治体が委託した事業者から派遣されるケースと、民間の産後ケアサービスを利用するケースがあります。
保育士などの国家資格やホームヘルパーなどの民間資格を持つ人が対応する場合が多く、事業者によって対応可能なサービス内容が異なります。事前にサービス内容を確認し、自分に合った事業者を選ぶようにしましょう。
産後ケアを利用して産後のトラブルを防ごう
身体の痛み、睡眠不足、思い通りにいかない不安や苛立ちと、産後のママには身体的にも精神的にも大きな負担がかかっています。産後のトラブルが慢性化しないうちに、トレーニングを受けた人からのサポートやケアを受けて心も身体もリフレッシュしたいですね。
特に産後のママはひとりで悩みを抱えて孤立してしまいがちです。漠然とした悩みでも、豊かな経験を持った人と話しているうちに解決することもありますよ。産後ケアのサービスをじょうずに利用して、穏やかに育児を楽しみましょう。
※この記事は2021年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。