母乳育児で自然に痩せる?授乳は産後のダイエットに効果的?

母乳育児をしていて、妊娠中に増えた体重がみるみる落ちたと感じるママは多いようです。また、久しぶりに体重計に乗ったら自然と体重が減っていたというママもいます。実際に母乳育児をしていると、体重は落ちやすいのでしょうか。ここでは、母乳育児は産後のダイエットに効果的なのか、また、カロリーはどのくらい消費するのかを紹介します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 母乳育児で痩せる?授乳はダイエットに効果的なの?
  2. 母乳育児で痩せる理由!授乳中に消費するカロリーは?
  3. 授乳中に痩せたい!産後ダイエットはいつから始める?
  4. 母乳育児中に健康的に痩せるには?産後ダイエットのコツ
  5. 母乳育児中の産後ダイエットの注意点
  6. ママが食べたものは母乳に影響する?
  7. 母乳育児じゃないとダイエットはできないの?
  8. 産後ダイエットの基本はバランスの良い食事と適度な運動
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母乳育児で痩せる?授乳はダイエットに効果的なの?

母乳育児をしていると、妊娠中に増えた体重がみるみる減ったというママも多いようです。また、しばらく体重計に乗っていなかったら、ダイエットを意識していないのに体重が減っていたという人もいるでしょう。

産後の体重を落とすためにも、母乳育児はダイエットに効果的なのでしょうか。

ママの産後の回復を手助けしてくれる

母乳育児が推奨される理由のひとつが、ママの産後の回復を促すことだといわれています。出産のときに、産院で医師や助産師さんから聞いたママも多いでしょう。母乳育児のメリットは、以下のようなことがあげられます。

・子宮の回復を助けて、産後の出血(悪露)を減少させる
・閉経前の乳がん・卵巣がん・子宮体がんの予防につながる
・骨粗しょう症の予防につながる
・妊娠糖尿病を減少させる
・避妊効果

主に、分娩後から6~8週間の「産褥期(さんじょくき)」といわれる時期は、10ヶ月かけて徐々に大きくなったママの子宮や身体が、元に戻ろうと変化をする時期です。母乳育児は、ママの身体の回復を促すとされています。

母乳を出すことでカロリーを消費する

母乳は、一般的に60~70kcal/100mLとされています。そのため、赤ちゃんに母乳を与えること自体が、ママのカロリー消費につながります。1日の摂取カロリーよりも消費カロリーが多いのであれば、ダイエットにつながるでしょう。

しかし、授乳による消費カロリーを意識するあまりに、摂取カロリーを減らしてしまうと、育児・家事と忙しいママの身体がもちません。適度なバランスの良い食事を心がけながら、無理なく授乳をしていきましょう。

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母乳育児で痩せる理由!授乳中に消費するカロリーは?

授乳中に消費するカロリーは、おおよそ500kcal/1日とされています。これは、ウォーキングなら25分程度、ジョギングなら15分程度の消費カロリーに値します。そう考えると、授乳はママの身体に負担がかかっているということがわかりますね。

成人女性における1日の摂取カロリーは、年齢や身長・活動量などで個人差がありますが、1800~2200kcalが一般的です。また「日本人の食事摂取基準の概要」によると、授乳中には一般的な摂取カロリーに加えて、350kcal多めにカロリーを摂取するのが好ましいとされています。

まずはママが、自分が1日にどれくらいのカロリーを消費するのか目安を知ると良いでしょう。授乳中は、摂取カロリーの目安より少し多めにカロリーを摂取するように心がけて、栄養を補給できると良いですね。

授乳中に痩せたい!産後ダイエットはいつから始める?

産後ダイエットは、出産から1ヶ月経ち、健診で医師から許可が出てからスタートするのが好ましいでしょう。産後のママの身体は、心身の回復や家事・育児などで負担がかかりやすい時期です。母乳ダイエットは、ママの身体のことも考えて、子宮の戻りや心の安定などを医師に確認してもらってから行ってください。

特に、産褥期は、妊娠中に30cm程度まで大きくなったママ子宮が、元に戻ろうと収縮がおこる時期です。妊娠、出産を経験した身体は想像している以上にダメージを受けているので、産後すぐは、身体の回復を優先して過度なダイエットは控えましょう。

母乳育児中に健康的に痩せるには?産後ダイエットのコツ

バランスのとれた食生活を心がける

母乳育児中は、妊娠中に引き続き、バランスのとれた食生活を送ることを心がけましょう。母子手帳に記載されている「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考にして、主食を中心にエネルギーを蓄える食事に調整するのが望ましいとされています。

母乳をあげていると、すぐにお腹がすいて甘いものが食べたくなるママも多いようです。しかし、糖質や脂質の摂りすぎは血糖値が上がり血液をドロドロにし、乳腺のバランスが崩れて、乳腺炎といって乳腺が詰まり、胸の張りや高熱の原因につながるということを聞いたことがあるママもいるのではないでしょうか。

ママが摂取した糖質や脂質によって乳腺炎を引きおこすということは、今のところ医学的に証明されていません。しかし、甘いものを食べ過ぎたあとに乳腺炎になったという体験をしたことのあるママも多いようです。乳腺炎にならないためにも、バランスのとれた食事を心がけたいですね。

日本では、授乳中は和食が中心の、根菜類がたっぷり含まれた汁物や、鶏肉やお豆腐といった高たんぱく、かつ、低カロリーの食品を使った献立が推奨されています。献立に困ったときは、和食中心のメニューを考えてはいかがでしょうか。

水分をしっかりとる

授乳期は、頻繁に喉の渇きを感じるママが多いようです。実際に赤ちゃんは月齢や個人差があるものの、1日に1L程度の母乳を飲むといわれています。そのため、ママは2L/1日程度の水分補給をすると良いようです。

水をたくさん飲むのが苦痛というママは、スープやお味噌汁、温かい麦茶で水分を補給しても良いですよ。しかし、アルコールは、授乳中に摂取すると、母体血中濃度から90~95%が検出されるというデータがあるため、控えるようにしましょう。

また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは母乳に影響するものの、1日2~3杯程度であれば問題ないといわれています。カフェインが気になるママにはノンカフェインのたんぽぽ茶がおすすめです。少し甘みがあるので、リラックスしたいときにもおすすめですよ。

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適度な運動を取り入れる

妊娠中は、身体を思い切り動かす運動ができなかったというママが多いでしょう。そのため、産後は、基礎代謝が低下して脂肪が付きやすくなるとされています。基礎代謝を上げるためにも、軽い運動を取り入れて基礎代謝を高めるよう意識してみましょう。

出産数日後から、産褥(さんじょく)体操や骨盤矯正など、軽いストレッチ運動をすすめている産院もあります。産褥体操は、出産で緩んだママの身体や骨盤を回復させる手助けをして、血行を良くする働きがあります。入院中は、無理のない回数から始め、徐々に回数を増やして取り組めると良いですね。

退院したとしても、産後すぐはママの身体の回復を優先したい時期です。また、慣れない育児で寝不足が続くことがあるしょう。そのため、引き続き過度な運動は控えて、無理のない範囲で行える産褥体操やストレッチがおすすめです。

ウォーキングなど身体を動かす運動は、産後の1ヶ月健診で、ママの身体が順調に回復していると医師に判断をしてもらってからにしましょう。まだ赤ちゃんが外出できない時期は、自宅でヨガやストレッチを行うなど、ゆっくり行える運動で基礎代謝を高めてくださいね。

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2~3日に一度は体重計に乗る

母乳ダイエットに限らず、自分の体重の変化を知ることはダイエットにおいて大切なことです。できることなら、2~3日に1回は体重を測ると良いでしょう。

産後ダイエットを始めるときに、妊娠前の体重を目指すなど目標体重を決めても良いですね。しかし、注意したいのは、ストレスにならない程度に目標体重を設定するということです。産後は赤ちゃんのお世話や家事が優先になり、ダイエットどころではないこともあります。目安としては、1ヶ月で1kg程度の減量を目標にしてはいかがでしょうか。

時間に余裕があれば、体重を記録しても良いでしょう。産後は赤ちゃんのお世話におわれて、ママの生活は二の次になりがちです。しかし、どれくらいの期間でどの程度の体重の変化があったかを知ることで、食事や生活リズムを見直すチャンスにつながります。

とはいえ、赤ちゃんのお世話をしながら、自分の体重を記録していくのは大変なことです。時間に余裕があるときだけでも大丈夫です。身体のコンディションを知るためにも、体重を測り、記録しておけると良いですね。

母乳育児中の産後ダイエットの注意点

しっかりと栄養をとる

日本では一般的に、授乳中は和食が中心の食事スタイルをすすめられます。また、助産師からおやつは和菓子を選ぶようにと教わったママもいるでしょう。

母乳は多くのカロリーが赤ちゃんへ移行するので、カロリーの摂取が低いと、人によっては体重が減り過ぎてやつれることがあります。そのため、自分の1日の摂取カロリーを把握して、できる範囲内で栄養を取ることが必要です。

産後は、慣れない育児や睡眠不足から疲労がたまりがちです。そのため、栄養をとならければと思っていても、食事がおろそかになることがあるでしょう。食事による栄養が偏ると、ママの身体の回復が遅れるなどトラブルの原因になることがあります。

育児や家事などが忙しく、十分な食事がとれないときは、主食をメインに口にするだけでも大丈夫です。また、食事量より、母子手帳の食事バランスガイドを参考に、バランスの良い食事を少しずつ摂ることを意識しても良いでしょう。

栄養を摂ることがストレスにならないように、たまにはパパと外食や出前を楽しんでも良いですね。

無理な減量をしない

産後のママの身体は、おおよそ半年かけて徐々に回復をします。産後すぐは、妊娠中に増えた体重を急激に戻そうと無理をすることで、さらにママの身体に負担がかかります。すると、ママの身体が休息を必要として、体調を崩すことがあります。また、産後に急なダイエットをすることで、母乳が出にくくなるということがあるようです。

そのため、無理な減量は控えましょう。バランスの良い食事と適度な運動を心がけて、急激に体重が減らないように気をつけてくださいね。

ストレスになるようなダイエットをしない

産後に痩せたいと思うママは多いようです。しかし、10ヶ月かけて徐々に増えた体重を落とすのは、簡単ではありません。そのため、痩せたいと思うあまりに、ダイエットがストレスになるママが少なくないようです。

家事や育児をパパと分担したり、祖父母に手伝ってもらったりしていますか。産後は、育児に家事とママは忙しい時期なので、ストレスがたまりやすい時期です。まずはストレスをためないためにも、可能な範囲で周りの人に育児や家事に参加してもらいましょう。

また、ママがひと息つける時間を大切にしてください。いつもと違ったフレーバーのお茶を飲むだけでもリラックスできるはずですよ。

ママが食べたものは母乳に影響する?

ママが食べたものが、母乳に影響するという話を耳にしたことがあるママも多いでしょう。赤ちゃんが母乳を飲んでくれないと、「食べ物が悪いのではないか」「母乳育児ダイエットができないのでは」と心配になりますよね。

ママの食べたものが母乳に直接影響するという医学的な根拠は今のところないようです。WHOによると、「高脂肪・高塩分の食べ物が母乳に影響すると考えられているが、確定的な証拠はない」とされています。

しかし、昔から日本では、母乳育児には和食中心の生活が良いといわれています。また、油っぽいものや甘いものを食べ過ぎると、乳腺炎になったという経験をしているママが多いのも事実です。

そのため、母乳育児がダイエットにつながるというよりも、ママが無理のない範囲でバランスの良い食事をとることと適度な運動を心がけることで、健康的な身体を維持できると考えた方が良いでしょう。もし、赤ちゃんが母乳を飲んでくれなかったり、乳腺が詰まったという症状が出た場合は、授乳方法を見直すとともに、食事に気を付けると良いかもしれませんね。

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母乳育児じゃないとダイエットはできないの?

母乳育児が推奨されているなかで、母乳が思うように出なかったり、さまざまな理由からミルク育児をしているママもいます。母乳育児ダイエットと聞くと、ミルクで育てた場合はダイエットができないのかと疑問を抱くママも多いでしょう。

ミルク育児でも、産後の身体の回復が順調にすすみ、トラブルなく体重が妊娠前に戻ったというママがたくさんいます。産後は無理のない範囲で適度な運動を取り入れたり食事に気を付けたりすることが、産後の身体の回復を促して、健康的な身体を維持できるとも考えられるのではないでしょうか。

どのような育児方法でも、ママは愛情をもって赤ちゃんに接していることには変わりはありません。自信を持って自分らしい育児を進めてくださいね。

産後ダイエットの基本はバランスの良い食事と適度な運動

「産後の母乳育児がダイエットに効果的なのか」という議論はさまざまな見解があり、医師や助産師によって意見が違うことがあります。

また、母乳育児が直接ダイエットにつながるかというと、明確な答えがないのが事実です。しかし、昔から日本では、授乳中は和食中心の食事にしたり、適度な運動を心がけたりして血行を促進することが推奨されています。それが母乳の分泌をスムーズにして、産後のママの身体の回復とダイエットにつながるともいわれています。

さまざまな見解はあるものの、産後ダイエットの基本は、バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、ママの体調を維持することだと考えられます。そのため、ママは、可能な範囲で育児や家事を協力をしてもらい、妊娠・出産で負担のかかった身体をいたわった生活を心がけられると良いですね。

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