母乳とは?おっぱいが出る仕組みと母乳の成分・栄養・カロリーを解説

妊娠すると、産後に母乳が出るかどうか心配になるママも多いでしょう。母乳はそもそもなぜ出るようになるのでしょうか。ここでは、母乳の仕組みと、はたらき、成分や色、カロリーについて解説します。

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この記事の監修

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産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 母乳が出るまでの仕組みって?
  2. 母乳は血液でできている?母乳が赤くないのはなぜ?
  3. 母乳のはたらきって?
  4. 母乳の成分、栄養は?
  5. 母乳の免疫成分とは?
  6. 色や味はどんなもの?
  7. 母乳のカロリー
  8. 授乳にかかる消費カロリー
  9. 母乳の基本知識を知って、日ごろから母乳チェックをしましょう
  10. 産後から授乳期のママの栄養補給に
  11. あわせて読みたい

母乳が出るまでの仕組みって?

母乳に関わる4つのホルモン

母乳が出る仕組みには、次の4つのホルモンが大きく関わっています。

・プロラクチン:母乳の生産をするようはたらきかける
・エストロゲン:乳腺の発達を促し、妊娠中は母乳が出るのを抑制する
・プロゲステロン:乳腺の発達を促し、妊娠中は母乳が出るのを抑制する
・オキシトシン:オキシトシン反射を介して母乳を外に出す

母乳を作る準備

妊娠をすると、不思議とおっぱいが張るようになりますよね。これは妊娠をきっかけに「エストロゲン」が増加し、乳腺(にゅうせん)と呼ばれる母乳の通り道が発達するためです。

おなじく「プロゲステロン」も乳腺の発達に役立っています。このホルモンは子宮筋の収縮を抑えて妊娠を維持するためのものです。妊娠すると体温が上がるのもプロゲステロンの作用のひとつとされています。

母乳が作られるしくみ

母乳の分泌には「プロラクチン」が大きく関係します。このホルモンが乳腺にはたらき、母乳の分泌を促すのです。

赤ちゃんが産まれると、ママの身体から胎盤が排出されるため、そこで分泌されていた「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンが急激に減少します。それにより、これまで母乳の分泌を抑えていたはたらきが弱まり、母乳の生産準備をしていた「プロラクチン」が活発に働くようになります。そして乳房にたくさんの血液が流れ込み、母乳がつくられるのです。

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母乳が出るしくみ

母乳を噴出させるためには、「オキシトシン」のはたらきが必要です。オキシトシンは赤ちゃんが乳首を吸う刺激によって分泌されます。母乳を乳房から積極的に押し出す、いわゆるポンプのような役割をしているのです。

つまり、母乳をつくるのが「プロラクチン」、母乳が通る道を作るのが「エストロゲン」と「プロゲステロン」、その母乳を押し出すのが「オキシトシン」というイメージですね。

母性ホルモン、しあわせホルモンって何?

乳腺を発達させ母乳を作るプロラクチンは、「母性ホルモン」とも呼ばれ、赤ちゃんを守ろうという気持ちを作るホルモンといわれています。また、オキシトシンは「しあわせホルモン」と呼ばれることもあり、ママに幸福感や恍惚感(こうこつかん)を与える作用があるようです。

何もしないでも母乳は出てくるの?

母乳を噴出させるのはオキシトシンですが、このホルモンは、赤ちゃんに乳首を吸ってもらうことが刺激となり分泌されます。そのため、母乳を出すためには、赤ちゃんに乳首を吸わせることが大切になります。最初のうち母乳が出にくいと感じていた場合でも、何度も赤ちゃんに吸わせることで出るようになってくることが多いようです。

また、オキシトシンはストレスが影響して、分泌が弱まるといわれています。オキシトシンの分泌が弱まると、母乳が出にくくなってしまいます。産後は忙しく、ストレスをためてしまいがちですが、赤ちゃんと一緒にお昼寝したり、パパや家族に育児の協力を仰いだり、できるだけ休養してストレスをためないようにしましょう。

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母乳は血液でできている?母乳が赤くないのはなぜ?

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ママの母乳は血液から作られています。ママが食べ物から摂取した栄養分は血液を伝わり、姿を変えて母乳となります。では、なぜ血液は赤いのに母乳は赤くならないのでしょうか。

これは、血液が母乳に変わる際に、赤色の元となる赤血球は吸収されず、そのほかのたんぱく質や白血球、栄養が母乳へ吸収されるからです。

血液のもとにもなる食事の栄養バランスが、母乳の出に影響してしまうこともあるといわれています。バランスの良い食事を心がけ、質も量も良い状態の母乳を出せるようにしましょう。

母乳のはたらきって?

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母乳のはたらきには大きくわけて「赤ちゃんを守るはたらき」「赤ちゃんを成長させるはたらき」「産後の回復を助けるはたらき」の3つがあります。ここではそれぞれについて詳しく紹介します。

赤ちゃんを守るはたらき

産後1週間以内に出る初乳には、病気の感染やアレルギーから赤ちゃんを守る免疫物質が豊富に含まれているとされています。

赤ちゃんを成長させるはたらき

母乳には赤ちゃんの成長に必要な栄養素などが含まれています。三大栄養素といわれるたんぱく質、脂質、炭水化物のほか、微量栄養素のビタミン、ミネラル、そしてホルモン、酵素などの成分がバランス良く含まれています。

産後の回復を助けるはたらき

母乳の出を促すためのオキシトシンというホルモンには、子宮を収縮させるはたらきもあります。母乳育児ではなくても産後の母体は回復するようですが、授乳は妊娠によって拡がった子宮を回復させる助けをしてくれるはたらきもあります。

母乳の成分、栄養は?

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母乳の出方には個人差がありますが、産後2~3日後に出始めます。それから3~5日間は「初乳」と呼ばれる特別な母乳が出ます。産後6~14日間は「移行乳」と呼ばれる淡い黄色の母乳が出ます。それ以降の母乳は「成乳」と呼ばれています。

母乳の主な栄養素は以下の通りです。
●脂肪、たんぱく質、炭水化物(乳糖)、ミネラル

初乳の成分

初乳はその後の母乳に比べて、色が黄色く粘りけがあります。これは、通常の母乳に比べて、脂質や糖質が少なく、特殊なたんぱく質が比較的多く含まれているためです。初乳に含まれるたんぱく質には、感染症やアレルギーの予防のはたらきがあるといわれています。

移行乳・成乳の成分

移行乳、成乳になると、免疫物質などの濃度は下がりますが、乳糖(炭水化物)や脂肪が多く含まれます。タンパク質や免疫成分は、初乳と比べると少ないですが引き続き含まれています。乳糖、脂肪それぞれの働きは以下の通りです。

●乳糖
カルシウムの吸収やビフィズス菌の繁殖を助け、体内をめぐってエネルギーを供給する
●脂肪
赤ちゃんにとって主要なエネルギー源であり、脳神経の発達を助ける

母乳の免疫成分とは?

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母乳には免疫物質が豊富に含まれ、生まれたばかりの赤ちゃんを守ってくれています。母乳に含まれる免疫物質とそのはたらきは以下の通りです。

●白血球
赤ちゃんの消化管の中で、病原体から守る。また、赤ちゃん自身の免疫反応を促す成分を分泌する。

●ラクトフェリン
抗菌・抗ウイルス作用があり、大腸菌やカンジダ菌、C型肝炎ウイルスなどへの抵抗力を高めるといわれている。

●グロブリンA(分泌型免疫IgA)
赤ちゃんの口から入り喉や胃、腸の粘膜を保護し細菌やウイルスの進入を防ぎ、赤ちゃんを風邪やアレルギーの発症から守る。

●グロブリンG(IgG)
赤ちゃんが生まれる前に、ママの胎盤からもらう免疫物質であり、水疱瘡や風疹・麻疹などの感染症から守る。

色や味はどんなもの?

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初乳~成乳で色が異なる

母乳をあげ始めてから成乳になるまでに、母乳の色は変化をします。初乳は黄色がかっていますが、だんだん薄くなりうっすらと青みがかった白い母乳へとかわります。これが理想的な色といわれていますが、その日のママの体調や食べものによっても変化があるようです。

注意したい母乳の色は、黄緑色やオレンジ色をしているときです。これに加え、粘り気があり、胸にちょっと振動があるだけで痛みを感じる場合は、乳腺炎になってしまっている可能性があります。症状がつらく、不安を感じたら医療機関で診てもらうようにしましょう。

飲み始めから終わりで色が異なる

1回の授乳で出る母乳にも色の変化があるようです。

出始め:水分中心の薄いもの
中盤:たんぱく質が多い、少し濃いもの
終盤:脂肪分たっぷりの濃厚なもの

母乳はよく、それだけで「フルコースの食事」といわれます。最初は水分たっぷりな母乳でのどの渇きをいやし、次に栄養価の高いたんぱく質。最後に脂肪分たっぷりでお腹いっぱいに満足する。というように、飲みやすさや栄養までバランスよく作られているのです。

母乳の色を確認するとき、薄すぎる、濃すぎるという心配があることもありますが、このような仕組みがわかっていると少し安心できますね。

母乳の味

基本的に、甘い母乳が良い母乳とされています。赤ちゃんが飲みづらくなる母乳は、酸っぱかったり苦かったりとさまざまで、ときには辛いこともあるようです。

ただし、味の感覚は人それぞれですので、日ごろからママ自身で母乳の味をチェックしておくと良いでしょう。赤ちゃんが母乳を飲まなくなったとき、母乳の味が原因かどうか調べることができますね。

母乳のカロリー

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母乳のカロリーは、赤ちゃんの月齢により違いがあるようですが、100mLあたり60~70キロカロリーといわれています。同じように粉ミルクのカロリーは、100mLあたり65~70キロカロリーのものが多いようです。

授乳にかかる消費カロリー

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母乳育児を続けていると、1日に300~500kcalを消費するといわれています。完全母乳で育てるママの場合、食事を摂り過ぎなければ自然と痩せていき、産前の体重に戻るケースもあるようです。

しかし、授乳中は、その分カロリーを消費するため、お腹がずっと減っているような感覚でついたくさん食べてしまう…というママも少なくありません。あくまでも摂取カロリーと消費カロリーのバランスが関係するため、一概に授乳でダイエットできるとは言えないでしょう。

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母乳の基本知識を知って、日ごろから母乳チェックをしましょう

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母乳には赤ちゃんにあった、栄養バランスの良い成分が含まれていることがわかりましたね。栄養が豊富な母乳を赤ちゃんにたくさん飲ませてあげたいと思うママはたくさんいるでしょう。また、赤ちゃんが母乳を飲まないと悩むママも少なくありません。しかし、母乳の出方は人それぞれです。日ごろから母乳チェックをすることで、赤ちゃんが母乳を飲まなくなった際に、原因がわかりやすくなるかもしれません。あまり神経質にならずに、ゆっくりとママと赤ちゃんに合った方法を探していけると良いですね。

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Img018出典:e43.jp
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