混合育児の方法とコツ!ミルクの足し方・量・間隔は?夜だけの場合はどうする?|助産師監修

【助産師監修】混合育児とは母乳とミルクの混合栄養で育児を行うことです。混合育児は母乳が足りないときにミルクを補うケースが多いですが、ママに育児の負担が集中するのを避けるためにミルクを足す場合もあります。ここでは混合育児の方法やミルクの足し方について説明します。夜間の授乳のみミルクにしたいという方も参考にしてくださいね。

623381

本ページはプロモーションが含まれています

この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 混合育児とは?母乳とミルクを混合で育てるメリットは?
  2. 混合育児のやり方!ミルクの量や足し方は?
  3. 混合育児で夜だけミルクにする場合は?
  4. 混合育児はいつまで?完母への移行の仕方は?
  5. 混合育児は母乳育児とミルク育児の良いとこどり
  6. あわせて読みたい

混合育児とは?母乳とミルクを混合で育てるメリットは?

混合育児とは、母乳とミルクの混合栄養による育児方法のことを指します。母乳育児とミルク育児はそれぞれ違ったメリットがあり、混合育児の場合は、以下に示した母乳育児とミルク育児の良いとこどりができます。

■母乳育児のメリット
・母子間のコミュニケーションがとれる
・免疫を与えられる
・母体の回復を早める
・費用がかからない、など

■ミルク育児のメリット
・ママ以外でも対応できる
・腹持ちが良い
・場所を選ばない、など

混合育児を行うケースについて、2つに分けて説明します。

母乳育児のメリットや食事との関係は?母乳育児の基礎知識
赤ちゃんのミルクのメリット、デメリット!飲ませ方と注意点

母乳で足りない赤ちゃんの栄養を補うケース

母乳の分泌量が少ない、あるいは赤ちゃんが上手におっぱいを飲めないなど、赤ちゃんに必要な栄養を母乳だけでは満足に与えられないときに、ミルクで補うケースがあります。特に出産直後は母乳が十分に出ないことが多く、母乳育児が軌道に乗るまでのあいだ、ミルクを使うママは多いでしょう。

【体験談】母乳が出なくてもあきらめないでください!

出産したものの、母乳が出なくて悩むお母さんが多いと思います。私も出産したら母乳は自然に出るものだとばかり思っていました。しかし、いざ出産したものの母乳はそう簡単には出ず、病院ではスポイトで1滴1滴搾乳して赤ちゃんに微々たる母乳をあげていました。

退院してからも母乳の量は増えず、でもどうしても栄養満点の母乳を赤ちゃんにあげたいと思い、出ないお乳をひたすら吸わせていまいました。1ヶ月たったころから、少量ですが母乳が増えていきました。完全母乳とまではいきませんが、今は混合で育てることができています。

生活スタイルで混合育児を選択するケース

完全母乳での育児では、頻繁に授乳をしなければならないため、ママの身体が休まらないことがあります。母乳が出づらい場合や赤ちゃんに乳首を吸わせづらい場合には、授乳自体がママのストレスになってしまうこともあるでしょう。ママが病気で薬を飲まなければならないときにも、赤ちゃんへの薬の影響が気になるかもしれません。

母乳育児にミルクを取り入れると、パパやほかの家族がママに替わって赤ちゃんに授乳をすることができます。ママの負担を軽くすることができるだけでなく、ママに用事があるときには、赤ちゃんを預けて出かけやすくなるというメリットもあります。

いったんママの乳首に慣れると哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんも多いため、比較的早期に仕事復帰したいママが混合栄養を選択する、というケースが多いようです。

また、ミルクは母乳に比べて腹持ちが良いため、夜だけミルクを取り入れることで赤ちゃんがよく寝てくれるという場合もあるでしょう。ミルクであれば人前でもすぐに赤ちゃんに授乳できるため、おでかけのときにミルクを取り入れるのもひとつの方法です。

混合育児のやり方!ミルクの量や足し方は?

混合育児の進め方について説明します。

母乳育児をメインにする場合

母乳育児をメインにする場合は、母乳を赤ちゃんに欲しがるだけ与えたあと、足りない分だけミルクを足すようにします。あるいは、夜の授乳のみミルクにするという方法もあります。

ポイントは、ミルクよりも母乳をあげる回数を多くすることです。ミルクを足し過ぎると赤ちゃんが母乳を飲まなくなり、結果的に母乳の量が減ってしまう恐れがあります。また、いくら欲しがるからといってもミルクをあげすぎると、飲みすぎて赤ちゃんが苦しくなり泣いてしまう過飲症候群になることがあるので、十分に注意しましょう。

【小児科医監修】母乳の量を増やす方法は?母乳量を増やすための7つのコツ
母乳の飲み過ぎとは?新生児がうなって泣くのは過飲症候群の可能性も|小児…

ミルク育児をメインにする場合

ミルクは、月齢ごとに定められた量や回数を与えるのが基本です。母乳をあげた回数や飲んだ量によって、ミルクの量を調節しましょう。

ミルク育児をメインにすると、母乳の分泌量が減ったり、赤ちゃんがおっぱいを嫌がったりすることがあります。母乳育児を続けたいのであれば、定期的に搾乳(1日6回程度)したり決まった時間に授乳したりして、母乳の分泌量をコントロールしましょう。

【徹底比較】粉ミルクのおすすめは?選び方と人気メーカー6社の商品特徴

混合育児で夜だけミルクにする場合は?

夜間の授乳を減らしたい、夜はしっかり眠りたいというママに適しているのが、日中は母乳を与え、寝る前や夜間の授乳にミルクを使う方法です。ミルクは母乳に比べ腹持ちが良く、赤ちゃんもママもしっかり眠れることが多いでしょう。

夜だけミルクを飲ませる場合には、母乳を与えてからミルクを与えるのが基本ですが、特に決まりはありません。おっぱいを飲むとすぐに寝てしまう赤ちゃんであれば、ミルクを規定量与えてから、寝かしつけにおっぱいを与えるというママもいます。

混合育児はいつまで?完母への移行の仕方は?

混合育児をいつまで続けるか、特に決まりはありません。厚生労働省が発表した平成27年度の調査結果では、生後1ヶ月から3ヶ月のあいだに混合育児から完全母乳または完全ミルクに移行するママが多いことがわかっています(※1)。

生後1ヶ月生後3ヶ月
母乳栄養51.3%54.7%
混合栄養45.2%35.1%
人工栄養3.6%10.2%

混合育児から完全母乳育児(完母)に移行したい場合は、頻回の授乳によって母乳の分泌量を増やし、赤ちゃんが上手におっぱいを飲めるようにしましょう。1~3時間ごとに1日8回以上、頻繁に赤ちゃんに母乳を与えます。ミルクを与える間隔を徐々に広げていきましょう。

体重が順調に増えていて、おしっこが1日6~7回しっかりと出ていれば、母乳だけで栄養が足りています。不安な場合には、赤ちゃん用のスケールをレンタルするなどして、授乳前と授乳後の赤ちゃんの体重を測るのも良いでしょう。

赤ちゃんがおっぱいから上手に母乳を飲めないときは、慣れるまで搾乳した母乳を哺乳瓶で与えるのも良い方法ですが、あまりにも哺乳瓶からの授乳が続くと直接母乳を吸わなくなってしまう可能性があります。心配なときは助産師に相談しましょう。

母乳外来とは?母乳外来を利用するメリットと注意点
完全母乳育児を成功させる6つのコツ!完母での注意点は?【体験談あり】

混合育児は母乳育児とミルク育児の良いとこどり

赤ちゃんの栄養摂取方法は、母乳栄養、混合栄養、人工栄養の3つがあります。どの方法にするか悩んでいる方は、それぞれのメリット・デメリットを比較し、ママ自身や赤ちゃんの体調、様子を考慮しながら検討しましょう。混合栄養は、母乳育児とミルク育児の両方のメリットを良いとこどりできるのがポイントです。授乳の進め方や赤ちゃんの発達に不安があるときは、母乳外来や小児科で相談してみると安心ですね。

あわせて読みたい

【助産師・保育士監修】粉ミルクの作り方は?調乳用の水や温度はどうする?注意点は?
https://mamanoko.jp/articles/28733
赤ちゃんが太る原因はミルク?母乳との違い、正しい与え方と体重が異常に増えたときの対処法は?
https://mamanoko.jp/articles/12153
赤ちゃんが母乳やミルクを吐くのはなぜ?溢乳(いつにゅう)の原因と対処法まとめ
https://mamanoko.jp/articles/29479
離乳食の時期のミルクのあげ方は?余った粉ミルクを活用したレシピ7選もご紹介!
https://mamanoko.jp/articles/13147
【管理栄養士監修】災害や旅行に便利!液体ミルクとは?ママの体験談!飲ませ方や注意点は?
https://mamanoko.jp/articles/31049
完全ミルク育児のメリット・デメリットは?赤ちゃんの寝かしつけ、授乳間隔・量はどうする?
https://mamanoko.jp/articles/28674