【小児科医監修】母乳の量を増やす方法は?母乳量を増やすための7つのコツ
母乳を赤ちゃんへ与えることは、赤ちゃんにもママにも良いことがたくさんあります。しかし、母乳がうまく出なかったり、赤ちゃんがうまく飲めなかったりして不安になるママもいるかもしれませんね。ここでは、母乳を増やす方法と、母乳育児を軌道にのせるためのコツについて解説します。
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目次
母乳を増やす方法はあるの?
ママのおっぱいから母乳が出る仕組みには、ホルモンの分泌と血流が大きく関係しています。母乳を増やすためには、母乳を生成するプロラクチンと、母乳の出を促進させるオキシトシンという2つのホルモンが分泌される必要があります。また、母乳は血液からできているため、血のめぐりを促し、乳腺へ血液をうまく流すことも重要です。
母乳を出すホルモンを適切に分泌させるために、赤ちゃんが母乳を吸う刺激を与えることや、身体を休めるなどしてストレスをためないことが大切です。また血流を良くするために、食事に気を付けることや、身体を冷やさないことを心がけましょう。母乳量を増やすにはマッサージで血流を促したり乳頭をやわらかくするのも効果的とされています。
母乳を増やすコツ1.授乳回数を増やす
産後すぐはあまりたくさんの母乳は出ない傾向にあります。しかし、母乳を出す働きのあるオキシトシンというホルモンは、赤ちゃんがおっぱいを吸うという刺激によって分泌されます。赤ちゃんに乳首を吸ってもらうことで、ママの身体のなかの母乳を作ろうとする働きが活発になり、その後母乳がたくさん出てくるようになるのです。
授乳頻度については、産院によって方針はさまざまあるようですが、基本的には、赤ちゃんが欲しがるだけあげるようにすると良いでしょう。赤ちゃんが母乳を欲しがるサインは以下を参考にしてください。
・目を覚ましたとき
・おっぱいを探すような仕草をしたとき
・手を口に持って行ったり、伸びをしたり、動きが増えたとき
母乳を増やすコツ2.水分をたくさんとる
母乳は8割以上が水分であり、母乳育児をするママにとって水分補給はとても大切です。赤ちゃんが順調に発育するために必要な1日の母乳量は、目安として体重1キロあたり150mL程度といわれています。よって、6キロの赤ちゃんであれば約900mL前後の母乳を飲むことになります。
授乳中のママは、通常の成人が一日に必要とされる1Lの水分に加えて、母乳分の1L、合わせて一日2Lを目安に水分補給することを心がけましょう。ただし、食事で摂取する水分もあるため、全てを水で補給する必要はありません。
みそ汁や野菜スープは食事の中でも水分補給ができますね。ノンカフェインのコーヒーなどで一息つくのもおすすめです。他にもママにおすすめの飲み物があるのでお気に入りを探してみてください。
母乳を増やすコツ3.身体を休める
産後すぐは授乳間隔が1時間しかないこともあり、少し飲んでは眠り、またすぐに起きて少し飲んでは眠ることの繰り返しです。ママは授乳が終わった後も、家事などがあり、休息不足、睡眠不足になりがちでしょう。
しかし、休息や睡眠が不足するとストレスがたまったり、母乳がうまく生成されなくなってしまったりします。少しでもリラックスする時間を作れるように、家族にも協力をしてもらうようにしましょう。時には赤ちゃんと一緒にお昼寝をするのも良いですね。
休息時間のために、ミルクをうまく利用することも考えてみても良いかもしれません。授乳の間隔が短すぎて休息できないときなど、ミルクであればパパに作ってもらい、その間休息することもできますね。ママがリラックスできることで、結果母乳の出が良くなることもあるでしょう。
母乳を増やすコツ4.血行を良くする
母乳は血液からできているため、血行が悪くなると母乳の出も悪くなるといわれています。血行を良くするために、身体を冷やさないように心がけましょう。授乳前に蒸しタオルでおっぱいを温めるのも良いでしょう。
軽いストレッチをして身体をほぐすこともおすすめです。赤ちゃんと散歩に出かけるのも、気分転換になって良いですね。特に肩こりがあると、おっぱい付近の血流が悪くなります。母乳量を増やすにはマッサージや肩回し、首回しなどでこりを解消しておきましょう。
また、おっぱいを締め付けることは血流の妨げになるため、さけるようにしましょう。下着は、ゆったりと心地よい授乳専用のブラジャーをつけることをおすすめします。下着以外にも、できるだけ締め付けのない服を着るようにしましょう。
母乳を増やすコツ5.母乳マッサージ
母乳マッサージをすることで血行が促進されるため、母乳も出やすくなるといわれています。また、産後すぐは、おっぱいが張って乳輪が硬く、赤ちゃんが上手におっぱいを飲めないことがあります。
乳輪の硬さが原因で授乳がうまくいかない場合にも、おっぱいマッサージは効果があるとされています。赤ちゃんが飲む母乳量を増やすために、マッサージで乳頭をやわらかくしておくと良いでしょう。
また、乳腺炎を起こしている際に、おっぱいマッサージが施されることもあります。自分でマッサージする場合は、しこりのある部分から乳頭に向かってやさしくマッサージするようにしましょう。おっぱい全体を動かしたり、強い力で圧迫したりすることは控えてください。
母乳を増やすコツ6.ミルクと母乳のバランスを調整する
ミルクは母乳より腹持ちが良いとされているため、ミルクを与える量が多いと、その分赤ちゃんが母乳を飲まなくなることがあります。また、赤ちゃんが母乳をあまり飲まなくなり、授乳間隔が長くなると、乳頭からの刺激が少なくなるため、母乳の生成が促進されなくなってしまうようです。
母乳の量を増やしたい場合は、できるだけ母乳をあげるようにして、ミルクは最小限にしてみてください。もし、母乳が出ない場合でも、乳頭に刺激を与えることを目的に、母乳を吸わせるようにしてみましょう。刺激により、徐々に母乳の生成が促進されることもあるようです。
母乳を増やすコツ7.バランスの良い食事
血流を良くし母乳を増やすために、また産後の身体をサポートするためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。授乳中には、白米などの主食を中心に、不足しがちなビタミン・ミネラル・カルシウムを補うことを心がけると良いとされています。ただし、サラダなどの生野菜や果物は、取りすぎると身体を冷やす可能性があります。身体を温めるといわれる、ごぼう、芋類、大根、レンコンなどの根菜を積極的にとるようにしましょう。
授乳中のママは出産時の出血による貧血から回復していなかったり、母乳に鉄分をとられていたりして、貧血になりやすい状態です。プルーンなどのドライフルーツや、牡蠣、レバー、赤身のお肉、ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどを意識して摂るようにしましょう。
また、授乳中は1日に2,300±300kcalほどのエネルギーが必要とされています。妊娠中に増えた体重を落とそうとカロリーを抑えた食事をしようとするママもいるかもしれません。しかし、極端なカロリー制限は母乳の分泌や赤ちゃんの発育に影響を与えると考えられています。バランスを考えた食事で、しっかりと栄養とカロリーを摂取するようにしましょう。
ママと赤ちゃんに合った授乳ライフを
母乳がうまく出なかったり、赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めなかったりすると、不安になることがあるかもしれません。ときには、母乳を過度にすすめる周りの声や、情報に思い悩んでしまうこともあるかもしれません。
しかし、母乳の出方や赤ちゃんの調子には個人差があるため、これが正解というものはありません。完全母乳・完全ミルクなど、ひとつのスタイルにこだわり過ぎず、そのときの調子にあわせた授乳ができるようになると、気持ちにゆとりができるのではないでしょうか。
大切なのは、ママも赤ちゃんも笑顔でいられることです。母乳にこだわりすぎて、母乳がうまく出ないときに、ママだけで思い詰める必要はないですよ。家族のサポートや、産院・助産師に相談することで、リラックスした授乳ライフが送れると良いですね。
※この記事は2024年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。