【小児科医監修】月齢別の授乳時間・間隔・回数の目安は?
赤ちゃんのお世話が始まると、授乳のタイミングや時間、回数はこれで良いのだろうかと悩んでしまうことがありますよね。赤ちゃんによっては、よく眠っていてあまり母乳やミルクを欲しがらない子もいれば、1日に何回もおっぱいを飲みたがる子もいます。月齢別の目安などを小児科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
授乳時間・授乳間隔に決まりはあるの?
産院を退院してからいよいよ本格的に赤ちゃんのお世話がスタートします。育児をスムーズにすすめるために、授乳時間や間隔を知っておきましょう。
授乳は3時間おき?いつまで3時間おきなの?
生後1ヶ月頃までは、1日8~12回以上、数分~5時間程度おきの授乳が目安とされています(※1)。そのため、一般的には3時間おきの授乳を指導されることが多いでしょう。しかし、赤ちゃんによっては、1~2時間ごとに頻繁におっぱいを欲しがったり、逆に3時間以上の間隔があいたりするケースもあります。
3時間以上授乳時間が空いてしまうこともありますが、あまり神経質になるとかえってストレスになります。1日に6回以上しっかりとおむつが濡れており、体重が順調に増えていれば、細かく気にする必要はありません。
3時間おきの頻回授乳がいつまで続くのか不安になるママもいるかもしれませんが、生後1ヶ月を過ぎると、赤ちゃんの生活リズムが少しずつ整ってきます。生後2ヶ月~3ヶ月になると、母乳やミルクを飲むタイミングが一定になり、生後3ヶ月・4ヶ月ころになると、授乳間隔が4時間以上になる赤ちゃんも多いでしょう。
しかし、なかには生活リズムが整うのに時間がかかる子もいます。一時期回数が減ったと思っても、成長に応じて回数が増えることもあります。授乳間隔や生活リズムがなかなか整わなくても、あまり心配しないでくださいね。
授乳の基本は赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ
生まれたばかりの赤ちゃんは、生活リズムが一定ではありません。基本的には、赤ちゃんが泣いたときや欲しがったときに母乳やミルクを飲ませるようにします。
粉ミルクは母乳に比べて腹持ちが良いことから、粉ミルクの赤ちゃんは3時間授乳間隔をあけたほうが良いと以前はよくいわれていました。しかし、最近では、赤ちゃんが粉ミルクを飲む場合にも、欲しがるときに欲しがるだけあげる自律哺乳を推奨する医療関係者もいるようです。
母乳やミルクを飲ませる時間について、あまり細かいことにこだわる必要はありません。赤ちゃんが満足するまでたっぷり飲ませてあげましょう。
母乳育児の場合、授乳間隔が安定するまでは慣れない授乳で乳首を傷めてしまうことがあります。傷口から雑菌が入り化膿することもあるので、日ごろのケアを大切にしましょう。あまりにもおっぱいをくわえている時間が長く、苦痛を感じた場合は、抱っこやおもちゃであやすことも試してくださいね。
赤ちゃんがお腹をすかせたサインは?
一般的には、赤ちゃんがお腹をすかせると泣いてママに知らせてくれることが多いでしょう。しかし、なかにはあまり泣かない赤ちゃんもいます。泣かないからといってお腹がいっぱいとは限りません。おっぱいを探す動作や、自分の手をくわえる仕草をしているときは、お腹が空いている可能性があります。授乳を試してみましょう。
産後すぐは1日8回以上の授乳がおすすめ
赤ちゃんが欲しがるたびに母乳を飲ませることを頻回授乳と呼びます。母乳は乳頭への刺激がスイッチとなって作られます。母乳の分泌を良くするには、頻繁に飲ませることが大事です。母乳育児を軌道に乗せるために、産後すぐは少なくとも1日8回以上を目安にしましょう。
月齢が上がりママと赤ちゃんのリズムが整ってくると、ママのおっぱいも赤ちゃんが母乳を欲しがるタイミングにあわせて張ってくるなど、一心同体のようになってきます。また、夜間は赤ちゃんのリズムに任せて問題ないでしょう。
月齢別の授乳時間・間隔・回数の目安
月齢ごとの授乳時間や間隔、回数の目安を記載します。あくまでも目安なので、赤ちゃんの様子を見ながら参考にしてください。
授乳時間 | 間隔 | 回数 | |
新生児・生後1ヶ月 | 目安は10分以内 | 2~3時間おき | 8回以上 |
生後2ヶ月・生後3ヶ月 | 目安は20分以内 | 3~4時間おき | 6~8回 |
生後4~6ヶ月 | 目安は20分以内 | 4~5時間おき | 5~6回 |
生後7~9ヶ月 | 目安は20分以内 | 4~5時間おき | 4~6回 |
生後10ヶ月以降 | 目安は20分以内 | - | 2~3回 |
生後6ヶ月頃から離乳食が始まります。離乳食をスタートさせても母乳育児を続けましょう。母乳には月齢に応じた栄養素が含まれています。また、離乳食の消化を促す酵素も多いため、たっぷり飲ませてあげましょう。
離乳食が進むにつれて授乳の回数は少しずつ減っていくのが一般的です。しかし、母乳育児をスムーズに続けるために、断乳まで1日6~8回、3時間おきの授乳を続けるべきだという考え方もあります。ママと赤ちゃんにあった授乳間隔・授乳回数を見つけられると良いですね。
新生児・生後1ヶ月頃の授乳時間・間隔・回数の目安
新生児・生後1ヶ月頃の赤ちゃんは、一度に飲める母乳・ミルクの量がまだ少ないため、頻繁に授乳をすることが多いでしょう。特に母乳育児の場合には、頻回授乳をすることが母乳の分泌を促すことになります。1日最低3時間おき、8回以上の授乳をすると母乳育児がスムーズにスタートできるといわれています。
生後2ヶ月・生後3か月ごろの授乳時間・間隔・回数の目安
生後2~3ヶ月になると、赤ちゃんが一度に飲める母乳・ミルクの量が増えてきます。1回の授乳時間は、赤ちゃんが自分から口を離すまでを目安にすると良いでしょう。
生後2~3ヶ月になると、赤ちゃんの日中の授乳間隔が3時間おきに安定するケースが多いといわれています。しかし、この時期に頻回授乳になる赤ちゃんは珍しくないので、心配しないでくださいね。
生後4~6ヶ月頃の授乳時間・間隔・回数の目安
生後4~6ヶ月頃には、1日の授乳回数の目安は5~6回、昼間の授乳間隔は4~5時間あくといわれています。しかし、一度に飲める母乳・ミルクの量は赤ちゃんによって異なります。
この時期は頻回授乳を続けているママ少なくありません。3時間おきの授乳をいつまで続けるのか気になっているママもいるでしょう。頻回授乳が赤ちゃんとママにとって負担がないのであれば問題はありません。
ただし、この時期になると少しずつ赤ちゃんの昼夜の生活リズムが整うといわれています。赤ちゃんが夜にぐっすり寝ているのであれば、3時間おきの授乳のために起こす必要はなく、毎日の生活リズムを整えることを意識してみると良いでしょう。
生後7~9ヶ月頃の授乳時間・間隔・回数の目安
生後7~9ヶ月頃の赤ちゃんは、4~5時間ごとに1日4~6回の授乳が目安といわれています。離乳食が進んでくるにつれて1回の授乳時間・授乳量も減り、授乳回数も少なくなる赤ちゃんが多いでしょう。
離乳食が進むにつれ、赤ちゃんは必要な栄養素の多くを離乳食から摂ることができるようになります。しかし、授乳には栄養を摂るという役割のほかに、赤ちゃんとのスキンシップの役割もあります。ママに甘えたい気持ちからおっぱいを欲しがる赤ちゃんもまだ多いでしょう。
生後10~12ヶ月頃の授乳時間・間隔・回数の目安
生後10~12ヶ月頃になると赤ちゃんの離乳食も進み、授乳量・授乳回数が少なくなるケースが多いでしょう。離乳食のあとにのみ授乳をするというママも多いのではないでしょうか。しっかりと離乳食を食べてくれる赤ちゃんの場合は、この時期に自然に卒乳したり、1歳前後に断乳を検討したりするケースもあるでしょう。
一方で、ママのおっぱいが大好きで、日中も夜間も3時間ごとに授乳しているケースは珍しくありません。離乳食がまったく進まないのでなければ、授乳を続けていても問題はないでしょう。
WHOでは最低2歳までの授乳を勧奨していますので、食事の影響にならない範囲でしたら、続けていても問題はありません。
生後100日を越えると赤ちゃんの授乳・生活リズムが安定
生まれてすぐあとから生後100日ごろまでは、赤ちゃんの授乳や生活リズムがなかなか安定しません。また、おっぱいの張り、睡眠不足やストレスを感じるママは多いでしょう。昔の人は生後すぐの育児の大変さを「100日の辛抱」と呼びました。同時に赤ちゃんのあらゆることに気を配り、大切に育てる時期と考えていたようです。
しかし、生後100日を過ぎたころからは、授乳間隔や睡眠リズムが整ってくることが多いでしょう。ママの身体も、赤ちゃんがおっぱいを欲しがるときだけ母乳を分泌するなど、変化を感じられます。
生後間もない時期は先の見えない不安を感じてしまうかもしれませんが、いずれ落ち着くようになるでしょう。また、ママも出産の回復が必要なときです。家族に育児を協力してもらう、家事を休んで自分も休憩するなどして、つらい時期を乗り切るようにしましょう。
※この記事は2024年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。