ジーナ式スケジュールとは?ジーナの寝かしつけ・育児は難しくない!?

イギリス人のカリスマ・ナニー、ジーナの育児本は、生後2ヶ月の赤ちゃんも朝までぐっすり眠ってくれると、ネントレのバイブルとして世界中で人気を集めています。ここでは、1日のスケジュールを定めた、「ジーナ式」と呼ばれる育児法を基本的な考え方からわかりやすく紹介し、ママが生活スケジュールを組みやすくなるようにお手伝いします。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 「ジーナ式」スケジュールとは?
  2. 「ジーナ式」育児の考え方
  3. 「ジーナ式」スケジュールを取り入れるためのポイント
  4. 生後3ヶ月までのジーナ式スケジュール
  5. 実は寝かしつけだけではない「ジーナ式」育児
  6. ジーナからママへの応援コメント5選
  7. 生活リズムを作ることはかわいそうではない
  8. あわせて読みたい

「ジーナ式」スケジュールとは?

「ジーナ式」とは、マタニティナース(出産後住み込みでママと赤ちゃんのお世話をする職業、特別なトレーニングが必要)であり、ナニーでもあるジーナ・フォードが編み出した育児法のことです。彼女は世界中で300人以上の赤ちゃんのお世話をし、病院でのお世話の様子をみながら「ジーナ流生活スケジュール」を作り上げました。

ジーナ式スケジュールについて書かれた初版が1999年に出版されると、英国で75万部以上を売り上げ、ベストセラーとなりました。日本では「カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとお母さんの快眠講座」として2007年に出版され、授乳やネントレに悩む多くのママに参考にされています。

カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座
¥1,404〜(2018/10/26 時点)

著者:ジーナ・フォード

「ジーナ式」育児の考え方

ジーナ式と聞くと、「スケジュール管理が大変」といった印象を持つママが多いのではないでしょうか。確かに「赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」では、新生児から12ヶ月目に向けての授乳や睡眠のスケジュール表がたくさん出てきます。

数週間ごとにスケジュールが変わっていくので、とても覚えきれないと感じてしまいますよね。本の中でも「スケジュール通りにできない」というママの声が紹介されています。

ところが、ジーナ自身も「スケジュールに厳格になり過ぎずに柔軟に対応することがポイント」「赤ちゃんの本来もっているリズムのお手伝いをしているだけ」と言っています。これはどういうことでしょうか。

スケジュールで早寝早起きのリズムを身につける

ジーナは、赤ちゃんが昼夜のリズムに慣れることが大事と考えています。そのため、昼間にたくさん栄養を摂り、夜にしっかり眠るという習慣をこのスケジュールで伝えようとしています。とはいえ、生まれたばかりの赤ちゃんは深夜も授乳が必要なので、産後の週数ごとにスケジュールは調整されています。

「ジーナ式」はママをスケジュールでしばるのではなく、ママを楽にすること

ジーナ式のスケジュールを新生児期から実践していくと、早ければ産後2ヶ月過ぎには、夜7時に赤ちゃんを寝かしつけた後にママはゆっくりと自分の時間を持つことができるそうです。

ジーナは、第二子以降の赤ちゃんの場合は、全てのお世話ををスケジュール通りに進めるのは難しいので、起床と就寝のタイミング、お昼寝の合計時間を守るようにアドバイスしています。それは、赤ちゃんが夜眠ることができれば、そのあいだにママは自分の時間を持つことができるからです。

繰り返しすすめられている電動搾乳機については、ママが朝の元気なうちに搾乳しておくと、夜の授乳や寝かしつけをパパや他の家族にお願いできるというメリットがあると伝えられています。「赤ちゃんとお母さんの快眠講座」には、母乳育児を成功させためにはママがリラックスしなければならないという思いが込められています。

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ジーナが考える母乳やミルクを欲しいだけあげることのデメリット

ここ数年日本では母乳育児を続けるためには、赤ちゃんが自分で欲しがるときにだけ飲ませればよい、眠っているときには無理に起こさなくても大丈夫というアドバイスを聞くことが増えてきました。この考えは本の中で「ディマンド(欲しい)・フィード(あたえる)」と紹介されており、ジーナは強く反対しています。

反対する一番の理由は、生まれたばかりの赤ちゃんは、自分からはおっぱいを欲しがらずに眠っていることが多いというものです。特に低体重児や双子の赤ちゃんは、新生児のうちは体力が十分でないためか、泣いて自発的におっぱいを欲しがらないことが多く、そのままにしておくと脱水症状を起こす危険性があると指摘されています。

産後の授乳体験

難産で生まれたうちの赤ちゃんは、退院して2週間ほどで夜の12時から朝まで寝続けていました。楽な良い子と思っていましたが、体重が思うように増えず、1ヶ月健診で医師に怒られました。この本を読み、新生児のうちは起こして飲ませるべきだったのだとようやく反省しました。

「ジーナ式」スケジュールを取り入れるためのポイント

新生児から始める

ジーナ式スケジュールは、赤ちゃんが昼夜の生活リズムを身につけるための方法なので、スタートが早ければ早いほど成功する確率が高いようです。生後数ヶ月たってから始めようとすると、そのあいだに身についた習慣がさまたげになり、赤ちゃんがジーナ式に慣れるのに時間がかかるとされています。

慣れるのに時間がかかるとはいえ不可能ではないので、新生児から始められなかったママにも、寝かしつけに悩んだらジーナ式を試すことがすすめられています。数週間試してうまくいかなくても気にしないようにとも書かれていますよ。

母乳・ミルクは活動のためのエネルギー

ジーナさんは、授乳を寝かしつけに使うことに反対しています。ジーナ式スケジュールをよく見ると、昼間の授乳の後はすぐに寝かさないように注意とされています。大人が朝ごはんや昼ご飯を食べてエネルギーとしていることと同様に、赤ちゃんにとっては母乳やミルクが活動のためのエネルギーだからです。

授乳で寝る習慣がつくと、赤ちゃんが授乳中に寝てしまって十分に栄養が摂れず、授乳回数が増えることがあるようです。ママやパパは寝かしつけようと夜に頻繁に授乳するようになり、昼間に赤ちゃんのお腹が空かず、ミルクや母乳が飲めなくなることもあるとされています。

ジーナ式では、夜の授乳は静かな暗い部屋で刺激を与えずに行うことをすすめています。夜は眠る時間だと赤ちゃんに覚えてもらうことがネントレの基本のようですね。

赤ちゃんを寝かしつける儀式を作ろう

抱っこしていないと赤ちゃんが寝ついてくれなくなり、夜ずっと抱っこでゆらゆらしていたという体験談を聞いたことがあるママは多いのではないでしょうか。

ジーナさんは、赤ちゃんが間違った眠りの儀式を覚えると、自分で深い睡眠につけなくなると書いています。夕方の授乳でお腹がいっぱいになった後は、落ち着いた雰囲気でお風呂を済ませ、新生児のうちから赤ちゃん用の寝室で薄暗い照明で授乳するようにアドバイスしています。授乳の後は、赤ちゃんが寝る前にベビーベッドに移すと良いとのことです。

夕方の慌ただしい時間に、授乳・入浴・寝かしつけと続くので大変に思うママは多いでしょう。ジーナさんによると、この習慣に慣れた赤ちゃんの多くは、入浴後の授乳が終わる時間帯にはベッドに寝かせられると自然と眠りにつくようになり、夜10時の授乳が終わった後は朝7時までぐっすり眠れるそうです。

昼と夜とでママの接し方を変えるのも、寝かしつけ成功の秘訣だと言います。昼間は笑顔で話しかけながらの抱っこ、夜は静かにそっと抱きしめるだけにし、昼間は鮮やかな色の絵本、夕方になると淡い色合いの絵本を静かに読み聞かせる、といったメリハリをママが取り入れることで、赤ちゃんが夜は静かに眠る時間なのだと納得しやすくなるようです。

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生後3ヶ月までのジーナ式スケジュール

以下は、生後3ヶ月までのおおまかなスケジュール表です。ジーナ式ではスケジュールが成長にあわせて変わっていくので、詳しくは「赤ちゃんとお母さんの快眠講座」を参考にしてみてくださいね。

実は寝かしつけだけではない「ジーナ式」育児

日本ではネントレ本として有名ですが、ジーナさんの本の原題は「満ち足りた小さな赤ちゃんの本(The New Contented Little Baby Book)」です。そのため、この本の中にはママがおだやかな気持ちで赤ちゃんに接するためのヒントがたくさん書かれています。

たとえば、出産前に準備するものが細かく書かれており、ベビーコットンやベビーオイルなどの必ず使う消耗品や、トイレットペーパーなどの生活必需品は余分に買っておくようにアドバイスされています。一方で、ベビーバスは、赤ちゃんが大きくなってすぐに使えなくなるために不要と書かれています。

母乳やミルクを与えるときに、ママがゆったり座れるようなひじ掛けつきの椅子を用意することもすすめられています。母乳育児の赤ちゃんでも哺乳瓶に慣れる機会を作り、パパが育児に参加できるようにするということも、この本に込められた想いのひとつです。

ジーナからママへの応援コメント5選

「赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」には、ネントレアドバイスだけではなく、新米ママを応援するメッセージがいくつも出てきます。その中から5つ紹介しますね。

赤ちゃんがリズムをなかなかつかめなくても、あなたは「ダメなママ」ではありません。

「どうしてうまくいかないのだろう」と思い悩まないで、次の日にもう一度試せば良いだけ。

ミルク育児を選んだママへ、おっぱいでなければ赤ちゃんとの絆をはぐくめないという意地悪なコメントは無視してください。

赤ちゃんが寝つこうとして泣いていても、罪悪感を抱く必要はありません(小さい赤ちゃんは平均して1日2時間は泣くそうです)。

ママがスケジュールにあわせて生活するのが苦痛であれば、どうぞ中止してください。赤ちゃんが夜中に目を覚まして疲れ切ってしまったときは、どうかもう一度本を手に取ってください。

生活リズムを作ることはかわいそうではない

ジーナ式に関しては、「赤ちゃんの生活をネントレのためにスケジュール表に押し込めてかわいそう」という意見はあります。昼夜の区別がはっきりしない赤ちゃんに、昼は遊んで夜はしっかり寝てというリズムに慣れてもらうと考えると、少し受け止め方が変わってきますよね。

完璧に「ジーナ式」スケジュール通りというのは難しくても、朝7時には起こすこと、日中の授乳の後はしばらく遊ばせること、夜は静かに過ごすことから始めてみても良いかもしれませんね。

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